Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Thursday, August 12, 2010

●ペンション「シンフォニー」

●春野町、ペンション「シンフォニー」に一泊する

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ワイフが、昔、何かの雑誌で読んで知った。
そのとき強烈な印象が、心に残ったらしい。
春野町に、「シンフォニー」という名前のペンションがある。
以来、「一度、そこへ行ってみたい」と。
折につけ、そう言った。

……ということで、今日、やってきた。
あこがれの「シンフォニー」へ!
2010年8月11日。

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●標高650メートル

 標高650メートル。
浜松市内とは、10度近い気温差があるという。
ペンションのマスターが、そう言った。
10度というのは、すごい。
理科の勉強では、100メートルごとに、0・6度下がると教える。

着いたのは夕方5時ごろだったが、山全体が独特の冷気に包まれていた。
季節はすでに秋?
ひぐらしの声に合わせて、遠くではツクツクホウシが鳴いていた。
私たちは部屋で一服したあと、そのまま温泉に。

●別世界

 「ここが浜松?」と言いたくなるほど、そこは別世界だった。
雨が心配されたが、空はクリアに晴れ、巨大な入道雲があちこちに見えた。
純白の入道雲で、白い夕日を浴びて、銀色に輝いていた。

 もっともここへ来るのが目的ではなかった。
ドライブが目的だった。
10日ほど前、車をTOYOTAのプリウスに替えた。
「どこかへ行こう」ということで、ここペンション「シンフォニー」にした。
プリウスを買ってから、はじめての遠出。

●星は4つ

 料金は、おとな1人、1泊8300円+消費税。
部屋はログハウス。
ふとん敷きなどは、セルフサービス。
内湯なし。
料理は、ふつう。
……というか、料金と照らし合わせても、ややがっかり。
(ごめん!)
マスの塩焼きとグラタンが並んだが、少なからず、違和感を覚えた。
そんなわけで旅館と思うのではなく、高級バンガローと思って泊まればよい。
それならじゅうぶん、納得できる。

というか、それでもおつりがくるほど、周囲の環境がすばらしい。
遠くに連山をながめ、その下は深い谷になっている。
その環境を料金に含めれば、星は4つの、★★★★。

 風呂から出ると、乾いた冷気が身を包んだ。
「来てよかった」と、私は言った。
ワイフもそう言った。

●午後7時29分

 食事から帰ったあと、ふとんをみなで敷いた。
言い忘れたが、ワイフと私、それに長男。
ログハウスといっても、隣の客の声がよく聞こえる。
隣は、2人の子ども連れ。
「誠司や芽衣みたいだね」と、ワイフと言い合う。
孫の誠司と芽衣をいう。
年齢も近い。

 ワイフと長男は、隣でDVDを観ている。
『愛は静けさの中に』というタイトルのDVD。
一度、観たことがある。
ワイフも観ているはずなのだが、「私は観ていない」とがんばっている。
頭のほうがかなりボケてきたらしい。
心配!

●睡魔

 かく言う私も、このところ、ミスが多くなった。
今朝もミスをした。
ミスというより、失敗をした。

 今朝、私はある中学校で、講演をした。
その地区の幼稚園、小中学校の先生たちが集まってくれた。
で、今日のために昨日、運動をした。
鈍った頭と体では、講演はできない。
朝、仮刈機で空き地の草を刈った。
これが結構な重労働で、30分もすると全身が汗でびしょびしょになった。
ほかにウォーキンマシンの上で、計30分。
夕方になって、自転車で1時間ほど、走った。

 が、これが裏目に出た。
講演は朝の9時からだったが、昨日の疲れがそのまま残ってしまった。
起きたときから、眠かった。
その眠気と闘いながら、講演をつづけた。

●アクセス

 で、昼からドライブをかねて、ここ「シンフォニー」へ。
一度グーグルアースで検索したあと、情報をEメールで自分宛に送る。
そのメールの添付ファイルをSDカードにコピーしたあと、車のナビに。
こうすれば正確に目的地を登録できる。

 が、ここに着くまでに、2度も道に迷った。
ナビの責任というより、「シンフォニー」は、わかりにくい場所にある。
シンフォニーへ来る人は、一度場所をしっかりと地図で確かめてから来るとよい。
ナビは、アテにならない。

 明日、帰るときに、マスターにそのことを話してやろう。
ネットで前もって調べたときも、同じような書き込みがあった。
「アクセスで苦労をしました」と。
標識なり、看板を、もう少し親切に表示したほうがよいのでは……?

●客商売

 こうしたペンションを開く人というのは、それなりの哲学をもった人が多い。
2、3言、会話を交わしただけで、それがわかる。
言葉のはしばしに、ほかの人にはない生き様というか、信念を感ずる。

 が、ここで誤解してはいけない。
こうした客商売というのは、見た目ほど、楽ではない。
楽しくもない。
私も山荘をもったころは、うれしくて毎週のように客人を呼んだ。
民宿の主人にでもなったかのように、客人をもてなした。
しかし数か月もすると、疲れてしまった。

 客人は客人。
何も手伝ってくれない。
せっかくの土日が、(たいてい土日に招待することが多かったので)、
接待だけで、つぶれてしまった。 

 そんなわけで、そのうち1か月に1組になり、数か月に1組になった。
今では、客人を呼ぶことは、めったにない。

●水問題

 あたりはすっかり暗くなった。
時刻は8時を少し回ったところ。
温泉は、午後9時までと聞いている。
寝る前に、もう一度、湯につかってくる。
夕飯を食べ過ぎたせいか、腹が張っている。

 そう、ここの風呂は、温泉とか。
風呂の入り口の上に、効能が示してあった。
しかし水は、どこから来ているのだろう。
こうした山荘で、最大の問題は、「水」。
ガスはプロパンで間に合う。
電気は、半径2キロ以内に家があれば、電力会社が無料で電線を引いてくれる。
しかし「水」はそういうわけにはいかない。
村が近くにあれば、水を分けてもらえると考える人もいるかもしれないが、それは甘い。
村の人たちは、「絶対に」と断言してよいほど、絶対に水を分けてくれない。
こうした山間部では、「水」は、貴重。
長い歴史の中で、水源地を聖地化しているところも多い。
言い換えると、山の中に山荘を建てようと考えたら、まっさきに「水問題」を
解決すること。
それができなければ、山荘はあきらめる。

 (ところで食前にビールをコップに3分の1ほど、飲んでしまった!
私は本当は一滴も飲めない。
そのせいか、軽い頭痛が始まった。
二日酔い?
頭痛薬を半分、水に溶かしてのむ。)

●8月12日(翌日)

 夜中に雨が降り始めた。
近くの木々の葉を打つ音が、一晩中、聞こえていた。
時計を見ると、午前7時、少し前。
軽い頭痛が残っていた。
やはり二日酔いか?

 カーテンを開けると、そこは真っ白な霧に包まれた、別世界。
小雨に混ざって、霧が左から右へと流れる。
朝食は8時から。
私は風呂へと向かった。

●朝風呂

 風呂は小さいが、ゆっくりとくつろぐことができた。
ただし子どもがいっしょにいないこと。
夏休みは、どこへ行っても子どもがいる。
料金も割高。
となりの女湯には、子どもが数人いた。
その子どもたちが、風呂をプールがわりにして、キャッ、キャッと騒いでいた。

 私は子どもは嫌いではないが、こういうところでは、できるだけ子どもを
避けるようにしている。
職業柄、子どもの顔を見ると、気になる。
落ち着かない。

●無意識下の行動

 ところで昨夜、こんな事件があった。
事件と言えるほど、おおげさなことではないが……。

ワイフと長男は、いつものようにDVDを観ていた。
そのときのこと。
私がワイフの右肩に手をかけると、ワイフはすかさず、私の手を、ワイフの右手で
払いのけた。
ときどきワイフが見せる態度である。
最近は少なくなったが、若いころは、よくあった。

 ワイフは、私に対して何かの嫌悪感をもっている。
心の奥に抑圧された欲求不満かもしれない。
あるいはなにかのわだかまり?
ワイフにかぎらない。
家庭に閉じ込められた女性は、多かれ少なかれ、夫に対して何らかの敵意を覚える。
それが長い時間をかけて、欲求不満へとつながっていく。

で、私がしばらくしてから、「どうして払いのけたの?」と聞いたが、ワイフは「覚えて
いない」と。
「さっき、ぼくの手をお前は払いのけただろ?」
「そんなこと、してないわ。あなたの思い過ごしよ」と。

 無意識下の行動であるため、ワイフも覚えていない。
無意識下の行動であるため、かえって深刻。
そのつど不愉快な気分になるが、心の奥にまで私も、ワイフ自身も踏み込めない。
見た目には仲のよい夫婦(?)だが、私たちも仮面夫婦なのかもしれない。

●夫婦

 ワイフもそうだったが、「性」に対して、何らかの嫌悪感をもっている女性は多い。
男性のばあい、劣等感をもつことが多い。
が、女性のばあいは、嫌悪感。
中には、性生活そのものを受け入れられない女性もいる。
「不潔」とか「変態」とか、あるいは「異常」とかいう言葉を使って、性生活を拒否する。

 しかし夫婦のばあい、それがどんな形であれ、「異常」ということはない。
「性」の形は、それぞれの夫婦が決めること。
またそれでよしとすること。
それを乗り越えるのが、夫婦の愛情と理解ということになる。

 私の知っている人には、たがいに公然と不倫を重ねながら、それでいて見た目には
仲のよい夫婦がいる。
一方、ワイフのばあいは、若いころから潔癖症。
それに加えて、がんこ。
もし私が不倫をし、それを知ったら、ワイフは離婚どころか、私を殺したあと、自分も
死ぬだろう。

●雨

外でははげしく雨が降りつづいていた。
昨日の天気予報によれば、今ごろ小さな台風が日本海を北上しているはず。
その影響か。
ここ「シンフォニー」には、テレビはない。
インターネットも携帯電話(au)もつながらない。
「陸の孤島」と言うのはおおげさだが、それに近い。
が、それでも浜松市内。

 場所は、浜松市天竜区春野町。
浜松市内から約60キロ。
時間で1時間半。
実際には、のんびり運転で、2時間もかかったが……。

●ペンション

 私の印象では、ペンションの時代は、終わった?
最近では、市中のビジネスホテルでも、格段にサービスがよくなった。
先週泊まったビジネスホテルは、コーヒーでも飲み放題。
あめ玉サービスもあれば、化粧品サービスもあった。
まさに至れり尽くせり。
それに清潔。
またそうでもしないと、客が入らない。

 一方、シンフォニーは、年数もかなりたっているらしく、バンガロー風。
それはそれでよいが、50代、60代の私たちには、つらい。
最低でも旅館風のサービスがないと、どうも落ち着かない。
が、だからといって若い人向きかというと、そうとも言えない。
最近の若い人は、ぜいたく。

テレビもない。
クーラーもない。
自動販売機もない。
寝具もない。
バスタオルもない。
おまけに布団は、せんべい布団。
それに白いシーツを自分でかけて、横になる。

 若いときなら、こういうところでも眠ることができた。
雑魚寝(ざこね)も、それなりに楽しかった。
が、今は、ちがう。
枕がちがっても、寝づらい。

 が、今の若い人には、それもできない?

●帰り
 
 帰りは、大雨になった。
まれに見る大雨。
台風4号が日本海を通過している。
その影響らしい。

 私たちは歩くような速度で山道をくだった。
ところどころで路肩に車を止めている人もいた。
それほどの雨になると、ワイパーも用なし。
「すごい雨だなあ」
「すごい雨ね」と。
何度も同じ会話を繰り返した。

 ペンション「シンフォニー」の様子は、ビデオカメラに収め、YOUTUBEで
公開した。
興味のある人は、ぜひ見てほしい。
その環境のすばらしさに、あなたも圧倒されるはず。
奥深い山の中で、森林浴を楽しみたい人には、最適。
ただし持ち物には注意すること。
基本的には、食事つきの貸しバンガローと考えて行くこと。

【ペンション・シンフォニー】



あるいは、

http://www.youtube.com/watch?v=bKpYErFxmJ0&feature=player_embedded

より。

(はやし浩司 ペンション シンフォニー 浜松市 春野町 貸しバンガロー ログハウス 森林浴 浜松市の郊外 森の中)


Hiroshi Hayashi+++++++Aug. 2010++++++はやし浩司