Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Saturday, June 18, 2011

●信用を失った静岡県の茶検査

【恋愛至上主義】について、補足

(はやし浩司より読者の方へ)

こんばんは!

尾崎豊の時代から始まって、世代間の確執闘争が
はげしくなったように感じています。
若い人たちが、高齢者の経験や知恵に耳を傾けなくなった。
とくに子育てにおいては、です。
ご存知のように、子どもの教育においては、若い親たちは、
自分がもっとも正しいと考えています。
その返す刀で、両親の育児観を否定してしまいます。
が、これはたいへんまずい結果をもたらします。
先人の知恵を織り込まない分だけ、ものの考え方が、極端化しやすくなります。

そのひとつとして、恋愛至上主義をあげました。
一度恋愛すると、若い人たちはそれがすべてと考えます。
しかしそこで冷静になってほしいのです。
自分が知りうる人間(異性)の数というのは、限られているのです。
その狭い範囲の中で、最良?の人を選んでいるにすぎないのです。
つまりそれでもって、至上と考えてはいけません。
性がきわめて自由なオーストラリアにおいてでさえ、婚約期間は
長くなる傾向があります。
1~2年と言うのは、当たり前です。
彼らは籍を入れるのに、きわめて慎重です。
むしろ日本のほうが異常です。
犬やネコの血統書登録程度にしか、考えていません。
「恋愛しました」「結婚します」「籍を入れます」と。

またアメリカにしても、カルフォルニア州は一部です。
全体では、もっと保守的ですね。
アメリカ人自身がそういっています。
ハリウッド映画だけを観て、アメリカを判断しないでほしいとです。

が、日本では、何度も書きますが、いまや、恋愛至上主義、全盛期です。
後先のことを考えないで、恋愛、即、結婚へと突っ走ってしまいます。
が、その分だけ、破綻する夫婦もふえています。
その結果、離婚率こそ、アメリカ並ですが、仮面夫婦となると、
その数倍はいるとみてよいでしょう。
みな、子どもの養育や世間体を考えて、仮面夫婦をつづけています。
その点アメリカ人は、そういう「仮面」が苦手…、つまり表と裏、本音と建前を
使い分けませんから、そのまま離婚してしまいます。
オーストラリア人もそうですね。
言い換えると、日本人のほうが、実際には形だけの夫婦が多いということです。
これを「家族崩壊」といいます。
(家庭崩壊ではなく、家族崩壊です。)

日本人の恋愛観、夫婦観、家族観は、戦後大きく変わりました。
これは事実です。
この先のことはわかりませんが、ますますアメリカぽくなっていくことだけは
事実です。
それはそれでしかたのないことですが、そのため世代間の軋轢(あつれき)は
ますますはげしくなっていくことでしょう。
社会のシステムがそれについてくればよいのですが、そうでなければ、そうでない。
「混乱」あるのみ。
これから先、20~30年は、それがつづくと思います。

最後に意識を変えるのは、本当にむずかしい。
新しいシステムになれるのは、もっとむずかしい。
脳の中の思考回路が、加齢と共に、固定化するからです。
若い人たちが、それを理解してくれればよいのですが、それを期待しても
無理でしょう。
私たちは私たちで、防衛するしかないのです。
わかりやすい例として、「墓」の問題があります。
われわれの年代以上の者は、墓にある種のこだわりをもっています。
(宗教心のあるなしにかかわらず、です。)
しかし若い人たちに、「墓など、無意味」と言われてしまうと、
それまでです。
反論のしようがありません。

だから私のばあいは、友人の寺の墓地に、無縁仏として入れてもらうよう、
すでに今から頼んであります。
それが「防衛」ということになります。

「アジャストメント」は、もちろんただの娯楽映画です。
私のような視点をもって見るような、ヘソまがりはいないでしょう。
ハハハと笑って楽しめば、それでよいのです。
おおせの通りです。
(ただありきたりの映画評論ではつまらないから、あのような意見を書きました。)

で、たった今、「パイレーツ・オブ・カリビアン」を観てきました。
これも実にくだらない、たわいもない映画です。
哲学性、ゼロ。
ストーリーも、ありきたり。
「インデイアナ・ジョーンズ」のリメイク版?
聖杯がどうの、永遠の命がどうの、と。
星は、がっかりの、2つだけ。
★★

で、期待は、いよいよ「SUPER・8」。
来週、公開です。
楽しみにしています。

では、これで・・・

Hiroshi Hayashi+++++++June. 2011++++++はやし浩司・林浩司

●静岡県川勝知事の反論(飲茶は安全?)

まず時事通信の記事(6・16)。

『……仏当局などによると、162キロの緑茶に対する検査で、欧州連合(EU)基準の1キロ当たり500ベクレルを上回る、同1038ベクレルの放射性セシウムが検出された。緑茶は廃棄処分される。
 仏当局は今回の検出を受け、静岡県産の野菜類に対する検査強化を決定。また、同県産品をEUレベルでも検査対象に加えるよう欧州委員会に申し入れる方針という』(以上、時事通信)。

 これに対して静岡県の川勝知事が、即座に反応。
こう反論した。
「飲茶にすれば、放射線量は100分の1程度になるので、飲んでも安全」(ヤフーNEWS)と。 

●「しきい値」

 川勝知事は、放射線のしきい値について、大きな誤解をしている。
「しきい値」というのは、「それ以下の値なら安全」という「値」をいう。
しかしこと、放射線に関して言えば、しきい値は、存在しない。
そんなことは科学者の間では、常識(注※1)。

 たとえば1時間当たり、1シーベルトの放射線を浴びた100人のうち、1年以内に10人ががんで死んだとする。
では、0・5シーベルトなら、どうなるか。
100人のうち、5人が、がんで死ぬことになる。
あるいは2年以内に10人が死ぬでもよい。
(実際には、こんな単純な計算ではないが……。注※2)

 では、1シーベルトの1000分の1ではどうか。
1時間当たり、1ミリシーベルトの放射線を浴びたとする。
このばあいは、100人のうち、1年以内に0・01人が死ぬことになる。
0・01人ではわかりにくいから、10000人のうち、1人が死ぬと言い換えてもよい。
10年の以内に、10人が死ぬでもよい。
もし放射線を浴びた人が、10万人だったら、10年に以内に、100人が死ぬことになる。

 放射線は、ほかの毒物や薬物とはちがって、ある一定量以下なら無害ということは、ありえない。
量が少なければ、死者の数が減るだけ。
あるいは仮に10年はだいじょうぶでも、20年後には障害が現れる。
つまり「しきい値」は、存在しない。

●お湯で薄めれば安全?

 そこで再び、川勝知事の論理。

「飲茶にすれば、放射線量は100分の1程度になるので、飲んでも安全」と。

もしこんなバカげた論理が、(「バカ」と断言しても、さしつかえないと思うが)、まかり通るなら、どんな放射線物質でも、水で希釈すれば、安全ということになる。
もちろんお湯でもよい。
水で1000倍に薄めればよい。
1万倍に薄めればよい。
だったらわかりやすく、海水に混ぜて、海へ流せばよい。
海水によって、かぎりなく希釈され、放射線物質でも安全になる(?)。

 しかしこんなバカげた論理は、世界では通用しない。
むしろかえって、世界の人の笑いものになるだけ。
が、それだけではすまない。
静岡県は信用を失う。
世界中が、静岡県茶の輸入を禁止にするのは、時間の問題。

 最初からきちんと検査し、その数値に応じて、しっかりと出荷停止処分にすればよかった。
それをごまかすから、こういうことになる。
それに当初は、「飲茶にすれば8分の1になる」と言っていたはず。
それが今度は、「100分の1になる」と。

 仮に100分の1でも、そのお茶を、100杯飲んだら、どうなるのか?
またベクレルとシーベルトは、ちがう。
放射性物質の能力が、ベクレル。
人体への影響度を数値化したのが、シーベルト。
今後の人体への影響を考えるなら、「1キロ当たり1038ベクレル」というのは、きわめて深刻な数字と考えてよい。

 へたな反論を繰り返せば繰り返すほど、静岡県は、信用を失う。
事実、失った。
フランス政府は、こう決定した。

「仏当局は今回の検出を受け、静岡県産の野菜類に対する検査強化を決定」(時事通信)と。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

(参考)

(注※1)低い線量の被曝についても、線量とがんや白血病などの発生確率は比例すると考えるのが直線しきい値なしモデル(LNTモデル)と呼ばれる仮説である。LNTモデルはICRP勧告第26号(1977年)において、人間の健康を護る為に放射線を管理するには最も合理的なモデルとして採用された。各国の国内規制もICRPの勧告に準じていることが多い。

(注※2)1990年のICRP勧告60号においては、放射線に起因する発がんの確率は被曝線量に対する二次式の形で増えると評価されている。線量が低いときには二次項は一次項よりずっと小さくなるので、実用上は一次式で表される(すなわち線量と発がんの確率は比例している)。その比例係数は0.05、すなわち被曝1シーベルトごとにがん発生の確率が5%上がるとしている(以上、ウィキペディア百科事典より)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●インチキ検査をしても、バレるぞ!(静岡県茶から放射能!)

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業者を守ろうと、インチキ検査を繰り返しても
バレるぞ!

少しは恥を知れ!

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(東京新聞)6-18日

『【パリ発】フランス競争消費違反取り締まり総局(DGCCRF)は十七日、日本からパリ近郊の空港に 空輸された静岡県産の緑茶の葉から欧州連合(EU)の許容基準の二倍を超える一キログラムあたり1038ベクレルの放射性セシウムが検出されたため、押収 したと発表した。
福島第一原発の事故後、フランスに輸入された日本産食品から放射性物質が検出されたのは初。

EUでは三月下旬から福島や東京など十二都県産の食品を輸入する際、放射性物質検査を義務付けているが、静岡県産の食品は対象外としていた。ただフランスは日本からの食品に対して独自に検査していた。

フランスは今回の結果を受け今後、静岡県産の検査を強化していくことを決定。さらに欧州全体でも従来の十二都県産に加え、静岡県産も検査対象とするよう欧州委員会に要請する。AFP通信によると、出荷元などは明らかにされていない』(以上、東京新聞)と。

●今日は6月18日、6月15日に書いた原稿より

 3日前に書いた原稿を再掲載!

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●さらにおかしな論理

 静岡県のお茶から、規制値以上の放射線が観測された。
これに対して、静岡県の川勝平太知事は、こう言った。

「(飲用茶について)それぞれ1キロ当たり、5・8~7・3ベクレルと、飲用茶の規制値(1キログラム当たり200ベクレル)を大幅に下回ったことを強調。……飲用茶は数
ベクレルで安心して飲んでほしい」(中日新聞・6・15)と。

 川勝知事は学者であったはず。
その川勝知事が、こういう「?」なことを堂々と言うところがおかしい。
言うまでもなく放射性物質は、ほかの薬物や毒物とちがい、一度体の中に取り込まれたら最後、体の中でどんどんと蓄積されていく。
尿となって排出される分や、半減期を経て、半減して分もある。
しかし基本的には蓄積されていく。

そういうお茶を、20キロ(20リットル)飲んだら、どうなるのか?
40キロ飲んだら、どうなるのか?
お茶にも濃さがある。
逆にこんな論理がまかり通るなら、どんなに汚染されたお茶でも、お湯で薄めれば安全ということになってしまう。
さらに「?」なことがある。

 先日の報道では、(原茶)→(製茶)にした段階で、放射線の濃度は5倍になる。
しかし飲用する段階では、(お湯で薄めるので)、8分の1になると言っていた。

 どうして規制値内(500ベクレル以下)の製茶が、お湯で薄めたら、「5・8~7・3ベクレル」になるのか?
単純に計算すれば、83分の1になったことになる(500÷6・0で計算)。
何度も計算しなおしてみたが、やはり83分の1。

 念のため、新聞記事をそのまま紹介する。
私の書いていることを疑う人がいたら、自分で計算してみたらよい。

「……一方で、規制値(500ベクレル)を超えた2工場の製茶を、飲用茶として独自検査したことを(川勝知事は)明かし、それぞれ5・8~7・3ベクレルと、飲用茶の規制値(1キログラムあたり200ベクレル)を大幅に下回ったことを強調」と。

 つまり製茶の段階で、500ベクレルを超えていたお茶だったが、お湯で溶かしてみたら、6・0ベクレル前後になった。
だから、安全、と。

 こんなバカな、手品みたいなことが、どうして起こるのか?
さらに今回の検査では、重大な見落としがある。
こうある。

「放射性セシウムの検出量は、581~654ベクレルで……」と。

 わかるかな?
放射性物質といっても、その種類は、無数にある。
毒性がきわめて強いプルトニウム、ストロンチュームもそれに含まれる。
放射性ヨウ素もその1つだが、そのヨウ素にしても、134,132,135,133,131などの種類がある。
調べたのは、たったの1種類。
放射性セシウムだけ。

 さらに県の報告が1日遅れたことについて、川勝知事は、こう居直っている。
「(遅れたことで、どういう)損害が出たのか言ってみてください」(中日新聞)と。

 こういうバカなことを平気で言うところが恐ろしい。
あのね、損害は、これから出るの!
1日遅れれば、その分だけ、工場からの出荷が野放しになるの。
正確な数字はわからないが、仮に1日、1トンの出荷量のある工場だったら、その1トンが、市中に出回ることになるの!
それを日本人が、飲むことになるの!

●やがて否応なしに……

 東京に住む石原氏にしても、静岡市に住む川勝氏にしても、やがて否応なしにその事実を突きつけられる日がやってくる。
私はけっしてそれを望む者ではないが、しかしこんなごまかしは、いつまでもつづかない。
やがて東京都全体に避難勧告が発布されるようになるかもしれない。
静岡県茶が全面、出荷禁止になるかもしれない。
だったら今は、「?」なコメントは控え、事実の収集だけに心がけるべきではないのか。
が、現実は、逆行している。
同じ中日新聞には、こうある。

「(すでに)一番茶の出荷を終えた工場も多いことから、地区内にある約100工場すべてを検査する当初の方針を変更し、今後は要望のある工場のみを検査する」と。

 「今後は、要望のある工場のみを検査する」と。

 そうでなくても、静岡県茶については、農薬汚染が問題になっている。
ご存知の方も多いかと思うが、茶の産地にある、ため池、川からは、生物という生物が、ほとんど姿を消した。
そういう事実を、隠しに隠しつづけている。
そういう地域で、「今後は、要望のある工場のみを検査する」?
どこの工場が、あえて「要望」など、するものか?
バカも休み休み言え。

 ……つまりこうして私たちの不信感は、募(つの)っていく。
庶民の代表として、本来なら庶民の側に立つべき人間が、企業側の利益の保護だけを考えて発言する。
行動する。

 私の予想では、この日本は、このまま行き着くところまで行く。
またそこまで行かないと、気がつかない。
本来なら、ヒステリー状態ではなく、パニック状態になっていてもおかしくないのだが……。
2011/06/15記

Hiroshi Hayashi+++++++June. 2011++++++はやし浩司・林浩司