Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Monday, February 13, 2012

●右を見ても、左を見ても・・・

●「♪右を見ても、左を見ても、真っ暗闇でござんせんか」

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

昨夜は、鶴田浩二の「♪傷だらけの人生」を練習した。

「古いヤツだとお思いでしょう。
古いヤツほど、新しいものをほしがるものでございます。
が、新しいものなど、どこにございましょう。
生まれた土地も、荒れ放題。
右を見ても、左を見ても、真っ暗闇でござんせんか」(録音版から文章を起こしたため、不正確)と。

鶴田浩二は、この浜松市出身である。
だから浜松市の、ある一定年齢以上の人は、みな、鶴田浩二をよく知っている。
神様のように、みな、よく知っている。

「練習した」というのは、先の口上の部分を暗記し、それをまねること。
このところ私の脳みそが、戦中、戦前時代へと戻っていくのが、よくわかる。
数日前は、浪曲を練習していた。
「♪旅行けば、駿河の道に、茶の香り」と。
(「駿河の国」ではなく、「駿河の道」が、正調。念のため。)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●真っ暗闇

 「失われた10年」が、「失われた20年」になった。
それが今では、「失われた25年」になった。

 たいていの人は、立派になった公共施設や道路だけを見て、「日本もまだまだ……」と思っているかもしれない。
しかしそれらは、ミ~ンな、借金で建てられたもの。
国家予算にせよ、地歩自治体の予算にせよ、土木建設費が、20~25%という国は、そうはない。
メチャメチャ!

 交付金で建ててもらった直後は、地方財政は、それなりに潤う。
が、そのあとドカッとやってくるのが、維持費。
ご存知の方も多いと思う。
どこの会館でも、会館の職員は、会館の掃除す「できない」。
(「やらない」ではない。「できない」。)
掃除をすれば、外郭団体の清掃会社の仕事を奪うことになる。
もちろん清掃会社といっても、役人の天下り先!

 修理、部品の交換、整備、管理……さらには、周辺の草刈りもすべて、外注。

 こんなことを25年もしていれば、その国は、どうなるか?
その結果が、1000兆円という借金。
ギリシャは、30兆円で、今の状態。
日本は、その30倍以上!

 「♪右を見ても、左を見ても、真っ暗闇でござんせんか」。

●移民国家

 つい先週、シンガポール政府は、こう発表した。
「私たちは日本のようにはならない」と。
具体的には、移民をどんどんと受け入れていく、と。

 この日本が生き残るためには、「移民」を受け入れるしかなかった。
が、この日本は、あえてそれに背を向けた。
たった10年前ですら、こんなことを言う人がいた。

「移民を受け入れたら、日本人が職場を失う」
「移民は質が悪いから、治安が悪くなる」
「日本の伝統的文化が、破壊される」と。

 が、2050年には、人口の上で、日本は崩壊する。
何度も書いてきたので、ここでは省略するが、国を守る兵士すらいなくなる。
すでに大企業のほとんどは、最後の生き残りをかけ、生産拠点を海外に移した。

 おかしな鎖国主義で、職場を失ったのは、日本人自身ということになる。
が、それだけではない。
おかしな復古主義。

「英語教育は不必要」
「英語教育の代わりに、論語」
「武士道こそ、日本の精神のバックボーン」と。

 日本へ来る移民の立場で、ものごとを少しは考えろ。
逆の立場で、少しは考えろ。
そんな頭ガリガリの国に、だれが移民で行きたがる?

 一方、シンガポールは、すべてを開放した。
シンガポールに住むアメリカ人は、アメリカにいるのとまったく同じ条件で、アメリカ人の医師に診察してもらえる。
もちろん保険も、そのまま使える。

 こんな狭い、小さな島国で、「日本」「日本」と叫んでいるほうが、おかしい。
日本が2050年以後も生き残るためには、開放しかない。
人口の減少分を、移民で補う。
アメリカやオーストラリア、カナダのように……。
が、今となっては、それもすでに手遅れ。

 移民を受け入れる、職場すら、消えた。
この浜松市にも、一時は3万人を超える南米からの労働者がいた。
が、今では、さがさなければならないほど、少なくなった。

 「♪右を見ても、左を見ても、真っ暗闇でござんせんか」。

●農業

 3反の畑を借り、農業を始めた人がいる。
家庭菜園のつもりで始めた。
Fさんである。
そのFさんと、昨日も、こんな話をした。

 「補助金を、100万円も、もらいました」と。

 が、農家の人たちが受け取る補助金は、そんなものではない。
そんなものではないことは、農家の人たちが、いちばんよく知っている。
まさに補助金漬け。
本来なら農業指導をする農協が、その補助金の指導をしている。
「こういうふうに申請すれば、~百万、出ますよ」と。

 こんなことばかりしているから、農業は衰退する。
農家の依存心だけを、増長させる。

平たく言えば、駅前のシャッター街に、意味のない補助金を注ぎつづけるようなもの。
時代には、時代の流れというのがある。
現在の農業政策は、その時代の流れに、完全に逆行している。

 農業だけではない。
林業しかり、漁業しかり……。

 本来なら企業の参入を認め、自由化すべき。
戦後の自民党は、票を失うことだけを恐れ、かえって墓穴を掘ってしまった。

 「♪右を見ても、左を見ても、真っ暗闇でござんせんか」。

●教育

 教育といっても、その世界は広い。
たとえば英語教育にしても、デッドロックに乗りあげてしまっている。
「小学校での英語教育、不要論」まで、出てきた。
ならばどうして、ドイツやイタリアのように、自由化しないのか。
こうしたノン・アカデミックな、(実用性の高い)科目は、民間に任せればよい。

 英語を教えたい学校がある。
英語を教えたくない学校もある。

 英語を学ばせたい親がいる。
英語を学ばせたくない親もいる。

 英語を勉強したい子どもがいる。
英語を勉強したくない子どももいる。

 そういう学校や親、子どもをいっしょくたにし、北海道から沖縄まで、画一教育。
もともと、この方式には無理がある。
デッドロックに乗り上げて、当然。

 だったら、自由競争に任せればよい。
民間は、何ごとにつけ必死。
その必死さが、質を高める。

 あとはバウチャー券のような形で、レッスン料を補助すればよい。
が、文科省は、戦後、70年、保守一徹。
韓国では、紙製の教科書を廃止し、電子ブック化を進めている。

あのね、あのオーストラリアでも、すでに30年前から、小学校でコンピューターを教えていたぞ。
ちゃんと、私はこの目で見たぞ!

アメリカでは、10年前から、幼稚園でコンピューターを教えていたぞ。
ちゃんと、私はこの目で見たぞ!

 「♪右を見ても、左を見ても、真っ暗闇でござんせんか」。

 ……ということで、今朝のグチは、ここまで。

 ついでに……。

 直近の経済統計によれば、日本の経済成長率は、とうとうマイナスに落ちた。
が、肌で感ずる不況感は、そんなものではない。
どこも青息吐息。
やがてすぐ、日本の国債(借金)は、買い手(貸し手)も見つからないまま、大暴落する。
イコール、日本の「円」は、紙くずと化す。
可能性の問題でない。
時間の問題。

 すでに都市銀行は、その防衛策として、長期国債を短期国債に乗り換え始めている。
日本のデフォルトを予想してでのことである。
日本をターゲットにし、ヘッジファンド(ハゲタカ組織)も動き出した。
「つぎは日本!」と。

 この先、もう日本のことはどうでもよい。
まず私たち自身の財産を守る。
「みなと渡れば……」などと考えていると、それこそたいへんなことになる。

 ……という話は、おまけ。
今朝は、読者のみんさんを、クラ~イ気分にして、ごめん。
何といっても、天気が悪い。
空は鉛色。
雨雲。
雨がシトシトと降っている。

 ア~ア、私は天気男。
そのときの天気に、大きく左右される。

はやし浩司 2012-02-14朝記


Hiroshi Hayashi+++++++Feb. 2012++++++はやし浩司・林浩司