Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Monday, May 02, 2011

●Eマガ創刊当時の原稿

●5月3日

++++++++++++++++++

今朝は、8時起き。
昨夜は1時ごろまで、原稿の吸い出しを
した。
Eマガ社が今度、廃業することになった。
そのEマガ社にバックナンバーとして
私の原稿が残っている。
その原稿を、一本一本、吸い出すように、
取り出す。
だから吸い出し。

インターネットのこわいところは、
ここにある。
BLOGにしてもそうだが、「廃業」
と同時に、すべての記録が消されて
しまう。
何も残らない。
煙も残らない。
全く消されてしまう。

だから自分の原稿は自分で管理する。
自分で残す。
そのために吸い出しをする。
吸い出して、別のところに保管する。
あるいは、発表する。

本来ならこういうことも予想して、
原稿を複数以上の方法で保管する。
しかし当時(2001年ごろ)は、
そこまで気が回らなかった。
そういうこと、……つまりEマガ社が
廃業になるなどとは、夢にも思って
いなかった。

そこで教訓。
どんな原稿でも、どこかで発表する
にしても、元原稿は、別の場所に保管
しておくこと。
それも1か所ではなく、複数箇所に保管
しておくこと。
この世界は、移り変わりが、あまりにも
めまぐるしい。
はげしい。

……といっても、時間がかかる。
何しろ古い原稿である。
吸い出すにも、時間がかかる。
先ほども15回分ほど吸い出したが、それでも
30分もかかった。
当時は、1日おきにマガジンを発行して
いたから、1か月で、15回。
たいへんな量である。
しかしここで吸い出しをしておかないと、
私の原稿は永遠に消されてしまう。

Eマガ社は、「5月いっぱいで廃業」と
言っている。
ここしばらくは、時間との闘い。
やるしかない。

で、吸い出した原稿は、別のHPを
立ち上げ、そこへ収録するつもり。
古い原稿だが、そこに書かれているのは、
まぎれもなく「私」。
「私」の一部。
できるだけ、末永く、残したい。

前回、創刊号当時のマガジンを紹介した。
今日は、そのつづきを、ここに紹介したい。

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********2001年、Eマガ創刊当時のマガジンより*********

彡彡人ミミ      彡彡彡彡彡
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q 0―0 MMMMM  ∩ ∩ MM m
(″ ▽ M ⌒ ⌒ M″ v ゛)/ ̄)
凸/Σ▽乃q ・ ・ p ̄Σ▽乃 ̄` /
\   /(″ ▽ ゛)\    厂 ̄
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    子育て最前線の育児論
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2001年6月6日創刊号、2号合併号
         by はやし浩司(ひろし)

最前線の育児論の、第2号をお届けします。後半、半分が
創刊号です。まだお読みになっていないかたは、どうかお
読みください。

************************************
●第2号のトピックス……子育て定期検診
***********第2号**********************

あなたの子育て、定期検診
あなたの子育てを定期検診してみませんか?

● 日ごろの、何でもない行為の中に、あなたの子育ての問題点が隠されていることがあります。そこであなたの子育て、定期検診!

【検診方法】
Q項目を読んで、続いて本文を読む前に、少し頭のなかで、「私はどうかな?」「うちの子はどうかな?」と、自問してみてください。そしてある程度、答が出たら、本文を読んでみてください。 

Q 園や学校から、明るい表情で帰ってきますか?

 不登校ばかりが問題になりますが、同じように深刻なのが、帰宅拒否。ある男の子(年長児)は、帰りの時刻になるたびに、どこかへ隠れてしまいます。そこで先生たちがさがすのですが、おかげでいつもバスの発車時刻が遅れてしまいます。「どうしてでしょう」とお母さんから相談がありましたが、様子から私は「帰宅拒否」と判断しました。「家へ帰りたくない」という思いが、回りまわって、子どもにそういう行動をさせるのですね。もしあなたのお子さんが、「いつも寄り道をする」「帰りの時刻が遅い」ということであれば、この帰宅拒否を疑ってみてください。

Q おうちの方のいる前で、体や心を休めますか?

 あなたのお子さんが、園や学校から帰ってきたとき、どこで体や心を休めるか、観察してみてください。あなたのいる前で、休めるようであればよし。しかし好んであなたのいないところや、あるいはあなたの姿が見えると、逃げていくようであれば、要注意。あなたとお子さんの間には、すでに小さな亀裂ができ始めているとみます。やがてそれが大きくなり、「断絶!」ということにもなりかねません。そうならないためにも、子育ての仕方そのものを反省してください。子どもにとっては、家庭はやすらぎの場所。あれこれとこまかいことを言えば、あなたがいるところでは休めなくなりますね。

Q いやなことがあると、どこへ逃げて行きますか?

 どんな動物にも最後の逃げ場というものがあります。その逃げ場は、神聖な場所と心得て、子どもがその逃げ場に入ったら、そこを踏み荒らすようなことはしてはいけません。子どもはその逃げ場で、反省したり、心を調整したりします。子どもがそこから出てくるまで、静かに待ちます。ふつう子どもの逃げ場は、自分の部屋などですが、そこを荒らすと、別の場所に逃げ場を求めるようになります。トイレの中や、押し入れの中など。近所の公園の電話ボックスの中に逃げた子ども(小二男児)や、犬小屋に逃げた子ども(小四女児)もいました。

Q おうちの方の絵を、楽しんで描きますか?

 紙と鉛筆(クーピーなど)を用意して、「皆で、食事をしているところを描いてね」と指示してみてください。そのとき子どもが、楽しそうな表情で絵を書き始めれば、それでよし。もしそのとたん、暗い表情になったり、拒否するようであれば、家庭のあり方をかなり反省しなければなりません。外からはわからなくても、お子さんの心の中に、大きなわだかまりができつつあるとみます。園児の場合、お父さんとお母さんの顔を描かせると、ふつうお母さんを先に、しかも大きく描く傾向があります。それだけお母さんのほうの印象が強いからです。

Q ハングリーな状態になっていますか?

 同じように、こんな指示をして絵を描かせてみてください。「不思議な木があります。あなたのほしいものが何でもできる不思議な木です。木を描いて、あなたのほしいものをいっぱい描いてね」と。そのとき次々といろいろなものを描ければよし。そうでなくて、「何もいらない」「ほしいものがない」というのであれば、かなりの飽食を疑ってみます。子どもを伸ばすコツは、いつもややハングリーな状態に置くことです。「あれをしたい」「これがほしい」という思いが、子どもを前向きに引っ張っていきます。与えすぎ、手のかけすぎは、禁物です。

Q 台所の生ゴミを、手で始末できますか?

 ドラ息子症候群の大きな特徴は、「いやなことはしない」です。そこでテスト。あなたの子どもに、「台所の生ゴミを始末して」と頼んでみてください。あるいはお風呂の排水口にたまった毛玉でもいいです。そのときしぶしぶでも、それができればよし。が、ああでもない、こうでもないと勝手な理由をつけてそれをしないというのであれば、かなりドラ息子、ドラ娘化が進行しているとみます。さらに進行すると、「自分でしたら」と、生意気なことを言うようになります。ドラ息子化を防ぐためには、家事をどんどん手伝わせること。子どもは、使えば使うほどよい子になります。

Q 重い荷物をもったあなたを、手伝いにきますか?

 子どもの前で重い荷物を、苦しそうに運んでみてください。そのとき子どものほうから、「もってあげる!」と言って、やってくればよし。そうでなく、知らぬふりをしたり、見て見ぬふりをしているようであれば、かなりのドラ息子、ドラ娘とみます。さらにドラ息子化が進むと、頼んでもいやな顔をするばかりで、手伝おうともしません。人は自分で苦労して、はじめて他人の苦労のわかる人になります。子どもも同じ。よく「子どもに楽をさせることが、子どもを愛することだ」と思っている人がいますが、これは誤解。苦労のわかる子どもにする……。それが子育ての基本一つです。

Q お小遣いは、一〇〇倍にしていますか?

 年長児から小学二年生ぐらいにかけて、子どもの金銭感覚は完成します。その金銭感覚は、おとなのそれとほぼ同じになるとみてようでしょう。それと同時に、子どもは、お金で自分の欲望を満足させる、そのさせ方まで覚えてしまいます。そこでコツ。子どもに買い与えるものは、約一〇〇倍して考えます。たとえば一〇〇円のものは、おとなの一万円。一〇〇〇円のものは、一〇万円と……。この時期に、一万円や二万円のものを、ホイホイと買い与えていると、やがてその子どもが高校生や大学生になったとき、一〇〇万円や二〇〇万円程度のものを買い与えないと満足しなくなります。

Q 子どもの名前を、大切にしていますか?

 子どもに「自分を大切にしようね」と言っても、あまり意味がありません。具体性がないからです。そういうときは、「名前を大切にしようね」と教えます。そして子どもの名前の出ているものは、新聞でも雑誌でも切り抜いて、高いところやアルバムに張ったりして、大切にします。そのとき、「いい名前だ」「すばらしい名前だ」と言うようにします。子どもは自分の名前を大切にすることで、自分を大切にすることを覚えます。自尊心もそこから生まれます。なお家庭や教育の現場で、子どもの名前をからかったり、茶化したりするのは、タブーです。(続きは、次号で!)


***********以下、創刊号*******************


トピックス

● はじめまして! 
● 育児診断ができるぞ
● 子育て定期検診ができるぞ
● はやし浩司、ってどんな人?
● どんなことを考えている……?

●はじめまして!

今回から、E-マガジン、初登場です。よろしくお願いします。
子育ての最前線でがんばっている、お母さん、お父さんのためのマ
ガジンです。
この日本、エラーイ先生も、私のようなエラークない先生もいます。
どこが違う……かって?
エラーイ先生には、実戦経験がない。しかし私はいつも子育ての最
前線で、お母さんたちと戦ってきた。いわば、最前線の現場指揮官
というわけです。経験は豊富です。たいていの問題には、答えられ
ます。お助けできます。そんな私が皆さんのお役に、少しでもたて
ればと思い、このマガジンを発行することにしました。
                    はやし浩司

● 育児診断ができるぞ!

あなたは過保護ママ? 過干渉ママ? それとも溺愛ママ?
 
診断方法 …… http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
   の「子育て診断」→「過保護ママ?」を開いてみてください。
30項目の質問に答えるだけ(少したいへんかな?)。でも一度は診
断してみてください。わかっているようで、意外とわかっていないの
が、自分の子育てです。

● 子育て定期検診もできます!
あなたのお子さんは、園や学校から帰ってきたら、どこで疲れた心
と体を休めていますか。
あなたのいる前で、心と体を休めていればよし。しかし……。そん
な日常的な様子から、あなたの子育てを定期検診します。

検診方法 …… http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
   の「子育て診断」→「定期検診」を開いてみてください。

● はやし浩司って、どんな男?

現在、中日新聞で、子育て論を連載しています。2001年6月
で、もう丸4年になります(東海版、毎週土曜日朝刊)。
Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/
を開いてみてください。最近のコラム50作が、紹介されていま
す。決してあやしい男(あやしいかな?)ではありません。意外
とオーソドックス、正統派です。
☆ ただいま、会員募集中!(無料です!)

ただいまE-マガジンの会員を募集しています。毎回定期的に、み
なさんのところに、E-マガジンセンターから、このようなマガジ
ンが送られてきます。どうか、ご登録ください。

無料です。一切、負担はありません。かつ、E-マガジンのもろもろ
の子育て情報を、無料で手に入れることができます。

会員登録のしかた ……  
(1)下をクリックする
http://www.emaga.com/
(2)E-マガジンの画面が出てくる。
(3)右上の「検索」で、「最前線」と記入して、検索をクリック!
(4)私のE-マガジンが紹介されていますから、そこで購読を登録!

では、皆さんのご来訪をお待ちしています!

はやし浩司の自己紹介
はやし浩司のホームページ
    「はやし浩司」のホームページを紹介します。
        http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/


      
● 「世にも不思議な留学記」……1970年の春、日豪経済委員会からの
        奨学金を得た私は、オーストラリアのメルボルンに向か
        った。しかしそこはまさに……?
      (中日新聞の連載記事をさらに詳しく。現在、金沢大学学生
       新聞に連載中。)

● 「ポケモン・カルト」「クレヨンしんちゃん・野原家の子育て論」「ドラ
       エもん・野比家の子育て論」を紹介。

● 子育て診断、子育て定期検診、過保護・過干渉・溺愛度を診断

● 子育て相談……子育て相談、子育てアドバイスなど。Q&Aコーナーも
       ありますから、どうかご利用ください。

● はやし浩司(ひろし)……幼児教育にたずさわって30年。いつも最前
       線で、子どもや親たちと対峙してきました。金沢大学を卒
       業後、オーストラリアで研究生活を経たのち、三井物産勤
       務、幼稚園講師を経て、現在教育評論家。地元静岡県を中
       心に、1999年1月以後だけでも、100箇所以上の幼
       稚園、小中学校などで講演活動を続けている。

       30冊あまりの著書と、無数の市販教材など。詳しくは、
       「はやし浩司」のホームページで、ご覧ください。
      
みなさんに提供できること……

☆ このマガジンで、私は皆さんの子育てで、次のようなことが協力できます。

(1) 30年で得た、ノウハウや、考え方、育て方の知恵をお話しできます。
(2) 子どもの見方、考え方、対処のし方など、具体的に、お話しできます。
(3) みなさんの子育ての指針を、お話しできます。  
             
中日新聞ホームページ
   「子どもの世界・こんな育て方」を、お読みいただけます。
          Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/

    
    「混迷の時代の子育て論」
    「世にも不思議な留学記」
    「子どもの世界、こんな問題」と、連載が、計125回続きました。

    そのうちの最近の約50作が、中日新聞社のホームページに収録されています。
    
  (主な内容)
     育児ノイローゼ
     子どもの情緒不安
     恐怖症
     ADHD児など、子どもの心の問題

     子育て四次元論
     レット・イット・ビー
     夫婦は一枚岩
     許して忘れるなどの、育て方の問題

     見たぞ、UFO
     31年ぶりの約束
     アメリカの小学校
     学歴信仰など、豊富な内容です。

• 教育の自由化は世界の流れ
• 過去を再現する親たち
• フロイトの自我論
• ルービン報道官の退任
• 子育て四次元論
• 最近の女子高校生は・・・?
• 子どもの情緒不安
• 左脳教育と右脳教育
• フリーハンドの人生
• 心をゆがめる子ども
• 宗教論はタブー
• 31年ぶりの約束
• スキンシップは魔法の力
• アイドリングする母親
• 教育のおもしろさ
• 幼児の発語障害
• 「出て行け」米では ほうび
• 大学生の親”貧乏盛り”
• 見たぞ、巨大なUFO!
• 多動性のある子ども
• 学歴を誇るは小才
• 子育てのすばらしさ
• 燃え尽きる子ども
• 「疑わしきは、罰する」
• 恐怖症は”心の風邪”
• 最高の教育とは・・・
• ぬいぐるみで育つ母性
• レット・イット・ビー
• 高校野球に学ぶこと
• 分離不安の子ども
• アメリカの教科書
• アルバムの不思議な力
• 4割の善と4割の悪
• 育児ノイローゼ
• 日本人の持つ依存性
• 子育ては自然体で
• 子どものワーク教材
• 生来の性質 過敏児
• 学習意欲を奪う4悪
• 急速に崩壊する「出世主義」
• 「夫婦は一枚岩」で
• 子どもの金銭感覚
• 誤解だらけの幼児教育
• 学歴信仰の盲信者
• 許して忘れろ
• 権威主義の象徴・水戸黄門
• キズつく子どもたち



はやし浩司のこと……

 まじめに、ただひたすらまじめに、幼児教育とは何かを考えて
きました。(人間は、不完全で、情緒も不安定で、どうしようもあ
りませんが……。)
 いくつかの主義があります。その一つが、「自由に生きる」です。
「自由」が、私にとって、青春時代から大きなテーマの一つでした。
今も、それについて考えつづけています。

 昭和22年(1947年)岐阜県生まれ。現在53歳です。


みなさんへ

 自由で、平等で、正義の通ずる国を、子どもたちに残しましょう。
 家族を大切に、「今」を精一杯、自分らしく生きる生き様を大切にしましょう。

 もし私に少しでも賛同してくださるようであれば、どうか、このマガジンを、
 引き続き、ご購読ください。よろしくお願いします。


                         はやし浩司
 
子どもの自我について

フロイトの自我論

● 自我は引き出す●自我の強い子どもは伸びる

フロイトの自我論は有名だ。それを子どもに当てはめてみると…。
 自我が強い子どもは、生活態度が攻撃的(「やる」「やりたい」という言葉をよく口にする)、ものの考え方が現実的(頼れるのは自分という考え方をする)、創造的(将来に向かって展望をもつ。目的意識がはっきりしている。目標がある)、自制心が強く、善悪の判断に従って行動できる。
 反対に自我の弱い子どもは、ものごとに対して防衛的(「いやだ」「つまらない」という言葉をよく口にする)、考え方が非現実的(空想にふけったり、神秘的な力にあこがれたり、まじないや占いにこる)、一時的な快楽を求める傾向が強く、ルールが守れない、衝動的な行動が多くなる。たとえばほしいものがあると、それにブレーキをかけられない、など。
 一般論として、自我が強い子どもは、たくましい。「この子はこういう子どもだ」という、つかみどころが、はっきりとしている。生活力も旺盛で、何かにつけ、前向きに伸びていく。反対に自我の弱い子どもは、優柔不断。どこかぐずぐずした感じになる。何を考えているかわからない子どもといった印象を与える。
その自我は、伸ばす、伸ばさないという視点からではなく、引き出す、つぶすという視点から考える。つまりどんな子どもでも、自我は平等に備わっているとみる。子どもというのは、あるべき環境の中で、あるがままに育てれば、その自我は強くなる。反対に、威圧的な過干渉(親の価値観を押しつける。親があらかじめ想定した設計図に子どもを当てはめようとする)、過関心(子どもの側からみて息の抜けない環境)、さらには恐怖(暴力や虐待)が日常化すると、子どもの自我はつぶれる。そしてここが重要だが自我は一度つぶれると、以後、修復するのがたいへんむずかしい。たとえば幼児期に一度ナヨナヨしてしまうと、その影響は一生続く。特に乳幼児から満四~五歳にかけての時期が重要である。
 人間は、ほかの動物と同様、数十万年という長い年月を、こうして生き延びてきた。その過程の中でも、むずかしい理論が先にあって、親は子どもを育ててきたわけではない。こうした本質は、この百年くらいで変わっていない。子育ても変わっていない。変わったと思うほうがおかしい。要は子ども自身がもつ「力」を信じて、それをいかにして引き出していくかということ。子育ての原点はここにある。

  



件名:子育て情報(はやし浩司)2001/06/17

 彡彡人ミミ      彡彡彡彡彡
| ⌒ ⌒ |   MM ⌒ ⌒ MM
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(″ ▽ M ⌒ ⌒ M″ v ゛)/ ̄)
凸/Σ▽乃q ・ ・ p ̄Σ▽乃 ̄` /
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    子育て最前線の育児論
 ================  
2001年6月17日号(003号)
         by はやし浩司(ひろし)

★★★★★★★★
01-6-17号
★★★★★★★★

朝晩は気持ちのよい日になりました。お元気ですか?

「はやし浩司のホームページ」が、またまた充実しました。
また、ぜひ、ご覧になってください。
                 はやし浩司(ひろし)

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ホームページに、またまた新しいコーナーが、新登場!

● お子さん向けの、「読んでね」コーナー
● 「子どもチェックシート」

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(近況ニュース)

★ 6月29日(金曜日)午前10時~より、静岡県教育委員会主催の
「教育講演会」で、基調講演をいたします。
    場所:可美総合センターにて
(午後からは、パネルディスカッションを予定しています)
       お申し込みは …… 053-458-7304です。

★ 「別冊PHP」9月号 (7月23日発売)増刊号にて、
      「子どもをほめるコツ・しかるコツ」の特集記事を書かせてもらいました。
          ぜひ、書店で、お買い求めください。

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中日新聞(東海版)では、

    「乱舞するイメージ」を書きました。

          Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/
               を、ご覧ください。

       右脳教育への疑問を、この記事の中に織り込みました。

   なお新聞のほうは、「人間は考えるアシ」を掲載してもらいました。
   インターネットでは、6月22日以後、紹介されます。よろしく!

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「読んでね」コーナーは、直接お子さんに呼びかけるコーナーです。
お子さんが、読んでくださることを願っています。
対象年齢は、小4~中学生を考えて、書きました。



賢明な人、愚(おろ)かな人

賢明な人はね、なくす前に、その価値に気づくんだよ。
しかしね、愚かな人は、なくしてから、その価値に気づくんだよ。
たとえば健康。たとえば時間。たとえば家族。

それからね、愚かな人とは、つきあってはダメだよ。
愚かな人とつきあっていると、君たちまで、愚かになるよ。
いいかな。
自分よりすぐれている人を見つけて、
その人をいつも目標にするといいよ。

賢明な人はね、いつも自分より、より賢明な人をみつけて、
自分の力のないことを、嘆くのさ。
愚かな人はね、いつも自分より、より愚かな人をみつけて、
それで自分をなぐさめるのさ。
 
それからね、賢明な人は、愚かな人を相手にしない。
でもね愚かな人は、賢明な人に、あれこれ文句を言ってくる。
自分が愚かだとわかっていないからね。

だからちょうど、図書館で本を選ぶように、
君たちも、友や仲間を選ぶんだよ。
これはとても大切なことだよ。



バカな人
ついでにね、

「フォレスト・ガンプ」という映画の中で、
フォレストのお母さんが、こう言うよ。
「バカなことをする人を、バカと言うのよ。頭じゃ、ないのよ」と、ね。
いい映画だから、一度は見てごらん。

いいかな。バカなことをする人を、バカというんだよ。
勉強ができないとか、成績が悪いとか、そういうことではないよ。
バカなことをする人を、バカというんだよ。
タバコを吸ったり、バイクで夜中に騒いだり、
ゴミを平気で捨てたり、道路にツバをはいたり、
人をキズつけるようなことを平気で言う人を
バカって、いうんだよ。
人をいじめたり、いやがらせをしたり、仲間ハズレをしたりして
おもしろがっている人を、バカっていうんだよ。
君は、そのバカな人ではないんだよ。
だってね、
この文章を読んでね、バカの本当の意味がわかったからね。



相手のこと

イギリスのことわざに、ね、
「相手は、自分が相手を思うように、自分を思う」というのが、あるよ。
つまりね、
君が、AさんならAさんを、「いい人だ」と思っていると、
Aさんも、君のことを、「いい人だ」と思っているということ。
君が、AさんならAさんを、「いやな人だ」と思っていると、
Aさんも、君のことを、「いやな人だ」と思っているということ。
そういう意味でね、人間の心は、カガミのようなものだね。

だからね、みんなと仲よくしたかったら、みんなのことを「いい人だ」と
思うようにするといいよ。そうするとね、みんなも、君のことを
「いい人だ」と思うようになるよ。やってみたら?



家庭

君は、どこで心を休めているのかな?
家の中。そう家の中だよね。
でも、その家の中のどこかな?
居間かな? 台所かな?
「トイレの中」と言った人もいたよ。
「お風呂の中」と言った人もいたよ。
あるいは「ふとんの中」と言った人もいたよ。

でもね、もし君が、家族のいる、
みんなの中が、一番安心できるとしたら、
それはすばらしいことだよ。
君は、すばらしい家族をもっているということ。
うらやましい、ね。
もしそうなら、君は、君の家族を、
大切にしたらいいよ。
自信をもって、ね。

(ほか、30項目)続きはホームページで
        http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/


**********************************
子どもチェックシート

「うちの子はどんな子だろう……?」と思われたら、ぜひ、お読みください。

過干渉児
□性格が内閉し、自信喪失ぎみ。どこかオドオドしている。
□はきはきしたところがなく、心因性の下痢、腹痛、脱毛症を訴える。
□行動は消極的で、他人について行く感じ。生活力が弱い(以上、内閉型)。
□言動が粗放(ガサツ)で、乱暴。静かな落ちつきがない。
□他人に対して無頓着、無遠慮。時にめちゃめちゃな積極性を示す(以上、粗放型)。

拒否症
□なにかの作業をさせようとすると、かたくなにそれを拒む。
□無理にさせようとすると、体をかたくし、視線をそらす。
□ため息をはく、ささいなことにこだわるなど、気うつ症状もある。
□もともと暗示に弱く、神経質で繊細な面がある。
□どちらかというと、融通がきかないタイプだと思う。

集中力のない子ども
□注意力が散漫で集中力がなく、すべてにあきっぽい。
□瞬間的な興奮性や集中力はみ見せるものの、持続性がない。 
□注意しても効果なく、ぼんやりと空をみつめたり、うつろな目つきをする。
□体をダラダラとさせ、作業をさせても時間つぶしばかりをする。
□全体に伸び悩んでいる。時間をかけている割に成果がでない。

ひ弱な子ども
□外の世界ではすぐいじけ、くじけやすい。依存心が強く、すぐ助けを求める。
□決断力に欠け、意思がはっきりしない。友だちにいじめられる。
□特に友人関係でたくましさに欠け、抗議したり、喧嘩ができない。
□反面、家の中では内弁慶になり、暴言をはいたり乱暴をすることが多い。
□社会に適応しにくい性格だと思う。

(ほか30項目)続きはホームページで
       http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/


**********************************

ホームページは

http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/

を、ご覧ください。

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ほかに……

「こどものページ」が充実しました!
エッセイが、全体で、10作ほど、ふえました!

**********************************

********(以下、第2号です)******************

はじめての方は、どうかお読みください。
                               


最前線の育児論の、第2号をお届けします。
************************************
●第2号のトピックス……子育て定期検診
***********第2号**********************
あなたの子育て、定期検診
あなたの子育てを定期検診してみませんか?

● 日ごろの、何でもない行為の中に、あなたの子育ての問題点が隠されていることがあります。そこであなたの子育て、定期検診!

【検診方法】
Q項目を読んで、続いて本文を読む前に、少し頭のなかで、「私はどうかな?」「うちの子はどうかな?」と、自問してみてください。そしてある程度、答が出たら、本文を読んでみてください。 

Q 園や学校から、明るい表情で帰ってきますか?

 不登校ばかりが問題になりますが、同じように深刻なのが、帰宅拒否。ある男の子(年長児)は、帰りの時刻になるたびに、どこかへ隠れてしまいます。そこで先生たちがさがすのですが、おかげでいつもバスの発車時刻が遅れてしまいます。「どうしてでしょう」とお母さんから相談がありましたが、様子から私は「帰宅拒否」と判断しました。「家へ帰りたくない」という思いが、回りまわって、子どもにそういう行動をさせるのですね。もしあなたのお子さんが、「いつも寄り道をする」「帰りの時刻が遅い」ということであれば、この帰宅拒否を疑ってみてください。

Q おうちの方のいる前で、体や心を休めますか?

 あなたのお子さんが、園や学校から帰ってきたとき、どこで体や心を休めるか、観察してみてください。あなたのいる前で、休めるようであればよし。しかし好んであなたのいないところや、あるいはあなたの姿が見えると、逃げていくようであれば、要注意。あなたとお子さんの間には、すでに小さな亀裂ができ始めているとみます。やがてそれが大きくなり、「断絶!」ということにもなりかねません。そうならないためにも、子育ての仕方そのものを反省してください。子どもにとっては、家庭はやすらぎの場所。あれこれとこまかいことを言えば、あなたがいるところでは休めなくなりますね。

Q いやなことがあると、どこへ逃げて行きますか?

 どんな動物にも最後の逃げ場というものがあります。その逃げ場は、神聖な場所と心得て、子どもがその逃げ場に入ったら、そこを踏み荒らすようなことはしてはいけません。子どもはその逃げ場で、反省したり、心を調整したりします。子どもがそこから出てくるまで、静かに待ちます。ふつう子どもの逃げ場は、自分の部屋などですが、そこを荒らすと、別の場所に逃げ場を求めるようになります。トイレの中や、押し入れの中など。近所の公園の電話ボックスの中に逃げた子ども(小二男児)や、犬小屋に逃げた子ども(小四女児)もいました。

Q おうちの方の絵を、楽しんで描きますか?

 紙と鉛筆(クーピーなど)を用意して、「皆で、食事をしているところを描いてね」と指示してみてください。そのとき子どもが、楽しそうな表情で絵を書き始めれば、それでよし。もしそのとたん、暗い表情になったり、拒否するようであれば、家庭のあり方をかなり反省しなければなりません。外からはわからなくても、お子さんの心の中に、大きなわだかまりができつつあるとみます。園児の場合、お父さんとお母さんの顔を描かせると、ふつうお母さんを先に、しかも大きく描く傾向があります。それだけお母さんのほうの印象が強いからです。

Q ハングリーな状態になっていますか?

 同じように、こんな指示をして絵を描かせてみてください。「不思議な木があります。あなたのほしいものが何でもできる不思議な木です。木を描いて、あなたのほしいものをいっぱい描いてね」と。そのとき次々といろいろなものを描ければよし。そうでなくて、「何もいらない」「ほしいものがない」というのであれば、かなりの飽食を疑ってみます。子どもを伸ばすコツは、いつもややハングリーな状態に置くことです。「あれをしたい」「これがほしい」という思いが、子どもを前向きに引っ張っていきます。与えすぎ、手のかけすぎは、禁物です。

Q 台所の生ゴミを、手で始末できますか?

 ドラ息子症候群の大きな特徴は、「いやなことはしない」です。そこでテスト。あなたの子どもに、「台所の生ゴミを始末して」と頼んでみてください。あるいはお風呂の排水口にたまった毛玉でもいいです。そのときしぶしぶでも、それができればよし。が、ああでもない、こうでもないと勝手な理由をつけてそれをしないというのであれば、かなりドラ息子、ドラ娘化が進行しているとみます。さらに進行すると、「自分でしたら」と、生意気なことを言うようになります。ドラ息子化を防ぐためには、家事をどんどん手伝わせること。子どもは、使えば使うほどよい子になります。

Q 重い荷物をもったあなたを、手伝いにきますか?

 子どもの前で重い荷物を、苦しそうに運んでみてください。そのとき子どものほうから、「もってあげる!」と言って、やってくればよし。そうでなく、知らぬふりをしたり、見て見ぬふりをしているようであれば、かなりのドラ息子、ドラ娘とみます。さらにドラ息子化が進むと、頼んでもいやな顔をするばかりで、手伝おうともしません。人は自分で苦労して、はじめて他人の苦労のわかる人になります。子どもも同じ。よく「子どもに楽をさせることが、子どもを愛することだ」と思っている人がいますが、これは誤解。苦労のわかる子どもにする……。それが子育ての基本一つです。

Q お小遣いは、一〇〇倍にしていますか?

 年長児から小学二年生ぐらいにかけて、子どもの金銭感覚は完成します。その金銭感覚は、おとなのそれとほぼ同じになるとみてようでしょう。それと同時に、子どもは、お金で自分の欲望を満足させる、そのさせ方まで覚えてしまいます。そこでコツ。子どもに買い与えるものは、約一〇〇倍して考えます。たとえば一〇〇円のものは、おとなの一万円。一〇〇〇円のものは、一〇万円と……。この時期に、一万円や二万円のものを、ホイホイと買い与えていると、やがてその子どもが高校生や大学生になったとき、一〇〇万円や二〇〇万円程度のものを買い与えないと満足しなくなります。

Q 子どもの名前を、大切にしていますか?

 子どもに「自分を大切にしようね」と言っても、あまり意味がありません。具体性がないからです。そういうときは、「名前を大切にしようね」と教えます。そして子どもの名前の出ているものは、新聞でも雑誌でも切り抜いて、高いところやアルバムに張ったりして、大切にします。そのとき、「いい名前だ」「すばらしい名前だ」と言うようにします。子どもは自分の名前を大切にすることで、自分を大切にすることを覚えます。自尊心もそこから生まれます。なお家庭や教育の現場で、子どもの名前をからかったり、茶化したりするのは、タブーです。(続きは、次号で!)


***********以下、創刊号*******************
トピックス

● はじめまして! 
● 育児診断ができるぞ
● 子育て定期検診ができるぞ
● はやし浩司、ってどんな人?
● どんなことを考えている……?

●はじめまして!

今回から、E-マガジン、初登場です。よろしくお願いします。
子育ての最前線でがんばっている、お母さん、お父さんのためのマ
ガジンです。
この日本、エラーイ先生も、私のようなエラークない先生もいます。
どこが違う……かって?
エラーイ先生には、実戦経験がない。しかし私はいつも子育ての最
前線で、お母さんたちと戦ってきた。いわば、最前線の現場指揮官
というわけです。経験は豊富です。たいていの問題には、答えられ
ます。お助けできます。そんな私が皆さんのお役に、少しでもたて
ればと思い、このマガジンを発行することにしました。
                    はやし浩司

● 育児診断ができるぞ!

あなたは過保護ママ? 過干渉ママ? それとも溺愛ママ?
 
診断方法 …… http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
   の「子育て診断」→「過保護ママ?」を開いてみてください。
30項目の質問に答えるだけ(少したいへんかな?)。でも一度は診
断してみてください。わかっているようで、意外とわかっていないの
が、自分の子育てです。

● 子育て定期検診もできます!
あなたのお子さんは、園や学校から帰ってきたら、どこで疲れた心
と体を休めていますか。
あなたのいる前で、心と体を休めていればよし。しかし……。そん
な日常的な様子から、あなたの子育てを定期検診します。

検診方法 …… http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
   の「子育て診断」→「定期検診」を開いてみてください。

● はやし浩司って、どんな男?

現在、中日新聞で、子育て論を連載しています。2001年6月
で、もう丸4年になります(東海版、毎週土曜日朝刊)。
Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/
を開いてみてください。最近のコラム50作が、紹介されていま
す。決してあやしい男(あやしいかな?)ではありません。意外
とオーソドックス、正統派です。
☆ ただいま、会員募集中!(無料です!)

ただいまE-マガジンの会員を募集しています。毎回定期的に、み
なさんのところに、E-マガジンセンターから、このようなマガジ
ンが送られてきます。どうか、ご登録ください。

無料です。一切、負担はありません。かつ、E-マガジンのもろもろ
の子育て情報を、無料で手に入れることができます。

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では、皆さんのご来訪をお待ちしています!

はやし浩司の自己紹介
はやし浩司のホームページ
    「はやし浩司」のホームページを紹介します。
        http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/


      
● 「世にも不思議な留学記」……1970年の春、日豪経済委員会からの
        奨学金を得た私は、オーストラリアのメルボルンに向か
        った。しかしそこはまさに……?
      (中日新聞の連載記事をさらに詳しく。現在、金沢大学学生
       新聞に連載中。)

● 「ポケモン・カルト」「クレヨンしんちゃん・野原家の子育て論」「ドラ
       エもん・野比家の子育て論」を紹介。

● 子育て診断、子育て定期検診、過保護・過干渉・溺愛度を診断

● 子育て相談……子育て相談、子育てアドバイスなど。Q&Aコーナーも
       ありますから、どうかご利用ください。

● はやし浩司(ひろし)……幼児教育にたずさわって30年。いつも最前
       線で、子どもや親たちと対峙してきました。金沢大学を卒
       業後、オーストラリアで研究生活を経たのち、三井物産勤
       務、幼稚園講師を経て、現在教育評論家。地元静岡県を中
       心に、1999年1月以後だけでも、100箇所以上の幼
       稚園、小中学校などで講演活動を続けている。

       30冊あまりの著書と、無数の市販教材など。詳しくは、
       「はやし浩司」のホームページで、ご覧ください。
      
みなさんに提供できること……

☆ このマガジンで、私は皆さんの子育てで、次のようなことが協力できます。

(1) 30年で得た、ノウハウや、考え方、育て方の知恵をお話しできます。
(2) 子どもの見方、考え方、対処のし方など、具体的に、お話しできます。
(3) みなさんの子育ての指針を、お話しできます。  
             
中日新聞ホームページ
   「子どもの世界・こんな育て方」を、お読みいただけます。
          Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/

    
    「混迷の時代の子育て論」
    「世にも不思議な留学記」
    「子どもの世界、こんな問題」と、連載が、計125回続きました。

    そのうちの最近の約50作が、中日新聞社のホームページに収録されています。
    
  (主な内容)
     育児ノイローゼ
     子どもの情緒不安
     恐怖症
     ADHD児など、子どもの心の問題

     子育て四次元論
     レット・イット・ビー
     夫婦は一枚岩
     許して忘れるなどの、育て方の問題

     見たぞ、UFO
     31年ぶりの約束
     アメリカの小学校
     学歴信仰など、豊富な内容です。

• 教育の自由化は世界の流れ
• 過去を再現する親たち
• フロイトの自我論
• ルービン報道官の退任
• 子育て四次元論
• 最近の女子高校生は・・・?
• 子どもの情緒不安
• 左脳教育と右脳教育
• フリーハンドの人生
• 心をゆがめる子ども
• 宗教論はタブー
• 31年ぶりの約束
• スキンシップは魔法の力
• アイドリングする母親
• 教育のおもしろさ
• 幼児の発語障害
• 「出て行け」米では ほうび
• 大学生の親”貧乏盛り”
• 見たぞ、巨大なUFO!
• 多動性のある子ども
• 学歴を誇るは小才
• 子育てのすばらしさ
• 燃え尽きる子ども
• 「疑わしきは、罰する」
• 恐怖症は”心の風邪”
• 最高の教育とは・・・
• ぬいぐるみで育つ母性
• レット・イット・ビー
• 高校野球に学ぶこと
• 分離不安の子ども
• アメリカの教科書
• アルバムの不思議な力
• 4割の善と4割の悪
• 育児ノイローゼ
• 日本人の持つ依存性
• 子育ては自然体で
• 子どものワーク教材
• 生来の性質 過敏児
• 学習意欲を奪う4悪
• 急速に崩壊する「出世主義」
• 「夫婦は一枚岩」で
• 子どもの金銭感覚
• 誤解だらけの幼児教育
• 学歴信仰の盲信者
• 許して忘れろ
• 権威主義の象徴・水戸黄門
• キズつく子どもたち



はやし浩司のこと……

 まじめに、ただひたすらまじめに、幼児教育とは何かを考えて
きました。(人間は、不完全で、情緒も不安定で、どうしようもあ
りませんが……。)
 いくつかの主義があります。その一つが、「自由に生きる」です。
「自由」が、私にとって、青春時代から大きなテーマの一つでした。
今も、それについて考えつづけています。

 昭和22年(1947年)岐阜県生まれ。現在53歳です。


みなさんへ

 自由で、平等で、正義の通ずる国を、子どもたちに残しましょう。
 家族を大切に、「今」を精一杯、自分らしく生きる生き様を大切にしましょう。

 もし私に少しでも賛同してくださるようであれば、どうか、このマガジンを、
 引き続き、ご購読ください。よろしくお願いします。


                         はやし浩司
 
子どもの自我について

フロイトの自我論

● 自我は引き出す●自我の強い子どもは伸びる

フロイトの自我論は有名だ。それを子どもに当てはめてみると…。
 自我が強い子どもは、生活態度が攻撃的(「やる」「やりたい」という言葉をよく口にする)、ものの考え方が現実的(頼れるのは自分という考え方をする)、創造的(将来に向かって展望をもつ。目的意識がはっきりしている。目標がある)、自制心が強く、善悪の判断に従って行動できる。
 反対に自我の弱い子どもは、ものごとに対して防衛的(「いやだ」「つまらない」という言葉をよく口にする)、考え方が非現実的(空想にふけったり、神秘的な力にあこがれたり、まじないや占いにこる)、一時的な快楽を求める傾向が強く、ルールが守れない、衝動的な行動が多くなる。たとえばほしいものがあると、それにブレーキをかけられない、など。
 一般論として、自我が強い子どもは、たくましい。「この子はこういう子どもだ」という、つかみどころが、はっきりとしている。生活力も旺盛で、何かにつけ、前向きに伸びていく。反対に自我の弱い子どもは、優柔不断。どこかぐずぐずした感じになる。何を考えているかわからない子どもといった印象を与える。
その自我は、伸ばす、伸ばさないという視点からではなく、引き出す、つぶすという視点から考える。つまりどんな子どもでも、自我は平等に備わっているとみる。子どもというのは、あるべき環境の中で、あるがままに育てれば、その自我は強くなる。反対に、威圧的な過干渉(親の価値観を押しつける。親があらかじめ想定した設計図に子どもを当てはめようとする)、過関心(子どもの側からみて息の抜けない環境)、さらには恐怖(暴力や虐待)が日常化すると、子どもの自我はつぶれる。そしてここが重要だが自我は一度つぶれると、以後、修復するのがたいへんむずかしい。たとえば幼児期に一度ナヨナヨしてしまうと、その影響は一生続く。特に乳幼児から満四~五歳にかけての時期が重要である。
 人間は、ほかの動物と同様、数十万年という長い年月を、こうして生き延びてきた。その過程の中でも、むずかしい理論が先にあって、親は子どもを育ててきたわけではない。こうした本質は、この百年くらいで変わっていない。子育ても変わっていない。変わったと思うほうがおかしい。要は子ども自身がもつ「力」を信じて、それをいかにして引き出していくかということ。子育ての原点はここにある。

  




件名:子育て情報(はやし浩司)2001/06/24

 彡彡人ミミ      彡彡彡彡彡
| ⌒ ⌒ |   MM ⌒ ⌒ MM
q 0―0 MMMMM  ∩ ∩ MM m
(″ ▽ M ⌒ ⌒ M″ v ゛)/ ̄)
凸/Σ▽乃q ・ ・ p ̄Σ▽乃 ̄` /
\   /(″ ▽ ゛)\    厂 ̄
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    子育て最前線の育児論
 ================  
2001年6月24日号(004号)
         by はやし浩司(ひろし)

★★★★★★★★
01-6-24号
★★★★★★★★
つゆの中休み?
うっとおしい雨がやんで今日は一日
暑い日でした。お元気ですか?
                 はやし浩司(ひろし)

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4号のトピックス

「子どもの叱り方、ほめ方」について考えてみました。

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叱り方・ほめ方

● 叱り方・ほめ方は、家庭教育の要(かなめ)


 子どもを叱るときの、最大のコツは、恐怖心を与えないこと。「威圧で閉じる子どもの耳」と考える。中に親に叱られながら、しおらしい様子をしている子どもがいるが、反省しているから、そうしているのではない。怖いからそうしているだけ。親が叱るほどには、効果は、ない。叱るときは、次のことを守る。
 ①人がいうところでは、叱らない(子どもの自尊心を守るため)、②大声で怒鳴らない。そのかわり言うべきことは、繰り返し、しつこく言う。「子どもの脳は耳から遠い」と考える。聞いた説教が、脳に届くには、時間がかかる。③相手が幼児のばあいは、幼児の視線にまで、おとなの体を低くすること(威圧感を与えないため)。視線をはずさない(真剣であることを、子どもに伝えるため)。子どもの体を、しっかりと親の両手で、制止して、きちんとした言い方で話すこと。にらむのはよいが、体罰は避ける。特に頭部への体罰は、タブー。体罰は与えるとしても、「お尻」と決めておく。実際、約五〇%の親が、何らかの形で、子どもに体罰を与えている。

 次に子どものほめ方。古代ローマの劇作家のシルスも、「忠告は秘かに、賞賛は公(おおやけ)に」と書いている。子どもをほめるときは、人前で、大声で、少しおおげさにほめること。そのとき頭をなでる、抱くなどのスキンシップを併用するとよい。そしてあとは繰り返しほめる。特に子どもの、やさしさ、努力については、遠慮なくほめる。顔やスタイルについては、ほめないほうがよい。幼児期に一度、そちらのほうに関心が向くと、見てくれや、かっこうばかりを気にするようになる。実際、休み時間になると、化粧ばかりしていた女子中学生がいた。また「頭」については、ほめてよいときと、そうでないときがあるので、慎重にする。頭をほめすぎて、子どもがうぬぼれてしまったケースは、いくらでもある。
 叱り方、ほめ方と並んで重要なのが、「励まし」。すでに悩んだり、苦しんだり、さらにはがんばっている子どもに向かって、「がんばれ!」はタブー。ムダであるばかりか、かえって子どもからやる気を奪ってしまう。「やればできる」式の励まし、「こんなことでは!」式の、脅しもタブー。結果が悪くて、子どもが落ち込んでいるときはなおさら、そっと「あなたはよくがんばった」式の前向きの理解を示してあげる。
 叱り方、ほめ方は、家庭教育の要であることはまちがいない。

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はやし浩司のHPのほうでは、写真入りで、「叱り方」を解説します。
「子どもの指導法」のコーナーをお読みください。
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
(写真が入るのは、6月27日以後の予定です。)
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こんな怒り方は、がまんのし方は、
子どもを、ダメにする!

「別冊PHP」(1997年・7月号で発表した原稿を転載します)

 子育ては、言わば、条件反射の集まりのようなものです。そのとき、その場で、いちいち考えて子どもを叱ったり、怒ったりする人はいません。たいていの人は、「頭の中ではわかっているのですが、その場になると、ついカーッとして……」と言います。

 ただ最近の傾向としては、小子化の流れの中で、子どもの機嫌をそこねまいと、叱るべきときに叱らない親、怒るべきときに怒らない親がふえています。あるいは強く叱ったあとに、「さっきは、ごめんね。お母さんが悪かった」と、子どもに謝る親も珍しくありません。こういう親の心のスキ間をねらって、子どもはドラ息子、ドラ娘化します。

 また子育てに不安を抱いていたり、子どもに何らかの不信感をもっている親は、どうしても子どもを必要以上に強く叱ったり、怒ったりします。「いったい、いつになったら、あなたは私の言うことが聞けるの!」と、です。あとはこの悪循環の中で、子どもはますます自分で考えたり判断したりすることができなくなり、親の叱り方はますますはげしくなるというわけです。

 が、何が悪いかといって、親の情緒不安ほど悪いものはありません。先週は子どもがお茶をこぼしたときは何も言わなかった親が、今週は、子どもがお茶をこぼしたりすると、子どもの顔が青ざめるほど子どもを怒鳴り散らすなど。こういう環境だと、子どもの性格は内閉し、さらに悪い場合には、精神そのものが萎縮してしまいます。

 園や学校などでも、皆が大声で笑うようなときでも、皆と一緒に笑えず、口もとをゆがめてクックッと笑うなど。なお悪いことに、このタイプの親は、静かで従順な子どもほど、「いい子」と誤解して、ますます子どもを悪い方向に追いやってしまう傾向があります。

 叱り方、がまんのし方は、子育ての中でも要(かなめ)と言えるほど、重要であり、またそれだけに難しいことおです。叱るときや、がまんするときは、「ここが教育」と心してあたるようにします。

ポイント1
朝、ぐずぐずする。……ストレスを発散させてやる

 子どもは、自分の精神状態をうまくコントロールできません。そのため、心理的な抑圧状態が続いたり、欲求不満が蓄積すると、それを「ぐずる」という方法で、表現します。暴れたり、暴言を吐いたりするのをプラス型とするなら、ぐずるタイプはマイナス型ということになります。
 だから表面的な症状だけをとらえて、それを悪いことだと決めてかからないこと。対処方法としては、ぐずるだけぐずらせながら、(たいていはぐずることによって、子どもはストレスを発散させる)、様子をみます。それでもぐずるようであれば、原因をさがしますが、情緒が不安定な子どもの場合、原因そのものがはっきりしないのが、ふつうです。
 そういうときは、カルシウム、マグネシウムの多い食生活に心がけながら、スキンシップを、より濃厚なものにします。叱ったり、つきはなしたりすることは、かえって逆効果で、症状をこじらせます。


ポイント2
忙しいときに、まとわりつく……早めに子離れ、親離れの準備を

 こんなことがありました。あるオランダ人夫妻(夫はイギリス人、妻はオランダ人)の家に遊びに行ったときのこと。五歳になる女の子が、たまたま読書をしていたお母さんに話しかけてきました。そのときお母さんは、ひととおり女の子の言い分に耳を傾けたあと、その女の子にこう言いました。「お母さんは、今、本を読んでいます。じゃましないでね」と。
 欧米人は(自分の時間)(子どもと接する時間)というのを、実にはっきりと使い分けています。欧米流の子育て法が、必ずしもよいというわけではありませんが、こういう毅然(きぜん)とした態度が、「私は、私。あなたはあなた」というものの考え方を育てていきます。
 つまるところ子育てというのは、子どもを自立させ、よき家庭人に育てることです。そういう視点に立つなら、親はできるだけ早い時期に、子離れの準備をし、子どもには親離れの心がまえをもたせます。忙しかったら、「忙しいから、あとでね……」と言う。子どもの遠慮する必要はありません。


ポイント3
外出時に言うことを聞かない……自己主張には耳を傾ける

 自己主張とわがままは区別します。また自己主張と、とじこもり(がんこ)は区別します。自己主張には、それをする理由がありますが、わがままにはありません。「お兄ちゃんは、この前、○○をしてもらったのに、ぼくはしてもらっていない」と訴えるのは、自己主張ですが、理由もなく、「あれほしてほしい、これをしてほしい」と騒ぐのは、わがままです。また自分の「カラ」に閉じこもり、がんこになることは自己主張とは言いません。
 そこで子どもがワーワーと、その自己主張を始めたら、反論すべきことは反論しながらも、子どもの言い分には、耳を傾けるようにします。その自己主張をする子どもほど、あとあとたくましい子どもになります。根性(がんばる力)や、忍耐力(いやなことをがまんしてする力)も、そこから生まれます。
 わがままに対しては、一般的には、無視するという方法で対処します。わがままは言ってもムダだという環境を整えるようにします。子どもの「がんこ」については、生まれつきの問題、さらには情緒の問題がからむため、無理をすれば、かえって逆効果です。


ポイント4
片づけをしない……こまごましたことは言わない

 子どもに「先生の話をよく聞くのですよ」とか、「友だちと仲よくするのですよ」と言っても、意味がありません。具体性がないからです。そういうときは、「先生が、どんな話をしたか、あとでママに話してね」とか、「この○○を、Aさんにもっていってあげてね。きっとAさん、喜ぶわよ」と言いなおします。同じように、子どもに、「部屋のあと片づけをしなさい」と言っても、意味がありません。子どもには、その必要性がないからです。
 こういうときは、たとえば「おもちゃは一つ」と教えます。遊ぶおもちゃはいつも一つ、と決めさせるわけです。こうすれば、子どもは次のおもちゃで遊びたいがため、前のおもちゃは片づけるようになります。
 しかし一言。子どもにとっては、家庭は休息とやすらぎの場所だということを忘れてはなりません。アメリカの劇作家は、こう言っています。「ビロードのクッションの上よりも、カボチャの頭の上に座ったほうが、気が休まる」と。子どもが外の世界をもつようになったら、こまごまとしたことを、あまりうるさく言わないことです。


ポイント5
兄弟げんか……よき聞き役に

 兄弟げんかについて、いろいろ言われています。「歳の近い姉妹は、憎しみ相手」とか、「仲のよい兄弟ほど、よくけんかする」とか、など。さらに下の子どもが生まれると、本能的な嫉妬心から、上の子どもが赤ちゃんがえりを起こしたり、下の子どもに陰湿かつ執拗(しつよう)ないじめを繰り返すこともあります。
 しかし常識の範囲内の、ふつうの兄弟げんかなら、させたいだけさせます。子どもは兄弟げんかを通して、社会性を学び、問題解決の技法を学びます。互いのライバル心が、子どもどうしを伸ばすこともあります。
 ただしいくつかのルールがあります。まず暴力に訴え始めたら、制止すること。次に互いの言い分をよく聞きながらも、親側が判断をくだしたり、一方的に一方を責めたり、罰したりしないことです。
 要するに「よき聞き役」になるということですが、たいていはそれで兄弟げんかはおさまります。


ポイント6
勉強しない……勉強は楽しいものと思わせる

 子どもの勉強ぐせをそぐものに、次の四悪があります。無理、強制、条件、それに比較です。
 能力を超えた勉強を与えることを無理、時間を決めたりノルマを課し、それを強要することを、強制といいます。さらに「100点を取ったら、おこづかいを1000円あげる」というのが、条件。「○○君は、もう小二の漢字が読めるのよ。あなたは読めないわね」というのが、比較です。条件づけが日常化すると、子どもは自分自身(「私は私」という考え方)を見失ってしまいます。
 ただ幼児の場合、勉強するとかしないとかいうことではなく、「勉強は楽しいものだ」という潜在意識をつくることに心がけます。イギリスの格言にも、「楽しく学ぶ子どもは、よく学ぶ」というのがあります。この時期、一度、勉強嫌いにしてしまうと、その後、立ち直るのが、たいへんむずかしくなります。そのためにも四悪は避けます。


ポイント7
泣きやまない……ぼんやりする時間をふやし、ズキンシップを多くする

 子どもの泣き方にもいろいろあります。
 シクシク泣く、くやし泣き。サメザメ泣く、悲し泣き。グズグズ泣く、ぐずる泣き。ワーワー泣く、訴え泣き。ギャーギャー泣く、ヒステリー泣きなど。また子どもにも、うつ症があります。ささいなことを気にして、いつまでも泣く、ジクジク泣いたりします。あるいは突発的に大声をあげて泣き出したり、暴れたりすることもあります。ほかにかんしゃく発作による、キーキー泣きもあります。
 園や学校などで、いい子ぶり、ストレスをためやすい子どもほど、注意します。このタイプの子どもの対処方法は、まず①一人でぼんやりとできる時間と場所を用意してあげること。家族の人があれこれ気をつかうのは、かえって逆効果です。次に②カルシウム、マグネシウム分の多い食生活にこころがけ、③やさしいスキンシップを大切にします。スキンシップには、人知を超えた(?)不思議な力があります。魔法の力といってよいかもしれません。特に情緒が不安定な子どもには、有効です。理由もなく、いつまでも泣き続けるようであれば、このスキンシップを濃厚にしてみてください。


ポイント8
ものを大切にしない……ハングリーな子どもは伸びる

 ものを大切にしないというのは、いわゆるドラ息子(娘)症候群の一つですが、このタイプの子どもが裕福な家庭の子どもばかりかというと、そうではないというのが、最近の傾向です。
 その背後には、飽食と甘やかしがあるわけですが、小子化がそれに拍車をかけます。子どもが何かをほしがる前に、何でもホイホイと与えてしまう、などです。
 子どもの生活力を養う秘訣は、常に子どもをややハングリーな状態に置くことですが、家庭ではこんなテストをしてみてください。紙とクレヨンを与え、「ここに魔法の木があります。あなたのほしいものが、何でもできる不思議な木です。木を描いて、あなたのほしいものをいっぱい描いてみてください」と指示します。子どもが次々とほしいものを描けばよし。「ほしいものがない」とか、何か一種類のものだけを描くようであれば、飽食を疑ってみます。生活力の旺盛な子どもほど、あらゆる方向に触覚が向いていて、その分だけ、ほしいものをいっぱいもっています。


ポイント9
言葉づかいが悪い……人前できちんと話せればよしとする

 子どもの口にフタをすることはできません。神様でもできません。つまり子どもの口が悪いのは、当たり前。また言葉づかいが悪いからといって、それを責めても意味がありません。ムダです。むしろ悪い言葉も使えないほど、子どもを追いやってしまってはいけません。時にはお母さんに向かって、「ババア」と言うこともありますが、ものを自由に言うということも、幼児の心の発達には必要なのです。
 むしろ言葉で注意しなければならないのは、①正しい言葉であるか、②豊かな言葉であるか、です。「ジュース、ほしい」ではなく、「私はジュースを飲みたいです」と言えるかどうか。また夕日を見たとき、ただ「わー、すごい、すごい」だけではなく、「美しい」「感動的」「ロマンチックね」と、いろいろな言葉で表現できるかどうか、です。こうした基本的な言葉能力は、家庭環境、特に母親の言葉能力によるところが大きい、です。もしあなたの子どもの言葉能力が貧弱であれば、子どもを責めるのではなく、あなた自身が反省すべきだということです。


ポイント10
テレビゲームばかりする……頭ごなしの禁止命令は避ける

 もう一〇年以上も前から、教育界では、この問題について大論争が続けられています。そしてその結論は、「時代の流れには逆らわない」です。
 私が子どものころには、マンガの功罪がさかんに論じられていたように思います。一時は「マンガ禁止令」まで出されたことがあります(岐阜県)。しかし当時すでに手塚治虫氏が活躍していましたから、今から思えば、ずいぶんと時代錯誤の禁止令だったと思います。
 ただマニアは別です。テレビゲームに夢中になるあまり、現実と空想の世界の区別がつかなくなってしまったり、四六時中、そのことが頭から離れなくなったり……、というのは、もう「ゲーム」ではありません。ある男の子(小五)は、真夜中にまで起きて、一人でゲームをしていました。こうなればやめさせます。
 ふつうは時間と場所を決めて許すとか、反射運動型のゲーム(指先の器用さだけを競うゲーム)は避けるという方法で対処します。

(注意)「テレビゲーム」の害毒は、私がその後、あちこちの原稿で指摘しています。


ポイント11
おねしょ……マイナスは無視。プラスはほめる。

 最近の研究では、おねしょは、多尿症や頻尿症と並んで、大脳生理学の分野で、機能障害の一つとして説明されるようになってきています。つまり叱ってもムダであるばかりか、かえって症状をこじらせたり、長引かせたりしまいますから注意してください。よく毎晩、真夜中に子どもを起こしてトイレへ連れていくというようなことをする人がいますが、子どもをかえって神経質にしてしまい、やはり逆効果です。
 ではどうするか? 子どものおねしょは、「ほめてなおす」です。つまりおねしょをした朝は、それを無視。おねしょをしなかった朝は、それをほめるという方法です。そしてあとはあきらめます。
 あるお母さんは、「ようし、あと一、二年は覚悟するぞ。したければしなさい」と宣言しましたが、そう宣言したとたん、いつの間にかおねしょはなおってしまったそうです。
 おねしょというのはそういうものです。子どもにとっては、とても気持ちのよいもの(濡れたふとんは別!)であることを、理解してあげてください。

 

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(以下第3号です)-4号以後、購読を始められた方は、どうかお読みください。
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● お子さん向けの、「読んでね」コーナー
● 「子どもチェックシート」

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(近況ニュース)

★ 6月29日(金曜日)午前10時~より、静岡県教育委員会主催の
「教育講演会」で、基調講演をいたします。
    場所:可美総合センターにて
(午後からは、パネルディスカッションを予定しています)
       お申し込みは …… 053-458-7304です。

★ 「別冊PHP」9月号 (7月23日発売)増刊号にて、
      「子どもをほめるコツ・しかるコツ」の特集記事を書かせてもらいました。
          ぜひ、書店で、お買い求めください。

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中日新聞(東海版)では、

    「乱舞するイメージ」を書きました。

          Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/
               を、ご覧ください。

       右脳教育への疑問を、この記事の中に織り込みました。

   なお新聞のほうは、「人間は考えるアシ」を掲載してもらいました。
   インターネットでは、6月22日以後、紹介されます。よろしく!

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「読んでね」コーナーは、直接お子さんに呼びかけるコーナーです。
お子さんが、読んでくださることを願っています。
対象年齢は、小4~中学生を考えて、書きました。



賢明な人、愚(おろ)かな人

賢明な人はね、なくす前に、その価値に気づくんだよ。
しかしね、愚かな人は、なくしてから、その価値に気づくんだよ。
たとえば健康。たとえば時間。たとえば家族。

それからね、愚かな人とは、つきあってはダメだよ。
愚かな人とつきあっていると、君たちまで、愚かになるよ。
いいかな。
自分よりすぐれている人を見つけて、
その人をいつも目標にするといいよ。

賢明な人はね、いつも自分より、より賢明な人をみつけて、
自分の力のないことを、嘆くのさ。
愚かな人はね、いつも自分より、より愚かな人をみつけて、
それで自分をなぐさめるのさ。
 
それからね、賢明な人は、愚かな人を相手にしない。
でもね愚かな人は、賢明な人に、あれこれ文句を言ってくる。
自分が愚かだとわかっていないからね。

だからちょうど、図書館で本を選ぶように、
君たちも、友や仲間を選ぶんだよ。
これはとても大切なことだよ。



バカな人
ついでにね、

「フォレスト・ガンプ」という映画の中で、
フォレストのお母さんが、こう言うよ。
「バカなことをする人を、バカと言うのよ。頭じゃ、ないのよ」と、ね。
いい映画だから、一度は見てごらん。

いいかな。バカなことをする人を、バカというんだよ。
勉強ができないとか、成績が悪いとか、そういうことではないよ。
バカなことをする人を、バカというんだよ。
タバコを吸ったり、バイクで夜中に騒いだり、
ゴミを平気で捨てたり、道路にツバをはいたり、
人をキズつけるようなことを平気で言う人を
バカって、いうんだよ。
人をいじめたり、いやがらせをしたり、仲間ハズレをしたりして
おもしろがっている人を、バカっていうんだよ。
君は、そのバカな人ではないんだよ。
だってね、
この文章を読んでね、バカの本当の意味がわかったからね。



相手のこと

イギリスのことわざに、ね、
「相手は、自分が相手を思うように、自分を思う」というのが、あるよ。
つまりね、
君が、AさんならAさんを、「いい人だ」と思っていると、
Aさんも、君のことを、「いい人だ」と思っているということ。
君が、AさんならAさんを、「いやな人だ」と思っていると、
Aさんも、君のことを、「いやな人だ」と思っているということ。
そういう意味でね、人間の心は、カガミのようなものだね。

だからね、みんなと仲よくしたかったら、みんなのことを「いい人だ」と
思うようにするといいよ。そうするとね、みんなも、君のことを
「いい人だ」と思うようになるよ。やってみたら?



家庭

君は、どこで心を休めているのかな?
家の中。そう家の中だよね。
でも、その家の中のどこかな?
居間かな? 台所かな?
「トイレの中」と言った人もいたよ。
「お風呂の中」と言った人もいたよ。
あるいは「ふとんの中」と言った人もいたよ。

でもね、もし君が、家族のいる、
みんなの中が、一番安心できるとしたら、
それはすばらしいことだよ。
君は、すばらしい家族をもっているということ。
うらやましい、ね。
もしそうなら、君は、君の家族を、
大切にしたらいいよ。
自信をもって、ね。

(ほか、30項目)続きはホームページで
        http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/


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子どもチェックシート

「うちの子はどんな子だろう……?」と思われたら、ぜひ、お読みください。

過干渉児
□性格が内閉し、自信喪失ぎみ。どこかオドオドしている。
□はきはきしたところがなく、心因性の下痢、腹痛、脱毛症を訴える。
□行動は消極的で、他人について行く感じ。生活力が弱い(以上、内閉型)。
□言動が粗放(ガサツ)で、乱暴。静かな落ちつきがない。
□他人に対して無頓着、無遠慮。時にめちゃめちゃな積極性を示す(以上、粗放型)。

拒否症
□なにかの作業をさせようとすると、かたくなにそれを拒む。
□無理にさせようとすると、体をかたくし、視線をそらす。
□ため息をはく、ささいなことにこだわるなど、気うつ症状もある。
□もともと暗示に弱く、神経質で繊細な面がある。
□どちらかというと、融通がきかないタイプだと思う。

集中力のない子ども
□注意力が散漫で集中力がなく、すべてにあきっぽい。
□瞬間的な興奮性や集中力はみ見せるものの、持続性がない。 
□注意しても効果なく、ぼんやりと空をみつめたり、うつろな目つきをする。
□体をダラダラとさせ、作業をさせても時間つぶしばかりをする。
□全体に伸び悩んでいる。時間をかけている割に成果がでない。

ひ弱な子ども
□外の世界ではすぐいじけ、くじけやすい。依存心が強く、すぐ助けを求める。
□決断力に欠け、意思がはっきりしない。友だちにいじめられる。
□特に友人関係でたくましさに欠け、抗議したり、喧嘩ができない。
□反面、家の中では内弁慶になり、暴言をはいたり乱暴をすることが多い。
□社会に適応しにくい性格だと思う。

(ほか30項目)続きはホームページで
       http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/


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ホームページは

http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/

を、ご覧ください。

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ほかに……

「こどものページ」が充実しました!
エッセイが、全体で、10作ほど、ふえました!

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