Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Tuesday, August 03, 2010

●貧困化する老後生活

【老後の私たちの生活】

●韓国=日本、日本=韓国

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国際的な視点から見れば、日本と
韓国は双子。
双子のようによく似ている。
日本人がデンマークとオランダを
区別できないように、世界の人もまた
日本と韓国を区別できない。

外観ばかりではない。
中身もよく似ている。
今朝の朝鮮N報に、気になる記事が
2つ載っていた。
ひとつは、親の学歴が子どもの学歴、
成績、収入に影響を与えるというもの。

もうひとつは、韓国でも高齢者の
貧困問題が、顕在化してきたということ。

一部を抜粋して、ここに掲載する。

+++++++++++以下、朝鮮N報より抜粋、転載++++++++++

●親の学歴(以下、朝鮮N報より一部、転載)

 ……子どもの修能試験の成績やTOEICの点数、就職後の給与水準は、保護者の学歴や経済力などによってどれほど格差が生じているのだろうか。取材班はこの点について、韓国開発研究院のキム・ヒサム研究員に分析を依頼した。キム研究員は、農山漁村以外の地域に住む勤労者世帯5000世帯を対象に、保護者の学歴や経済力などの指標ごとに、子どもの修能試験の成績、TOEICの点数、就職後の初任給の水準を算出した。

 その結果、大学に入学するための第一関門となる修能試験の成績は、保護者の学歴などによって差が生じていることが分かった。両親とも大卒の場合、子どもの修能試験の平均点は256.2点で、両親とも高卒以下の場合(236.4点)に比べ19.8点高い結果となった。

 保護者の学歴や経済力などによる差が最も大きかったのは、就職に必須とされるTOEICの点数だった。世帯所得が100万ウォン(約7万1000円)増えるにつれ、子どものTOEICの点数は21点ずつ高くなった。また、両親とも大卒の場合、子どものTOEICの平均点は741.9点となり、両親とも高卒以下の場合(667.6点)に比べ74.3点高い結果となった。

 こうした英語力における格差は結局、子どもが就職した後の賃金にも結び付いている。両親とも大卒の場合、初任給の平均は202万9009ウォン(約14万4700円)である一方、両親とも高卒以下の場合は、156万4458ウォン(約11万1600円)にとどまった。
(朝鮮N報・2010/8/3)

●貧困化する高齢者

 韓国の高齢者の35.1%が貧困状態にあることが分かった。

 国民年金研究院のソク・サンフン研究員が2日、「年金フォーラム」夏号に発表した報告書によると、昨年、韓国の高齢者の35.1%が、最低生計費(二人家族の場合、1カ月86万ウォン=約6万3500円)に満たない貧困層に属していた。

 これは、昨年の韓国全体の人口に占める貧困率(14.1%)の2.5倍以上だ。高齢者世帯の貧困率は、2006年には30%だったが、07年には31%、08年には32.5%と、毎年増加の一途をたどってきた。

 2008年から、老齢基礎年金の制度が施行されたが、これが高齢者の貧困状態を緩和する効果はまだ限定的だという。

 老齢基礎年金は、65歳以上の高齢者のうち、低所得層に属する70%の人たちに対し、一人暮らしの場合は最高で月9万ウォン(約6650円)、夫婦の場合は最高14万4000ウォン(約1万1000円)=ともに2010年8月現在=の年金を支給する制度だ。
(朝鮮N報・2010/8/3)

+++++++++以上、朝鮮N報より、抜粋転載+++++++++++

●深刻な社会問題

 「韓国も、いろいろたいへんだな」と、私は思った。
2つの記事を読んで、身につまされた。
とくに高齢者の35%が、1か月の最低生活費が、6万3500円以下の貧困層に
属しているという記事には、ぞっとするような恐怖感さえ覚えた。
この額は、私がこの先支給される、国民年金額とほぼ同じ!
しかし現実問題として、6万3500円で生活していくのは、不可能。
財産を切り売りし、貯金を取り崩して、生きていくしかない。
が、それとて何年もつことか?

 たまたま昨日も、30年来の友人であるS氏と電話で話した。
私と同年齢。
昭和22年生まれの団塊の世代。
S氏は、市の職員を定年(60歳)まで勤め、昨年まで公的機関で働いていた。
で、今は、それまでの趣味を生かし、農園業を営んでいる。
たまたまS氏の妻が、農業資格をもっていたこともあり、農地を安く手に入れること
ができた。

「いいですね。まさに悠々自適の老後生活ですね」と言うと、S氏はどこか
うれしそうだった。
つまりS氏は若いころから、現在の生活を目標にし、生きてきた。
「目標にしてきた」というよりは、今という将来を見据えながら、仕事をしてきた。
だから2人の息子がいるが、必要以上に学費は出さなかった。
自分たちの老後の資金を確実に蓄えながら、質素に生きてきた。

 一方、この私は、そのときどきを無我夢中で生きてきた。
将来のことなど、ほとんど考えなかった。
「何とかなるだろう」とは思っていたが、そこまで。
収入のほとんどを、息子たちの学費として使ってしまった。
つまり典型的な親バカ!

 だから今は、こう言うようにしている。

「息子や娘に、勉強しろなんて、言ってはいけませんよ。
言えば言うほど、あとあと、責任を取らされます。
息子や娘が、『大学へ行かさせてください』と3度頭をさげるまで、学費など、
出してはいけませんよ」と。

●高学歴

 その一方で、(高学歴の親ほど)→(収入が多く)→(子どもの学費にお金がかけられる)
→(そのため子どもも高学歴)になる。
その結果が、朝鮮N報の1つめの記事ということになる。
 
 が、こんな調査結果もある。

++++++++++以下、内閣府、平成21年調査より++++++++++

●第8回世界青年意識調査より

(将来、親のめんどうをみるか?)

年老いた親を養うことの意識は、欧米に比べ、日・韓で弱い。

●年老いた親を養うことについてどう思うか

『どんなことをしてでも親を養う』(1)

イギリス66.0%、
アメリカ63.5%、
フランス50.8%、
韓国35.2%、
日本28.3%

●将来、子どもにめんどうをみてもらいたいか?

自分の子どもに老後の面倒をみてもらいたい日本の青年は5割弱で、韓国に次いで低い。

●「自分の子どもに老後の面倒をみてもらいたい」と思うか
『そう思う』(2)

イギリス70.1%、
アメリカ67.5%、
フランス62.3%、
日本47.2%、
韓国41.2%

++++++++++以上、内閣府、平成21年調査より++++++++++

●親のめんどう

 「将来どんなことをしてでも親のめんどうをみる」と答えた若者は、日本人の
ばあい、28・3%しかしない。
たいていは「経済的に余裕があれば……」という条件をつけている。
しかし「経済的余裕」とは何か。
みな、それぞれに目一杯の生活をしている。
経済的余裕がある人など、いない。
言い替えると、「親のめんどうはみない」ということになる。

 が、その一方で、「将来は子どもにめんどうをみてもらいたい」と。
上記(1)と(2)の数字をよく見比べてみてほしい。

 イギリス、アメリカ、フランスの若者たちの意識は、それぞれ拮抗(きっこう)
している。
「親の面倒はみる」「だから私たちもみてほしい」と。
が、日本のばあいは、かなり内容がちがう。

「親の面倒はみない」「しかし子どもには、めんどうをみてほしい」と。
つまり自分勝手。

 もう一度、上述、「28・3%」という数字と、「47・2%」という数字を
よく見比べてみてほしい。
これがそこにある「現実」ということになる。
だから私は言う。

『3度、頭をさげさせろ!』と。
私のばあい、息子たちには、それをさせなかった。

●ワイフの意見

 ただ残念なのは、この点については、私とワイフとでは、大きく意見がちがう
ということ。
ワイフは、「これでよかった」と、いつも言っている。
私が「ぼくは親バカだったよ」と言うたびに、「あなたが勝手にしたことでしょ!」と
言い返す。

 そうかもしれない。
そうでないかもしれない。
ワイフには、自分で働いたという経験がない。
実社会のきびしさを知らない。
これからの老後の資金についても、「お金は天から降ってくるもの」と思いこんでいる(?)。
だから、率直に言って、話にならない。

 が、私はちがう。
だから友人のS氏には、こう言った。
「ぼくは死ぬまで仕事ですよ」と。
あとはできれば、ピンポク。
その前日までピンピンと働いて、その日、ポックリと死ぬ。

私「ピンポクできれば、御の字ですよ」
S「そうですかア? 私はがんで死ぬほうがいいなア」
私「どうして?」
S「そのほうが時間をかけて、身の回りの整理ができるから……」と。

 同じように生きてきた世代だが、考え方は、人それぞれ。
みな、ちがう。
そう思いながら、私は電話を切った。

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