●世俗性と観光バス
●旅行と文化性
●観光バスによるバス旅行
おとといG県のG温泉に行ってきた。
日帰り入浴というコースだった。
久しぶりのバス旅行。
「たまにはいいだろう」と思って出かけた、
が、これが、とんでもない、まちがいだった。
で、改めて、結論。
「二度と、バス旅行はしない!」。
たいてい数組、うるさいオバチャンたちが乗り合わせている。
そういうオバチャンが、ギャーギャー、ワハハハと、騒ぐ。
バカ笑い。
バカ話。
おまけに座席は狭く、一度座ったら、身動きもままならない。
レベルが、40年前のまま。
50年前のまま。
「レベル」というのは、観光バス自体がもつ「旅行」のレベルをいう。
今時、アジアの国々でも、こんなひどいバスに乗せる(乗せるというより、
詰め込む)国は、そうはない。
加えて、あのおしゃべり。
電車やバスの中で、大声でしゃべるのは、(しゃべってもいいと考えているのは)、
日本人ぐらいなもの。
が、それだけではない。
たまたまおとといは、「ガイド」ではなく、「添乗員」。
まだよかった。
ガイドのバカ話ほど、苦痛なものはない。
見るからに底の浅いガイドが、バラエティ番組そのままの、
意味のない話を、間断なく、しゃべりつづける。
「……全国イチのみやげものと言えば……」
「……ほら、あのxxさん。タレントのxxさん。あのxxさんも立ち寄った
という店が、あの店です……」と。
で、「旅行」とは名ばかり。
窮屈な思いをさせられ、騒音に耳をふさぎ、おまけに弁当屋の弁当よりまずい
ランチ。
旅行に行った……というよりは、半日、拘置所かどこかに留置されたような気分。
寄りたくもないみやげもの屋に停まる。
そのたびに、「あれを買え」「これを買え」と迫られる。
だから、あえてこう言う。
「二度と、観光バスには乗らない!」と。
息抜きのつもりで行った旅行だったが、かえって疲れがたまってしまった。
(1) いまどき、バスガイドなど、不要。(飛行機にガイドはいないぞ!)
(2) 添乗員も「口」ではなく、「体」を動かせ。
(3) 座席を広くし、間を広くせよ。(日本人も、大きくなったぞ!)
(4) 大声でおしゃべりしている連中を、注意せよ。
そんなわけで、今日になって疲れがどっと出た。
昨夜は8時間も眠ったのに、まだ眠い。
●旅行
「おしゃべりが楽しいから、旅行に行く」という人もいる。
それはそうかもしれない。
しかし少しはほかの客の迷惑も考えてほしい。
携帯電話ですら、「マナーモードに」と言っておきながら、おしゃべりだけは
野放しというのは、矛盾している。
どう考えても、矛盾している。
(そう言えば、通路をはさんだ隣の席の男性は、何度も携帯電話をかけていた!)
で、「旅行」について、考える。
旅行することは、脳みその働きを活性化させる。
ボケ防止によい。
転地療法という、治療法もある。
何か心の病をもった人に、効果的という。
それは事実。
が、その旅行にも、目的がある。
みな、何かの目的をもって、旅行に出かける。
その目的にかなえば、それでよし。
そうでなければ、そうでない。
私は「のんびりと……」と考えていた。
が、それができなかった。
……ということで、バス旅行は、こりごり。
●オバチャンのおしゃべり
最近の研究によれば、女性のばあい、右脳にも言語中枢があることが
わかってきた。
ふつう交通事故か何かで、左脳が損傷を受ければ、言語機能が影響を受ける。
が、女性のばあい、右脳がそれをカバーする。
(そう言えば、女性で、呂律(ろれつ)が回らなくなったという人は、少ない?)
が、それだけではない。
AD・HD児というと、男児に多いと言われているが、もちろん女児にも多い。
ただ女児のばあいは、多動性というよりも、多弁性が特徴的な症状となって
現れる。
よくしゃべる。
とにかく、よくしゃべる。
強く制しても、効果は一時的。
10秒も静かにしていられない。
私「黙っていなさい!」
子「黙っていればいいのね」
私「そうだ、口を閉じていなさい」
子「口を閉じるって、どういうこと?」
私「だから声を出さないように」
子「だって、息ができなくなる」
私「いいから、黙っていなさい」
子「何分くらい?」と。
こういう会話が、永遠とつづく。
●3年前の原稿
以前、女性のおしゃべりについて、書いた。
さがしてみたら、3年前の2009年に書いた原稿が見つかった。
それ以来、進歩なし。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●Bツアー(2009年、5月記)
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地元に、E鉄道株式会社という運送会社がある。
そのE鉄道が、一方で、Bツアーという、観光旅行を
運営している。
値段も安く、良心的。
何よりもうれしいのは、目的地まで、そのまま私たちを
運んでくれること。
バスの中では、好き勝手なことができる。
もちろん居眠りもできる。
昨年は、そのBツアーを、月に2、3度、利用させてもらった。
今年に入ってからも、やはり月に2、3度、利用させてもらった。
++++++++++++++++++++++
が、この2か月ほど、Bツアーに参加していない。
「もうコリゴリ」「うんざり」というのが、その理由。
このあたりの言葉では、「往生こいた」という。
Bツアーに問題があるのではない。
(半分は、あるが……。)
うるさいの、なんのといって、オバチャンたちのおしゃべりほど、
うるさいものはない。
そのつど閉口している。
最後に東京の近くにあるI島へ行ってきたが、1組や2組なら
まだ何とかがまんできる。
しかしそんなかしましいオバチャンたちが、何組も乗り合わせたら……!
もう「旅」どころではなくなってしまう。
「我、負けず」とみなが、しゃべり始める。
競いあって、しゃべり始める。
ガチャガチャ、ギャーギャー、ゲラゲラ、ワハハハ……と。
まるで中学校か高校の同窓会のよう。
さらに運の悪いことに、そのときは、これまたレベルの低いバスガイド(失礼!)。
話す内容といえば、テレビのバラエティ番組のことばかり。
「あの店、ほら、あの店……。この前テレビを見ていたら、タレントの
あの○○さんが、行った店ですよ。○○さんは、おいしかったって、
言ってましたよ」とか何とか。
(○○なんて、タレント、知るか!)
で、うしろの席に座ったオバチャンたちは、往復、計4~5時間、
しゃべりっぱなし。
2度目に注意したら、逆に言い返されてしまった。
「私ら、おしゃべりが楽しみで、旅行に来ているもんねエ~」と。
ガイドもガイドだ。
一方で、「携帯電話はオフに……」と言っておきながら、自分はマイクを
使って、前列の人たちと個人的な話をする。
しかもマイクのボリュームは最大!
その旅行を最後に、ワイフとこう誓った。
「もう、こんな旅行はやめよう」と。
……ということで、それ以後は、Bツアーを利用するのはやめた。
もっぱら車や電車を利用している。
●昔はカラオケとタバコの煙
息子たちが子どものころも、ときどきBツアーを利用させてもらった。
そのころは、カラオケが定番。
喫煙は自由。
さらに当時は、バスに乗ると、自己紹介を強いられた。
「私は○○町から参加させてもらいました、▲▲です。
今日は、家族5人で参加させてもらいました」などなど。
私はカラオケもいやだったし、タバコの煙もいやだった。
自己紹介については、それほど抵抗はなかったが、今から振り返ると、バカげたことを
させられたものだと思う。
で、最近は、ガイドのバカ話とビデオ。
それにオバチャンたちのおしゃべり。
そのビデオだが、客の中には、自分でビデオをもってくる人もいる。
ガイドはそういう客を見ると、ホイホイと喜ぶようだが、ちょっと待て!
そのときも、YM興業(お笑いタレント養成学校)制作のビデオだった。
ああいうのを見て笑って喜ぶ人というのは、そのレベルのオバチャンだけ。
「何もこんなところまで持ってきて見ることはないだろ!」と思ったが、
多数決の結果、見るハメに……。
私は耳にイヤホンを詰めなおして、音楽を聴いていたが、あのときも最悪だった。
旅行というよりは、修行のようなもの。
世俗に慣れるための修行のようなもの。
そう思って、体を固めて、じっと我慢した。
つまりこういうことが重なって、もうコリゴリ、となった。
……と悪口(=愚痴)を書いてもしかたない。
実のところ、何度か、E鉄道会社には、メールを出した。
「滋賀県を通り過ぎるたびに、養老の滝の話。
今年だけで、もう10回以上、聞きました」と。
そのつどていねいな返事はもらっているが、改善された様子はなし。
だからもう出さない。
返事もいらない。
が、これはE鉄道会社だけの問題ではない。
私たち日本人がもつ文化性の問題である。
その文化性が高くならないかぎり、こうした問題は解決しない。
が、それには、10年単位の年月が必要である。
カラオケがなくなるのに、10年。
禁煙になるのに、10年。
みながやがて静かな旅行ができるようになるのに、さらに10年。
(あるいは20年、かかるかも?)
日本のレベルがどの程度かを知りたかったら、観光バスに乗ってみるとよい。
きっとよい修行になると思う。
Hiroshi Hayashi+++++++April. 2011++++++はやし浩司・林浩司
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