●人間の言語能力
【言語能力】Thinking Ability
●能力論
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カモノハシという動物がいる。
何からなにまで、常識をはずれている。
不思議な動物である。
そのカモノハシ。
ほかの動物にはない能力をもっている。
たとえばあのクチバシ(?)。
一説によると、あのクチバシの周囲(縁)
には、電磁波を感知するセンサーがついて
いるという。
(微弱電波、あるいは微弱電流という説も
ある。)
水中の微弱な電流の変化を感知し、それで
もって水中の生物を捕らえたり、水流の
動きを感知することができるという。
(水流は微弱な電磁波を発することが
知られている。)
人間の私たちにすれば、「すごい!」の
一言に尽きるが、カモノハシにしてみれば、
何でもない能力ということになる。
私たちが臭いをかいだり、暑さや寒さを
感じたりする能力と同じ。
当のカモノハシは、自分のそういった能力を、
何も特別な能力とは意識していないだろう。
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●言語能力
それぞれの動物には、それぞれ特殊な能力がある。
イルカにしても、レーダーに似た能力をもっているという。
自ら超音波を発信し、そのエコー音で、周囲の様子をとらえているという。
人間だって、負けていない。
最大、かつ最高の能力といえば、当然、「言葉を話す能力」ということになる。
人間は言葉によって、たがいに複雑な情報を共有することができる。
つまり人間がなぜ人間であるかといえば、この能力、つまり言語能力があるから
にほかならない。
「なんだ、そんなことか!」と思う人もいるかもしれない。
が、そう思うのは、ちょっと待ってほしい。
言語能力といっても、簡単な会話をする能力だけが、その能力ではない。
その程度のコミュニケーションなら、ほかの動物たちも、みなしている。
音声という言葉によるものとはかぎらない。
たとえばミツバチの8の字ダンスなどは、よく知られている。
ミツバチは、8の字ダンスをすることで、ミツのある場所を、ほかの仲間たちに
知らせているという。
ここでいう言語能力というのは、論理と分析力をともなった、知的能力をいう。
またそれがあるから、人間は前頭前野を、知性、理性の府として発達させることが
できた。
●コメント
このところ私のHP、BLOG、YOUTUBE、マガジンへのアクセスがふえて
いる。
毎月、総計で、30~50万回ほどアクセスがある(2010年11月)。
つまりその分だけ、書き込みやコメントが、多くなった。
多くは好意的なものだが、中には、辛らつなものもある。
昨日は、私のYOUTUBE動画に対して、「NHKの教育番組じゃあ、ネーダロ」
というのがあった。
私はこの一文を読んで、しばらく考え込んでしまった。
意味がよくわからない。
しかし何か、強烈な反感というか、敵意を感じた。
つまり「YOUTUBEは、NHKの教育番組とはちがう。説教ぽくて、おもしろくない。
そんな動画はアップするな」という意味か。
どうであるにせよ、今、こうした日本語がふえている。
直感的で直情的。
感情を短い文章で叩きつけてくる。
七田氏が生きていたら、「これこそまさに右脳教育の成果!」と喜びそうな文章である。
が、残念ながら、こうした文章は、人間が何十万年もかけて発達させてきた言語能力
とは異質のものである。
あえて言うなら、ケダモノの叫び声と同じ。
●論理と分析力
言語能力を発達させるためには、作文しかない。
作文に始まって作文に終わる。
言い替えると、言語能力は、文字の発達と密接にからんでいる。
文字の発明によって、人間の言語能力は飛躍的に発達した。
もし文字の発明がなかったら、人間は簡単な会話程度の情報伝達能力しかもたなかった
だろう。
その言語能力は、論理力と分析力で決まる。
脳の中では、左脳がそれを司っているという。
その能力が不足が不足してくると、それこそ、「テメー、コノヤロー、ぶっ殺すぞ!」
という会話だけで、その日が終わってしまうかもしれない。
「NHKの教育番組じゃあ、ネーダロ」というのも、それ。
もう少し論理的に書いてほしい。
もう少し事実を冷静に分析して書いてほしい。
またそのように書いてもらわないと、私のようなジジイには、よく理解できない。
●言語能力の低下
最近、あちこちの本や雑誌で、日本人、なかんずく若者たちの言語能力の低下が
指摘される。
それぞれの評論家が、それぞれの判断の中でそう書いている。
作文力がないとか、表現力が乏しいとか、など。
しかしそれ以上に重要なのが、会話力ということになる。
的確な言葉を使い、簡潔に自分の考えていることを、正確に相手に伝える。
そういった能力が低下しているという。
たとえば子どもの言語能力。
その基礎を作るのは、母親である。
母親の会話力である。
母親が、「ほらほら、カバン、カバン、帽子、もって!」と話していて、どうして
子どもに言語能力が身につくだろうか。
こういうときは、たとえめんどうでも、「あなたはカバンをもちます。帽子をかぶり
ましたか?」と話しかける。
そういう日常的な努力が、子どもの言語能力の基礎となる。
言い替えると、これは子どもの問題というよりは、母親の問題ということになる。
現在の(若者たち)は、その結果にすぎない。
●能力
私たち人間にも、ほかの動物たちに劣らない、すばらしい能力がある。
それが「言葉を話す能力」。
そこで重要なことは、それが「すばらしい能力」と、まず自覚すること。
つまりここがカモノハシと違う点と考えてよい。
カモノハシには、人間がもつような論理力もなければ、分析力もない。
だから自分たちがどんなすばらしい能力をもっているか、それを知ることもない。
しかし人間はちがう。
私たちは自分の能力を、分析し、それを論理的に体系化することができる。
さらにそれを磨き、発達させることもできる。
あとは、それぞれの個人の努力の問題ということになる。
せっかくその能力をもっていても、宝の持ち腐れにするか、あるいは宝石のように
光らせるかは、あくまでもその人個人の問題ということになる。
カモノハシという動物を調べながら、そんなことを考えた。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 2010-11-24 カモノハシ 能力とは)
(参考)
●カモノハシ【以下、WWEBLIOより転載】
単孔目(カモノハシ目)は、現存する哺乳類としては唯一、爬虫類や鳥類のように卵を産
むグループとして知られている。(大部分の鳥類と同じように)母親が卵を温めて子を
孵化させ、孵化した子は(他のすべての哺乳類と同じように)母乳によって育てられる。
母親は他の哺乳類のような乳首をもたず、子は母親の乳腺から染み出した乳をなめとる。
爬虫類や鳥類と同様の総排出腔をもつ(これが単孔目 Monotremata という名の由来であ
る)。気温により保ちうる体温が変動するなど多くの哺乳類に比べれば体温調節能力が低い。
このような特徴から、単孔目(カモノハシ目)は、進化史の中で、非常に早い時期(おそ
らく三畳紀)に他の全ての哺乳類のグループと分岐したと考えられ、現生哺乳類で最も原
始的なグループとされる。そのため、このグループは、「原獣亜綱」として、亜綱のレベル
で他の哺乳類(獣亜綱)と区別されている。
(以上、Weblioより)
Hiroshi Hayashi++++Nov. 2010++++++はやし浩司・林浩司
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