●原発事故 ●BW教室
【原発事故】(2011年4月15日)
●みんな、苛(いら)立っている
松本健一内閣官房参与が菅直人首相との会談で福島第一原子力発電所の周辺地域に「当面
住めない」と発言した。
この発言に対して、民主党の玄葉光一郎政調会長は14日の拡大政調役員会で、ことにつ
いて「とても憤りを感じる」と批判した。
玄葉氏は福島県出身で衆院福島3区選出である。
玄葉氏は「仮にそういうことがあるのであれば、科学的な根拠を持って、しかるべき立
場の人がしかるべき時期に万感の思いを込めて土下座をして話さなければならない重大な
問題だ」と語った(以上、日本経済新聞記事より)。
●「当面住めない」
とても残念なことだが、福島第一原子力発電所周辺地域について、「当面(人は)住めな
い」というのは、常識。
玄葉氏が怒るのもよくわかる。
玄葉氏だけではない。
みな、苛立っている。
ピリピリしている。
玄葉氏は、こう言った。
「……科学的な根拠を持って、しかるべき立場の人がしかるべき時期に万感の思いを込め
て土下座をして話さなければならない重大な問題だ」と。
が、原発事故は、「科学的根拠うんぬん」のレベルをすでに超えている。
いわんや、今さら「土下座して」どうこうなるというような問題でもない。
現に今の今も、問題は何も解決していない。
解決していないばかりか、つぎつぎと新しい問題が発生している。
今も放射能はたれ流されたまま。
今、原発がどういう状況であるかは、ほんの少し自分の頭で考えてみれがわかるはず。
常識のある人であれば、「周辺には住まない」。
もう少し言葉を選ぶべきだったかもしれないが、松本健一内閣官房参与は、その常識を
口にした。
●「周辺」とは?
どの範囲までを「周辺」というのか。
半径20キロとか、30キロとかをいうのか。
それとも100キロとか、200キロとかをいうのか。
この際、20キロでも100キロでも、もう関係ない。
放射能というのは、積算されていく。
細かい砂を、高いところから落としつづけてみるようなばあいを考えてみればよい。
砂の山は高くなると同時に、その裾野を広げていく。
つまり今はよくても、やがてその「周辺」は広がっていく。
もちろん風向きにもよる。
不幸中の幸いというか、今までは「風」に守られた。
しかしこの先のことはわからない。
来月はそれが東京になり、数か月ごには、静岡県になる。
すでに世界の人たちは、「周辺」を、千葉県まで広げている。
アメリカでは千葉県産の農産物まで、輸入禁止処分にした(14日)。
かなり悲観的なことを書いたが、……というより、悲観的だが、相手が目に見えない
放射能では、どうしようもない。
戦いようがない。
今は相手の言葉尻をつかまえて、たがいに攻撃しあっているようなばあいではない。
へたをすれば、日本という「国」そのものが、本当に沈没してしまう。
●原発事故
私の発行している電子マガジンは、ちょうど1か月遅れで、配信される。
今日(15日)も配信されたが、記事の内容は、3月11日以前に書かれたもの。
そのマガジンを読んでいると、どこかハラハラした気分になる。
ふと「あの日さえなければ……」と思ってしまう。
「あの日さえなければ、日本はいい国だったのに……」と。
私はその中で、教育論を説き、教師論について書いた。
ついでに弟子論についても書いた。
今から思うと、夢のように(大げさではなく、本当に)、のどかな毎日だった。
が、今は、教育論も教師論も、また弟子論も、どうでもよくなってしまった。
「これではいけない!」と自分に言って聞かせるが、心がどうもかみ合わない。
はっきり言えば、みな、原発事故の深刻さが、まるでわかっていない!
数日前も、義兄と話したとき、義兄はこう言った。
会社勤めのときは、広島支店に勤務したことがある。
「広島だって、あっという間に復興した」と。
しかし残念ながら、規模がちがう。
発電所1機だけで、広島型原爆の1000倍近い放射能を蓄えている。
4機合わせれば、4000倍。
昨日も計算してみたが、チェルノブイリ事故の25倍。
そんな放射能が飛び散ったら、この日本はどうなるか。
それをほんの少しだけ、頭の中で想像してみればよい。
●事故処理
懸命な復旧活動がつづいている。
たいへんな作業だろうということは、今さら、ここに書くようなことでもない。
たいへんな作業に決まっている。
現場で作業している人たちにしてみれば、まさに命がけ。
どうか、どうか、がんばってほしい。
Hiroshi Hayashi+++++++April. 2011++++++はやし浩司・林浩司
【年長児(5歳児)のはじめてのレッスン】
●笑えば伸びる……BW教室byはやし浩司
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はじめてのレッスンということで、
今回は、「声を出す」をテーマに
学習を進めました。
最初は小さな声しか出なかった子どもでも、
終わるころには、ゲラゲラと笑い、
声を出すようになりました。
「笑う」ということには、不思議な力が
あります。
子どもの心を開放させます。
安易に「治る」という言葉を使うことは、
私の世界ではできませんが、しかし
軽い情緒的な問題であれば、それで治って
しまいます。
そんな力もあります。
たとえば2年間、幼稚園では一言も話さなかった
子どもが、この3月、私の教室へ数回来ただけで、
話すようになりました。
「笑えば伸びる」……これが私の持論です。
もちろん前向きな学習態度も、それで養われます。
幼児教育は、本当に楽しいですよ。
奥が深いですよ。
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Hiroshi Hayashi+++++++April. 2011++++++はやし浩司・林浩司
【私たちの日本】(震災から1か月)
●異変
1週間前も、そうだった。
昨日も、そうだった。
浜松駅まで友人を迎えに行った。
そのときのこと。
外人(白人)は、ほとんどいなかった。
10分ほど、改札口の前に立っていた。
しかし見たのは、明らかに南米からの人たちだけ。
それもほんの数人だけ。
それを友人(オーストラリア人・男性)に話すと、彼はこう言った。
「(東京の)ホテルでも、白人は、ぼく1人だけだった。あとは日本人と中国人
だけだった」と。
●50%減
報道によると、この3月期、日本への外人旅行客は、50%も減ったという。
3月11日に震災が起きている。
減ったのは11日以後ということになる。
つまり後半の3分の2だけで、「50%」も減ったことになる。
それで計算すると、3月11日以後、いつもの25%、つまり75%も減ったことになる。
1x1/3+1x2/3xX=0・5
X=0・25
1-0.25=0.75
が、この数字とて、日本全体の数字。
関東もしくは、東北地方となると、さらに大きくなるはず。
私がシンガポールで乗った飛行機も、そうだった。
シンガポール航空とANAの2便を合わせても、乗客はがらがら(4月6日)。
(ANAは運行をキャンセル。
カウンターで理由を聞くと、飛行機の故障と言った。
が、もしそうなら、日本でニュースになったはず。)
その飛行機でも、外人(白人)は、ななめ前の席の1人だけだった。
●不気味
こうした心理は、自分のこととして考えてみると、よくわかる。
私も東京、もしくは東京以北へは、行きたくない。
いくら安全とわかっていても、行きたくない。
それなりの必然性や緊急性があれば、行くかもしれない。
しかし旅行では、行きたくない。
理由は、言わずと知れた、放射能。
が、この浜松とて安全(?)というわけではない。
外国から見れば、福島も東京も、そしてこの浜松も同じ。
いくら私が「浜松は安全」と言っても、外国の人たちはそうは思わないだろう。
現に沖縄への海外旅行者も激減しているという。
つまり放射能というのは、そういうもの。
見えない相手だけに、不気味。
●日本の将来
日本を論ずるといっても、これでは論じようがない。
屋根の雨漏りをあちこち直していたら、そこへ台風がやってきた。
屋根ごと、家がどこかへ吹き飛んでしまった。
今は、そういう状態。
たとえば私は長い間、「日韓経済戦争」というタイトルで、原稿を書いてきた。
10年ほど前には、「このままでは日本は韓国に負けてしまう」と書いてきた。
が、ここ数年は、その勢いもトーン・ダウン。
書く回数も、減った。
そこへもってきて、今回の大震災。
言うなれば、戦争どころではない。
まず態勢の立て直し。
それが先決。
経済戦争は、その後。
●未来
が、暗い話ばかりではない。
日本の底力は、健在。
おとといの夜も、こんなニュースが報道されていた。
超大型の発電所用タービンを、どこかの火力発電所に移送したという。
歩道橋の高さほどもある、超大型タービンである。
交差点まで来ると、いちいち信号を折りたたんで、それを通過させていた。
原子力発電所がだめなら、火力発電所、というわけである。
そういうタービンを造る能力まで、消えたわけではない。
私はそれを見て、うれしかった。
改めて日本を見直した。
「日本って、すごい国だなあ」と。
●日韓経済戦争
ともかくも今は、原発事故を収束させること。
長引けば長引くほど、日本経済に、深刻な後遺症を残す。
今はまだよい。
観光客の減少程度の被害ですんでいる。
しかしすでに「日本製のモノ」についても、輸入制限をかける動きまで出てきた。
「日本製は放射能を帯びているから、あぶない」と。
その先頭に立って、おかしな宣伝をしているのが韓国※。
その深刻さに比べたら、今は、政権がどうのこうのと言っている場合ではない。
政権の責任問題を追及している場合ではない。
あの小沢氏まで、内閣不信任案に同調するという。
バカげている。
実にバカげている。
わかりやすく言えば、今は足の引っ張り合いをしている場合ではない。
今は国民が一致団結して、原発事故に取り組むべきときである。
つまり管総理大臣では、どうしていけないのか。
いろいろ問題はあるだろうが、それは原発事故が収束してからでよい。
東京電力にしても、その責任を追及するのは、収束してからでよい。
もっと大きな津波がそこまで来ているのに、夫婦げんかをしているバカが、どこにいる?
●想定外
「想定外」という言葉がある。
その言葉をあえて使わせてもらう。
この先も、さらにいくつかの「想定外」がつづくと考えたほうがよい。
別の大地震、別の大津波……。
東南海大地震に富士山の爆発。
原発事故についても、原子炉が爆発することも考えられる。
日本の地震帯は活動期に入った。
その対策はできているのか。
……というか、私たち国民も、「国が……」「国が……」と言うのをやめよう。
自分で考え、自分で判断し、自分で行動する。
「国」にグチを言ったところで、どうにもならない。
今まで、中古の原子力発電所を、野放しにしてきたのは、ほかならぬ私たち自身。
あの東京電力にしても、(ほかの電力会社もそうらしいが)、官僚の天下り先に
なっていた。
それを許してきたのは、ほかならぬ私たち自身。
つまりそういう政治を許してきたのは、私たち自身。
そういう私たちが、どうして今、「国が……」「国が……」と言うことができるのか。
言い換えると、政治的盲目性と国民的依存性は、表裏の関係にある。
平たく言えば、使い放題電力を使ってきた私たちが、どうして東京電力を責めることが
できるのか、ということ。
ささいな停電があっただけで、日本人は大騒ぎする。
今回の原発事故も、その延長線上にある。
……というふうに、考えられなくもない。
●新相馬節
実は昨夜遅く、友人と、山荘へやってきた。
オーストラリアの広い平原が、日本人の私たちにはたまらなく魅力的に見える。
同じようにオーストラリア人には、山々に囲まれた深い緑が、たまらなく魅力的に
見えるらしい。
その友人は、日本へ来るたびに、この山荘へ来たがる。
その山荘へ来るときのこと。
たまたま私は日本の民謡を、車の中で聞かせてやった。
最初に私の故郷の、「かわさき」(郡上踊り)。
つづいて……ということで、東北地方の民謡となった。
「新相馬節」……。
それを聞いていたら、涙がポロポロとこぼれてきた。
日本の民謡を聞いて、涙をこぼしたのは、私にとっては生まれてはじめてのことだった。
●チェルノブイリの250倍
多少の土壌汚染や海洋汚染は、この際、やむをえない。
友人もこう言った。
「There‘s no alternative.(ほかに選択肢がない)」と。
今は、ともかくも原発事故を収束させること。
前にも書いたが、1機でも原子炉が爆発したら、万事休す。
打つ手は、もうない。
人が近づくことすらできない。
原子炉はつぎつぎと爆発し、計算上では、チェルノブイリの250倍の放射能が
飛び散ることになる。
この先、夏にかけて風向きが変わったら、東京は6時間後、この浜松でも、数か月後には、
人が住めなくなるという(アメリカ軍)。
観光客の減少どころの問題ではない。
●非現実的な日常
が、不思議なことに、本当に不思議なことに、ごくふつうの日常が、つづいている。
この非現実的な日常を、どう理解したらよいのか。
みながみな、心のどこかで言いようのない重苦しさを感じている。
会って話しても、「どうなるのでしょう?」と言うだけ。
それをたがいに繰り返すだけ。
その先の会話につながっていかない。
私もそうだ。
できることといえば、ともかくもそこにある「現実」の中で生きていく。
友と食事をする。
車であちこちを回る。
4月からの仕事は、今のところ順調。
去年と、何も変わらない。
健康はどうか?
ふと自分に問いかける。
こまかい故障は、あちこちにあるが、大きな問題はない。
今年度も、何とか、やっていけそう……。
●全精力を
オーストラリアの友人と、別の友人の農場を訪問した。
元公務員。
退職後、農地を購入。
現在は、農業を経営している。
有機栽培で、いろいろなものを作っている。
その友人も、こう言った。
「国が・・・国が・・・というのは、おかしい」と。
地震にせよ、津波にせよ、それは「国」の責任ではない。
一方、政府も、「国が何とかする」とか、「責任を取る」とか、そういう言葉を
安易に使わないほうがよい。
へたに使うから、話がおかしくなる。
が、原発事故は、別。
今、「国」にすべきことがあるとしたら、原発事故処理に全精力を傾注すること。
深刻さということを考えるなら、地震や津波のそれを、はるかに超える。
●別の想定外
大本営発表を信じているわけではない。
しかし今のところ、原発事故はおおむね小康状態を保っている。
いろいろな方策が立てられ、その方向に向かって進みつつある。
が、心配なのは、先にも書いたように、また何か別の「想定外の」ことが起きること。
今日(4月16日)も、茨城県で大きな地震があった。
報道によれば、今回の大地震の余震とは別の地震ということらしい。
つまりこの先、何が起こるかわからない。
しかしこの私も、やっとショック状態から抜け出しつつある。
今、こうして以前のように、原稿が書けるようになったのも、それ。
どこかグチぽく、中身も暗いが、調子が戻ってきた。
今は、脳みその慣らし運転。
そんな感じがする。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【付記・注※】韓国の過剰反応(東亜日報・4月17日)
++++++++++++++++++
それにしてもはげしいのが、韓国。
まさに過剰反応。
ときがときだけに、日本の現状を、
韓国は喜んでいる。
私には、そうとしか思えない。
東亜日報の記事をそのまま転載する。
++++++++++++++++++
++++++++++++++以下、東亞日報+++++++++++++++++++
日本の福島原子力発電所(原発)事故で、放射性物質漏れが止まらない日本の農産物や工産品の輸入を制限する国が増加している。
韓国食品医薬品安全庁(食薬庁)は14日、福島原発付近の13の都県で生産された輸入食品に対して、放射線基準値を越えていないという日本政府の証明書の提出を求める方針だ。
13都県は、ホウレンソウなど一部品目に対して輸入が制限された5県(福島、茨木、栃木、群馬、千葉)と一部の食品で放射性物質が検出された8都県(宮城、山形、新潟、長野、埼玉、神奈川、静岡県、東京都)だ。
証明対象の食品は、農林産物、加工食品、食品添加物、健康機能食品など、ほぼすべての食品が含まれた。
日本政府は、13の都県の食品に対して検査する余力がない状況であり、韓国の措置は事実上、輸入停止と同じ効力を持つ。
また、食薬庁は、来月1日から輸入される日本の食品から放射性ヨウ素やセシウムが少しでも検出されれば、ストロンチウムやプルトニウムなど別の放射性物質に対する検査結果も求める計画だ。
さらに、13地域以外で生産される食品に対しては、汚染地域で生産されていないことを証明する生産地証明書の提出を求めることを決めた。
食薬庁は、離乳食のような乳児向けの食品に対する放射性ヨウ素の基準(1キログラムあたり100ベクレル)も新たに設けた。
米国、中国、ロシアなど28ヵ国は日本産の食品に対して、米国、中国など8ヵ国は日本の工産品に対して輸入規制措置を取っていると、朝日新聞が報じた。
「メイド・イン・ジャパン」に対する忌避現象は、当初、農産物と加工食品に限定されていたが、最近、日本から輸入された中古自動車などから放射性物質が検出されたことから、工産品まで輸入を規制する国が増えている。
一部国家は、自国に入ってくる日本の工産品に対する生産地証明書の提出を求めている。日本国土交通省は、輸出用コンテナの放射線量を測定し、「問題ないレベル」という内容の政府保証証明書を発行することを決めるなど、対策づくりに苦心している。
++++++++++++++以上、東亞日報+++++++++++++++++++
●静岡県まで?
この中で、この「静岡県」という名前があることに注目してほしい。
韓国は、とうとうこの「静岡県」まで、「危険県」に含めてしまった。
さらに工業製品まで!
「米国、中国、ロシアなど28ヵ国は日本産の食品に対して、米国、中国など8ヵ国は日本の工産品に対して輸入規制措置を取っていると、朝日新聞が報じた」とある。
朝日新聞は、本当にそんなことを書いたのだろうか。
どうであるにせよ、今の日本は完全にノックアウトされたような状態。
つまりどう書かれても、何も言えない。
反論もできない。
ただこれだけは、しっかりと胸に刻んでおこうではないか。
「韓国という国は、日本にとって、そういう国」と。
Hiroshi Hayashi+++++++April. 2011++++++はやし浩司・林浩司
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