●伸び伸びした子どもたち
【幼児期前期から幼児期後期の子どもたち】(自律期から自立期へ)
●幼児期
幼児期は一般的に、2つの時期に分けて考える(エリクソン)。
前期(自律期)と後期(自立期)である。
自律期にしっかりとしつけをすると、道理のしっかりした子どもになる。
善悪の判断感覚もしっかりとできるようになる。
(ビデオの中で、Sさんの言動に注意してほしい。
Sさんは、この年齢(年中児・5歳児)にしては、きわめて人格の完成度の高い
子どもである。注目してほしい。)
自立期に入ると、たとえば口が悪くなったりする。
これを「優位性の打破」という。
●優位性
一方、後期に入ると、子どもはおとなの優位性を打破しようとする。
つまり優位性を打破しながら、自立をめざす。
この時期、悪口、ウソ、盗みが多くなる。
そういう形で、自分を上から抑えつけているものを、打破する。
このビデオの中で、たとえば私を「ジジイ」と呼んでみたりするのがそれ。
が、そのとき大切なことは、(そういう言葉を助長せよということではなく)、
そういう言葉が言えないほどまで、子どもを抑え込んではいけないということ。
言いたいように言わせながら、本気で相手にしないこと。
(相手は幼児だぞ!)
とくに権威主義的なものの考え方をする親は、注意したらよい。
(「親に向かって、何よ!」というのが、権威主義。
私は「悪玉親意識」と呼んでいる。)
●成長過程
このビデオをみてもらえば、この時期の子どもの成長過程がよく理解して
もらえる。
大切なのは、子どもが伸び伸びと自分の思ったことを言い、それを自由に表現
できるということ。
子どもというのは、抑えつけるのは簡単。
強圧を加えたり、叱ったりすればよい。
脅すのもよい。
しかしそれは幼児教育にあっては、邪道。
(日本では、その邪道が常識化している。
とても残念なことである。)
花木と同じで、まず四方八方へ枝を伸ばさせてみる。
しっかりと土に根をおろしたら、そのあとゆっくりと剪定(せんてい)する。
よい枝を伸ばし、悪い枝を抑える。
その時期は、年長児の後期になってからでじゅうぶん。
●1人の人間
併せて、子どもたちの会話の中から、この時期の子どもたちがものごとを
どうとらえ、どう考えるか、それがわかってもらえればうれしい。
幼児は幼稚ではない。
1人の人間である。
未熟で未完成かもしれない。
知識や経験は乏しいかもしれない。
しかしその「心」は、おとなの私たちと、どこもちがわない。
そればかりか、子どもの心は純粋で汚れがない。
美しい。
私たちはおとなになるにつれて、その美しさを失っていく。
子どもたちの明るい笑い声。
それを守り、育てていくのは、私たちおとなの責務である。
子どもたちの明るい笑い声を、どうか、あなたも一度童心に返って、楽しんで
みてほしい。
●実際の指導例より
年少児、年中児(4~5歳児)のみなさん。
Sさん……たいへん知的な能力にも恵まれ、人格の完成度の高い子ども
いつも興奮状態で、私のレッスンに食いついてくる。迫力がものすごい。
Tさん……静かな落ち着きのある、知的な子ども。道理がよくわかり、ものの考え方が
明るく、前向き。幼稚園でも、最リーダー格。
Yくん……たいへん愛情豊かで恵まれた環境に育っている。子どもらしく、屈託がない。
伸びやかな子どもというのは、Y君のような子どもをいう。
Tくん……自由奔放。思考がやわらかく、年長期に入ると、ぐんぐんと伸び出すタイプ
の子ども。(お楽しみに!)明るく、すなお。たいへん伸びやか。
Hくん……3歳児。当初2か月ほどは、まったく声を出さなかった。まずまわりの様子を
観察しながら、情報を吸収する。(これを観察学習という。)が、数か月くらい
から声を出すようになり、みなといっしょにゲラゲラと笑うようになった。
こうなったらしめたもの。やがてみなと同じように行動し始める。思考が
やわらかく、興味の芽がどんどんとふくらんでいる。
とにかく伸びやかな子どもたち。
まさに『楽しく学ぶ子は、よく学ぶ(Happy Learners learn Best!)」。
それをこのビデオを通して、見ていただければ、うれしい。
みんなすばらしい子どもになる。
私、はやし浩司が保証する。
2010年9月24日のレッスンより。
(今回から15分編集になります。)
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Hiroshi Hayashi+++++++Sep. 2010++++++はやし浩司
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