Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Saturday, March 29, 2008

*Royal Bureaucratic Country

【君主官僚主義国家(Royal Bureaucratic Country)】
Japan has been originally a royal bureaucratic country since the Nara Period and still now it is. From now on children at schools would be forced to sing an anthem to worship the Emperor’s Family.

●愛国心?

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中央教育審議会のある委員は、こう
言った。

「今までの議論は、何だったんだ。
非常に気分が悪い」(中日新聞・3月28日
朝刊)と。

最後の最後の土壇場になって、突然、
文科省は「字句修正」(?)を行った。

そしてそこに「我が国を…愛し」という文言を
挿入し、「(君が代を)歌えるよう指導する
こと」とした。

文科省は、「政治家の圧力」を臭わせて
いるが、審議会そのものがもつ性質上、
それはありえない。

自分たちのよいように審議会を誘導し、
それがうまくいかなくなると、今度は、
外部の圧力を理由にする。

いつもの常套手段である。

国際基督教大学のFH教授も、
「愛国心重視の文言を最後の修正で
加える手法はけしからん。

改正教育基本法は強行採決で成立した。
パブコメ(=パブリック・コメント)は
民意を代表していない。

こんな形で、国が心を支配する方向に踏み出すのは
まちがっている」(同)とコメントを寄せている。

まったく、……100%、同感である!

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日本の中央教育審議会の答申は、海外ではどのように受け取られているか。
まず、韓国の朝鮮N報の記事を紹介しよう。

『日本の文部科学省は28日、義務教育の小中学校での教育内容に直接影響を与える学習指導要領を、愛国心を強調する方向で見直し、正式に発表した。

政界の圧力を受け、新指導要領には総則に、「我が国と郷土を愛し」という文言が新たに加えられ、音楽の教育方針には「(君が代は)いずれの学年においても歌えるよう指導する」と明記した。

2月に発表された改訂案には、「愛国心」に関する記述はなかった。また、(君が代)をめぐっては「指導する」としただけで、「歌えるようにする」との文言はなかった。朝日新聞は「保守系の国会議員らから改訂案への不満が出ていたこともあり、文科省は異例の修正に踏み切った」と伝えた。

一方、渡海紀三朗文部科学相は、27日、国公立小中学校の生徒たちの靖国神社訪問などを禁じた1949年の政府通達について、「既に失効している」と明言した。靖国神社は太平洋戦争の戦死者を祭る宗教施設で、日本の戦争史を正当化する戦争博物館(遊就館)が境内にある』(東京発、N報特派員・朝鮮N報・3月29日)と。

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もう少し修正内容を、詳しく見てみよう。

(小中学校総則)では、

【改正案】「道徳教育は…伝統と文化を継承し、発展させ、…道徳性を養うことを目標とする」。

【修正案】「道徳教育は…伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、…道徳性を養うことを目標とする」。

(小・国語)では、

【改正案】「昔話や伝説などの本や文章の読み聞かせを聞いたり、発表し合ったりすること」。

【修正案】「昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり、発表し合ったりすること」。

(小・音楽)では、

【改正案】「君が代」は、いずれの学年においても指導する。

【修正案】「君が代」は、いずれの学年においても、歌えるように指導する。

(中・社会)では、

【改正案】「日本列島における農耕の広まりと生活の変化を…理解させる」。

【修正案】「日本列島における農耕の広まりと生活の変化や当時の人々の信仰…を理解させる」など。(以上、中日新聞・08・3月28日より)

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これだけ並べてみてもわかるように、修正案なるものは、全体として、「天皇中心の神話国家」を目指していることがわかる。
その意図が、見え見え。
つまり「国を愛する」という言葉を使いながら、何とかして、それを「天皇家を愛する」ことにもっていこうとしている。

が、どうして(君が代)を歌うことが、愛国心につながるのか?
(君が代)を歌うから、愛国心があるということにもならないし、反対に(君が代)を歌わないから、愛国心がないということにもならない。

たかが、ひとつの(歌)ではないか。

もしそれほどまでに国民の愛国心なるものを確かめたかったら、北朝鮮のように、バッジ制にすればよい。
階級、功績、レベルに応じて、色分けするのもよい。何度も繰りかえすが、(君が代)の「君」は、「天皇」を指す。

だったら、思い切って、改正案をこう修正すればよい。
「バッジは、いずれの学年においても、胸に着けるように指導する」と。
そのほうが、よほどわかりやすいし、いずれ、日本もそうなるだろう。

で、かつてあの小泉首相は、「君が代の(君)は、(国民)をさす」と説明したが、私はこれほどまでの珍解釈を、聞いたことがない。

そこで(君が代)を擁護する人たちは、「君が代は、日本独特の古典音階を使用している、世界に類のない曲である」と主張する。
それは私も認める。
世界の国家を並べて聞いても、日本の(君が代)には、独自性がある。
すばらしい!

しかし私たちが問題にしているのは、(曲)ではない! 
(歌詞)である!
つまり(君が代)を擁護する人たちは、こうして巧みに、(曲)と(歌詞)を混同させながら、私たちを煙に巻いている、などなど。

さらに憲法を改正して、天皇を現行の(象徴)から、(元首)にするという動きも、目立ってきている。
それが「国としての品格である」と説く人もいる。

しかし21世紀の今、どうしてこの日本で、王政復古(Restoration)なのか?
その必要はあるのか? 
どうして(象徴)であっては、いけないのか? 
その前に、天皇家の人たちが、それを望んでいるのか? 
その了解を取っているのか?

日本が民主主義国家だと思っているのは、悲しいかな、私たち日本人だけ。
ウソだと思うなら、外国の人たちに聞いてみることだ。

日本は、奈良時代の昔から、君主官僚主義国家(Royal Bureaucratic Country)。
今の今も、君主官僚主義国家。
あの北朝鮮だって、一応、「民主主義国家」ということになっている。
(北朝鮮の正式国名は、「朝鮮民主主義人民共和国」だぞ!)

「審議会」なるものは、彼らの行動を正当化するための、道具。方便。
だいたいどういう基準でメンバーが選ばれるか、それすら明確ではない。
たいていのばあい、YES・MANだけを集め、自分たちにとって都合のよいように、結論を出させる。
これを「答申」というが、あとはその答申に基づいて、好き勝手なことをする。
そのためにも、答申の文言は、おおざっぱであればあるほど、また抽象的であればあるほど、よい。
いかようにも解釈できる。

あとはその答申に基づいて、「控えおろう!」と。
が、今回は、そんな審議会から出された答申ですら、さらに修正した!

……というわけで、たかが【修正案】と、あなどっていてはいけない。
文科省は、こうした答申が出たことをよいことに、これから先、矢継ぎ早に、(君が代)の強制を、全国津々浦々の学校にまでしてくるはず。
ついでに靖国神社参拝を、修学旅行の日程に入れるよう強要してくるはず。
各学校では、「天照大神」の神話が、堂々と語られるようになるはず。

徐々に徐々に、少しずつ、しかし長い時間をかけて、日本という国は、そういう方向に導かれていく。

もちろんその目的は、ただひとつ

天皇を頂点にいだく、官僚主義国家の完成!

もう一度、国際基督教大学のFH教授の言葉を、かみしめてみよう。

「こんな形で、国が心を支配する方向に踏み出すのは、まちがっている」と。

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●日本の神話

(修正案)の中に出てくる「神話」とは何か。
ウィキペディア百科事典から、そのまま抜粋、引用させてもらう。

+++++++(以下、ウィキペディア百科事典より)++++++++++

『古事記』においては、イザナキがイザナミの居る黄泉の国から生還し、黄泉の穢れを洗い流した際に、左目を洗ったときに化生したとしている。このとき右目から生まれたツクヨミ、鼻から生まれたスサノオと共に、三貴子と呼ばれる。このときイザナキは天照大御神に高天原を治めるように指示した。

海原を委任されたスサノオは、イザナミのいる根の国に行きたいと言って泣き続けたため、イザナキによって追放された。スサノオは根の国へ行く前に姉の天照大御神に会おうと高天原に上ったが、天照大御神は弟が高天原を奪いに来たものと思い、武装して待ち受けた。スサノオの潔白を証明するために誓約をし、天照大御神の物実から五柱の男神、スサノオの物実から三柱の女神が生まれ、スサノオは勝利を宣言する。

天照大神の物実から生まれ、天照大御神の子とされたのは、以下の五柱の神である。

アメノオシホミミ
アメノホヒ
アマツヒコネ
イクツヒコネ
クマノクスビ

これで気を良くしたスサノオは高天原で乱暴を働き、その結果天照大御神は天岩戸に隠れてしまった。世の中は闇になり、様々な禍が発生した。(知恵の神様の秩父の神様天の八意思金命(やごころおもいかねのみこと)と天の児屋根命など八百万の神々は天照大御神を岩戸から出す事に成功し、スサノオは高天原から追放された。

葦原中国に子のアメノオシホミミを降臨させることにし、天つ神を派遣した。葦原中国が平定され、いよいよアメノオシホミミが降臨することになったが、その間にニニギが生まれたので、孫に当たるニニギを降臨させた。

+++++++++以上、ウィキペディア百科事典より++++++++

こうした神話をもとに、紀元後645年の大化の改新以後、天皇家は、天照大神をまつるようになる(ウィキペディア百科事典)。

「……ちなみに、男神アマテルとは、アマテラスの孫のアメノホアカリの別名で、アメノホアカリは尾張氏・津守氏・海部氏の始祖でもある。また、このアメノホアカリの弟がニニギで、神武天皇の曽祖父にあたる」と。

やがてすぐ、小学校で、こうした神話について、読み聞かせが始まることになる。
子どもの受験勉強に熱心な親たちは、今から、しっかりと予習しておいたほうがよい。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 中央教育審議会 愛国心 国歌 国歌論 神話 神話教育 官僚主義 官僚主義国家)