Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Saturday, March 26, 2011

●フクシマ原発事故

●3月27日(義兄と話す)

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このところやや運動量をふやしている。
朝起きるとすぐ、30分のジョギング。
プラス、時間を作って、1~2時間の
ウォーキング。

体は快調……というより、空腹感+眠気が
交互に襲ってくる。
夜は朝まで、ぐっすりと眠られる。
おかしなもので、睡眠時間をしっかりと
とればとるほど、日中、ぼんやりとした
気分になる。

これはどうしたメカニズムによるものなのか。

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●義兄

 昨夜は義兄と、4~5時間、話し込む。
話題はもっぱら、原発事故。
以下、そのときの話の内容をまとめてみる。

(1)東京電力が被害者ぶっているのは、許せない。

 東京電力は、今でも、「想定外の……」という言葉をよく使う。
今回、放射能で汚染された水が流出したことについても、「想定外の……」と。
便利な言葉だ。
その一言で、すべての責任から逃れることができる。

 その一方で、東京電力は言うなれば、超一流企業。
年間の売り上げだけで、4兆円。
全国各地に、これまた超豪華な保養所や社員寮をもっている。
その保養所だけでも、20数カ所。
が、その東京電力が、避難した人たちを受け入れたという話は、まだ聞いていない。
どうしてだろう?

 加えてあのタレントたちの話になった。
ボランティア活動やアフリカ難民救済運動の必要性を、先頭に立って説いていた、
あのタレントたちである。
自分たちは、超の上にさらに超が2つつくような、超・超豪華な邸宅に住んでいる。
そういうタレントたちが、今、何かのボランティア活動をしているという話は
まだ聞いていない。
どうしてだろう?

(2)「今すぐ人体に……」

 もうひとつわけのわからない言葉がある。
「今すぐ……」という言葉。
「今すぐ人体に影響が出る数値ではありません」と。

 そういうあいまいな言い方を耳にすると、私はすかさず、こう思ってしまう。
「今すぐでなければ、いつなんだ」と。

 昨日(3/26)、あのチェルノブイリ事故の現在の様子が、テレビで報道されていた。
25年前に、ウクライナで起きた原発事故である。
そのチェルノブイリから60キロほど離れたところにある、小さな村が、紹介されていた。
その村は、今でも、立ち入り禁止地域になっている。
が、村を訪れると、まばらだが人が住んでいた!
ある村人は、レポーターの質問に対して、こう答えていた。

「放射能は問題ありません。もう消えました」と。
60歳前後の男性だったが、明るく笑っていた。
手には放射能測定器をもっていた。
 
が、つぎのシーンを見て、私は驚いた。
その村には病院がひとつある。
何とその病院には、放射能障害でいろいろな病気になった乳幼児が、ズラリと並んでいた。
ズラリ、とである!
今の今でも、である!

 つまりこれが日本の近未来像と考えてよい。
放射能は、人間のDNAレベルにまで影響を与える。
「与える」というより、「DNAを狂わす」。
「今すぐ……」ではないとしても、そうした問題が、この先、少なくとも25年はつづく。
つぎの、そのまたつぎの代までつづく。

 福島第一原発の処理が遅れれば遅れるほど、被害は大きくなる。
未来に向かっても、被害はより長くつづく。

(3)風説被害?

 政府は「風説」という言葉をよく使う。
「風説には惑わされないように」とか、「冷静に判断して」とか。
今朝もNHKの報道番組の中で、解説委員の1人もそう言った。
「政府の言うことを信じて、行動してください」と。

 まことにもって、権威主義。
これを権威主義と言わずして、何という。
戦時中の大本営発表と同じ。
言い換えると、これほどまでに国民をバカにした話はない。
私たちは正確な情報さえ与えられれば、自分で考え、自分で行動できる。
その情報も与えないで、なにが風説だ!
政府の言うことを信じていたからこそ、こういうことになったのではないのか。

(4)経済破綻

 震災直後、日銀は38兆円という現金を、市中にばらまいた。
言うなれば、日本経済に電気ショックを与えた。
が、その効なし。
円は、一気に円高に向かった。
つまり円が、日本国内に逆流し始めた。

「もうだめだ!」と思ったその直後、先進各国が、円売りの協調介入をした。
日本経済は、崖っぷちから一度は落ちた。
それを協調介入という方法が、救ってくれた。
が、いつまでもその効果がつづくわけではない。
仮に原発事故の処理が長引けば、そのとき日本の命運は決まる。

 横に座っていた義姉が私にこう聞いた。
「経済破綻したら、日本はどうなるの?」と。

私「札が紙くずになるということです」
姉「……いつごろ?」
私「今までの常識からすれば、ある日突然、です」
姉「突然?」
私「1日か2日で、命運が決まります」と。

 経済破綻、つまりデフォルト(債務超過)の恐ろしい点は、ここにある。

●幻想の崩壊

 ……というわけで、明るい話はしなかった。
しかしたがいに愚痴を言いあうことで、かなり気分が楽になった。
義兄はこう言った。

「今ね、日本中でみな、こんな話をしているんだろうね」と。

 ……いろいろな考え方があるだろう。
希望論、悲観論、楽観論などなど。
が、今、日本は戦後、最大の危機を迎えつつある。
それだけは確か。
義兄はこう言った。

「ぼくらは、終戦直後のあの日本をよく知っている。
みな、貧しかった。
それを知っているから、日本の繁栄など、幻想のようなもの。
それがよくわかる。
その幻想に、みなが酔いしれた。
とくに若い人たちが、ね。
豊かな生活を見ながら、それが当たり前と思い込みすぎた。
今、その幻想が崩れつつあるのではないのかな」と。

私「日本は再生するでしょうかね」
兄「再生するよ」
私「そうだといいですね」
兄「でも、今度は日本人が、中国やブラジル、インドに出稼ぎに行くような時代に
なるだろうね。頭をさげて……」
私「東京が避難地域になったら、そうなるでしょうね」と。

 さあ、がんばろう!
がんばるしかない!
ともかくも、日本を再生させるしかない!
このまま日本を沈没させてたまるか!

2011年3月27日朝記


Hiroshi Hayashi+++++++March. 2011++++++はやし浩司・林浩司