Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Wednesday, October 05, 2011

●小沢秘書3人に有罪判決

●小沢秘書3人に有罪判決(陸山会事件)

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「小沢秘書 有罪 判決要旨」で検索をかけてみた。
が、驚いた。
「世紀の魔女狩り」
「インチキ裁判」
「民主主義の否定」などなど、今回の有罪判決を避難するBLOGが、
1~20件あたりまで、ズラリと並んで出てきた。

で、私はもう一度、判決要旨そのものを読みなおしてみた。
注目すべき点は、「陸山会事件」。

そこには、こうある(以下、原文のまま)。

【陸山会事件】

 04年分収支報告書の「借入先・小沢一郎 4億円、備考・04年10月29日」との記載は、体裁から陸山会が小沢一郎民主党元代表から4億円を借り入れた日とみるのが自然かつ合理的。
被告側が主張する「同年10月初め〜同月27日ごろまでに小沢から陸山会が借りた合計4億円」を書いたものとすると、それを担保にする形をとって小沢元代表名義で銀行融資を受け、転貸された4億円を記載しなかったことになり、不自然。

 加えて、石川被告が4億円を同年10月13日から28日まで前後12回にわたり5銀行6支店に分散入金したことなどは、4億円を目立たないようにする工作とみるのが合理的。
4億円を原資とする土地取得も04年分報告書に載ることを回避しようと隠蔽工作をしたとも推認される』(以上、原文のまま)と。

 少しわかりにくいが、「……前後12回にわたり5銀行6支店に分散入金したこと……」という部分だけを読んでも、胡散(うさん)臭い。
プンプンと臭う。
被告側(秘書側)は、「だからといって、どうしてそれが悪いことなのか」ということになる。
たしかにそうである。
前後12回にわたり、5銀行6支店に分散入金したところで、それはその人の勝手。
何も法に触れるような行為ではない。
(小沢氏および小沢擁護派は、こうした点を強調している。)

 たしかにそうだが、なぜ「前後12回にわたり5銀行6支店に分散入金する必要があったのか」という点については、何も答えていない。
常識で考えれば、「何かを隠すためにそうした」ということになる。
もっとはっきり言えば、「金の出所をごまかすためにそうした」ということになる。
判決もそれをふまえ、「隠蔽工作をしたとも推認される」と述べている。

 が、逆に考えると、本人たちが皆、口をそろえて「知らない」「関係ない」などと言い張っている以上、「推認」するしかない。

●小沢疑獄

 一連の小沢疑獄事件には、大きな一貫性がある。
「法には触れない小細工の連続性」という、一貫性である。
問題は、なぜそういった小細工を重ねたか。
重ねなければならなかったか。
つまり私たちは、その裏に、胡散臭さ、つまり犯罪性をかぎ取る。
もし何でもないお金なら、そのまま素直に動かせばよい。
そうでないから、そうでない。
「疑獄」となる。

 4億円は、いったい、どこからどのようにして出てきたのか?
小沢氏が言うように、本当に「タンス預金」だったのか。
が、もしそうなら、なぜこうした小細工をしなければならなかったのか?
「何も悪いことではない」と居直る前に、政治家として、私はその説明義務があるのでは?
その説明もきちんとしないで、「インチキ裁判」と非難するのも、どうか。

 さらに判決要旨にはつぎのようにある。

●判決要旨

 『岩手県や秋田県では、公共工事の談合で小沢事務所の了解がなければ本命業者にはなれない状況。
小沢事務所の秘書から発せられる本命業者とすることの了解はゼネコン各社にとって「天の声」と受け止められていた。
元公設第1秘書の大久保隆規被告は2002〜03年ごろから天の声を発出する役割を担うようになった』(以上、判決要旨)と。

 で、水谷建設社長は、大久保被告の要求に応じ、1億円を小沢氏側に渡している。

『……4億円の原資は石川被告らに加え、用立てた小沢元代表自身ですら明快な説明ができていない。原資の説明は困難。
 当時の水谷建設社長は胆沢ダム建設工事の受注に絡み、大久保被告の要求に応じて、04年10月に5千万円を石川被告に、05年4月に同額を大久保被告に手渡したと証言したが、ほかの関係者証言や客観的証拠と符合し、信用できる。
一切受け取っていないという両被告の供述は信用できない』(以上、判決要旨)と。

 「1億円の金を渡した」と証言している水谷建設社長。
その後、その金と合わせて、4億円もの大金が、複雑なルートを経て、複雑に動く。
小沢氏側は、入り口で「一切受け取っていない」と門を閉ざし、その後のことは、「法に触れるようなことはなにもしていない」という論陣を張っている。
つまり「無罪」と。

 しかしこんな常識をはずれた論陣があるだろうか。
……ということで、私たちは、納得していない。
いくら小沢氏側が、「無罪だ」「魔女狩りだ」と主張したところで、「はあ、そうですか」と引き下がるわけいにはいかない。
心証は、真っ黒。
小沢氏側は「証拠がない」「証拠を出せ」と言っているが、もとから物的証拠など作るわけがない。
頭のよい連中である。
だから客観的な状況証拠から、「推認する」しかない。

 私は小沢氏は別として、3人の秘書たちに言いたい。
忠僕心も結構だが、一度、人間としての自分の良心に立ち返ってみてほしい、と。
 
 小沢氏にしても、そうだ。
もし本当に「無罪」なら、つまり胡散臭いマネーを一円も受け取っていないと主張するなら、本気で怒ったらよい。
まさに濡れ衣。
私なら、そうする。
へたにニヤニヤと笑い、余裕たっぷりの表情を見せるから、私たちはあなたを疑う。


Hiroshi Hayashi++++++Oct. 2011++++++はやし浩司・林浩司