Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Thursday, February 26, 2009

*Identification of the Couple

●2月27日

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昨日も、ワイフと町までの7・5キロを歩いた。
大またで歩いて、ちょうど9000歩。
時間にして、1時間30分。
途中、ちょっとした坂がある。
賀茂真淵記念館につづく坂である。

苦しそうに歩くワイフをうしろに、私はスタスタ。
坂には、自信がある。

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【7つの贈り物(Seven Pounds)】

ウィル・スミスの『7つの贈り物』を見てきた。
よかった。
感動した。
星は、4つの★★★★プラス。

「どうして新しい恋人と、人生をやりなおさないのかな?」という
疑問は残ったが、星は、4つ。
5つでもよいかなというところ。

今週から、『オーストラリア』『送り人(再配信版)』が始まる。
忙しくなりそう。


●暗い朝

足の筋肉痛で、目がさめた。
時計を見ると、午前4時。
そういうときは、起きてしまうほうがよい。
……ということで、起きて、そのまま書斎へ。

で、あれこれしていると、午前7時。
窓の外を見たが、まだ暗い。
居間へおりていって、外を見ると、厚い雲に覆われた曇天。
「道理で……」と思いながら、庭にハトの餌をまく。
こうして私の一日が、始まる。


Hiroshi Hayashi++++++++FEB09++++++++++はやし浩司

【夫婦の同一化】

●土下座

昨日、こんな話を聞いた。
父親が、何かの事業に失敗した。
その責任(?)を取らされて、父親が、家族の前で、土下座して謝ったという。
このところの大不況で、ありえない話ではない。
が、つぎのことを知って、言葉を失った。
父親に「土下座しろ!」と迫ったのは、母親、つまりその父親の妻だった。
妻が夫に向かって、「土下座して、謝れ!」と。
それでその父親が、子ども(小学生2人、幼児1人)の前で、土下座して、謝った。

この話を聞いて、何とも言われない重い気持ちに包まれた。
やりようのない閉塞感というのは、そういうときの気分をいうのか。

たとえそうであっても、つまり夫が事業に失敗しても、妻たるもの、そこまで
夫にさせてはいけない。
そのときはそれですんだとしても、それを見ていた子どもたちに、大きなしこりを
残す。

●こだわり

少し前だが、こんな話も耳にした。
婚約してまもなくのこと。
女性のほうが、男性を、自分の実家に連れていくことになった。
実家は、岐阜県の山奥にあった。

で、その実家を前にしたところで、道の向こうのほうから、
2人の女性が歩いてきた。
その女性の友人たちであった。
そのときのこと。
何を思ったか、その女性が、男性を近くの竹やぶに突き倒し、
「あんたは、ここに隠れていて!」と。

なぜその女性が、そういう行動に出たのかは、私にはわからない。
婚約者に不満をもっていたのかもしれない。
常識的に考えれば、そうなる。
あるいは一瞬の照れ隠しだったかもしれない。
しかしそういうことをされた男性の気持ちは、どうなのか。

結局のこのときの事件がきっかけで、男性のほうから婚約を破棄。
「どうしてぼくを突き飛ばしたのか?」という質問に、女性のほうは、
最後まで答えられなかったという。

●さらに……

子どもの前で、父親(夫)が母親(妻)の悪口を言うのは、タブー。
母親(妻)が父親(夫)の悪口を言うのも、タブー。
そのときはそのときで、子どもは父親や母親の話を聞くかもしれないが、
やがて親子の間に、大きなキレツを入れることになる。
これを心理学の世界でも、「三角関係」と呼ぶ。
家庭教育そのものが、崩壊する。

で、その悪口の中に、こんなのがあった。
これについては、以前にもどこかで書いたことがあるが、こんなのである。
ある母親(妻)が、子どもに向かって、こう言った。

「お父さんの稼ぎが少ないでしょ。だから私たちは、苦労するのよ」と。

母親としては、生活の苦しさを子どもに伝えたかっただけかもしれない。
子どもに妻としての、自分の苦労を理解してもらいたかっただけかもしれない。
しかしこういう言い方は、決定的に、まずい。

●遊離する女性たち

「ならば、はじめから結婚などしなければいい」と、だれしも思う。
家族の前で父親(夫)を土下座させた母親(妻)にしても、竹やぶに婚約者を
突き倒した女性にしても、また子どもに向かって、「お父さんの稼ぎが少ない……」
と言った母親(妻)にしても、だ。

こうした女性たちに共通する心理はといえば、(現実からの遊離)ということになる。
現実そのものに、根をおろしていない。
だから、そういう(おかしなこと)を、言ったりしたりしながらも、それを
「おかしい」とも思わない。
「夫婦」という「運命共同体」をつくりながら、その共同体から遊離してしまう。
「自分だけは、ちがう」と思ってしまう。
別の世界に、住んでしまう。

●夫婦は一枚岩

そうでなくても難しいのが子育て。
夫婦がバラバラで、どうして子育てが満足にできるというのか。
が、ここで書きたいのは、そのことではない。
何ゆえに、ときとして、母親(妻)は、家族から遊離してしまうかということ。
遊離して、自分だけの世界に閉じこもってしまうかということ。

簡単に考えれば、結婚相手に不満があったということになる。
不本意な結婚で、父親(夫)と同一化の形成ができなかったということになる。
常識で考えれば、「そういう夫を選んだのは、あなたという妻ではないか」ということに
なる。
さらにきびしい言い方をすれば、「そういう夫としか結婚できなかったのは、あなたの
責任」ということになる。
が、そういうことは、このタイプの母親(妻)には、理解できない。

●血統空想

「血統空想」という言葉がある。
ジークムント・フロイトが使った言葉である。
ある年齢に達すると、男児は、自分の血統を空想するようになる、という。
「ぼくの父親は、もっと高貴な人間であったはず」と。

この血統空想をヒントにすると、このタイプの母親(妻)は、父親(夫)と
結婚しながらも、夫を受け入れることができず、血統空想の中で生きている
ということになる。
言うなれば、「自己血統空想」ということになる。

「私の夫は、もっと高貴で、力のある人でなくてはならない」
「私はそれにふさわしい女性である」と。

フロイトが説いた「血統空想」は、父親の血統を疑うというものだが、このタイプの
母親(妻)の血統空想は、自分に向けられたもの。
だから「自己血統空想」(これは私が考えた言葉)ということになる。


この血統空想が肥大化して、家族から遊離する。
家族の一員でありながら、その家族に同化できなくなってしまう。
その結果として、父親(夫)に土下座させたり、竹やぶに突き倒したり、さらには、
子どもの前で、父親(夫)を、平気でけなしたりするようになる。

●同一化の形成

夫婦は夫婦になったときから、同一化を形成する。
「一体化」と言い換えてもよい。
その形成に失敗すると、ここに書いたような結果を生み出す。

「夫が恥ずかしい」「妻が恥ずかしい」と思うようであれば、すでに同一化は
崩壊しているとみてよい。
反対に、こんなことを口にする夫婦もいる。
「私は今の夫と結婚できて、幸せです」「私の夫は、すばらしい人です」と。

一見、すばらしい夫婦に見えるが、このばあいも、同一化は崩壊していると
みてよい。
本当にうまくいっている夫婦なら、つまり同一化の確立している夫婦なら、そんな
ことは、他人に言わない。
そういうことを言うということ自体、妻であれば、夫に対して、大きな不満を
いだいていることを示す。
その反動として、つまり自分の心を偽るため、そういった言葉を口にする。

そこで同一化のレベルを、段階的に示してみる。

●同一化のレベル

(レベル0)夫婦といっても、他人と他人との関係
(レベル1)夫婦といっても、形だけ。すべきことはするが、いつもそこまで。
(レベル2)共同作業はいっしょにするが、生き様を共有できない。
(レベル3)ほどほどにわかりあっているが、全幅に心を開くことはできない。
(レベル4)心を開きあい、共通の人生観、哲学をもっている。
(レベル5)一体性がきわめて強く、密接不可分の関係。

「理想としては……」と書きたいが、夫婦の形態は、まさに千差万別。
中身も千差万別。
それぞれがそれぞれの立場で、それなりにほどよくやっていれば、それでよし。
それぞれには、それぞれの家庭の事情もある。
問題もある。
また自分たち夫婦が、同一化の形成に失敗したからといって、大げさに悩む必要は
ない。
世の中には、月に2、3度しか会わなくても、それでもうまくいっている夫婦が
いる。
反対に毎日、ほとんどの時間をいっしょに過ごしていても、心はバラバラという
夫婦もいる。
大切なことは、その中でも、高度な次元で、たがいに尊敬しあって生活するということ。

そういう意味でも、子どもの前で、父親(夫)を土下座させてはいけない。
竹やぶに、婚約者を突き飛ばしてはいけない。
父親(夫)の悪口を言ってはいけない。
そんなことをすれば、結局は、その母親(妻)自身のが愚かということを、
自ら証明することなる。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
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