●プリウス効果
●7月26日(プリウス効果)
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このところ暑い。
猛暑。
岐阜県の多治見市では、連日39度前後の気温がつづいている。
今日あたり、どこかで40度を超えるのでは……。
40度?
私たちが子どものころには、考えられなかった気温である。
そう言えば、昨日も、一日中救急車サイレンの音がどこかで鳴っていた。
暑くなると、老人の死亡者が急にふえる。
火葬場も、3~5日待ちになる。
で、私たちは山荘へ。
避難?
疎開?
標高150~160メートル。
たったそれだけの高度だが、ゴロンと横になり、扇風機の風をあてているるだけで、
結構、涼しい。
それに昨日は、今年はじめて、水風呂に入った。
昔は「行水」と言った。
気持ちよかった。
が、見ると背丈ほどまでに大きくなったアジサイが、葉をみな、垂らしていた。
この暑さで、枯れ始めた?
あわてて水をまく。
土手の草を刈るつもりだったが、中止。
10年ほど前だが、一度、同じことをして日射病になったことがある。
直後はげしいめまいと、吐き気。
そのときは私はすぐ頭から水をかけ、車の中に入り、冷房をガンガンとかけた。
幸いにも半時間ほどで症状は消えた。
が、油断は禁物。
この10年間で、体力もかなり弱っているはず。
で、山荘で一眠りしたあと、帰宅。
帰るころには、アジサイの葉がピンと伸びていた。
よかった!
夜は、ワイフとハヤシライスを半分ずつ食べた。
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●プリウス効果?
おとといまで、TOYOTAのビッツ(小型車)に乗っていた。
そのおととい、車をプリウスに替えた。
とたんいくつかの変化が起きた。
ビッツに乗っていたころは……。
信号待ちで、少しモタモタしていると、うしろからすぐクラクションを鳴らされた。
追い越し禁止車線でも、平気で追い越された。
制限速度などというものは、ただの数字?
その速度で走っていると、車をぴったりとうしろにつけられ、よくいやがらせをされた。
夜などはライトを遠目(アップ)にされるといういやがらせも、よくあった。
おまけに横道から平気で私たちの車の前に割り込んでくる……。
ところがプリウスに替えたとたん、それがなくなった。
信号待ちでモタモタしていても、うしろからクラクションを鳴らされることもない。
制限速度でゆっくり走っていても、みな、うしろを静かについてくる。
今のところ、横道から割り込んできた車は、ない。
●ハロー効果
人は、相手を見かけで判断する。
心理学の世界でもすでに証明された事実だが、こういうのを「ハロー効果」という。
以前、こんな原稿を書いた。
麻生首相が誕生するころのことだから、つまり2007年に書いた原稿ということになる。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●ハロー効果
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心理学の世界には、「ハロー効果」
という言葉がある。
要するに、美人、美男子は、得、
ということ。もっとはっきり言えば、
人も、外見で、その中身の価値が
判断されるということ。
外見のよい人は、聡明で、精神力も
強じんで、なおかつ性格もよいと判断
されやすい。人格者と見られることも
多い。
一方、そうでない人は、そうでない。
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●A首相誕生
昔、「男は、一にマスク、二にマスク、三に親の財産」と言った、女子高校生がいた。そこで私が、「心はどうするの?」「心が大切だよ」と言うと、そこに居合わせた女子高校生が、みな、こう言った。
「マスクのいい男は、心もいいに決まっているじゃん」と。
マスク……つまり、顔のこと。
昨日(9月12日)、安倍首相が、突然辞任を申し出た。健康問題も含めて、いろいろあったらしい。政界の内情をよく知る人は、「クーデターだ」などとも言っている。
で、つぎの総理大臣は、あのA氏になりそうである。もしそうなら、クーデターの仕掛け人は、A氏自身ということになる。
心理学の世界には、「ハロー効果」という言葉がある。「ハロー」というのは、「後光」のこと。「光背効果」と呼ぶ人もいる。つまり外見のよい人は、それだけ中身もよいと判断されやすいということ。そうでない人は、そうでない。
その第一が、マスク(顔)であり、身長であるという。それはたしかにそうで、安倍首相(まだ首相なので……)と、A幹事長(まだ幹事長なので)を、比較してみれば、それがわかる。
いかにも育ちのよさを感じさせる安倍首相。一方、いつもにがり虫をかみつぶしたような顔をしているA氏。2人の人物が私たちに与える印象は、まるでちがう。
が、これが偏見かというと、どうもそうとも言い切れないらしい。
渋谷昌三氏の「心理学」(西東社)によれば、「美人は子どものころからまわりの人にかわいがられ、素直な性格に育つ」とある。
さらに「(教授に)魅力的であると評価された学生ほど、学業の成績がよいということもわかっている」とか。また「大統領の候補者のばあい、背が高い候補者ほど有利」「背が高い社員のほうが、1割程度、給料が高い」というデータもあるとか。
この「ハロー効果」を、まったく無視することもできないようだ。私のワイフも、「あのA氏が、次期総理だってエ」と、どこかがっかりしたような言い方で、そう言った。これはあくまでも見た感じだが、そのA氏を見ていると、「美人は子どものころからまわりの人にかわいがられ、素直な性格に育つ」の、ちょうど反対のことが起きているのではないかとさえ、思われる。
マスクは、お世辞にも、よいとは言えない。背も低い。つまりそれが積み重なって、あの独特の「にがり虫をかみつぶしたような顔」になったのではないか。もしそうだとするなら、性格も、かなりゆがんでいる? 実際、A氏の発言は、どこかおかしい。
Y神社問題についても、「天皇が行けばよい」とか、あるいは、憲法改正についても、「天皇を元首に」とか述べている。イラクのアメリカ軍を揶揄(やゆ)して、「ドンパチ」と表現したこともある。最近でも、公の場で、「ロシア」と「ソ連」を言いまちがえている。右寄りというよりは、極右的。
だいじょうぶか、日本?、と書いたところで、この話は、おしまい。日本という国が、どんどんとおかしな方向に進んでいるような気がしてならない。自衛隊のインド洋上での燃料補給についても、民主党は、「反対」「中止」で勢いづいている。
しかし前回の参議院議員選挙で、民主党が大勝したのは、民主党の政策に賛同したからではない。自民党への批判票が、民主党に回っただけにすぎない。一番、大きな問題は、社保庁の年金問題、それに各閣僚の不適切発言。インド洋上での燃料補給は、争点にもなっていなかった。
それを、つまり大勝したことをよいことに、突然、奥の院から、O代表が顔を出してきて、言いたい放題のことを言っている。言い忘れたが、A氏の印象もよくないが、O代表の印象も、さらによくない。
民主党が今、総力をあげてすべきことは、年金改革問題ではないのか。それもしないでおいて、どうして今、燃料補給問題なのか。
ハロー効果……おそらく、世界の人たちも、(無意識ではあるにせよ)、そういう効果を感じながら、この日本を見ているにちがいない。
だいじょうぶか、日本?、と、書いたところで、この話は、ほんとうに、おしまい。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●幸福感
どうであるにせよ、私たちは気にしない。
ビッツであっても、プリウスであっても、私たちは私たち。
他人は他人。
他人の目は気にしない。
他人の変化など、私たちには興味はない。
つまり私たちの中身まで変わったわけではない。
ただこういうことは言える。
昨日も音楽をかけながら、あちこちをドライブした。
そのとき覚えた満足感は、どこかで幸福感につながっている。
ゆったりとした気分。
やわらいだ雰囲気。
静かな心。
瞬間的だが、何かをやり遂げたような達成感すら覚えた。
とくにワイフのどこか得意げな様子を見たときに、それを強く感じた。
たぶん脳内では、エンケファリン系、もしくはエンドロフィン系のホルモンが
分泌されていたのだろう。
心地よい倦怠感も覚えた。
性能のよい新車に乗るというのは、悪いことではない。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 ハロー効果 後光効果 見かけ 人は見かけで決まる 見かけ論)
Hiroshi Hayashi+++++++July. 2010++++++はやし浩司
●人間の脳みそ
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「エンケファリン」「エンドロフィン」で、
私が書いた原稿を検索してみました。
同じく2007年に書いた原稿を
掲載します。
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●3層構造
人間の脳みそは、大きく、外から3層に分かれている(P・D・マクリーン※)。
(1)最表層部……新ほ乳類脳(新皮質部)
(2)中層部 ……旧ほ乳類脳(大脳辺縁系)
(3)中心部 ……は虫類類脳(脊髄や中脳)
このうちの(1)新ほ乳類脳というのは、「感覚情報の処理、精密な運動制御、創造的活動、遺伝的制約を超えた自由な活動」(同)を司る。
つぎの(2)旧ほ乳類脳というのは、「喜怒哀楽と記憶、定型的なは虫類的働きを柔軟にする」(同)を司る。
一番中心部にある(3)は虫類脳というのは、「呼吸や生殖、闘争や支配など、個体と種の保存に関わる機能」(同)を司る。
P・D・マクリーンの説によれば、人間の脳みそは、(は虫類脳)の上に、(旧ほ類脳)→(新ほ乳類脳)が重なるようにして、進化してきたということになる。
この説は、たいへんおもしろい。この説を逆にとらえると、太古の人間(人間というより、は虫類のような生物)には、喜怒哀楽の情や記憶がなかったということになる。喜怒哀楽の情や記憶は、旧ほ乳類脳が司る。
さらに人間は頭がよいとされるが、そのことと、私たちがいうところの(人間性)とは、別の問題であるということになる。人間の知的活動は、新ほ乳類脳が司る。
さらに私たちが「本能的」と呼んでいる活動のほとんどは、人間の脳みその中心部にある、は虫類脳が司っていることがわかる。考えてみれば、これは当然である。あらゆる生物は、その起源において、個体と種の保存を最優先にした。もしそうでなければ、その生物は一代で、絶滅していたということになる。
P・D・マクリーンは、そのは虫類脳の機能に、「闘争や支配」を加えた。言いかえると、闘争心や支配心の強い人は、それだけ原始的な人ということになる(?)。
そこで最近、にわかに注目され始めたのが、(2)の旧ほ乳類脳と呼ばれる「大脳辺縁系」。
たとえば喜怒哀楽の情は扁桃核(扁桃体)、記憶は海馬、やる気などは帯状回が司るというところまで、最近の研究でわかってきた。
たとえば何かよいことをすると、大脳の新皮質部から信号が送られ、扁桃核は、その内部で、エンドロフィンやエンケファリンなどのモルヒネ様の物質を分泌する。これが脳内に放出され、脳を心地よい陶酔感を生む。これが「善なる感情」の基本になる。
が、ここでひとつの問題が起きる。「心地よい陶酔感」イコール、「善」ではないということ。
たとえば1人の銀行強盗がいたとする。その強盗が、数千万円もの大金を、手に入れたとする。
そうした情報も扁桃核に送られ、そこで心地よい陶酔感を生むということも考えられる。強盗に問題があるとするなら、馬券を当てた人でもよい。その心地よい陶酔感は、たとえばサッカー選手が、みごとなゴールを決めたときと同じと考えてよい。つまり「心地よい陶酔感」イコール、「善」ということにはならない。
さらにP・D・マクリーンの説によれば、(頭のよさ)と(人間的な感情)、さらに(動物的な本能)とは、別物ということになる。
このことも、現実に起きていることを例にあげると、「なるほど」と合点がいく。たとえば少し前、テレビで経済解説をするようなどこかの教授が、手鏡で、女性のスカートの中をのぞいて逮捕されるという事件があった。
その教授のばあい、新ほ乳脳の発達もすぐれていたが、同時に、は虫類脳の働きも活発だったということになる。
さらに……。どちらがどちらを支配しているかという問題もある。
P・D・マクリーンの説に従えば、(は虫類脳)→(旧ほ乳脳)→(新ほ乳脳)の順に、は虫類脳は旧ほ乳脳を支配し、旧ほ乳脳は新ほ乳脳を支配しているということになる。これも臨床的に(?)考えると、納得がいく。
たとえば性欲(=は虫類脳)にしても、理性(=新ほ乳脳)で支配するのは、不可能と考えてよい。ある程度のコントロールはできるかもしれないが、それには限界がある。言いかえると、生殖、つまり個体と種の保存にかかわる本能は、それほどまでに強力であるということ。
だから教師によるハレンチ事件にしても、あとを絶たない。
しかし「不可能」と言い切ってこのエッセーを結んだのでは、エッセーとしての意味を失う。そこで私なりにどうすればよいかということを考えてみる。方法がないわけではない。
ひとつは、生殖、ならびに個体と種の保存についての本能は、そのまま自然な形で、表に出していくという方法。食事をするとき、それを隠す人はいない。それに罪悪感を覚える人もいない。生殖も同じように考えていく。深い意味を、考えない。もっと言えば、生殖イコール、排泄と考えていく。
もうひとつは、自分の中の(本能)に気づく。そのメカニズムがわかれば、それを自分でコントロールすることができるようになる。メカニズムがわからないから、本能に振り回される。
は虫類脳は頭の中にあるわけだから、それを消すことはできない。できないというより、このは虫類脳があるからこそ、人間の世界では、さまざまなドラマが生まれる。そのドラマが、人間の世界を楽しいものにする。
前にも書いたが、あの映画『タイタニック』にしても、ジャックとローズがいなければ、ただの船の沈没映画で終わってしまっていただろう。
さいごに、こういうことも言える。人間を、どの部分の脳みその働きが強いかによって、大きく3つのタイプに分類することができるのでは……?
(1)新ほ乳脳型人間
(2)旧ほ乳脳型人間
(3)は虫類脳人間、と。
どのタイプがどうかということについては、今さら、ここに書くまでもない。大切なことは、この3つの脳が、それぞれバランスを保ちながら、ほどよく協調しあうということ。またそういう人を、より人間的な人という。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 新ほ乳脳 新哺乳脳 旧哺乳脳 爬虫類脳 P・D・マクリーン 大脳新皮質部 辺縁系 脳幹 脊髄 中脳)
※P・D・マクリーン……アメリカの脳生理学者(「発達心理学」、ナツメ社)
Hiroshi Hayashi++++++++Sep 07++++++++++はやし浩司
●知識と思考
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知識と思考は、まったく
異質のものである。
そのことは、一匹の
ハチを見ればわかる。
ハチにはハチの知識がある。
特異ですぐれた知識である。
がそれがあるからといって、
ハチに思考力があるという
ことにはならない。
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知識は、記憶の量によって決まる。その記憶は、大脳生理学の分野では、長期記憶と短期記憶、さらにそのタイプによって、認知記憶と手続記憶に分類される。
認知記憶というのは、過去に見た景色や本の内容を記憶することをいい、手続記憶という
のは、ピアノをうまく弾くなどの、いわゆる体が覚えた記憶をいう。条件反射もこれに含まれる。
で、それぞれの記憶は、脳の中でも、それぞれの部分が分担している。たとえば長期記憶
は大脳連合野(連合野といっても、たいへん広い)、短期記憶は海馬、さらに手続記憶は
「体の運動」として小脳を中心とした神経回路で形成される(以上、「脳のしくみ」(日本実業出版社)参考、新井康允氏)。
でそれぞれの記憶が有機的につながり、それが知識となる。もっとも記憶された情報だけでは、価値がない。その情報をいかに臨機応変に、かつ必要に応じて取り出すかが問題によって、その価値が決まる。
たとえばAさんが、あなたにボールを投げつけたとする。そのときAさんがAさんであると認識するのは、側頭連合野。ボールを認識するのも、側頭連合野。しかしボールが近づいてくるのを判断するのは、頭頂葉連合野ということになる。
これらが瞬時に相互に機能しあって、「Aさんがボールを投げた。このままでは顔に当た
る。
あぶないから手で受け止めろ」ということになって、人は手でそれを受け止める。しかしこの段階で、手で受け止めることができない人は、危険を感じ、体をよける。
この危険を察知するのは、前頭葉と大脳辺縁系。体を条件反射的に動かすのは、小脳とい
うことになる。人は行動をしながら、そのつど、「Aさん」「ボール」「危険」などという記憶を呼び起こしながら、それを脳の中で有機的に結びつける。
こうしたメカニズムは、比較的わかりやすい。しかし問題は、「思考」である。一般論として、思考は大脳連合野でなされるというが、脳の中でも連合野は大部分を占める。
で、最近の研究では、その連合野の中でも、「新・新皮質部」で思考がなされるということがわかってきた(伊藤正男氏)。伊藤氏の「思考システム」によれば、大脳新皮質部の「新・新皮質」というところで思考がなされるが、それには、帯状回(動機づけ)、海馬(記憶)、扁桃体(価値判断)なども総合的に作用するという。
少し回りくどい言い方になったが、要するに大脳生理学の分野でも、「知識」と「思考」は別のものであるということ。まったく別とはいえないが、少なくとも、知識の量が多いから思考能力が高いとか、反対に思考能力が高いから、知識の量が多いということにはならない。
もっと言えば、たとえば一人の園児が掛け算の九九をペラペラと言ったとしても、算数ができる子どもということにはならないということ。いわんや頭がよいとか、賢い子どもということにはならない。そのことを説明したくて、あえて大脳生理学の本をここでひも解いてみた。(2007年9月記)
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 思考知識 思考力)
Hiroshi Hayashi+++++++July. 2010++++++はやし浩司
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