●子どもの発達段階テスト法
【子どもの発達段階テスト】byはやし浩司
●子どもの心(発達段階テスト) [ カテゴリ未分類 ]
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【子どもの心の発達・診断テスト】
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【子どもの社会適応性・EQ検査】(参考:P・サロヴェイ)
●社会適応性
子どもの社会適応性は、つぎの5つをみて、判断する(サロベイほか)。
(1)共感性
Q:友だちに、何か、手伝いを頼まれました。そのとき、あなたの子どもは……。
○いつも喜んでするようだ。
○ときとばあいによるようだ。
○いやがってしないことが多い。
(2)自己認知力
Q:親どうしが会話を始めました。大切な話をしています。そのとき、あなたの子どもは……
○雰囲気を察して、静かに待っている。(4点)
○しばらくすると、いつものように騒ぎだす。(2点)
○聞き分けガなく、「帰ろう」とか言って、親を困らせる。(0点)
(3)自己統制力
Q;冷蔵庫にあなたの子どものほしがりそうな食べ物があります。そのとき、あなたの子どもは
……。
○親が「いい」と言うまで、食べない。安心していることができる。(4点)
○ときどき、親の目を盗んで、食べてしまうことがある。(2点)
○まったくアテにならない。親がいないと、好き勝手なことをする。(0点)
(4)粘り強さ
Q:子どもが自ら進んで、何かを作り始めました。そのとき、あなたの子どもは……。
○最後まで、何だかんだと言いながらも、仕あげる。(4点)
○だいたいは、仕あげるが、途中で投げだすこともある。(2点)
○たいていいつも、途中で投げだす。あきっぽいところがある。(0点)
(5)楽観性
Q:あなたの子どもが、何かのことで、大きな失敗をしました。そのとき、あなたの子どもは…
…。
○割と早く、ケロッとして、忘れてしまうようだ。クヨクヨしない。(4点)
○ときどき思い悩むことはあるようだが、つぎの行動に移ることができる。(2点)
○いつまでもそれを苦にして、前に進めないときが多い。(0点)
(6)柔軟性
Q:あなたの子どもの日常生活を見たとき、あなたの子どもは……
○友だちも多く、多芸多才。いつも変わったことを楽しんでいる。(4点)
○友だちは少ないほう。趣味も、限られている。(2点)
○何かにこだわることがある。がんこ。融通がきかない。(0点)
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( )友だちのための仕事や労役を、好んで引き受ける(共感性)。
( )自分の立場を、いつもよくわきまえている(自己認知力)。
( )小遣いを貯金する。ほしいものに対して、がまん強い(自己統制力)。
( )がんばって、ものごとを仕上げることがよくある(粘り強さ)。
( )まちがえても、あまり気にしない。平気といった感じ(楽観性)。
( )友人が多い。誕生日パーティによく招待される(社会適応性)。
( )趣味が豊富で、何でもござれという感じ(柔軟性)。
これら6つの要素が、ほどよくそなわっていれば、その子どもは、人間的に、完成度の高い子どもとみる(「EQ論」)。
(以上のテストは、いくつかの小中学校の協力を得て、表にしてある。集計結果などは、HPのほうに収録。興味のある方は、そちらを見てほしい。当日、会場で、診断テスト実施。)
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●順に考えてみよう。
(1)共感性
人格の完成度は、内面化、つまり精神の完成度をもってもる。その一つのバロメーターが、「共感性」ということになる。
つまりは、どの程度、相手の立場で、相手の心の状態になって、その相手の苦しみ、悲しみ、悩みを、共感できるかどうかということ。
その反対側に位置するのが、自己中心性である。
乳幼児期は、子どもは、総じて自己中心的なものの考え方をする。しかし成長とともに、その自己中心性から脱却する。「利己から利他への転換」と私は呼んでいる。
が、中には、その自己中心性から、脱却できないまま、おとなになる子どももいる。さらにこの自己中心性が、おとなになるにつれて、周囲の社会観と融合して、悪玉親意識、権威主義、世間体意識へと、変質することもある。
(2)自己認知力
ここでいう「自己認知能力」は、「私はどんな人間なのか」「何をすべき人間なのか」「私は何をしたいのか」ということを、客観的に認知する能力をいう。
この自己認知能力が、弱い子どもは、おとなから見ると、いわゆる「何を考えているかわからない子ども」といった、印象を与えるようになる。どこかぐずぐずしていて、はっきりしない。優柔不断。
反対に、独善、独断、排他性、偏見などを、もつこともある。自分のしていること、言っていることを客観的に認知することができないため、子どもは、猪突猛進型の生き方を示すことが多い。わがままで、横柄になることも、珍しくない。
(3)自己統制力
すべきことと、してはいけないことを、冷静に判断し、その判断に従って行動する。子どものばあい、自己のコントロール力をみれば、それがわかる。
たとえば自己統制力のある子どもは、お年玉を手にしても、それを貯金したり、さらにためて、もっと高価なものを買い求めようとしたりする。
が、この自己統制力のない子どもは、手にしたお金を、その場で、その場の楽しみだけのために使ってしまったりする。あるいは親が、「食べてはだめ」と言っているにもかかわらず、お菓子をみな、食べてしまうなど。
感情のコントロールも、この自己統制力に含まれる。平気で相手をキズつける言葉を口にしたり、感情のおもむくまま、好き勝手なことをするなど。もしそうであれば、自己統制力の弱い子どもとみる。
ふつう自己統制力は、(1)行動面の統制力、(2)精神面の統制力、(3)感情面の統制力に分けて考える。
(4)粘り強さ
短気というのは、それ自体が、人格的な欠陥と考えてよい。このことは、子どもの世界を見ていると、よくわかる。見た目の能力に、まどわされてはいけない。
能力的に優秀な子どもでも、短気な子どもはいくらでもいる一方、能力的にかなり問題のある子どもでも、短気な子どもは多い。
集中力がつづかないというよりは、精神的な緊張感が持続できない。そのため、短気になる。中には、単純作業を反復的にさせたりすると、突然、狂乱状態になって、泣き叫ぶ子どももいる。A障害という障害をもった子どもに、ときどき見られる症状である。
この粘り強さこそが、その子どもの、忍耐力ということになる。
(1)楽観性
まちがいをすなおに認める。失敗をすなおに認める。あとはそれをすぐ忘れて、前向きに、ものを考えていく。
それができる子どもには、何でもないことだが、心にゆがみのある子どもは、おかしなところで、それにこだわったり、ひがんだり、いじけたりする。クヨクヨと気にしたり、悩んだりすることもある。
簡単な例としては、何かのことでまちがえたようなときを、それを見れば、わかる。
ハハハと笑ってすます子どもと、深刻に思い悩んでしまう子どもがいる。その場の雰囲気にもよるが、ふと見せる(こだわり)を観察して、それを判断する。
たとえば私のワイフなどは、ほとんど、ものごとには、こだわらない性質である。楽観的と言えば、楽観的。超・楽観的。
先日も、「お前、がんになったら、どうする?」と聞くと、「なおせばいいじゃなア~い」と。そこで「がんは、こわい病気だよ」と言うと、「今じゃ、めったに死なないわよ」と。さらに、「なおらなかったら?」と聞くと、「そのときは、そのときよ。ジタバタしても、しかたないでしょう」と。
冗談を言っているのかと思うときもあるが、ワイフは、本気。つまり、そういうふうに、考える人もいる。
(2)柔軟性
子どもの世界でも、(がんこ)な面を見せたら、警戒する。
この(がんこ)は、(意地)、さらに(わがまま)とは、区別して考える。
一般論として、(がんこ)は、子どもの心の発達には、好ましいことではない。かたくなになる、かたまる、がんこになる。こうした行動を、固執行動という。広く、情緒に何らかの問題がある子どもは、何らかの固執行動を見せることが多い。
朝、幼稚園の先生が、自宅まで迎えにくるのだが、3年間、ただの一度もあいさつをしなかっ
た子どもがいた。
いつも青いズボンでないと、幼稚園へ行かなかった子どもがいた。その子どもは、幼稚園でも、決まった席でないと、絶対にすわろうとしなかった。
何かの問題を解いて、先生が、「やりなおしてみよう」と声をかけただけで、かたまってしまう子どもがいた。
先生が、「今日はいい天気だね」と声をかけたとき、「雲があるから、いい天気ではない」と、最後までがんばった子どもがいた。
症状は千差万別だが、子どもの柔軟性は、柔軟でない子どもと比較して知ることができる。柔軟な子どもは、ごく自然な形で、集団の中で、行動できる。
(はやし浩司 思考 ボケ 認知症 人格の後退 人格論 EQ論 サロベイ)
●終わりに……
私は私と考えている人は多い。しかし本当のところ、その「私」は、ほとんどの部分で、「私であって、私でない部分」によって、動かされている。
その「私であって私でない部分」を、どうやって知り、どうやってコントロールしていくか。それができる人を、自己管理能力の高い人といい、人格の完成度の高い人という。そうでない人をそうでないという。
思春期は、それ自体、すばらしい季節である。しかしその思春期に溺れてしまってはいけない。その思春期の中で、いかに「私」をつくりあげていくか。それも、思春期の大切な柱である。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 思春期 自我構造理論 中学生)
●おまけ
当日の人格完成度テストで、満点もしくは、それに近い点数を取った子どもには、私の本をプ
レゼントする予定。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 自己管理能力 学習指導困難児 フィードバック)
Hiroshi Hayashi+教育評論++April.2010++幼児教育+はやし浩司
●叱り方
★子どもに恐怖心を与えないこと。
そのためには、
子どもの視線の位置に体を落とす。(おとなの姿勢を低くする。)
大声でどならない。そのかわり、言うべきことを繰り返し、しつこく言う。
体をしっかりと抱きながら叱る。
視線をはずさない。にらむのはよい。
息をふきかけながら叱る。
体罰は与えるとしても、「お尻」と決める。
叱っても、子どもの脳に届くのは、数日後と思うこと。
他人の前では、決して、叱らない。(自尊心を守るため。)
興奮状態になったら、手をひく。あきらめる。(叱ってもムダ。)
子どもを叱るときは、
①目線を子どもの高さにおく。
②子どもの体を、両手で固定する。
③子どもから視線をはずさない。
④繰り返し、言うべきことを言う。
①子どもが興奮したら、中止する。
②子どもを威圧して、恐怖心を与えてはいけない。
③体罰は、最小限に。できればやめる。
④子どもが逃げ場へ逃げたら、追いかけてはいけない。
⑤人の前、兄弟、家族がいるところでは、叱らない。
⑥あとは、時間を待つ。
⑦しばらくして、子どもが叱った内容を守ったら、
「ほら、できるわね」と、必ずほめてしあげる。
ほめ方
★人前でおおげさにほめること。
古代ローマの劇作家のシルスも、
「忠告は秘かに、賞賛は公(おおやけ)に」
と書いている。
頭をなでるなど、スキンシップを併用する。
繰り返しほめる。
ただしほめるのは、
努力とやさしさにとどめる。
顔、スタイルは、ほめないほうがよい。
「頭」については慎重に!
はやし浩司
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●叱り方・ほめ方
●叱り方・ほめ方は、家庭教育の要(かなめ)
子どもを叱るときの、最大のコツは、恐怖心を与えないこと。「威圧で閉じる子どもの耳」と考える。中に親に叱られながら、しおらしい様子をしている子どもがいるが、反省しているから、そうしているのではない。怖いからそうしているだけ。親が叱るほどには、効果は、ない。叱るときは、次のことを守る。
① がいうところでは、叱らない(子どもの自尊心を守るため)、②大声で怒鳴らない。そのかわり言うべきことは、繰り返し、しつこく言う。「子どもの脳は耳から遠い」と考える。聞いた説教が、脳に届くには、時間がかかる。③相手が幼児のばあいは、幼児の視線にまで、おとなの体を低くすること(威圧感を与えないため)。視線をはずさない(真剣であることを、子どもに伝えるため)。子どもの体を、しっかりと親の両手で、制止して、きちんとした言い方で話すこと。
にらむのはよいが、体罰は避ける。特に頭部への体罰は、タブー。体罰は与えるとしても、「お
尻」と決めておく。実際、約五〇%の親が、何らかの形で、子どもに体罰を与えている。
次に子どものほめ方。古代ローマの劇作家のシルスも、「忠告は秘かに、賞賛は公(おおやけ)に」と書いている。子どもをほめるときは、人前で、大声で、少しおおげさにほめること。そのとき頭をなでる、抱くなどのスキンシップを併用するとよい。そしてあとは繰り返しほめる。特に子どもの、やさしさ、努力については、遠慮なくほめる。顔やスタイルについては、ほめないほうがよい。幼児期に一度、そちらのほうに関心が向くと、見てくれや、かっこうばかりを気にするようになる。実際、休み時間になると、化粧ばかりしていた女子中学生がいた。また「頭」については、ほめてよいときと、そうでないときがあるので、慎重にする。頭をほめすぎて、子どもがうぬぼれてしまったケースは、いくらでもある。
叱り方、ほめ方と並んで重要なのが、「励まし」。すでに悩んだり、苦しんだり、さらにはがんばっている子どもに向かって、「がんばれ!」はタブー。ムダであるばかりか、かえって子どもからやる気を奪ってしまう。「やればできる」式の励まし、「こんなことでは!」式の、脅しもタブー。
結果が悪くて、子どもが落ち込んでいるときはなおさら、そっと「あなたはよくがんばった」式の前向きの理解を示してあげる。
叱り方、ほめ方は、家庭教育の要であることはまちがいない。
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こんな怒り方は、がまんのし方は、
子どもを、ダメにする!
はやし浩司
「別冊PHP」(1997年・7月号より転載)
子育ては、言わば、条件反射の集まりのようなものです。そのとき、その場で、いちい
ち考えて子どもを叱ったり、怒ったりする人はいません。たいていの人は、「頭の中では
わかっているのですが、その場になると、ついカーッとして……」と言います。
ただ最近の傾向としては、小子化の流れの中で、子どもの機嫌をそこねまいと、叱る
べきときに叱らない親、怒るべきときに怒らない親がふえています。あるいは強く叱った
あとに、「さっきは、ごめんね。お母さんが悪かった」と、子どもに謝る親も珍しくありませ
ん。こういう親の心のスキ間をねらって、子どもはドラ息子、ドラ娘化します。
また子育てに不安を抱いていたり、子どもに何らかの不信感をもっている親は、どうし
ても子どもを必要以上に強く叱ったり、怒ったりします。「いったい、いつになったら、あな
たは私の言うことが聞けるの!」と、です。あとはこの悪循環の中で、子どもはますます
自分で考えたり判断したりすることができなくなり、親の叱り方はますますはげしくなると
いうわけです。
が、何が悪いかといって、親の情緒不安ほど悪いものはありません。先週は子どもが
お茶をこぼしたときは何も言わなかった親が、今週は、子どもがお茶をこぼしたりする
と、子どもの顔が青ざめるほど子どもを怒鳴り散らすなど。こういう環境だと、子どもの性
格は内閉し、さらに悪い場合には、精神そのものが萎縮してしまいます。
園や学校などでも、皆が大声で笑うようなときでも、皆と一緒に笑えず、口もとをゆが
めてクックッと笑うなど。なお悪いことに、このタイプの親は、静かで従順な子どもほど、
「いい子」と誤解して、ますます子どもを悪い方向に追いやってしまう傾向があります。
叱り方、がまんのし方は、子育ての中でも要(かなめ)と言えるほど、重要であり、また
それだけに難しいことおです。叱るときや、がまんするときは、「ここが教育」と心してあ
たるようにします。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 子どものほめ方、叱り方 しかり方)
Hiroshi Hayashi++++++++Sep. 2010+++++++++はやし浩司
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