Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Sunday, March 08, 2009

*What are the Kings and Queens for us?

●王と女王(論)(King & Queen)

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シロアリのおもしろい生態が、また
ひとつ、新たに明らかになった。

シロアリの世界には、(王)(女王)
(兵アリ)(働きアリ)の4種類がいる。
それについては、よく知られている。
で、その(女王)についてだが、女王アリは、
「単為発生で自分の分身を産むこともある」
ということがわかった。
読売新聞は、つぎのように伝える(09年
3月)。

『女王の命は永遠? 日本に多いシロアリ「ヤマトシロアリ」の女王は、自分の死後の後継者となる新女王を、王と交配しない単為発生で産むことを、岡山大の松浦健二准教授(昆虫生態学)らが発見した。新女王はこれまで、王と女王の娘と考えられてきたが、実は自分自身の“分身”で、女王の座を守り続けていた。17日から盛岡市などで始まる日本生態学会で発表する』(以上、読売新聞)と。

わかりやすく言えば、女王は、王と交配しなくても、
自ら、女王を産むこともあるという。
それを「単為発生」という。
もっとわかりやすく言えば、王とのSックスなしで、
自分の分身を産む。

ほかの王、兵アリ、働きアリは、王と女王との交配によって
生まれるが、女王だけは、ちがう。

さらに記事には、こうある。

++++++++++++++以下、読売新聞より+++++++++++++++

シロアリは最初に1匹ずつの王と女王が巣を作り、働きアリや兵アリ、生殖能力を持つ羽アリなどを産む。

 松浦准教授らが、ヤマトシロアリの生態や遺伝子を詳しく調べたところ、女王は通常、王と交配して産卵するが、うち2~5%は単為発生で産み、それが新女王になることがわかった。

 巣が大きくなると、働きアリなどを増やす必要が出てくるが、女王だけでは産卵数が不足しがちになると、新女王たちが王と交配し、家族を増やす。20~30年生きる王に比べて女王の寿命は5~10年と短いが、分身がさらに分身を産むため、巣が存続する限り、初代女王と同じ遺伝子の女王が君臨し続けることになる。

++++++++++++++以上、読売新聞より+++++++++++++++

記事をよく読むと、「単為発生する女王もいるが、
もちろん王と交配して生まれる女王もいる」ということがわかる。
まっ、ごちゃごちゃ!
それにしても、おもしろい世界だ。

人間の世界にたとえるなら、妻が勝手に自分の分身を作って、
自分の仕事を手伝わせるようなもの。
夫のほうにすれば、古い女房が死んでも、また新しい女房が
そこにいるわけだから、いつまでも、新しい女房と、
新婚生活を楽しむことができるということになる。
これなら女房の寿命が、夫の3分の1~4分の1でも、
かまわない。

が、ここで私は、重大なことに気がついた。
(おおげさかな?)

●王と女王論

人間は、勝手に「王」とか、「女王」とかいう名前をつける。
が、もちろん、シロアリが、それを意識しているわけではない。
またそういう上下意識があるわけではない。
上下関係があるわけでもない。

そこで私は、ハタと考え込んでしまった。
「王アリ」とか「女王アリ」とか呼ぶが、それは正しくないのでは
ないか、と。
女王アリについて言えば、「卵を生産する生産アリ」と呼ぶ方が、
正確ではないのか。

王アリにしても、そうだ。
実際には、「種アリ」。
「種馬」の「種」と同じ。
もっと言えば、「生殖アリ」。
毎日、毎晩、Sックスをして、子どもをつくってばかりいる。
一見、うらやましく見えるが、けっして楽な世界ではない。
そういうアリを、「王」とか、「女王」とか、呼んでよいものか。

が、私たちは、「王」とか、「女王」とかいう言葉にまどわされる。
人間世界における「王」や「女王」を、そのままその言葉の上に重ね合わせてしまう。
王アリだから、すごいとか、女王アリだから、すごいとか。
しかしもし私がシロアリなら、兵アリや働きアリのほうが、
よっぽど気が楽。
Sックスはできないが、できないからといって、どうということはない。

……と考えて、また私は、新しい事実に気がついた。

●Sックス論

健康な男女なら、みな、Sックスが好きなはず。
Sックスを嫌う人はいない。
が、「好き」とか、「嫌い」とか言っても、自分でそう考えて、
そう思っているわけではない。
脳の奥深くから発せられる、信号によって、そう思わされて
いるだけ。
操られているだけ。

少し考えてみれば、それがわかる。

男にしても女にしても、生殖器官というのは、排泄器官の
すぐ横にある。
小便と生殖器官は、いっしょくたになっている。
あのあたりは、臭いし、汚い。

「汚い」という言い方にも、問題があるが、ともかくも汚い。
そういう感覚を乗り越えなければ、Sックスなどできない。
よほど強い命令がなければ、Sックスなどしない。
「臭いからいやだ」とか、「汚いからいやだ」とか、
そんなことを言っていたら、おしまい。
Sックスをしなければ、つまりその時点で、人間は、
絶滅することになる。

だから毎日、毎晩、Sックスばかりしている、王アリや
女王アリを、うらやましいと思ってはいけない。
考えてみれば、それはたいへんなこと。
もしそれこそ、1時間おきに妻から、Sックスを求められたら、
あなたならどうする?
体がもたない。
しかしそれが王の仕事というのなら、私なら、
さっさと王の座をおりる。

●「汚い」とは?

さらに新しい事実を発見!
先に、排泄器官は、「汚い」と書いた。
しかし「汚い」という言葉ほど、主観的なものはない。
何をもって、人は、「汚い」といい、「汚くない」というのか。

若くて健康的な男女なら、そしてムードが盛りあがってくれば、
相手の生殖器官を、一晩中でも、なめていたいと思うだろう。
そういうとき、そこが汚い場所とは、だれも思わない。
臭(にお)いすら、気にならなくなる。

汚いといえば、バイ菌やウィルスのついた食器のほうが、
よっぽど汚い。
しかしバイ菌やウィルスは、目には見えない。
いくらそこにあっても、それを「汚い」と思う人はいない。

こうして考えてみると、「汚い」というのは、人間がもつ
文化性と、深く関わっているのがわかる。
つまり人間が、勝手に、そう思い込んでいるだけ。
現に、人間のクソを、おいしそうに食べる動物や虫は、
いくらでもいる。
(反対に、人間だって、魚介類のクソを、「うまい」と
言って食べているぞ。)

●人間の勝手

話を戻す。
王アリにしても女王アリにしても、人間が勝手に、そう位置づけているだけ。
人間の王や女王にしても、そうだ。
Sックスにしても、それが楽しいことだと思っている人も多いが、
そう思い込まされているだけ。
「汚い」という言葉にしても、そうだ。
いわんや、王は偉いとか、女王は偉いとか、そんなふうに考えるのは、
おかしい。
上下意識にしても、そうだ。
人間が、勝手に、自ら、そう作りあげているだけ。

またSックスについて言えば、私は50歳を少し過ぎたころ、
男女の区別ができなくなってしまった。
あとで聞いたら、それが男性の更年期症候群のひとつと知った。
が、同時に、私は性欲から解放された。
あのとき感じた解放感は、ほかにはない。
言いかえると、そのとき、私は、それまでの私が、
いかに性の奴隷であったかを知った。
そんなわけで、Sックスができるから、幸福とか、できないから不幸とか、
そんなふうに考えるのは、正しくない。

シロアリの生態についての記事を読んでいて、私は、そんなことを
考えた。
それにしても興味深い世界ではないか。
ホント!

(注:BLOGでは、使用禁止用語というものが、あります。
その用語を使うと、原稿のアプロードそのものができません。
そこであの行為を、「Sックス」と表記しました。
「Sックス」というのは、「人間の交尾行為」を言います。)


Hiroshi Hayashi++++++++March. 09+++++++++はやし浩司