Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Tuesday, March 13, 2012

●私とは何か?




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子育て最前線の育児論byはやし浩司   2013年 3月 19日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【健康的優越感について】「明日は我が身」の健康論

●貧者の暖房法

 朝、起きる。
すぐウォーキングマシンに乗る。
30分、歩く。
時速は6キロ。
20分を過ぎたところで、汗が流れ始める。
ときどき、駆け足を混ぜる。
呼吸が激しくなる。
あと5分……
あと2分……
あと1分……
ピーと合図音が鳴って、マシンは停止。
タオルで顔をぬぐう。
体を乾かす。
服を着る。
ワイフが用意してくれた緑茶をググーッと飲む。

 気温は5度。
しかし暑い!

 これ称して、「貧者の暖房法」。

●ある老人

 昨日、ある老人ホームで、1人の老人と話をした。
付属のレストランで、横に並んだ。
年齢は75歳と言ったが、「???」。
何を言っているか、さっぱり理解できなかった。

「ここに住んで、何年になりますか」と私。

「……オラ、エエと、……モゾモゾ……ブツブツ……」と。

 脳梗塞か何かで、脳にダメージを受けているらしい。
見た感じでは若く、肌もツヤツヤとしていた。
質問をすれば何かを答えてはくれるが、意味がわからない。

 75歳といえば、11年後。
が、本当に75歳だったかどうかは、疑わしい。
ワイフは、「70歳くらいじゃない?」と言った。
私には、私と同年齢の、64歳に見えた。

●健康優越感

 そのときふと、私の心の中を、不愉快な感覚が横切るのを感じた。
優越感である。
「私は健康である」という優越感。
低劣な自己満足。
それが心の中を横切るのを感じた。

 といっても、それがわかるようになったのは、ごく最近のこと。
私の知人の中には、自分が健康であることを、ことさら自慢する人がいる。
健康であることに感謝するのはよい。
が、その返す刀で、相手に向かって、あれこれと説教を始める。
そのとき、先に書いた「不愉快な感覚」に襲われる。

私「最近、どうも体の調子が悪くてね」
男「ぼくは、平気だよ。毎朝、近くの湖を一周しているよ」
私「睡眠調整に、苦労することもある」
男「快眠、快便……これがぼくの健康法でね。今のところ、快眠、快便だよ、ぼくは……」
私「無理ができない体になった」
男「林君も、毎朝、ジョギングをしたらどうかね」と。

●明日の私の姿

 相手は、そう言いながら、自分が健康であることを自慢する。
同時に、私に対して、優越感を覚える。
そのときの雰囲気から、それがよくわかる。
相手はそれでよいとしても、言われた私のほうは、イヤ~ナ気分になる。
そのイヤ~ナ気分が、裏返しとなって、私の心の中を、横切る。
先に書いた「不愉快な感覚が横切るのを感じた」というのは、それをいう。

 だから……。
こと健康に関しては、優越感など、もたないほうがよい。
もてばもつほど、逆の立場に立たされたとき、その何倍も、苦しむ。
そうでなくても、私たちの健康は、加齢とともに、不可逆的に後退する。
老人ホームで会った男性にしても、それはまさに、「明日は我が身」。

●腹筋運動

 そのことを今朝、朝食のときにワイフに話すと、ワイフがこう言った。
「そう言えば、あのXXさん、あの人も、そうね」と。

 XXさん……私とほぼ同年齢。
知りあって、もう30年になる。
が、若いときから、自分の健康を自慢している。
あるときは、私に腹筋運動をさせた。
まっすぐ上を向いた状態で寝て、上半身を上に起こすという運動である。
「やってみなさい」と言うから、やってみせた。

 そのときXXさんは、私がそれをできないと思ったらしい。
が、私は軽々と、それをやってみせた。
10回、20回……。
腹筋は、自転車で鍛えてある。

 XXさんは、「ありえない」という顔をして、驚いていた。
「すごいですね」と、何度も言った。

で、つぎに今度は、自分でそれをしてみせた。
毎日鍛えているらしく、私より軽々と、それをしてみせた。
つまりXXさんは、それを自慢したくて、先に、私に腹筋運動をさせた(?)。
イヤ~ナ性格。
しばらくして、それがわかった。

私「そうなんだよな、あの人。会うたびに健康の話をする」
ワ「毎朝、3~4キロは、走っているそうよ」
私「それはその人の勝手だけど、だからといって、そうでない人を下に見てはいけないよ」
ワ「そうね」と。

 私の年齢になると、そういうイヤ~ナ人が、ふえてくる。
それとなく自分の健康を、自慢する。
そういうとき私はすかさず、こう思う。
「だから、それがどうしたの?」と。

 それは金持ちが、金をもっていることを自慢するのに、似ている。
あるいはもしあなたの隣人が、あなたにこう言ったとしたら、あなたはどう感ずるだろうか。

「私ね、宝くじで1億円を当てましたよ。それにねFX取り引きで、1億円。この年末だけで、2億円儲けましたよ」と。

 あなたはイヤ~ナ気分に襲われるはず。
明日の生活費に困っているなら、なおさら。
少しでも分けてもらえるなら、話は別。
しかしそうでないなら、あなたはこう思うだろう。
「だから、それがどうしたの?」と。

●不愉快な感覚

 健康であっても、また健康でなくても、それは個人の話。
中には、会うたびに自分の病気の話をする人もいる。
相手の同情を買うために、である。

 これもまた不愉快。
そのつど、別の同情のし方を考えなければならない。
が、それでもわからなければ、こんな会話を想像してみればよい。
あなたが、がんか梗塞か、何かの大病になったとする。
そのとき……。

私「私ね、先月、心筋梗塞で入院しました。近くバイパス手術を受けます」
相「私は健康です。昨日もプールで、2000メートル泳いできました」と。

 あなたは自分の病気のことを話したのを、後悔するはず。

 つまりこれが冒頭に書いた、「不愉快な感覚」ということになる。
言い換えると、健康的優越感など、そこらの成り金男が感ずる優越感と同じ。

人間に優劣はない。
命にも優劣はない。
健康にも優劣はない。
が、ふと油断すると、その優越感を覚えてしまう。
それがイヤ~ナ気分を引き起こす。

 ……ということで、あなたの周囲にも、1人や2人、このタイプの人がいるはず。
健康であることを、それとなく自慢する人。
長寿であることを、それとなく自慢する人。
中には、婿や嫁、さらには孫に囲まれ幸福そうな写真を送ってくる人もいる。
(そう言えば、今年の年賀状の中には、そういう年賀状があったぞ!)

気持ちはわかるが、世の中には、そうでない人も、多い。
そうでない人にとっては、そういう自慢たらしい行為は、ただの当てこすりでしかない。
そういう当てこすりが平気でできる人というのは、そのレベルの人。
成り金が、札束の上に座った自分の写真を見せびらかすのと、どこもちがわない。
あるいはどこがどうちがうというのか。

 ……というのは、私のひがみかもしれない。
しかし、健康的優越感などというものは、早晩、かならず崩壊する。
今は健康でも、いつまでもそれがつづくとは、かぎらない。

●有料老人ホーム

 有料老人ホームを出たあと、私とワイフはそのあたりを歩いてみた。
まだのどかな田園風景が、あちこちに残っていた。

私「そのうち、いっしょに、ここに入ろうか」
ワ「ここなら、私もいいわ」と。

 ただし……有料といっても、要支援度、もしくは介護度がつかないと入居できない。

私「あえて介護度をつけてもらうのもどうかと思うし……」
ワ「できるだけ、あとにしたいわね」と。

 みなさんも、そういった老人を見かけたら、こう思ったらよい。
「明日は、我が身」と。
とたん、おかしな健康的優越感は、吹き飛んでしまうはず。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 健康論 健康的優越感 低劣な優越感 はやし浩司 優越感 低劣性)2012/01/30記


Hiroshi Hayashi+++++++Jan. 2012++++++はやし浩司・林浩司
 
【はやし浩司 2012-01-31】雑感・あれこれ(改)

●BLOG(千葉県のE氏より)

 BLOGへのアクセス数が、ふえている。
コメントもふえている。
もちろん辛らつなものも、ある。

 千葉県に住む、E氏(たぶん、若い父親)からは、「呆」(「阿呆の呆」)と題して、つぎのようなものが届いている。

が、「アホウ」とは?

 題名で、「アホウ」と書きながら、内容は実に慇懃(いんぎん)無礼。
ただし私のことを「はやし先生」と書く人はいても、「林先生」と書く人はいない。
外部の人では、はじめてではないか?


『呆、

老後の自分の面倒を見てもらう為に、愛情もない相手と結婚して、子供を作り、育てるって事ですかね。そんな世界で生きていて、なんの価値があるのでしょう。
世の中は地球規模で変化をし進化をしているのです。
夫婦、家族、恋愛... 全ての形が多様化しているのです。新旧色々あって良いじゃないですか。

結局、林先生は御自分の意見が正しいと思い切り主張していて、読んでいてがっかりです。
ちなみに私は、子供がどこでどんな生き方をしても良いと言える親をずっと目指します。
子供には子供の人生があるのですから。
それを家族崩壊とは思いません。

むしろ、親の面倒で子供を縛りつけている方が家族崩壊じゃないのですか?
親の近くにいようが遠くにいようが子供が良い人間で幸せなら、親としても幸せなはず。
林先生は子離れ出来ていないのですね。
そんなに親の面倒を子供が見るのが当たり前だと思うのなら、御自分のお子さんに『私の面倒をみろ』と、言ったら良いのに!

 千葉 Eより』と。

 ……ほかにも同氏より、5~6通、同じような内容のものが届いている。
「阿呆」という題名もすごいが、「愛情もない相手と結婚して……」と、我が家をのぞき知っているような内容が、恐ろしい。(ハハハ)
事実、その通りだから、反論のしようもないが……。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●養命酒(YOMEISHU)

 去年、オーストラリアへ行った。
そのとき、みやげに養命酒をもっていった。
が、これが大好評。
ワインには、ことさらうるさい南オーストラリア州の友人まで、「おいしい」と言った。

 ……ということで、数日前、私たちも養命酒を飲むことにした。
(本当は、衝動買い。)
が、私は、基本的には、酒は飲めない。
そういう体質だが、たしかに飲みやすい。
甘くて、おいしい。
そこで昨夜、それをグラスに一杯ほど、飲んだ。
……飲んでしまった。

 おかげで今朝は、軽い頭痛。
明らかに二日酔い。
起きるとすぐ、お湯をがぶ飲み。
今も、お茶をたてつづけに飲んでいる。


●友人のお嬢さんの結婚式

 今度、友人のお嬢さんが結婚することになった。
招待状が届いた。
2年前には、姉。
すばらしい結婚式だった。

そして今度は、妹さん。
赤ちゃんのときから、よく知っている。
2年前、友人と2人で、我が家へ来てくれた。

今のところ出席するつもりでいる。
しかし……、オーストラリアは遠い。
今回は、どうしようか?
日程の調整がむずかしい。
迷っている。
この1週間のうちに、結論を出さなければならない。


●今日で、1月も終わり

 今日は31日。
「もう31日か……」と思ったところで、思考停止。
ぼんやりと、外の明かりをながめる。
カーテン越しに、橙色の朝日が、部屋の中に注ぎ込んできた。

 今日も寒い1日に、なりそう。
……そんなことを考えていたら、庭でカラスが鳴いた。
スズメの餌をまいているが、最近は、カラスまでやってくるようになった。

 そう言えば、そろそろ畑づくりを始めなければならない。
春は近い。


●YOUTUBE

 先ほど、ビデオを4本、YOUTUBEにUPした。
が、これに30分ほど、時間がかかる。
(時間帯にもよるが……。)
しばし待つ……。

 チャンネル登録者が、30日ごとに集計される。
それを見ると、毎月、5~10人ずつ、ふえている。
現在、400人前後。
今朝も、アメリカの人が、チャンネル登録をしてくれた。
そのつど、メールでYOUTUBEから、連絡が入る。
プロフィールを見ると、22歳の女性。

 「この人も、日本語の勉強をしているのかな?」と、そんなことを考えた。


●有料老人ホーム

 このところ各所の有料老人ホームから、案内書がよく届く。
昨日も届いていた。
どこかで私の住所と名前が、売買されているらしい。
が、選ぶ側としては、慎重にならざるをえない。
そこが「終の棲家(ついのすみか)」になる。

 有料老人ホームといっても、いろいろある。

 健常者が入居できるホームもあれば、要支援度、介護度がついた老人のみというホームもある。
さらに医療施設や、特養、さらにはレストランと連携しているホームもある。
当然、後者ほど、月額の費用も高額となる。
ワイフは、「家と土地を売れば、何とかなる」と言っている。
どこまでも楽天的。
私は私で、ピンコロを目標にしている。
どこまでも、悲観的。

 ……で、こうしてたまったパンフレットが、もう20通近くになる。
ワイフはそれをながめながら、どこか楽しそう。
私はそれをながめながら、頭の中で料金の計算ばかり。
この世の中、生きるのもたいへん。
死ぬのもたいへん。

 ……たった今、YOUTUBEへのUPが終了した。
もろもろの雑務をこなし、これから居間で運動。
一汗かいてくる。

 では、みなさん、おはようございます。
浜松の「アホウ」より。


H【サンヒルズ三河湾にて1泊(2月1日)】

●2月1日(2012年)、愛知県三谷町のサンヒルズ三河湾に一泊しました。
 最高のホテルでした。
 招待してくださった、KUさん、ほかのみなさん、ありがとうございました。
 生涯で、最高のホテルでした。



http://youtu.be/ogBqrcLcVt8

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 サンヒルズ三河湾 ホテル 蒲郡 三谷町 サンヒルズ はやし浩司 2012-02-01)
iroshi Hayashi+++++++Feb. 2012++++++はやし浩司・林浩司


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【硬直する思考回路】

●シャッター通り

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

2か月前の2011年の11月。
はからずもシャッター通りの内側から、シャッター通りを見る機会を得た。
つまりシャッター通りにある、一軒の旅館(?)に泊まった。
立派な案内書、よくできたホームページ、それにその町の観光課の女性に、だまされた。

「だまされた」という言葉を使っても、まちがっていない。
だまされた。

病臭と悪臭、それに不潔臭。
ワイフは一晩中、ダニの攻撃を受けた。
おまけに通りに面しているため、断続的に、車の走る音。
それが一晩中、ザザーッ、ザザーッと聞こえてきた。

料理も、最悪というより、口に入れることすらできなかった。
おでんが、数点、小皿の煮物が2点。
それだけ。
あとは白いご飯だけで、味噌汁はなし。
もちろんデザートも、なし。
口臭のひどい男で、その男が食事の間中、横から無駄話をしかけてきた。
ビールを頼むと、すかさず、「瓶が割れてしまいました」と。

風呂も、その家人がいっしょに使うもの。
浴室には、家人の洗濯物などが、いっしょに並んでいた。

冒頭で「2か月前」と書いたが、その2か月前には、書けなかった。
が、今なら、書ける。
それから2か月がたった。
時効が成立した。

がまん、ただひたすら、がまん……。
浴衣にも、病臭がしみ込んでいた。
重病の家人がいるとかで、その家人の衣服といっしょに、洗濯をしたらしい。
しかも、ヨレヨレ。
そう言えば、バスタオルもヨレヨレだった。

部屋のテーブルは、手垢で、ベタベタ。
ふすまの桟(さん)には、ホコリがところどころで、丸い塊(かたまり)を作っていた。
もちろん(?)便器は、大便で汚れていたが、ここまでひどいと、それどころではない。
昔のぼっとん便所を思い出しながら、それを使った。

ワイフは「お金を払って、ほかで泊まりましょう」と何度も言った。

朝を待ち、あれこれ理由をつけ、私たちはそそくさと、その旅館(?)を出た。
朝食は遠慮した。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●やる気度

 旅館にかぎらず、商店というのは左前になると、そのまま本気度が消える。
サービスが低下する。
その一方で、たまに来る客から、目一杯、儲けようとする。
そのため客が逃げる。
あとはこの悪循環の中で、商売は、ますます左前になる。
商店主は、さらにやる気をなくす。

 服装もだらしなくなる。
言葉遣いもだらしなくなる。

 今まで、私はそうしたシャッター通りの商店を擁護する原稿を書いてきた。
しかし、そうなるには、そうなるだけの理由がある。
その一例が、先に書いた旅館ということになる。

 1泊8500円だから、安いとか、そういうことではない。
反対に、5万円もらっても、泊まりたくない。
そうなる。

●思考回路

 どんな商売でもそうだが、日々に努力あるのみ。
その努力を怠ったとたん、店はほこりをかぶるようになる。
では、どうするか。

 そのためには、まず、自分のもつ思考回路に気づく。
その前に、思考回路というのが、どういうものであるかを知る。

人間の脳みそは、基本的には怠けもの。
そのつどできるだけ楽な道を選ぼうとする。
その楽な道に沿って、思考回路を作る。
が、この思考回路。
一度、それができると、変更するのは容易なことではない。
年を取ればなおさらで、思考回路そのものが、硬直化する。

●脳の別室

 そこで「学習」ということになる。
が、思考回路が硬直化していると、学習しても、ほとんど意味がない。
たとえば先に書いた旅館の男を、都会のビジネスホテルに連れて行ったとする。
「サービスというのは、こういうもの」と見せたとする。
が、効果は、ほとんどない。……はず。

 脳みそは、自分のつごうのよい情報と、自分につごうの悪い情報を、より分けてしまう。
そして自分に都合の悪い情報は、脳の別室に閉じこめてしまう。
実際、自分につごうの悪い情報を見聞きするのは、不愉快。
避けたい。
「医者嫌い」が、その一例である。

 が、それでも自分につごうの悪い情報に、耳を傾ける。
それがその人に、別の道を示す。
たとえばこんなことがある。

●辛らつなコメント

 私はこうして毎日、いろいろな文章を書いている。
それについて、毎日のように、いろいろなコメントが届く。
たいはんは好意的なものだが、中には、辛らつなものもある。

 当初は、そういう辛らつなコメントが届くたびに、かなりのショックを受けた。
そのあと、怒りと悔しさで、体が燃えるように熱くなったこともある。
恐らくみなさんの中にも、同じような体験をした人は多いと思う。
ネットの世界では、匿名で、相手を非難したり、中傷したりすることができる。

 で、そのときのこと。
実は、そういう辛らつなコメントほど、大切ということに、やがて気づいた。
が、それを読み返すのは、苦痛以外の何ものでもない。
ばあいによっては、そのページを開くだけで、ぞっとする。
が、それでも読み返す。
するとその先に、別の道が見えてくる。

 ……私はそのうち、こんな技術を身につけた。
慇懃無礼な、礼状を書くという技術である。
「あなた様のきびしいご意見は、たいへん参考になりました。これからの執筆活動に、じゅうぶん役立たせていただきます。ありがとうございました」と。

 以来、ネットの世界では、10年が過ぎた。
今ではそうした辛らつなコメントなど、何とも思わない。
またこちらから喧嘩しなければならないような相手でもない。
どうせ相手は、匿名。
犬の遠吠え。

 話が脱線したが、(つごうの悪い情報)に、あえて、身を染める。
それが「学習」ということになる。
けっして、脳の別室に、それを閉じこめてはいけない。

●「あなた殺されるわよ」

 で、もしこの文章を、先にあげた旅館の男が読んだら、どう反応するだろうか。
私の印象では、激怒するにちがいない。
ワイフは、こう言った。
「あなた、殺されるわよ」と。
だから、2か月待った。

 が、しかし、私を殺すのは待ってほしい。
もしその男が、この先も旅館業をつづけようと願うなら、私がここに書いたことについて謙虚に反省したらよい。
自分を見つめなおしたらよい。

その男にとって、何よりも重要なことは、その男自身がもつ思考回路を変えること。
組みなおすこと。
一度できあがった思考回路を変えるということは、それくらい、大変なこと。
ばあいによっては、苦しい。
つらい。
しかしその苦しさやつらさを乗り越えることなしに、その男に明日はない。

●ジー様先生

 ……と書いても、これは私自身の問題でもある。
私の現在の主なる収入源は、「幼児教室」である。
「BW幼児教室」という名前をつけている。

 この不況下、(不況だけが理由ではないのだが)、ご多分に漏れず、左前。
毎年3月になると、それだけで憂うつになる。
「4月から、やっていけるだろうか?」と。

 これには、私の年齢の問題もからんでいる。
私も64歳。
親といっても、若い母親たちばかり。
私のようなジー様先生など、お呼びではない。
それが若い母たちと接していても、よくわかる。
いくらがんばっても、若い先生には、かなわない。
生徒自身が、それを口にすることがある。
「あんた、ジジ臭い!」と。
言うなれば、私自身が、シャッター通りの店主になっている。

●BW幼児教室

 そこで私の思考回路をどう変えていくか。

 ひとつには、常に新しい教育にチャレンジしていくこと。
「今度は、これを教えてみよう」「あれを教えてみよう」と。

 そのことは、私の「BW公開教室」を見てもらえば、わかる。
http://bwopenclass.ninja-web.net/page018.html
この1年間だけでも、いろいろな分野に挑戦してみた。
たとえば幼稚園児に、方程式の解き方まで、教えてみた。
おもしろかった。
楽しかった。
この4月からは、さらに新しい分野に挑戦してみたい。

 「学校で使う教科書に沿って……」などというチンケな教育だけは、したくない。
それも必要だが、(というのも、スポンサーである親たちは、それを求めているから)、それだけには終わりたくない。

 まずいのは、「年齢だから……」というおかしな理由にこだわり、思考回路を硬直させること。
こうしてものを書くことについても、そうだ。
いつも新しい分野に向かって、道を開いていく。
それが私の仕事を、「シャッター通り」にしない、ゆいいつの方法ということになる。

●シャッター通りのみなさんへ

 私は今まで、シャッター通りについて書くたびに、その外側から、行政の不備を攻撃してきた。
私の実家も、そのシャッター通りにあった。
が、実は、どうもそれだけではないようだ。

……ということで、シャッター通りの内側からの意見を書いてみた。
私たちたちは、私たち自身で努力する。
その成功例も、ないわけではない。

 たとえば滋賀県の長浜。
長浜の町。
小さな田舎町だが、都会の~~通りほどの観光客であふれている。
若い店員たちが、思いっきり元気を発散している。
なぜそうなのか。
またそうであるためには、どうしたらよいのか。
もしあなたに学習能力が残っているなら、一度、長浜の町をのぞいてみたらよい。
たった40年前には、さびれにさびれ、「♪イノシシが、逆さまにぶらさっがっている」というような町だった。

 それが今は、あの「長浜の町」になった。

 がんばろう、シャッター通りのみなさん!

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 シャッター通り 思考回路 はやし浩司 長浜 硬直した思考回路)


Hiroshi Hayashi+++++++Jan. 2012++++++はやし浩司・林浩司

●私の生存哲学byはやし浩司

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

昨日、2つの同窓会をキャンセルした。
ホテルも予約していたが、同じくキャンセルした。
理由はそれぞれあるが、このところ何かと無理ができない。
自分の体力の限界を感ずるようになった。
そのときはよくても、疲れが、あとになってドッと出る。
それに今年は、インフルエンザの予防接種をするのを忘れた。
本当は忘れたわけではなく、医院へ行くのが遅すぎた。
「在庫はもうありません」と。
それを知りワイフは、こう言った。
「だから、早く行きなさいと、あれだけ言ったのに……」と。

重要な講演がつづく。
「風邪をひきました」という言い訳は、この世界では通用しない。
講演のキャンセルは、ぜったいに許されない。
コロリと死ねば、それなりの言い訳が立つが、そうでないかぎり無理。
……ということで、季節がら、大事を取ることにした。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●「日本海」の呼称問題

 今朝は、日本海の呼称問題で、頭が熱くなった。
一気に原稿をまとめた。
英文でも書いた。
一部は、オーストラリアの友人に校閲してもらった。

 総じてみれば、日本人は、おとなしすぎる。
プラス、お人好しすぎる。
豆腐型人間ばかり(失礼!)。
一億、自信喪失状態。
が、それとこれは、話は別。
言うべきことは言おうではないか。
やるべきことは、やろうではないか。

●ギリシア問題

 ギリシアの金融危機問題は、2転3転、……さらに4転、5転。
「来週中(1月30日~2月3日)には、解決する」(Bloomberg)と、ベニゼロス財務省(ギリシア)は言っている。
が、どうかな?

 ギリシアの金融危機は、第二次支援策に向け、この2、3か月で、さらに100億ユーロ近くも悪化している。

 そこでドイツは、ギリシアの財政政策に対し、露骨な介入策を提示している。
わかりやすく言えば、「ドイツの言うことを聞かなければ、これ以上、金は貸さない」と。

ブルームバーグは、つぎのように報道している。

『……ユーロ圏の当局者2人が明らかにしたところによると、ギリシャへの第2次支援策の条件として、欧州当局者はギリシャの予算決定に直接介入する計画について議論している。

  ギリシャ当局者は28日、同国政府が国家主権に反するとして、計画を拒否したと語った』と。

 ドイツ(欧州当局者)の言い分も当然だが、ギリシアの言い分も、これまた当然。
両者が、真正面から対立している。
たとえ両者が合意に達したとしても、すでにギリシアはデフォルト(債務超過)している。
「借金の棒引き」という事実そのものが、デフォルト。
が、本当の問題は、そのつぎ。
「ネクスト」。
つぎは、この日本!

●日本の金融危機

 今や、「円資産」は、風前の灯火。
これもわかりやすく言えば、円という札束が、紙くずになる。
もうメチャメチャ。
社会保障費にしても、消費税の利率アップを前提に、予算が組まれている。
(まだ利率アップは、決まったわけではない!)

 本来なら、つまり現金がないなら、人件費をカットし、支出を減らす。
が、そういうこと(=行政改革)には、いっさい手をつけず、増税だけでこの危機を乗り切ろうとしている。
その額、1000兆円。

 貿易収支は赤字。
工場はどこも青息吐息。
労働者は減少。
景気はどん底。
手取り給料の減少。
土地価格も、現在、下落中。

 今までの予測では、円は一時的に急速に円高に向かったあと、今度はドスンと円安に向かうと考えられていた。
が、最近の予測では、その中間部分が省略され、ドスンと円安に向かうかもしれないという。
つまり今が、円高の頂点。

 常識で考えても、1000兆円などという借金、返せるわけがない。
国民(1億人として)、1人あたり、1000万円!
4人家族で、4000万円!
みなが「円はあぶない」と思ったその瞬間、日本の経済は、破綻する。

●「みんなで渡れば、恐くない」

 が、日本人というのは、たいへん興味深い。
「何とかなる」「私だけではない」という論理だけで、動こうともしない。
「みんなで渡れば、恐くない」と。
集団帰属性が、きわめて強い。
言い換えると、個人プレーが苦手。

 今の今でさえ、「国が何とかしてくれる」とか、「国がつぶれるはずがない」とか、これまたのんきの、のん平。
仕事にしても、どこかにぶらさがることばかり、考えている。
社会のシステムそのものが、そうなっている。
この日本ほど、個人が生きにくい国は、そうはない。
個人で生きることすら、許さない。
たとえば税の使われ方ひとつ取りあげても、それがわかる。

 自治体は、組織を援助する。
たとえば幼稚園や保育園という組織。
園児1人あたりいくら……というようにして、組織(幼稚園や保育園)を援助する。

 一方、欧米では、子ども1人あたりいくら……というようにして、子どもをもつ親を援助する。
親に直接、現金を渡す。
親は、そのお金を手にして、幼稚園を選ぶ。
学校を選ぶ。
だから教える側のきびしさそのものが、ちがう。
へたな教え方をしていたら、そのままつぶれてしまう。

 大学生にしても、そうだ。
大学生は、1単位いくら……というように、自分でお金を出して、講座を買う。
だから欧米の大学では、スクラップ&ビルド(学部、学科の新生、廃止)は、日常茶飯事。
学ぶ側も真剣なら、教える側も真剣。
「個人」として生きる、生き様が確立している。
社会のシステムも、その「個人」を基本としている。

 田丸謙二先生(東大元副総長)が、こう話してくれた。

「向こう(アメリカ)の教授などは、2、3度、リハーサルしてから講義に臨んでいる。
休み時間になると、教授室の前には、ズラリと学生が並ぶ。
日本では、ぜったいに見られない光景だよ」と。

 これでわかったかな?
日本がもつ異常性。

●では、どうするか?

 「個人の資産は、(あればの話だが……)、自分で考え、自分で守れ」(カイル・バス氏・日経新聞)と。
「みなのあとをついていくのは、危険」とも。
さらに「政府の言うことを信ずるな」とも述べている。

 すでに世界中のヘッジ・ファンドは、日本の金利上昇、円安を見越した動きに出ているという。
「可能性の問題ではなく、時間の問題」(経済各誌)だ、そうだ。
しかも恐ろしいことに、先に延びれば延びるほど、被害が大きくなるということらしい。

 ……つい先日、アメリカ政府は、現在の超低金利政策を最低でも2年延長すると発表した。
そのためドル安、金(ゴールド)高、それに円高がつづいている。
わかりやすく言えば、アメリカはなりふり構わず、自国防衛に打って出た。
その結果、世界は、どうなるか。

アメリカも深い傷を負うが、そのためユーロが崩壊すれば、再びドルが、世界の基軸通貨として、躍り出ることができる。
日本の産業を吸収することもできる。
そのうち日本を走るTOYOTA車は、みな、アメリカ製になる。
アメリカは10年後のアメリカをすでに計画している。

 私たちはそういう世界の流れを読みながら、ささやかな資産を、自分で守るしかない。
まさに個人としての思考力が試されるときがやってきた。

●山荘にて

 昨夜(1/28)、山荘に一泊した。
朝になり、ハッサクの収穫をした。
ダンボール箱に3箱収穫したところで、終了。
つぎは、また来週。

 で、その帰り道。
近くの有料老人ホームをたずねてみた。
月額1人、18万円前後で入居できるという。
夫婦2人で、36万円。
年額にして、430万円。
いろいろ説明を聞いていると、女性が、こう言った。
「で、どなたが希望なさいますか?」と。
すかさず、「私ですよ」と答えたら、こう言った。

「冗談、言わないでください。あなたはまだ、入れません」と。

 私はどこへ行っても、若く見られる。
50代半ば?
本当は64歳。
あと5~6年で、入居しなければならなくなるかもしれない。
が、そのとき、今の料金で入居できるかどうかは、わからない。
……というより、不可能。

 老人はますますふえる。
もうすぐこの日本を、ハイパーインフレが襲う。
先ごろ「年収500万円以上になると、年金が減額される」という法案が、国会を通過した。
500万円?
ハイパーインフレが日本を襲うと、「タクシーの初乗りが、1万円になる」(経済各誌)と言われている。
大卒の初任給が、800万円?
もちろん大根1本が、2万円!
そんな時代に、500万円を基準にしたら、年金は、みなゼロ?

 言い換えると、年金など、もうアテにできない。
官僚の考えることには、かならず裏がある。
だからカイル・バス氏はこう言った。
「政府の言うことは、信用するな」と。

 こうなったら、先手、先手で、行動するしかない。
少なくとも、私は、そうしてきた。
この先も、気力がつづくかぎり、そうする。
これは一匹狼で生きてきた、私の生存哲学でもある。
みなさんの参考になれば、うれしい。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 生存哲学 一匹オオカミ 一匹狼 はやし浩司 カイル・バス)


Hiroshi Hayashi+++++++Jan. 2012++++++はやし浩司・林浩司

● 2012-01-29夜記

夕食後、ノートパソコンの修理をした。
TOSHIBAのダイナブックUXとMX。
2台。

長い間、使っていなかった。
TOSHIBAのウルトラブック(R631)を使うようになって、これらのパソコンを使わなくなってしまった。
それで修理。
修理といっても、ウィルス対策ソフトやWINDOWのUPDATE。
ほかに、もろもろ。

もう1台、TXがあるが、これはもっぱらDVDの観賞用。
合わせて4台。
4台も!、と思う人もいるかもしれない。
私自身も、そう思っている。
が、どれも一度は、心底惚れて買ったもの。
簡単には手放せない。
あちこちをいじりながら、その感触を楽しんだ。

 で、今、久しぶりに、UXを使い、この文章を叩いている。

● DVD『バビロンの陽光』

 先ほどまで、居間でDVDを観た。
イラク映画の『バビロンの陽光』。
こういう映画には、星はつけられない。
星をつけるような失礼なことは、したくない。
できない。

 最初から最後まで、切なかった。
ワイフはその映画を観ながら、「これが現代とは思えない」と、数度、言葉を漏らした。

● 雑誌

 ワイフは雑誌を読んでいる。
そのつど話しかけてくる。
だれだれが、どうした、こうした……という話。

 私はそういう話を聞いても、右耳から左耳へ、情報がスーッと流れていく。
が、ワイフはそうでない。
そのつど名前をしっかりと記憶に刻む。
芸能人やタレントなど、有名人のことなら、何でもよく知っている。
雑誌の読み方そのものが、ちがう。

●私の読書

 では、私はどうなのか?
私の読み方を分析してみる。

 その第一。
有用な情報しか、脳にとどめない。
たとえて言うなら、家庭菜園で野菜を育てるようなもの。
いつも実利を求める。
実利を伴わない雑誌は、読まない。

 その第二。
情報の種類は問わないが、論理性のあるものを好む。
小説類は、ほとんど読まない。
雑誌の中の小説はとくにそうで、ほとんど読まない。
「これは実話」というものなら、ときどき、読む。

 その第三。
自分の仕事に関係する情報は、研究論文やニュース以外、ほとんど読まない。
他人の書いた育児書類は、あえて避けている。
これは私自身の育児論を守るため。
他人の育児論に影響されるのが、いや。

たとえて言うなら、荒野を歩くにしても、ひとりのほうがよい。
ガイドは不要。
その分だけ回り道をすることも多い。
が、それが楽しい。
それにこの年齢になって、ガイドというのも、どうか?
たぶん、私をガイドできる人間は、もうこの世にはいない。

 ワイフとちがい、「名前」には、まったくと言ってよいほど、関心がない。

●TOSHIBAのUX

 UXはよいパソコンだ。
ウルトラブックより画面は小さく、それに重い。
が、キーボードのタッチ感がよい。
「こんなパソコンをもって、旅行に行きたい。
電車の中で思う存分、旅日記でも書いていたい」と。
今、そう思った。

 ただ、バッテリーのもちが、あまりよくない。
かなり劣化している。
フル充電、ノーマル使用で、3~4時間が限度ではないか。

●化粧
 
 あくびが、何度か、たてつづけに出た。
かなり眠い。
私は居間のこたつに、半分寝たような状態で、この文章を叩いている。
いつもなら、このあたりで書きたいことがモヤモヤしてくるはずだが、今夜はそれもない。
時刻は、午後10時35分。
ワイフはいつもの就眠儀式を始めた。
顔を洗い、化粧を落とす。

 ……が、どうして毎晩、そんなことをするのだろう。
私は化粧などしたことがないし、もちろん化粧を落としたこともない。
いつもスッピンの素顔。
でかけるときも、5分もあれば、身支度を整えてしまう。
(だから女性に、若いころからもてない。)

●就寝

 「11時に寝よう」と、たった今、ワイフが言った。
「うん」と私。
結婚以来、私たちは、ずっといっしょに寝ている。
寒い冬は、さらにそうで、たがいに暖めあいながら寝ている。
そういう寝方は、欧米ではふつうだが、この日本では珍しいそうだ。
中には、別々の部屋で寝ている夫婦も多いとか。

 どれくらいの割りあいなのだろう?
ちょっと調べてみたくなった。

あるベッド会社の調査によれば、つぎのようになっている。

夫婦でいっしょのベッド……40・9%
同じ部屋だが、別々のベッド……39・3%
別々の部屋……19・7%
(以上、パラマウントベッド・調査)

 ただし年齢があがると、別々に離れるケースが多くなるとか。
「50代を過ぎると、同じ寝室の割合は、70%を切る」そうだ。

 「フ~~ン」と言っただけで、おしまい。
人は人。
夫婦でいっしょに寝るのは、貧者の暖房法。

 では、今夜はここまで。

Hiroshi Hayashi+++++++March. 2012++++++はやし浩司・林浩司

●仮説(Hypothesis)

In the middle of the brain, there may be a center which gives orders to the whole brains.
The limbic system filters these orders to the one, which may be understood by other brains.
Then brains give orders to each part of the body. The orders are controlled by the frontal
part of the brain. This is my hypothesis. …sorry about my improper use of words )

+++++++++++++++++

電車の中。
春うららかな、白い光。
その白い光の中で、1人の若い女性が
化粧を始めた。
小さな鏡をのぞきこみ、
口紅を塗っていた。

私はその光景を見ながら、
ふと、こう思った。

「彼女は、自分の意思で化粧をしているのか?」と。

私がその女性にそう聞けば、100%、その女性は、
こう答えるにちがいない。

「もちろん、そうです。私の意思で、化粧をしています」と。

しかしほんとうに、そうか?
そう言い切ってよいのか?

ひょっとしたら、その女性は、
「私でない、私」によって、操られているだけ。

+++++++++++++++

昨日、新しい仮説を組み立てた。
人間の生命と行動に関する仮説ということになる。
それについては、昨日、書いた。

仮説(1)

人間の脳みその奥深くに、(生命力)の中枢となるような部分がある。
最近の研究によれば、視床下部あたりにそれがあるらしいということが、わかってきた。
視床下部というは、脳みその、ちょうど中心部にある。

仮説(2)

その(生命力の根源)となるような部分から、脳みそ全体に、常に、強力なシグナルが発せられている。
「生きろ!」「生きろ!」と。

生命維持に欠かせない、たとえば食欲、生存欲、性欲、支配欲、闘争欲などが、そのシグナルに含まれる。

これらのシグナルは、きわめて漠然としたもので、私は、「生(なま)のエネルギー」と呼んでいる。

仮説(3)

この生のエネルギーは、一次的には、辺縁系という組織で、フィルターにかけられる。
つまり漠然としたエネルギーが、ある程度、形をともなったシグナルへと変換される。

やる気を司る帯状回、善悪の判断を司る扁桃核、記憶を司る海馬などが、辺縁系を構成する。

つまりこの辺縁系で一度フィルターにかけられた生のエネルギーは、志向性をもったエネルギーへと、変換される。
このエネルギーを、私は、「志向性エネルギー」と呼んでいる。

仮説(4)

この志向性エネルギーは、大脳へと送信され、そこで人間の思考や行動を決定する。
ただそのままでは、人間は野獣的な行動を繰りかえすことになる。
そこで大脳の前頭前野が、志向性エネルギーをコントロールする。
この前頭前野は、人間の脳のばあい、全体の28%も占めるほど、大きなものである。

以上が、私の仮説である。

具体的に考えてみよう。

たとえばしばらく食べ物を口にしていないでいたとする。
が、そのままでは、エネルギー不足になってしまう。
自動車にたとえるなら、ガス欠状態になってしまう。

具体的には、血中の血糖値がさがる。
それを視床下部のセンサーが感知する。
「このままでは、ガス欠になってしまうぞ」
「死んでしまうぞ」と。

そこで視床下部は、さまざまな、生のシグナルを中心部から外に向かって発する。
そのシグナルを、一次的には、視床下部を包む辺縁系が、整理する。
(これはあくまでも、仮説。こうした機能を受けもつ器官は、ほかにあるかもしれない。)

「食事行動を取れ」
「運動量を減らせ」
「脂肪細胞内の脂肪を放出せよ」と。

その命令に従って、脳みそは、具体的に何をするかを決定する。
その判断を具体的にするのが、前頭前野ということになる。
前頭前野は、脳みそからの命令を、分析、判断する。

「店から盗んで食べろ」「いや、それをしてはいけない」
「あのリンゴを食べろ」「いや、あのリンゴは腐っている」
「近くのレストランへ行こう」「それがいい」と。

そしてその分析と判断に応じて、人間は、つぎの行動を決める。

これは食欲についての仮説だが、性欲、さらには生存欲、支配欲、所有欲についても、同じように考えることができる。

こうした仮説を立てるメリットは、いくつか、ある。

その(1)……「私」の中から、「私であって私である部分」と、「私であって私でない部分」を、分けて考えることができるようになる。

たとえば性欲で考えてみよう。

男性のばあい、(女性も同じだろうと思うが)、射精(オルガスムス)の前とあととでは、異性観が、まったくちがう。
180度変わることも珍しくない。

たとえば射精する前に、男性には、女性の肉体は、狂おしいほどまでに魅力的に見える。
女性の性器にしても、一晩中でもなめていたいような衝動にかられることもある。
しかしひとたび射精してしまうと、そこにあるのは、ただの肉体。
女性器を目の前にして、「どうしてこんなものを、なめたかったのだろう」とさえ思う。

つまり射精前、男性は、性欲というエネルギーに支配されるまま、「私で
あって私でない」部分に、操られていたことになる。

では、どこからどこまでが「私」であり、どこから先が、「私であって私でない」部分かということになる。

私の仮説を応用することによって、それを区別し、知ることができるようになる。

こうして(2)「私であって私である」部分と、「私であって私でない」部分を分けることによって、つぎに、「私」の追求が、より楽になる。
さらに踏み込んで考えてみよう。

たとえばここに1人の女性がいる。

朝、起きると、シャワーを浴びたあと、毎日1~2時間ほどもかけて化粧をする。
その化粧が終わると、洋服ダンスから、何枚かの衣服を取りだし、そのときの自分に合ったものを選ぶ。
装飾品を身につけ、香水を吹きかける……。

こうした一連の行為は、実のところ「私であって私でない」部分が、その女性をウラから操っているために、なされるものと考えられる。

もちろんその女性には、その意識はない。化粧をしながらも、「化粧をするのは、私の意思によるもの」と思っている。
いわんや本能によって操られているなどとは、けっして、思っていない。

しかしやはり、その女性は、女性内部の、「私であって私でない」部分に操られている。
それを意識することはないかもしれないが、操られるまま、化粧をしている。

++++++++++++++++++

こう考えていくと、「私」の中に、「私であって私」という部分は、きわめて少ないということがわかってくる。

たいはんは、「私であって私でない」部分ということになる。
あえて言うなら、若い女性が口紅を塗りながら、「春らしいピンク色にしようか、それとも若々しい赤色にしようか?」と悩む部分に、かろうじて「私」があることになる。

しかしその程度のことを、「私」とはたして言ってよいのだろうか?
「ピンク色にしようか、赤色にしようか」と悩む部分だけが、「私」というのも、少しさみしい気がする。

さらにたとえばこの私を見てみたばあい、私という人間は、こうして懸命にものを考え、文章を書いている。

この「私」とて、生存欲に支配されて、ものを書いているだけなのかもしれない。
つまり、私の脳みその中心部から発せられる、生のエネルギーに操られているだけ?
……と考えていくと、「私」というものが、ますますわからなくなってくる。

しかしこれが、「私」を知るための第一歩。
私はやっと、その(ふもと)にたどりついたような気がする。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 私論 私で会って私でない部分
 視床下部 大脳前頭前野)


Hiroshi Hayashi+++++++March. 2012++++++はやし浩司・林浩司

●怒り(はやし浩司 2012-02-06)

+++++++++++++++++++++

このところ寒い日がつづく。
が、今朝は雨。
どこか生暖かい。
「これで寒さも和らぐか……」と。

が、今朝の新聞を見て、久々に怒り心頭!
まだ本紙は読んでないが、『週刊ポスト』誌の
広告には、つぎのようにある。
そのまま紹介させてもらう。

『一般人は800万円、公務員は2660万円』と。

大見出しには「大震災弔慰金、命の値段」とある。
いわく「人を助けようとして殉職した警察官、
消防署員、教員その他の方々の弔慰金は当然である。
だが、同じように近隣住民や社員の避難を見届けて
死んだ民間人に対しては、災害弔慰金が500万円、
遺族特別支給金が300万円。
これでいいのか!」と。

これでいいわけがない。
もちろんそれぞれの公務員の方に、責任があるわけではない。
また責任を追及しているわけでもない。

ただ、天下国家を論ずるときは、子どもの代、孫の代まで考える。
あなたはそれでよいとしても、そのツケは、結局はあなたの子ども、
さらには孫が支払うことになる。
が、それだけではない。
こんなことをしていたら、本当にこの日本は破産してしまう。
この(事実)の向こうには、もうひとつ、深刻な問題が隠されている。
破産どころか、消滅してしまう。
それについては、このあと、つづけて書いてみたい。

さらにもうひとつ。

「(国会議員の)年収は、上場企業の社長級。
文書、通信、交通、滞在費、1200万円は非課税。
JRも飛行機も、ただ乗り。
都内高級マンションで、家賃9万円、管理費はなし。
引退しても、民間よりはるかにオイシイ議員年金。
与党も野党も、減らす気なし」(「週刊ポスト」)と。

末尾の「与党も野党も、減らす気なし」という部分。
その部分にカチンときた。

似たような話は、この浜松市でも聞いている。
が、どういうわけか、まったく問題にならない。
それを伝える情報機関すらない。
地方新聞にしても、口をつぐんだまま。
地方議員にしても、選挙の前には、それを問題にする。
が、当選したら最後、それでおしまい。
そのあとはただひたすら、ダンマリ。
(一部の議員は、HPなどで、問題にしているが……。)

抗議をしたくても、それもできない。
異議を唱えたくても、それもできない。
どんな小さなデモでも、今では、事前届け出制。
それぞれが勝手に、「おかしい」と言うだけ。
横とのつながりがないから、大きな力にもならない。
みながみな、ザワザワと不平や不満を、小言で言いあうだけ。

そこで私たちがせいぜいできることと言えば、こうした週刊誌を買い、
支持を間接的に伝えること。
発売部数が増えれば、週刊ポスト誌も、さらにがんばるだろう。

ところでがっかりしたのが、『週刊A誌』(1・10日号)。
何と5ページもさいて、「アフリカの難民救済運動」を展開していた。
どこかの団体のPR広告なのか?
それとも週刊A誌による、独自取材なのか?
5ページといえば、大特集のはず。
が、それほどの重大性は感じられなかった。
タレントのA・チャンの、自慢話ばかり。
A・チャンを、「香港のジョン・バエズ」と位置づけているのには、驚いた。
(そんな話、はじめて聞いたぞ!)

私も高校生のときから、ジョン・バエズの大ファンだった。
彼女のもつ哲学に共鳴した。
ジョン・バエズはその哲学を、自ら作詞、作曲した。
そのジョン・バエズ?

私たち庶民は、たしかに操られている。
日々に洗脳されている。
週刊A誌のその記事を読んで、私はそう感じた。

++++++++++++++++++++++

●資格

 今から40年前の話。
メルボルン大学のIHカレッジには、世界中から留学生が集まっていた。
そんな学生たちの間で、ある日、こんなことが話題になった。
「どの国へ留学するのが、いちばん得(=利益がある)か」と。

 で、結論は、結局は、欧米諸国ということになった。
この日本は、番外だった。
理由を聞くと、こう話してくれた。

「日本で資格を取っても、世界では(=自分の国では)通用しない」、
「だから日本で勉強しても、無駄」と。

 当時、数の上でも、日本へ留学してくる学生の数は、圧倒的に少なかった。

●資格

 たとえば日本で医師資格を取っても、他の国々では通用しない。
建築士の資格にしても、さらには看護士の資格にしてもそうだ。
ゆいいつの例外は、自動車の運転免許だった。
が、それとて相互主義。
アジアの中にも、日本の運転免許を認めない国は、いくらでもあった。

 で、私はオーストラリア大使館に電話を入れ、こんなことを確かめた。
「アメリカで建築士の資格を取ったら、オーストラリアでも、そのまま通用するか」と。
(ただし確かめたのは2000年ごろ。)
オーストラリアの大使館員は、こう教えてくれた。

「そのままでは使えない。
オーストラリアではオーストラリアの資格試験を受けてもらう」と。
が、その距離は、ずっと短い。
「そのままでは使えないが、ほぼ自由に使える」と。

●風前の灯火

 日本が世界のリーダーとして、他の国々の上に君臨しているなら、まだよい。
しかし今や、日本の国際的地位は、風前の灯火。
この先、日本が生き延びていくためには、2つの方法しかない。

(1)日本の若者たちが外国へ出稼ぎに行く。
(2)外国からの移民を、大幅に受け入れる。

 順に考えてみる。

●出稼ぎ

 日本の若者たちが外国へ出稼ぎに行く。
……という話は、すでに現実の話になりつつある。
日本の国家経済は、すでに破綻状態。
それが現実のものとなれば、日本の「円」は紙くずと化す。

わかりやすく言えば、たとえば今までの日本とブラジルの関係が、逆転する。
今度は、日本人が家族を連れて、ブラジルへ出稼ぎに行くようになる。
「まさか……」と思っている人は、認識が甘い。
日本は現在、1000兆円という借金を抱えている。
1000兆円だぞ!
あのギリシアは、たった35兆円※という借金で、地獄の底で、もがいている。

 そうなったとき、日本人はどうするのか。
相手の国が、「あなたのもっている資格は、この国では通用しない」と。
そう言ったら、あなたは、どうするのか。

(注※……ギリシア政府の借金額は、3300億ユーロ(約35兆円)。
2011年10月現在。)

●日本のおごり

 今までは、高いハードルを設けても、よかった。
何といっても、日本は、世界の先進国。
世界の人たちが日本を求めてやってきた。
が、その立場は、現在、逆転しつつある。

 たとえば看護士の資格にしても、日本は高いハードルを設けている。
フィリッピンやその他の国々からやってくる看護士にしても、そうだ。
が、ことフィリッピンに関して言えば、レベルは高い。
日本より高い。
看護士の質そのものが、ちがう。
40年前においてですら、そうだった。

 男性は軍人、女性は看護士。
それが当時のフィリッピンにおける、出世コースだった。
そのフィリッピンからの看護士を、日本が再教育する?
資格試験を、この日本で受けさせる?

 ……これはとんでもない誤解。
誤解というより、日本の(おごり)。

●言葉の問題

 日本政府は、ことあるごとに「言葉の問題」を口にする。
「日本語を話さない人は、ごめん」と。
が、そんなことばかり言っているから、日本はかえってソッポを向かれる。
その一例が、東京証券取引所。
今や東証に上場している外資系企業は、とうとう一桁台になってしまった。
理由は言わずと知れた、翻訳料。

 日本政府は、すべての書類を日本語に翻訳するよう義務づけた。
日本投資家の保護(?)が目的だ、そうだ。
その結果、どうなったか。
ほとんどの外資系企業は、シンガポールに逃げた。

●外国人労働者

 言葉の問題は、その向こうに国際性(グローバル化)の問題も含む。
たとえばオーストラリアでは、その季節になると、外国人労働者がどっとやってくる。
その労働者が各地を回りながら、仕事をする。
たとえばリンゴの収穫、イチゴの収穫、ブドウの収穫など。

 が、この日本では、それができない。
できないから、この浜松市周辺からも、ミカン畑がどんどんと姿を消している。
理由は、言わずと知れた、農業経営者の高齢化。

 そこで外国人労働者を受け入れ、そうした人たちにミカンの収穫を、と考えた。
が、これにも高いハードルがある。
現実には、不可能。
また仮に外国人労働者がやってきても、悲しいかなこの日本には、その国際性がない。
言葉だけの問題ではない。
わかりやすく言えば、外国人労働者とうまくやっていく、土壌そのものがない。

●資格

 この先、日本と外国の立場は逆転する。
経済的地位のみならず、国際的地位も逆転する。
が、れはどういう状況なのか。
日本人が出稼ぎに行くような状況を、ほんの少しだけ頭の中で想像してみればよい。
そうなったとき、はたして今のような(おごり)を貫くことができるだろうか。

 たとえば今のあなたがどんな仕事をしているにしても、だ。
相手の国に、「あなたの資格は、この国では通用しません」と言われる。
そう言われて、ことごとく拒否されたら、あなたはその国へ、行く気がするだろうか。

が、それでもあなたは、仕事探しをする。
何か、ないか、と。
で、やっと見つかった。
あなたがする仕事は、その国の人たちですらしない、そういった類のものでしかない。
たとえば……。

 オーストラリアでは、牛肉の解体などは、外国からの労働者たちがしている。
肉牛を殺し、牛肉に解体する。
できる仕事といえば、そういう仕事。
いつか日本の若者たちが出稼ぎに行くようになったとき、そうなる。
日本の置かれた立場は、そうなる。

●移民国家

 暗い話ばかりした。
が、この場に及んでも、「規制」また「規制」。
私はそれがおかしいと書いている。
役人は何かにつけ、規制をかける。
そのつど、持ち場をふやす。
人員をふやす。
権限を強化、拡大する。
が、こんなことをしていたら、この日本は、自分で自分のクビを絞めることになる。
そこで、冒頭に書いた、2番目の方法。

 外国からの移民を、大幅に受け入れる。

 人口が減るなら、労働者としての外国人を、大幅に受け入れる。
これは日本人のためでもある。

 2050年ごろには、(高齢者):(勤労者世代)の割合が、1.2~1.3になる。
わかりやすく言えば、(老人):(青年~壮年)の割合が、1:1になる。
そうなったとき、だれが老人(=あなた)のめんどうをみるのか。
つまり、私たちはここでつぎの2つのうちから、1つを選ぶ。
そういう選択に迫られる。

(1)一定年齢以上の老人は、そのまま死んでもらう。
(2)移民国家を是認し、外国からの移民によって、高齢者社会を支えてもらう。

 あなたなら、どちらを選ぶだろうか。

●時、すでに遅し

 日本は、あえて移民国家になる。
そう宣言する。
「人口の減少分だけ、移民を認めます」と。
またそれしか、日本という国ではなく、(あなた)自身が生き延びる方法はない。
わかるかな?

 自滅か、さもなくば、移民国家か。
当然、移民国家ということになる。
が、現実は、さらにきびしい。

 時、すでに遅し。
「移民よおいで」と言っても、相手も「人」。
この日本に来たがる、奇特な外国人は、もういない。
「何を今さら……」となっている。
言い換えると、こんなことは、20年前、30年前に、準備しておくべきだった。
その結果が今。

●浜松のブラジル人

 10年前には、このあたりにも、ブラジル人の労働者があふれた。
(一時は、3万人もいたぞ!)
が、今は、さがさなければ見つからないほど、少なくなった。
日本人の私たちにも責任がある。
私たちも、彼らと融和しなかった。
融和するだけの、国際性がなかった。

 一方、ブラジル人労働者にしても、日本は住みにくい国だったと思う。
あるブラジル人は、こう言った。
待ちで知りあったブラジル人を、食事に誘ったときのこと。
「日本へ来て2年になりますが、話しかけてくれた日本人は、あなたが最初です」と。

 そのブラジル人は、4年生の大学を卒業していたが、日本では工員だった。

●深刻な問題

 さて冒頭の話に戻る。

 どうして『一般人は800万円、公務員は2660万円』なのか。
つまりもろもろの(住みにくさ)の原点は、ここにある。
行きすぎた「規制」が、こうした不公平社会の基盤になっている。
公務員の方はそれでよいかもしれない。
しかしこうした事実から生まれる不公平感を、どう心の中で処理したらよいのか。
税金を払うこと自体に、バカ臭さを覚えてしまう。
さらに言えば、この私ですら、「こんな日本に住みたくない」と思い始めている。
いわんや、外国人をや!

 繰り返すが、もちろんそれぞれの公務員の方に、責任があるわけではない。
また責任を追及しているわけでもない。
しかしこう考えてみてほしい。
あなたの子どもや孫も、あなたと同じ公務員になれればよし。
が、そうでなければ、結局は、そのツケはあなたの子どもや孫が払うことになる。

 ここでいう深刻な問題というのには、そういった問題も含まれる。
つまりそのとき、みなが、「日本は特権階級しか住めない国」と判断したらどうなるか。
そのとき「日本」という国は、内部から崩壊する。
ここでいう深刻な問題というのは、それをいう。

 最後に繰り返す。
『一般人は800万円、公務員は2660万円』というのは、その象徴でしかない。
つまり日本という国が内部崩壊する、その前兆と考えてよい。
この数字を見て、単なる「不公平」というだけ考えてはいけない。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 不公平社会 日本崩壊 序曲 前兆 はやし浩司 日本の内部崩壊)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

以下、以前書いた原稿で、
関連したものを、載せておきます。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

● 山荘で(2004年11月記)

●農業経営のグローバル化

 山荘の周辺は、少し前までは、豊かなミカン畑に包まれていた。
しかしここ5~10年のあいだ、減反につづく減反で、そのミカン畑が、どんどんと姿を消した。

 理由は、この静岡県のばあい、(1)産地競争に負けた、(2)ミカンの消費量が減少した、(3)農業従業者が高齢化した、それに(4)外国からの輸入ミカンとの価格競争に負けた。
加えて、この静岡県の人たちには、「どうしても農業をしなければならない」という切実感がない。

とくにこの浜松市は、農業都市というよりは、工業都市。
それなりに栄えている。
「農業がだめなら、工場で働けばいい」という考え方をする。

 産地競争というのは、この静岡県は、愛媛県、熊本県との競争のことをいう。
ミカンは暖かい地方から先に、出荷される。
静岡県のミカンは、季節がら、どうしても出荷が遅れる。
遅れた分だけ、価格がさがる。だからどうしても価格競争に負ける。

 ミカンの消費量が減ったのは、それだけミカンを食べなくなったということ。
「皮をむくのがめんどう」と言う人さえいる。
皮をむくことで、「手が汚れる(?)からいやだ」という人さえいる。

 農業従事者の高齢化の問題もある。ミカン栽培は、基本的には、重労働。
ほとんどのミカン畑は中間山地にある。
斜面の登りおりが、高齢化した農業従事者には、きつい。

 最後に、このところ、外国からの輸入が急増している。
あのオーストラリアからでさえ、温州(うんしゅう)ミカンを輸入しているという。

 そこで、静岡県のミカン産業は、どうしたらよいのかということになる。

● 外国との競争

 オーストラリアでのミカン栽培は、そもそも規模がちがう。
大農園で、大規模に栽培する。
しかも労働者は、中国人やベトナム人を使っている。
もともと日本にミカンに勝ち目はない。

 本来なら日本も、その時期には、外国人労働者を入れて、生産費用を安くすべきだった。
しかし日本の農業、なかんずく農林省のグローバル化が遅れた。
遅れたばかりか、むしろ、逆にグローバル化に背を向けた。
が、それだけではない。

 現在の農業は、まさに補助金づけ。それはそれで必要な制度だったかもしれないが、この半世紀で、日本の農家は、自立するきびしさを、忘れてしまった。

このあたりの農家の人たちでさえ、顔をあわせると、どうすれば補助金を手に入れることができるか、そればかりを話しあっている。

 ここでは省略するが、農家の補助金づけには、目にあまるものがある。
農協(JA)という機関が、その補助金の、たれ流し機関になっていると言っても、過言ではない。
が、それ以上に、もう一つ、深刻な問題がある。

 実は農業に従事する人たちの、レベルの問題がある。
M氏は、「おおっぴらには言えないが、しかしレベルが低すぎる」(失礼!)と。
それを話す前に、こんなことがあった。

● レベルのちがい?

 私が学生で、オーストラリアにいたころ、私は、休暇になると、友人の牧場に招待された。
そこでのこと。
友人の父親は、夕食後、私たちに、チェロを演奏して聞かせてくれた。
彼の妻、つまり友人の母親は、アデレード大学の学士号を取得していた。

 私は、「農業をする人は、そのレベルの人だ」という、偏見と誤解をもっていた。
だから、この友人の両親の「質」の高さには驚いた。
接客マナーは、日本の領事館の外交官より、なめらかで、優雅だった!

 これには、本当に、驚いた!

 つまりこうした学識の高さというのが、オーストラリアの農業を支えている。
が、とても残念なことだが、日本には、それがない。
(最近、若い農業経営者の中には、質の高い人がふえてきているが……。)

 一方、この日本では、M氏の話によれば、戦前には、大学の農学部門にも、きわめてすぐれた研究者がいたという。
しかし戦後、経済優先の社会風潮の中で、農学部門には目もくれず、優秀な人材ほど、ほかの部門に流れてしまった。

 このことは、大卒の就職先についても、言える。

 私が学生のころでさえ、地方に残った若者たちは、負け組と考えられていた。
その中でも、農業を継いだ若者たちは、さらに負け組と考えられていた。
たいへん失礼な言い方だとは思うが、事実は事実。当時は、だれもが、そう考えていた。
M氏は、さらにつづけてこう言った。

 「農繁期には、中国や東南アジアから、季節労働者を呼び、仕事を手伝ってもらえばよい。
農業を大規模化するため、産業化、工業化すればよい。

しかしそういうグローバルなものの見方や、経営的な考え方をすることができる人が、この世界には、いない。
それがこの日本の農業の、最大の問題だ」と。

● おかしな身分制度

 ところで江戸時代には、士農工商という身分制度があった。
江戸時代の昔には、農業従事者は、武士についで2番目の地位にあったという。
それがどういうものであったかは、ただ頭の中で想像するだけしかない。
しかしまったく想像できないかといえば、そうでもない。

 私が、子どものころでさえ、「?」と思ったことがある。

私の実家は、自転車屋。士農工商の中でも、一番、下ということになる。
それについて私は、子どもながら、「どうして商人が、農家の人より下」と思ったのを覚えている。

 もちろん仕事に上下はない。
あるはずもない。
ないのだが、しかし私が子どものころには、はっきりとした意識として、それがあった。
「農業をする人は、商業をする人よりも、下」と。

 こうした社会的な偏見というか、意識の中で、日本の農業は、国際化の波に乗り遅れてしまった。
今の日本の農業は、国からそのつどカンフル注射を受けながら、かろうじて生きながらえているといった感じになってしまった。それが実情である。

●職業観の是正 

 もう一つ、話が脱線するが、今でも、おかしな職業観をもっている人は、少なくない。
私も、そうした職業観に、いやというほど、苦しめられた。

 私が「幼稚園で働いている」と話したとき、高校時代の担任のT氏は、こう言った。
「林、お前だけは、わけのわからない仕事をしているな」と。

 近所のS氏も、酒の勢いを借りて、私にこう言ったことがある。
「君は、学生運動か何かをしていて、どうせロクな仕事にありつけなかったのだろう」と。

 私の母でさえ、「幼稚園の先生になる」と話したとき、「浩ちゃん、あんたは道を誤ったア」と、電話口の向こうで、泣き崩れてしまった。

 そういう時代だったし、今でも、そうした亡霊は、この日本にはびこっている。
いないとは言わせない。
つまりそういう亡霊が、私が子どものころには、もっと強くはびこっていた。
農業従事者を「下」に見たのは、そういう亡霊のなせるわざだった。

 が、もう、そういう時代ではない。
またそういう時代であってはいけない。大卒のバリバリの学士が、ミカン畑を経営しても、何もおかしくない。
仕事で山から帰ってきたあと、ワイングラスを片手に、モーツアルトの曲を聞いても、何もおかしくない。

●結論

 私は、M氏の話に耳を傾けながら、これは農業だけの問題ではない。
静岡県だけの問題でもない。
日本人が、広くかかえる問題であると知った。もちろん教育の問題とも、関連している。
さらにその先では、日本独特の学歴社会とも結びついている。

 が、今、日本は、大きな歴史的転機(ターニング・ポイント)を迎えつつある。それはまさに「革命」と言ってよいほどの、転機である。

 出世主義の崩壊。
権威の崩壊。
それにかわって、実力主義の台頭。

 そこであなた自身は、どうか、一度、あなた自身の心に、こう問いかけてみてほしい。

 「おかしな職業による上下意識をもっていないか」と。

 もしそうなら、さらに自分自身にこう問いかけてみてほしい。

 「本当に、その意識は正しいものであり、絶対的なものか」と。
その問いかけが、日本中に広がったとき、日本は、確実に変る。
(040509)

【追記】

 その人がもつ職業観というのは、恐らく思春期までにつくられるのではないか。
職業観というよりは、職業の上下観である。

 この日本には、(上の仕事)と、(下の仕事)がある。
どの仕事が(上)で、どの仕事が(下)とは書けないが、日本人のあなたなら、それをよく知っているはず。

 こうした職業の上下観は、一度、その人の中でつくられると、それを変えるのは、容易なことではない。
心境の大きな変化がないかぎり、そのまま一生の間、つづく。

 もっともこの問題は、あくまでも個人的なものだから、その人がそれでよいと言うのなら、それまでのこと。
しかしだからといって、その価値観を、つぎの世代に押しつけてはいけない。

 さてここでクエスチョン。

 もしあなたの子どもが、あなたが(下)と思っている仕事をしたいと言い出したら、そのとき、あなたは何と言うだろうか。
そのことを、少しだけ、あなたの頭の中で、想像してみてほしい。

(以上、2004年11月記)


Hiroshi Hayashi+++++++Feb. 2012++++++はやし浩司・林浩司


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