Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Sunday, July 18, 2010

●ほたるの幼虫

●7月18日

+++++++++++++++++++

今日は日曜日。
Good News、Bad News,
さまざまあった1日だった。

夕方になって、ほたるの写真が、無性に
撮りたくなった。
山荘の裏山に、ほたるが出る。
その写真が、撮りたくなった。

カメラは、ソニーのサイバーショット、
HX-5V。
知る人ぞ知る、ソニーの最新型。
1ルックスの明かりがあれば、ふつうの
写真が撮れる。

(1ルックスというのは、直径2センチ
のローソクをともしたとき、1メートル
離れたところの明るさをいう。)

その性能に加えて、夜間撮影機能を使えば、
ほたるの光でも、とらえることができるはず。

(夜間撮影のときは、連続して5枚の
写真を撮り、それをコンピューター処理
して、1枚の写真に仕上げる。
そういう機能も備えている。
すごい!)

++++++++++++++++++

●「かつさと」

 山荘へ行く途中、東名西インター手前にある、「かつさと」という店に寄った。
カツ丼専門店。
私は味噌カツ。
ワイフはカツ丼。
おいしかった!
久々に、おいしい味噌カツを食べた。
値段も、500円。
安い!
それに活気があった。
厨房には、私たちが食事をしたときには、6人のコックと、2人の男子店員+
2人の女子店員がいた。
それぞれが声をかけあいながら、仕事をしていた。
その活気がよい。

 流行(はや)る店は、雰囲気ですぐわかる。
それを食べながら、以前、郷里のM町で食べたカツ丼の話になった。
いろいろまずいものを食べたことはあるが、あのときあそこで食べたカツ丼は、最低、
最悪。
生臭くて、それに肉がかたく、パサパサしていた。
「あのカツ丼はまずかったね」と私。
それに値段も、何と1200円!
それを言うと、ワイフが、ヘヘヘ……と笑った。
「ひどすぎて、話にならない」という意味である。

 が、「かつさと」の味噌カツは、最高!
味噌の味もよい。
「また来ようね」と言うと、ワイフは、あっさりと同意してくれた。

 最近はこうした中規模のチェーン店ががんばっている。
味も研究している。
高級専門店に負けない味を出している。

 「かつさと」さん、また寄ります。
おいしかった!
味は、(まだ味噌カツしか食べていないが)、5つ星の★★★★★。
ただ、ごはんの量が少し少ないかな……という印象をもった。
しかし500円という料金を考えるなら、文句は言えない。

●午後7時45分

 山荘へは午後7時半ごろ着いた。
今、時計は7時50分。
最後まで残っていた青白い光が、空から消えた。
真っ白な月が顔を出した。
夜空の写真を撮った。

 「今夜も出るだろうか?」と私。
「出なければ、奥の水のみ場へ行きましょう」とワイフ。
少し山を登ると、清水が湧き出ているところがある。
このあたりの人たちが、そこへ水を取りに来る。
7、8年ほど前だが、そこで数匹のほたるが飛んでいるのを見た。

●上弦の月

 あたりはすっかり暗くなった。
谷間の民家の街路灯だけが、小さな点をつくって並んでいるのが見える。
今夜の月は、右弦の月。
右半分だけ。
この先、満月に向かって大きくなっていく。
上り坂。
だから「上弦の月」という。

 三脚は長男のものを借りた。
飛んでいる蛍は撮れないかもしれない。
しかしじっとしている幼虫なら、撮れる。
期待と不安が、交互にやってきては消える。

●感動

 この山荘に住むようになってからのこと。
そのつど感動したことは、山のようにある。
まず空を飛ぶ鳶(とび)の背中を見ることができたこと。
(背中だぞ!)
鳶は谷間の中、私たちの眼下を飛んでいた。

 キジの夫婦にも出会ったことがある。
反対側の山の斜面を、2羽であちこちを歩き回っていた。
それにホトトギス、ヒグラシにウグイスなどなど。
コジュケイもいる。
この時期、朝方、どれも騒々しいほどに鳴く。

 5月の野生のジャスミン。
ビワ、野いちごなどなど。
ここへ来るたびに、そしてそのつど、新鮮な感動を覚えた。
で、今は、ほたる。
ほたるを見たい!

●幼虫

 ほたるは幼虫のときから、あやしげな光を放つ。
不気味な形をしている。
一度だけだが、つかまえたことがある。
しかしそのときはほたるの幼虫とは、知らなかった。
「宇宙から飛来した、宇宙生物」と、私は思った。
光る虫を、ほたる以外に、私は知らなかった。

 で、おとといの夜、その幼虫を見た。
夜中に、淡い光を放っていた。
ホワ~ンと光っては、ホワ~ンと消える。
やさしい光だった。

 最初は1、2個が目についた。
が、やがてすぐ、それが20~30個もあることを知った。
うれしかった。
……というより感動した。

●探索

 今夜はそれを見る。
見るために、やってきた。

(この間、外に出る。
草むらに目を凝らす。)

 いた!
やはり、いた!
おとといの夜と同じように、草むらで淡い光を放っていた。
最初に、ワイフが一匹、見つけた。
つづいて、2匹、3匹……と。
数分後には、それが10匹前後になっていた。

 草の奥のほうで光る。
私はカメラをいろいろな角度から、向けなおしてみた。
が、月の光が街路灯のように明るい。
「これではだめだ!」と何度も思った。
だいたいどこから光りだすか、それすらわからない。
カメラの焦点を合わせることもできない。

 私は、一匹をつかまえてみることにした。

●死んだフリ

 ほたるの光っている位置を正確に、頭にたたきこむ。
そしてそこを懐中電灯で照らす。
やはり幼虫だった。
大きさは、1センチもない。
それを葉っぱごと、つかまえる。
手でつかまえられるような大きさではない。

 ワイフがコップをもってきた。
その中に幼虫を入れた。
うまくいけば、コップの中で光ってくれるかもしれない。

 私は幼虫の入ったコップを、居間のテーブルの上に置いた。
葉っぱも入れた。
が、まったく動かない。
「死んだフリだな」と思った。
そのままテーブルの上に置いてみた。
が、動かない。

 DVDカメラの用意をして、幼虫をとらえた。
1分、2分……。
少し動いた。
が、それだけ。
死んだフリ?
力は加えていない。

 尾の先あたりがやや白っぽくなっている。
その部分が光るのだろう。

●撮影

 ワイフは庭先へ出て、光をさがしている。
遠くで、花火があがる音。
近くの村で、花火大会をしているらしい。
虫の声も、静かになった。
月はやや赤みを帯びてきた。

 「ギブアップだな」と思った。
テーブルの上で光るなどということは、ないだろう。
虫だって、それなりの意味があるときに光る。

 ときどき活発に動き出す。
尺取虫のような動き方をする。
結構、逃げ足は速い。
その様子は、ビデオに収めることができた。

 ほたるは、やはり飛んでいるところがよい。

(これから水のみ場へ行ってみる。
そこではほたるが飛んでいるかもしれない。)

●帰宅
 
 夜はそのまま帰った。
帰り道に水飲み場へ寄ってみたが、ほたるはまだいなかった。
もう1~2週間もすると、そのあたりを飛び交うはず。
で、帰り道、こんな話になった。

「同じ虫なのに、ゴキブリは嫌われる。
でも、ほたるは、好かれる。
そのちがいは何だろう?」と。

 で、ワイフの説によれば、ほたるは光るからだそうだ。
が、もしゴキブリが光ったら、どうなのか?
かえって不気味かも?

 私もやはり、あのやさしい光にあると思う。
その光が、私たちの心のようでもある。
夏の夜、やさしい光を灯しながら、フワフワと飛び交う。
そこに私たちは自分の心を乗せる。

 子どものころは、そういう光をよく追いかけた。
不思議な光。
淡い光。
そういう思い出も重なる。

 残念ながら、今夜は幼虫の写真しか撮ることができなかった。
つぎの機会を待とう。
(2010年7月19日)


Hiroshi Hayashi+++++++July. 2010++++++はやし浩司