●不登園(不登校)
【幼児の不登園】(Children who refuse to go to kindargartens)
●赤ちゃん返り
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下の子が生まれたあと、
上の子が、おかしくなってしまうという
ケースは、たいへん、多い。
本能的な部分で嫉妬するため、上の子は、
そのまま、心をゆがめてしまう。
症状は、私は攻撃性をともなう(プラス型)と、
退行性が見られる(マイナス型)に分けて
考えている。
その双方が、交互に出ることもある。
赤ちゃん返りを、けっして甘く考えてはいけない。
軽く考えてはいけない。
ばあいによっては、それが情緒障害の引き金を
引いてしまうことになりかねない。
大阪府にお住まいの、UNさん(母親、35歳)から、
こんな相談が届いている。
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初めて相談させて頂きます。
先生のHPを見て、もっとはやく読んでいたらよかったのに・・・と思ってしまいます。
相談させて頂きたいのは長男(5歳)のことです。現在年長児で、2週間前から不登校になりました。原因は多々あるかと思います。
長男の性格は臆病で神経質です。生後8か月目から保育園に通っていましたが、友達とのかかわりも少なく、自分の世界に入って遊ぶことが多かったです。友達とのトラブルも少なかったです。先を読むことが得意なのか、公園の遊具でさえも怖がって遊ぶことはなかったです。
現在は電車オタクのようにものすごい知識を持っていて、そのせいか漢字もよく読んでいます。幼稚園ではそのような話についていける友達もなく、元気な男の子の輪には入っていけていないようです。むしろ「優等生」のように注意したりしているようです。
私はもっと男の子なら泥だらけになるくらい遊んで、たくましくなって欲しかったです。食べるのが好きで年長と思えないくらいの体重があり(28キロ)、運動が苦手です。幼稚園では、子どもたちに逆上がりさせたり、組体操させたりと体育活動が活発なので、息子は劣等感を抱いているようです。
休み始めた頃は、「赤ちゃん返り」ともいう行動がありました。「おもらししていいか」とおもらししたり、オムツ履いたりおまるで排泄してみたり・・・。以前からよく「抱っこして~おっぱい飲ませて」と言っていました。私はできるだけ受け止めていたので、心は大丈夫かと思っていました。
今週に入り、顔色もよくなってきたのですが、まだ幼稚園のことは口にしません。どのタイミングで言ったらいいかよくわかりません。
また、周囲からは「子供をそのまま受け止めてあげて」といいますが、私はできるだけそうしているつもりです。でも今回のことで自分の育児が否定され、子供のどこをみていいのか、どう受け止めればいいのか、また、どうしたら「愛しているんだよ」と伝えられるのかわかりません。
長女(3歳)はとても無邪気でかわいく思えるのですが、長男は可愛いとは思えないのが本音です。
主人の両親からは生まれる前から、「男の子を生め」といわれ、生んだ後は子育てをチェックされ、主人と息子を比べられ、私は必死になっていたのかもしれません。自分の子供というより、主人の実家のために生んだような感じです。
きっと私がそう思っている以上は、どんなに息子に「愛しいてる」と言っても通じないのかもしれません。でも、言わないといけないと思うのです。他に方法がわからないからです。どうか教えてください。
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【はやし浩司からUNさんへ】
気負いや、心配、不安が先行すると、子育ては、どうしてもどこかぎくしゃくしたものになりがちです。
とくに最初の子どもについては、そうです。
またそうであるからといって、自分を責めてはいけません。
みな、そうだから、です。
子どもに何か問題(?)が起きると、たいていの親は、「どうして、うちの子が?」とか、「そんなはずはない!」とか、思ったりします。
しかしやがて、他人の子どもの問題を知るにつけ、「ああ、みんな、がんばっているんだな」と知ります。
さらに言えば、子どもの問題は、より深刻な状態になって、「以前のほうが軽かった」ということがわかります。
あるいは、自分の子どもより、さらに深刻な問題をかかえている子どもをみて、自分の子どもの問題が何でもなかったことに気づきます。
UNさんのケースでは、
(1) 赤ちゃん返りがこじれ、
(2) それが情緒不安の引き金を引いてしまったケースと考えられます。
UNさんは、『休み始めた頃は、「赤ちゃん返り」ともいう行動がありました』と、一時的に終わったようなことを書いていますが、この問題は、一時的で、終わるはずはありません。
現在も、つづいています。
『長女(3歳)はとても無邪気でかわいく思えるのですが、長男は可愛いとは思えないのが本音です』という部分が、それです。
あなたのお子さん(長男)は、あなたの心を、敏感に読み取っています。
そしてそれがあなたのお子さんを、自閉傾向(自閉症ではありません)へと、導いています。
『現在は電車オタクのようにものすごい知識を持っていて、そのせいか漢字もよく読んでいます』という部分が、それです。
また不登園、つまり対人恐怖症、さらには回避性障害的な部分も、そのあたりに起因しているものと考えられます。
心を開いて、周囲の人たちと溶けこむことができない……、それがUNさんの目から見ると、『友達とのかかわりも少なく、自分の世界に入って遊ぶことが多かったです。友達とのトラブルも少なかったです』という部分につながっていると、お考えください。
で、こうした問題に直面すると、ほとんどの親は、「子どもに問題がある」と考え、「子どもを直そう」とか、「子どもを治そう」と考えます。
しかしこれは、まちがった考え方です。
現在では、「子どもは、家族の代表者にすぎない」と考えるのが、ふつうです。つまり子ども自身に問題があるのではなく、家族全体のもろもろの問題が、子どもに集約されていると考えます。
とくに子どもが、乳幼児~幼児のときは、そうです。
が、親は身勝手なもので、(失礼!)、自分の問題や家族の問題を棚にあげ、「どうしたらいいでしょう?」と相談してきます。
しかし、問題は、UNさん、あなた、もしくはあなたの家族にあるのです。
まず、謙虚にそれを認めてください。
では、どうするか?
もっとも重要なポイントは、
(1)どこまで、あなた自身が、子ども(長男)に心を開けるか、です。
あなた自身が、子どもに心を閉じた状態で、どうして子どもに向かって、「心を開きなさい」と言うことができるでしょうか。
『長女(3歳)はとても無邪気でかわいく思えるのですが、長男は可愛いとは思えないのが本音です』という部分ですが、それはそれとして、納得しなさい。
それでよいのです。
現に、10%の母親は、UNさんと、同じ問題をかかえて、人知れず(?)、悩んでいます。
そこで大切なことは、『許して、忘れる』です。
つまり「愛」ほど、実感しにくい感情もありません。
だから「愛を感ずる」とか、「感じない」とか、おおげさに考える必要はありません。
ただひたすら『許して、忘れる』のです。
それだけを念じながら、子どもと接してみてください。
(2)不登園など、何でもない、問題!
私が幼稚園の世界に入ったときには、1年保育が当たり前。
2年保育が、そろそろ、ふつうになりかけてきたなという状況でした。
約5%前後の子どもは、幼稚園へは通わず、そのまま小学校へと入園していきました。
それが今では、3年保育?
4年保育?
さらには、0歳から保育園?
まず、こうした状況が、子どもの世界では、異常であることを知るべきです。
もっともみなさん、家庭の状況もあり、やむをえず、そうせざるをえないわけですが、そういう状況を一方的に子どもに押しつけておきながら、「どうしたらいいでしょう?」は、ないと思います。
つまり今の状況で、UNさんが、あせればあせるほど、子どもは、悪循環の中で、ますます現在の症状を、悪化させるだろうということです。
一見、あなたから見ると、あなたの子どもは、わがままを言っているかのように見えるかもしれませんが、(わがままな子どもにしたのも、結局は環境ということになりますが……)、
それ以上に、心に、おおきなわだかまりというか、キズをもっています。
「今日、何かをしたから、明日、なおる」という問題では、けっして、ありません。
こうした問題の解決には、1年単位、ひょっとしたら、自己管理能力がじゅうぶん育ってくる、小3前後(満10歳)くらいまでつづきます。
幼稚園へ行かないなら行かないで、こういう機会を利用して、親子で、遊びまくればよいのです。
どうしてUNさん、あなた自身が、先生になってはいけないのですか?
この先のことですが、(心を開けない)分だけ、あなたの子どもは、(集団)が苦手になるでしょう。
集団の中に入ったとたん、神経疲れを起こしてしまいます。
しかしひょっとしたら、UNさん、あなた自身も、そうであるかもしれません。
だったら、なおさら、あなたは子どもの心が、よく理解できるはずです。
つまり、だれにも欠点のひとつやふたつは、あるもの。
今、そういう欠点(?)が、顔を出したからといって、あわてないこと。
また今どき、『私はもっと男の子なら泥だらけになるくらい遊んで、たくましくなって欲しかったです』式の『ダカラ論』は、おかしいですよ。
いったい、どういう子ども観をもっておられるのですか?
どこか、権威主義的、封建主義的、古典的?(失礼!)
「男のだから……」という言い方は、こと幼児~小学1、2年生では、通用しません。
UNさん、あなた自身が、かなり権威主義的な家庭に育っている。
それをあなたは無意識のうちに、子どもに押しつけている……。
私には、そんな感じがしてなりません。
いかがですか?
幼稚園についても、そうです。
「幼稚園(学校)とは、行かねばならないところ」という固定観念から、一歩も抜け出せないでいる(?)。
それでは子どもが、かわいそうです。
オタクならオタクでよいではないですか。
大切なことは、そういう子どもであることを認めてあげた上で、(というのも、今、子どもの世界から、たとえば電車を取りあげたら、たいへんなことになりますよ)、あなたが、子どもといっしょに、電車を見に出かけたりすればよいのです。
「~~電車博物館へいっしょに、行ってみない?」とか、何とか言って……。
「オタクはだめだ」
「男のらしくない」
「みなの輪に入れないからダメだ」では、子どもが、かわいそうです。
つまりこうした親の否定的育児姿勢は、子どもの心をゆがめてしまう危険性すら、あるということです。
つまりあなたは、(従来の、自分自身の中の常識)と、(子どもの様子)との間で、葛藤を繰りかえしていることになります。
しかし、この問題とて、みな、そうなのですから、あまり深刻に考えないように。
みな、外から見ると、うまくいっているように見えますが、どこの家庭も、同じような問題をかかえて、四苦八苦しています。
だからこう思うのです。
「ようし、十字架のひとつや、ふたつ、背負ってやる!」と。
(十字架というほど、おおげさなものでは、ありませんが……。)
不登園に関しては、「あきらめなさい!」。
子どもには、「行きたいときに行けばいい」「小学校は、楽しいところだから」というような言い方で、接します。
あとは、『暖かい無視』です。
あなたはあなたで、好きなことをして、その中に、子どもを巻きこんでいきます。
2度目の人生を楽しむつもりで……。
あなたが子どものとき、したこと。
したかったこと。
できなかったこと。
それをします。
童心に返って!、ね。
なお、神経質という部分については、「敏感児」と理解してよいのでしょうか?
あるいは、神経症による症状がでているということなのでしょうか。
一度、私の「子どもチェックテスト」を受けてみてください。
すべて無料できるようになっています。
「はやし浩司のHP」→「ここが子育て最前線」から、入っていただけます。
なお、赤ちゃん返りの部分については、最大限、もう一度、スキンシップを、子どもに戻します。
添い寝、だっこ、手つなぎなど。
『求めてきたときが与えどき』と考えて、子どもが求めてきたら、すかさず、与えます。
「待ってね」「あとでね」は、禁句です。
その瞬間、子どもは、あなたの心を読んでしまいます。
またそれでも情緒が不安定(=心の緊張感が取れない)というのであれば、海産物中心の献立に切り替えてみてください。
カルシウム、マグネシウム、カリウムの多い、食生活です。
この時期、錠剤も、効果的です。
薬剤師によく相談して、服用してみてください。
(甘い、白砂糖食品は、遠ざけます。)
体重も、それで改善できるはずです。
いくつか、参考になりそうな原稿を添付しておきます。
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●砂糖は白い麻薬
キレるタイプの子どもは、独特の動作をすることが知られている。動作が鋭敏になり、突発的にカミソリでものを切るようにスパスパとした動きになるのがその一つ。
原因についてはいろいろ言われているが、脳の抑制命令が変調したためにそうなると考えるとわかりやすい。そしてその変調を起こす原因の一つが、白砂糖(精製された砂糖)である(アメリカ小児栄養学・ヒューパワーズ博士)。つまり一時的にせよ白砂糖を多く含んだ甘い食品を大量に摂取すると、インスリンが大量に分泌され、そのインスリンが脳間伝達物質であるセロトニンの大量分泌をうながし、それが脳の抑制命令を阻害する、と。
これから先は長い話になるので省略するが、要するに子どもに与える食品は、砂糖のないものを選ぶ。今ではあらゆる食品に砂糖は含まれているので、砂糖を意識しなくても、子どもの必要量は確保できる。ちなみに幼児の一日の必要摂取量は、約一〇~一五グラム。この量はイチゴジャム大さじ一杯分程度。もしあなたの子どもが、興奮性が強く、突発的に暴れたり、凶暴になったり、あるいはキーキーと声をはりあげて手がつけられないという状態を繰り返すようなら、一度、カルシウム、マグネシウムの多い食生活に心がけながら、砂糖は白い麻薬と考え、砂糖断ちをしてみるとよい。子どもによっては一週間程度でみちがえるほど静かに落ち着く。
なお、この砂糖断ちと合わせて注意しなければならないのが、リン酸である。リン酸食品を与えると、せっかく摂取したカルシウム分を、リン酸カルシウムとして体外へ排出してしまう。と言っても、今ではリン酸(塩)はあらゆる食品に含まれている。たとえば、ハム、ソーセージ(弾力性を出し、歯ごたえをよくするため)、アイスクリーム(ねっとりとした粘り気を出し、溶けても流れず、味にまる味をつけるため)、インスタントラーメン(やわらかくした上、グニャグニャせず、歯ごたえをよくするため)、プリン(味にまる味をつけ、色を保つため)、コーラ飲料(風味をおだやかにし、特有の味を出すため)、粉末飲料(お湯や水で溶いたりこねたりするとき、水によく溶けるようにするため)など(以上、川島四郎氏)。かなり本腰を入れて対処する。
ついでながら、W・ダフティという学者はこう言っている。「自然が必要にして十分な食物を生み出しているのだから、われわれの食物をすべて人工的に調合しようなどということは、不必要なことである」と。つまりフード・ビジネスが、精製された砂糖や炭水化物にさまざまな添加物を加えた食品(ジャンク・フード)をつくりあげ、それが人間を台なしにしているというのだ。「(ジャンクフードは)疲労、神経のイライラ、抑うつ、不安、甘いものへの依存性、アルコール処理不能、アレルギーなどの原因になっている」とも。
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