●浜名湖Rホテルにて
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子育て最前線の育児論byはやし浩司 10年 11月 12日
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【幼児に、負の数を教える】
浜松BW教室byはやし浩司
Hiroshi Hayashi Hamamatsu, Japan
(1)
(2)
(3)
(4)
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi
Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 幼児に負の数を教える 実験
教室 浜松幼児教室 BW幼児教室)
【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【三ケ日温泉・リステル浜名湖にて】
●山と海
窓を大きく開けた。
海からのさわやかな風。
やさしく部屋の中に入る。
目をやると、眼下は青い海。
深い緑の木々が、不規則に水平線を飾り、
その上に水色の空。
淡い雲。
波だけはきぜわしそうに、左から右へと、ざわざわと揺れている。
今日は三ケ日温泉・リステル浜名湖に一泊。
ここへは何度か来たことがある。
友人が宿泊したとき。
昼食をとりにきたとき。
今日は、「カニ食べ放題、バイキング」という宣伝につられてやってきた。
長男に「カニを食べに行くか?」と聞いたら、すなおに、「行く!」と。
長男はカニが大好物。
子どものころから、カニを見せると、目の色を変えた。
●部屋
リステル浜名湖は、古いホテルである。
25年以上になるのでは?
補修はしてあるが、あちこち老朽化していた(失礼!)。
友人がこのホテルに泊まったのも、そのころだった。
会員制のホテルで、オーナーになれば、出資金に応じて、年単位で宿泊券が手に入る。
友人は、その宿泊券をもらったとかで、ここに泊まった。
で、部屋は細長いが、洋間半分、畳の間半分という、少し変わった間取りになっていた。
2人部屋にもなるし、畳の間にふとんを敷けば、3人部屋にもなる。
畳の間の向こうは、そのまま掃きだしの窓。
小さなベランダもある。
時刻は午後3時30分。
夕食は午後6時から。
風呂に入るのも、まだ早い。
ワイフは、部屋のあちこちを動き回っている。
長男は寝転んで、雑誌を読んでいる。
私は……こうしてパソコンを叩いている。
今日は、TOSHIBAのMXをもってきた。
8時間以上、バッテリーがもつというすぐれもの。
「本当かな?」と思いながら、バッテリーのメーターを開くと、「100%充電、
5時間31分」と表示された。
使うソフトによっても、もち時間はちがう。
しかし「?」。
バッテリーも、長く使っていると、性能が劣化する。
それは知っているが、このパソコンは、めったに外出先では使わない。
●星は3つの★★★
まだ料理を見ていないので、評価はできないが、今のところ、星は2つか3つ。
建物が古いので、マイナス1。
簡易ホテルといった感じだが、景色を考慮に入れるなら、プラス1。
これで食事がよければ、星は3つか4つ。
言うまでもなく、星は料金と照らし合わせて決まる。
今日は何と、一泊9000円弱(1名分)。
安い!
この料金で、あれこれ文句を言う人はいない。
建物が新しければ、とてもこの料金では泊まれない。
料理のカニがカスカスでも、文句は言えない。
……たった今、昆布茶を飲んだところ。
塩辛い味がした。
が、おかしなことに、とたんに睡魔が襲ってきた。
ふだんなら昼寝を少しするが、今日はしていない。
早めに温泉に入り、そのあと一休みする。
今、そう決めた。
●鰯雲(いわしぐも)
目の前が鏡台になっている。
大きな鏡である。
私の姿も含めて、部屋中がよく見渡せる。
で、その顔。
つまり私の顔。
私はめったに鏡を見ない。
年齢的には老いぼれた顔ということになるが、それほどジジ臭くない。
自分で、そう思った。
(たった今、温泉から戻る。)
リステル浜名湖は、温泉がよい。
広くはないが、清潔な湯船。
隣接する露天風呂。
目の前は、視線の高さで広い海が広がっている。
ホテルには悪いが、私と長男のほかに、入浴客は1人だけ。
のんびりと入浴。
露天風呂からは、こまかいウロコの鰯雲(いわしぐも)が、見えた。
もう、秋の雲?
そう思いながら目を閉じる。
今ごろの季節は、最高!
10月の中旬。
星をもう1つ追加。
星は4つの、★★★★。
あとは夕食で決まる!
●夫婦
ベランダからワイフがこう言った。
「ここは朝陽が見えるのね」と。
「舘山寺(温泉)からは、夕陽が見えたわ」とも。
それにしても私たちは、不思議な夫婦。
仲がよいのか、悪いのか、それがよくわからない。
そばにいなければ、さみしい。
そばにいれば、楽しい。
それでいて、よく言い争う。
口論するたびに、「離婚」を口にする。
しかしその翌日には、また同じふとんの中で寝る。
他人はそういう私たちを見て、「あなたがたは仲がいいですね」とよく言う。
が、そう言われた私は、「ヘエ~」と思ったまま、口を閉じてしまう。
私の中にも、そしてワイフの中にも、もう1人の「私」がいる。
それが交互に顔を出す。
夫婦というのは、そういうものか。
常にたがいに、何かに耐えている。
それが抑圧という形で、心の中に別室を作る。
別室の中に、不満や不平をためる。
ワイフはよくこう言う。
「もともと、他人なんだから」と。
つまりそうであっても、「仕方ない」と。
大切なことは、適当にそれを発散させること。
私たちのばあいは、それが夫婦喧嘩ということになる。
あるいはこういう旅行かな?
●空腹
それにしても、腹が減った。
こうして温泉に泊まるときは、朝食を簡単にし、昼飯を抜く。
そうでもしないと、あという間に、64キロに逆戻り。
だから今は、ペコペコ。
脳の視床下部が、血糖値をモニターしている。
血糖値がさがると、視床下部の命令を受けて、ドーパミンという
ホルモンを分泌する。
欲望と快楽を司るホルモンである。
それが食欲中枢を刺激する。
空腹感は、その結果、起こる。
このとき胃袋が、収縮するという説もある。
腹がグーグーと鳴るのは、そのため。
(このあたりの話は専門外なので、いいかげん。
それにこの分野は、毎年のように説が変わる。)
●欲望
空腹感に限らず、つまり食欲にかぎらず、もろもろの欲望は一元的に管理されている。
脳みそというのは、一見複雑だが、反応は単純。
たとえば「八つ当たり」。
ひとつのことで不愉快になると、別のことでも不愉快になる。
もちろん強弱は、ある。
そのひとつが、条件反射。
線条体に受容体が作られると、わずかな刺激でも、猛烈な欲望となってそれがその人を
刺激する。
これについては、以前、詳しく書いたので、復習の意味もこめて、あとで原稿を
添付しておく。
条件反射が起こると、欲望をコントロールするのが、とたんにむずかしくなる。
アルコール依存症やニコチン依存症の人を、例にあげるまでもない。
しかしそうでない欲望は、かなりのレベルまでコントロールできる。
たとえば食欲。
腹は減っているが、がまんしようと思えば、できる。
それに空腹感というのは、いいかげんなもの。
いくらでもごまかしがきく。
(たった今、コーラを少し口にしてみた。
これで少し血糖値があがるはず。)
総じてみれば、人間は欲望のかたまり。
生きていること自体が、「欲望」そのもの。
欲望を否定したのでは、生きていかれない。
欲望を「悪」と決めつけてはいけない。
大切なことは、欲望という暴れ馬と、どう向き合っていくかということ。
●ヤブ
再び睡魔。
今、時刻は午後5時。
夕食まで、あと1時間。
ア~ア!
話題を変えよう。
数日前、RMという整形外科医院へ行ってきた。
破傷風の2回目の予防接種を受けてきた。
そこでのこと。
私が「最近、体がよくこわばります」と言ったら、そのままレントゲン室に回された。
看護婦のウムを言わせない態度。
事務的な説明。
言われるままにしていたら、5枚も、頭頚部のレントゲン写真を撮られた。
ヤブ医者め!
私という患者の話をろくに聞いていない。
私は「こわばる」と言っただけ。
あとで、「どうしてレントゲンですか?」と聞いたら、「骨の変形を調べました」と。
バカめ!
そんなもの、あるはずがない。
変形しているかどうかは、触診しただけでもわかるはず。
そしてレントゲン写真を見ながら、「石灰が付着し始めています……年齢相応ですな」と。
で、そのあと、「頭痛はありませんか?」ときた。
「偏頭痛ならときどき、あります」と私が答えると、我が意を得たりというような顔。
「頚から起きることがあります」と。
再び、バカめ!
偏頭痛が頚から起きるなどという話は、聞いたことがない。
頚椎のゆがみが、交感神経、副交感神経を圧迫して、もろもろの症状を引き起こす。
そういうことはよくある。
が、それと偏頭痛は、別。
偏頭痛は血管が拡張し、そのとき周囲の神経を圧迫して起こる。
今どき、そんなことは素人の私でも知っている。
で、こう思った。
「この医者は、勉強不足」と。
前回、年齢を聞くと、67歳と言った。
無駄な検査を重ねて、金を稼ぐ。
あのね、レントゲンで使うX線が、がんを引き起こしたら、どうするの?
看護婦にそれを言うと、看護婦は、こう言った。
「量が少ないから、問題はありません」と。
バカ、バカ、バカめ!
放射線の危険性は量では決まらない。
多量に放射されてもがんにならない人はいる。
が、少量でも、がんになる人はがんになる。
要するに、「運」の問題。
宝くじと同じ。
そんな基本的な常識も知らないで、何が安全だ!
バカヤロー!
……ということで、あの整形外科医院とは、縁を切った。
二度と行かない。
●勉強
「勉強」という言葉が出たので、その勉強について。
こんなしがない私でも、毎日、勉強している。
が、この年齢になると、学んで頭に入る量よりも、脳みその底から外へこぼれ出ていく
量のほうが多くなる。
だから若い人たちより、何倍も努力して、勉強しなければならない。
現状を維持するだけでも、精一杯。
現状を維持できるだけでも、御の字。
が、これもある年齢になると、その努力をしなくなる。
「私は完成された人間」と思い込む人も、少なくない。
が、そういう人にかぎって、がんこ。
融通がきかない。
はっきり言って、バカ。
が、ここからがこわいところ。
脳のCPU(中央演算装置)が鈍ってくるから、バカになりながら、それを自分で
気がつくということがない。
客観的にそれを知る方法も、ない。
さらにこわいことに、バカな人は、賢い人が理解できない。
(反対に賢い人からは、バカな人がよくわかる。)
理解できないから、自分を基準にして、相手を判断する。
先日も、私にこう言った女性(65歳)がいた。
「あの人は、親の三回忌にも顔を出さなかった。人間のクズよ」と。
本当のクズはどちらか?
三回忌に出る、出ないで、クズかどうかは決まらない。
だいたい「クズ」とは何か?
一刀両断に、バサリと相手を切り倒す。
その傲慢さ。
それぞれの家庭には、それぞれの事情がある。
親子といっても、その関係は一様ではない。
それすらも、わからなくなる。
●海人間
リステル浜名湖は、浜名湖のすぐ横に接している。
私が山育ちなら、ワイフは、海育ち。
子どものころは、休みごとに、浜名湖畔にある母の実家で過ごしたという。
そのこともあって、このリステル浜名湖が、たいへん気に入ったよう。
さきほどまでベランダに座り、濃紺色になった海を、静かに見ていた。
「I村みたいだね」と私が言うと、うれしそうにほほえみ返した。
I村というのは、ワイフの母の実家のある村である。
来月、その村の小学校へ、講師として招かれている。
これも何かの縁かもしれない。
一方、私は山育ち。
先週、湯谷温泉の泉山閣ホテルという、ホテルというよりは、老舗の旅館に泊まった。
目の前に川が流れていた。
対岸は深い森に包まれていた。
私はそこでたまらないほどの、懐かしさを覚えた。
が、今度は、ワイフがそれを覚えている。
私には、それがよくわかった。
(これから食事に行く……。)
●バイキング
料理はよかった。
種類は少なかったが、カニが食べ放題。
うなぎも食べ放題。
中国人の旅行者たちも席に並んだ。
その中国人たちは、みな、肉料理を山盛りにして食べていた。
「肉」に対して、特別の思いがあるらしい。
一方、私は、カニ。
「食べたら損(そこ)ねる」と念じながら食べた。
が、結局は、腹いっぱい食べてしまった。
またまた明日から、ダイエット。
どうしてこうまで私は愚かなのだろう。
で、食事をしながら、こんな話を思い出した。
●カニ
私が中学1年生のときのことだった。
何人かの友だちと、岐阜市まで遊びに行った。
みなで、レストランに入った。
そこでのこと。
みなの前に、おしぼりが並べられた。
フワフワしたタオルだった。
が、S君がそれを何かの食べ物と誤解した。
そばにあったソースをそれにかけた。
箸で、それを口に運んだ。
私たちはそれを見て、笑った。
が、メニューなるものを見て、驚いた。
小遣いで買えるようなものは、なかった。
そこで私はコカコーラを頼んだ。
そのとき生まれてはじめて、コカコーラなるものを口にした。
が、そのまずいことと言ったら、なかった。
みなで回し飲みをした。
みなも、「まずい」とか、「ゲーッ」とか、言った。
で、Y君は、「ライス」だけを注文した。
白いライスだけ。
そのライスにソースをかけて、食べた。
今の若い人たちには、想像もつかないような話かもしれない。
しかし当時は、まだそういう時代だった。
年代的には、1959~60年ごろ。
古き良き時代というか、みなが、今よりずっとおおらかな気持ちで生きていた。
ライスだけを注文しても、店の人は何も言わなかった。
ライスだけを食べさせてくれた。
その私が今、腹いっぱい、カニを食べている。
カニだ。
カニだぞ。
子どものころ、カニなど、めったに食べられなかった。
●小沢一郎氏
部屋に帰ると、ちょうど7時だった。
テレビにスイッチを入れると、NHKのニュースが始まっていた。
小沢一郎氏が、検察審議会の決議について、逆告訴した。
「事実誤認がある」と。
だったら、どうしてそれを裁判の席で争わないのか。
……というか、どうしてどこまで往生際が悪いのか。
しかし小沢一郎氏には、小沢一郎氏独特の、一貫性がある。
民主党の幹事長に就任すると同時に、中国へ、350人近い国会議員を中心に、
総勢500人も600人ともいわれる、大名行列をしてみせた。
(今どき、こういうバカなことをする政治家がいること自体、信じられない。
それにノコノコとついていく子分がいることも、信じられない。)
そのときのこと。
K中国首相と並んで、1人ずつ記念撮影までさせたという。
もちろん小沢一郎氏自身も、である。
たいへんな撮影会であったにちがいない。
国会議員1人あたり5~10秒ですんだとしても、20~30分はかかる。
その間、K中国首相は立ったまま。
カメラに向かって、握手の連続。
つまりそういう破廉恥なことを平気でできる。
国辱行為そのもの。
それが小沢一郎氏。
権力に溺れた権力者というのは、そこまでやる。
そういう意味で、小沢一郎氏には、一貫性がある。
●中国人
最近はどこのホテルへ行っても、中国からの観光客がいる。
このリステル浜名湖にも、来ていた。
観光バスに乗って、あちこちを回っているらしい。
エレベーターの中で「チョンゴレンマ(中国人か)?」と声をかけたが、
私の中国語は通じなかった。
英語でその人は、「チャイナ」と言った。
たぶん、北京から来た人ではなく、広東語(マンダリン)を話す人だった。
……と思いながら、自分をなぐさめた。
その中国人。
夜、風呂に入るという習慣がない。
だからいくら中国からの観光客がいても、夕食前後の温泉は、がらがら。
その分、朝に入るかというと、それもない。
彼らはシャワーですます。
が、中には温泉まで入ってくる中国人がいる。
先日は、ワイフの話だが、浴衣(ゆかた)を着たまま、温泉へ入ってきた女性客も
いたそうだ。
きっとあちこちで、珍道中を繰り返しているにちがいない。
●さて就寝
ワイフが2度目の入浴から戻ってきた。
入浴客は、1~3人程度だった、と。
時刻は午後8時過ぎ。
静かな夜だ。
私は今、みやげもの屋で買ってきた菓子をほうばっている。
ワイフは、和室のほうで雑誌を読んでいる。
長男はすでにベッドの上で、横になっている。
そろそろ寝る時刻。
今日もあっという間に終わった。
何かをしたわけでもない。
何もしなかったわけでもない。
こうして1日、1日と終わっていく。
では、みなさん、おやすみなさい。
2010年10月15日、夜。
●翌朝
翌朝は、午前5時ごろ目を覚ました。
朝風呂は、5時半から。
しばらく、こうして原稿を書く。
先ほど窓の外を見たが、ほんの少しだけ空が白くなっていた。
「家に帰ってから寝なおそう」と思った。
やがてワイフが起き、長男が起きた。
私はそのつど、「起こしてごめんな」と声をかけた。
つまりこうして私の10月16日は、始まった。
今日は、ネットで注文しておいた、プロッターが届くはず。
それを使って、看板を作る。
教材を作る。
来週は、幼児に面積の概念を教えてみよう。
おもしろそう。
プラス、楽しみ。
乞う、ご期待!
【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●1ドル=80円!
世界中の国々が、今、我も、我もと、札の印刷機をフル回転させている。
こぞって自国の通貨を安くしようとしている。
日本も、中国を除くアジアも、EUも、南アメリカの国々も。
もちろんアメリカも。
しかしこの勝負、アメリカのひとり勝ち。
アメリカ・ドルは、世界の基軸通貨。
あの北朝鮮だって、ドルをほしがっている。
そのドルの印刷機は、アメリカ政府の意の思うがまま。
だれの許可もいらない。
だれにも遠慮はいらない。
●アメリカの陰謀
アメリカは、ドル安に導き、巨額の貿易赤字を半減させようとしている。
同時に輸出産業にカツを入れようとしている。
一説によれば、アメリカは1ドル=55円(日本円)台にまで、ドル安に
しようと画策しているという(某経済誌)。
こうなればドル資産をかかえた日本は、大損することになる。
外貨資産のほとんどを、ドルで蓄えてきた。
言うなれば、もっていた株券(=ドル紙幣)の価値が、120円から
55円になるようなもの。
約半額!
●それでも基軸通貨
が、それでも基軸通貨。
ドルに代わる資産と言えば、金、プラチナしかない。
その金とプラチナだけは、ドル安と反比例の形で、ジワジワと
あがりつづけている。
連日、過去最高値を更新しつづけている。
一方、それを迎え撃つ、世界の国々は必死。
日本も必死。
このままでは世界中が、ジャブジャブの札だらけになる。
平たく言えば、世界中が、ハイパーインフレに見舞われる。
可能性の問題ではない。
時間の問題でもない。
すでに既成の事実になりつつある。
●すでにインフレ状態
先ほど金属相場を確認してみたが、ニッケル、銅、アルミなど、
すべてが、この3か月だけを見ても最高値を記録している(10月15日)。
言い替えると、アメリカは、世界の宰主国としての地位をかなぐり捨てた。
自覚も責任もない。
「世界のことは、知ったことか!」と。
が、それにひとり反発しているのが、中国。
中国だけが、がんとして、元高に向かうのを拒否している。
こうなってみると、あの中国が頼もしく見えるから、不思議。
ということで、今は、言うなれば、米中の経済戦争のまっただ中。
アメリカが勝つか?
中国が勝つか?
土俵間際で、押せ押せのアメリカ。
土俵に足をかけ、「コノヤロー」と踏ん張っている中国。
●日本の立場
が、日本も本当は、もっと札を印刷したい。
円安に誘導したい。
しかしアメリカの意向を無視することはできない。
したとたん、先月のように、大目玉!
それを見越して、マーケットからこぼれた資金が、円買いへと流れている。
今は、そういう状態。
1ドルが80円!
この先、アメリカドルは、もっとさがる。
が、それがわかっていても、ドルに代わる基軸通貨は、ほかにない。
この悲しさ。
この無力感。
が、日本は、もっているドル資産を、売ることもできない。
売ったとたん、ますますドル安=円高になってしまう!
だまされても、だまされても、ニコニコ笑いながら、ここはアメリカに
追従していくしかない。
●アメリカのひとり勝ち
つまりこうしてアメリカは、戦後最大のカケに出た。
成功すれば、アメリカは、再び世界の宰主国として返り咲く。
失敗すれば、以後アメリカは凋落の一途をたどる。
しかし短期的に見れば、やはりアメリカのひとり勝ち。
世界中が大混乱しているのを横目で見ながら、ひとり高笑い。
……が、中期的に見れば、それは一過性の高笑いで終わる。
●中期的には
いくらアメリカがドル安に誘導しても、中国のもつ生産力には
かなわない。
中国だけではないない。
そのうしろに、インドが控えている。
ブラジルも控えている。
アメリカの諸産業が、ドル安で息を吹き返すなどとは、だれも思っていない。
つまりは、最後の悪あがき。
●では、日本は……
TBS-iニュースは、つぎのように伝える。
『…… 円高ドル安の流れが止まりません。外国為替市場の円相場は14日、
一時、15年半ぶりとなる1ドル=80円台に突入しました。
14日の外国為替市場は、アメリカで追加の金融緩和策が打ち出されるとの
見方が強まったことなどから、ドルがユーロや円、ポンドなど主要な通貨に対
して全面的に売られる展開となり、円相場は一時、1ドル=80円88銭と1
995年4月以来の円高水準となりました。
その後、介入を警戒する動きなどからやや値を戻し、午前7時現在は1ドル
81円台半ばで取引されています。
ただ、日本の単独介入は、ドル全面安の現在の相場の中では効果は限られる
との見方が市場関係者の間では支配的です。
当面は円高ドル安の流れが続くとみられ、1ドル79円75銭の史上最高値
の更新も「時間の問題」との見方が広がっています』(15日07:10)と。
どうせやるなら、つまりアメリカがその気なら、一気にドル安に追い込み、
円高を一時的なもので終わらせるのがよい。
今のように、ジリジリと真綿で首を絞めるような流れは、いちばん、まずい。
日本の耐久力は、もう限界。
それほど長くはもたない。
ついでに読売新聞の記事を、ここに転載する。
『…… トヨタ自動車は14日、主力乗用車「カローラ」の日本からの輸出を
2013年ごろまでに停止し、輸出分の生産をすべて海外工場に移管する方針
を固めた。
円高で日本からの輸出の採算が悪化しているためだ。国内で販売するカロー
ラは引き続き国内で生産する。
トヨタは11年秋に稼働する米ミシシッピ州の工場に、北米向けカローラの
生産を国内から移管し、年間15万台生産する。欧州やアジア向けの生産もす
べて現地化する』(以上、読売新聞より)。
すでに日本は、アメリカのよいように操られている。
わかるかな?
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