Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Friday, November 19, 2010

●超能力について

はやし浩司 2010-11-20

●映画『ヤギと男と男と壁と』(超能力者部隊)

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昨夜遅く、『ヤギと男と男と壁と』
というタイトルの映画を観てきた。
タイトルが独創的。
どんな映画かと、前もって案内を
読むと、「実話をもとにした」とある。

言うなれば、超能力者部隊。
ESP(エスパー)部隊。
ESPというのは、「Extrasensory Perseption
(超感覚的知覚)」の略。
それを映画化した。

随所で思わずゲラゲラ笑ってしまった。
そういう点では、星は3つの、★★★。
アメリカ軍もかつては、ああいうバカ
げた部隊を創設したらしい。
ソ連に対抗したという。
大マジメなところが、笑えた。

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●FBI超能力捜査官

 ときどき超能力者を名乗る外国人が、日本へやってきて荒稼ぎして帰る。
中には「FBI超能力捜査官」の肩書きをもつ人物もいる。
本当にそういう能力があるかどうかという話は別にして、……というより
そんな能力があるわけないが、「FBI超能力捜査官」というのは、まっかな
ウソ……らしい。
「FBI超能力捜査官」という名称も、どうやら日本のテレビ局がねつ造した
もの……らしい。
確かめたくても、確かめようがない。
それにそういう話は、映画の中での話。
映画の中だけの話。
たとえば失踪人の持ち物の一部に手を触れただけで、その居場所がわかるとか?
常識で考えれば、そんなこと、わかるわけがない。
バ~カ!

 が、そういう力の存在を信じ、アメリカでは、(もちろんソ連でも)、そういう能力(?)
をもった人を集めて、部隊を作った。
それがこの映画の「柱」になっている。

●超能力

 超能力(preternatural power)といっても、いろいろある。

telekinetic power念動
mental telepathyテレパシー
clairvoyance 透視
prescience 未来予知
それに
extrasensory perception ESP。

 そういう力のある人のことを、「エスパー」という。
が、この世界、(存在すること)を証明するよりも、(存在しないこと)を証明する
ことのほうが、はるかにむずかしい。
数学の問題にしても、そうだ。

 証明できる問題を証明するのは、簡単。
が、その問題が解けないことを証明するのは、たいへんむずかしい。
たとえば超能力があるかどうかは、その力を示せば、それで証明できる。
しかしそういう「力」がないことを証明するのは、事実上、不可能。
そういう盲点をついて、この手の詐欺師が、(「詐欺師」と断言して差し支えないと
思うが)、跡を絶たない。

 ただまったく否定してよいかというと、そうとも言えない。
動物の世界には、人知を超えた、未知の能力をもったものが、いくらでもいる。
たいていは「方向」と「位置」に関する能力で、小さな蝶が、毎年、正確に、
アメリカ大陸を横断するとか、など。
イルカのように超音波を発信して、暗闇でも獲物を捕らえることができるものもいる。
しかしそれらは「科学」の領域に属する。
「科学的に未解明」というだけの話である。

 しかし超能力イコール、科学的に未解明ということではない。
つまり科学的に未解明だから、存在するということにはならない。

●手品

 35年ほど前、世界を騒がせた超能力者がいる。
当時、私はいくつかのテレビ局で、番組の企画を書いていた。
その関係で、その人物について、あるディレクターがこっそりと、こう教えてくれた。
「あれはね、歯の中に小さな受信機を入れているからできるんだよ」と。

 つまり仲間が外にいて、こっそりと情報を無線で送っている、と。
歯の中の受信機は、骨振動か何かで脳に伝わるため、外に音が漏れることはない。
つまり超能力とはまっかなウソ。
インチキ。
言うなれば、手品。
以来、私はこの手の「能力」には、懐疑的になってしまった。
つまり「インチキ」という前提で考えるようになってしまった。

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2005年の1月26日の電子マガジンで
私はこんな原稿を書いていた。

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●冗談? ジョーク?(2005年1月26日、NO.521)

 K国の国営放送提供の科学番組(?)なるものを見た(12・27)。たいへん、おもし
ろかった。その番組の中でのこと。

 「髪の毛の長い人は、バカになる。それは脳ミソに行き渡るべき栄養素が、髪の毛のほ
うに回ってしまうからである」

 「K国のP市周辺には、太古の昔、ブドウを食べて暮らしていた原人が住んでいた。そ
の原人が進化して、現在のK国人になった」

 「大麻の種には、良質の油がある。その油を抽出するために、K国は、大麻の栽培を奨
励している」などなど。

 番組の内容を思い出しながら書いているので、不正確だが、しかし私はこの番組を見な
がら、思わず、吹きだしてしまった(失礼!)。「これは冗談か、それともジョークか」と。
(冗談もジョークも同じようなものだが……。)

 しかしあの国には、国営放送局しかないはず。それに意見を述べている人たちも、見た
感じは、大まじめ。日本のバラエティ番組に感ずるような、あのいいかげんさは、感じら
れなかった(?)。とくに髪の毛の長い人は、バカになるという意見には、笑った。「じゃ
あ、女性は、みんなバカなのかねえ?」と。

 あまりにも幼稚な知的レベル。うわさには聞いていたが、ここまで低レベルとは!!

 ……と考えたが、こうした幼稚性は、この日本にも、ないわけではない。「髪の毛の長い
人はバカになる」という説は、「血液型による性格判定」の話に通ずる。「原人」の話は、「藤
Kの、石器ねつ造」の話に通ずる。また「大麻の種から油」の話は、少し飛躍するが、そ
の反対側にある化学万能主義につながる。環境ホルモンにくらべれば、大麻の油など、何
でもない。さらに最近の占いブームなどを見ていると、K国の科学性(2)を、笑うこと
はとてもできない。

で、その中でもよい例が、超能力をテーマにした番組。

 ときどき超能力犯罪捜査官というのが、テレビに出てくる。アメリカのFxx捜査官と
か何とか、もっともらしい肩書きをもっている人もいる。失踪者や事件に巻きこまれた人
のもちものなどを見て、その人がどこにいるかを当てたりする。まことしやかに、地図を
描いて見せたり、事件の概要を説明したりする。

 私もときどき見て、トリックを見破ってやろうと考えるが、今のところ、見破ることが
できない。実に巧みというか、うまいというか?

 そういう番組を見ていると、「髪の毛の長い人は、バカになる」という番組のほうが、ず
っとわかりやすい。罪がない。プラス、もしろい。子どもたちですら、ハハハと笑ってす
ますことができる。

 で、そうした超能力者(?)たちの能力だが、私が見たところ、1人とて、最後までき
ちんと失踪者を発見した人や、事件を解決した人はいない。話せば長くなるので、ここで
は省略するが、最後はいつも、「?」のまま終わる。当然である。

 もしそんなことで、失踪者の居場所や事件の概要がわかるようなら、私たちが今ここで
生きていること自体、意味がなくなってしまう。そうした番組を見る私たちに必要なこと
は、そういうあやしげな超能力に驚くことではなく、そのウラを検証することである。つ
まり、それが科学である。理性である。知性である。

 ……こういうことを書くと、猛反発が起きるかもしれない。すでにそうした超能力を信
じている人は多い。宗教教団のような団体を作って活動している人もいる。もちろん宗教
団体もある。

 私にはこれ以上のことはわからないが、K国の科学番組を見て、ハハハと笑うことなら、
だれにだってできる。しかしもっと重要なことは、他人を笑ったら、自分の中にもそれが
ないか、それを疑ってみることである。

 先日も、「アメリカ人の大学生のほとんどは、日本がどこにあるかさえ知らない」と笑っ
ていた人がいた。ならば聞くが、日本人の大学生で、ブルネイ・ダルサラーム国がどこに
あるか知っている大学生は、いったい、何%いるのか……ということになる。日本の三重
県ほどの小さな国だが、日本のすぐ近くにある。日本とのつながりも、深い。

 K国のその番組は、実に楽しい番組だった。久々に声を出して笑った。が、そのあと、
その番組には、いろいろと考えさせられた。昔からこの日本でも、こう言うではないか。『人
のフリみて、我がフリ直せ』と。ナルホド!

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●映画『ヤギと男と男と壁と』

 長いタイトルの映画だったが、要するに、「アメリカもバカなことをした」という
内容の映画だった。
それを国をあげて、大まじめで取り組んだ。
その(大まじめさ)が、おもしろかった。
笑った。

 ついでに一言。
映画に先立って、『ハリー・ポッター』の予告編が流された。
インチキのかたまりのような映画だが、あれは映画。
ただの娯楽映画。
映画館の中だけで楽しみ、それで終わる。
だから問題はない。

が、それがときとして、そのインチキが映画館の外に出る。
それがこわい。
こわいだけではすまない。
たいへん危険なことでもある。

 よい例が「スピリチュアル(霊)」。
「霊視」とか何とか。
某テレビ局が率先して、あやしげな商品を売っていたこともある。

 驚いたことに、昨年(09)だったか、「スピリチュアル育児本」なる本を出版した
人物もいた。
私は表紙しか見ていないが、非科学性もここまでくると、ジョーク。

 つまり映画『ヤギと男と男と壁と』も、そのジョークのひとつ。
ジョーク映画として観れば、楽しい。

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Hiroshi Hayashi++++Nov. 2010++++++はやし浩司・林浩司