*March 18th 2009
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子育て最前線の育児論byはやし浩司 09年 3月 18日
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選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
休みます。
【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【SF小説】
●あの世vsこの世(This World vs. That World)
+++++++++++++++++++
今、1人の老人が、静かに息を引き取ろうと
している。
豊かだった白髪も、今は、それもちぢれ、
乾いた皮膚には、無数の深いシワが刻まれている。
酸素マスクの下で、あごだけがかすかに
動いている。
静かな朝だった。
やわらかい朝の光が、カーテンのすき間から
部屋に流れ、その先にあるテーブルを
浮かび上がらせていた。
看護士が、隣の医局で、家族に電話をしていた。
そしてその老人のいる部屋にもどってくると、こう言った。
「孝太さん、お孫さんがもうすぐ来ますよ。
がんばってね」と。
声をかけたが、すでにその老人には、それに
答える力はない。
酸素マスクのカバーを、白い蒸気で曇らす
こと。
それだけが、その老人が生きているという
証(あかし)だった。
+++++++++++++++++++
(第1話)
老人の名前は、中山孝太といった。
昭和22年生まれ。
西暦1947年。
「団塊の世代、第一号」とよく言われた。
戦後の混乱期に生まれ、それにつづく高度成長期の荒波にもまれた。
家族は、8人。
兄が2人、それに妹。
祖父母と両親。
みなそれぞれに元気だったが、孝太の父親は、フィリッピンで負傷。
右足が不自由だった。
祖父は昔からの呉服屋を営んでいた。
父は、それを手伝っていた。
が、孝太のいちばん上の兄は、孝太が3歳のとき、チフスで死去。
二番目の兄は、小児麻痺をわずらい、それ以後、寝たきりの状態になっていた。
そのこともあって、祖父母、両親の愛は、すべて孝太に注がれることになった。
孝太の下に、歳違いで、妹がいた。
孝太にはよき遊び相手だったが、妹は、生来の障害をかかえていた。
今でいう、多動児だった。
いつも落ち着きがなく、動き回っていた。
よくしゃべるのだが、話の内容には、脈絡がなかった。
思いついたことだけを、ペラペラと口にしていた。
そんな妹だったが、孝太には、よき話し相手だった。
が、やがて父が酒に溺れるようになった。
戦争の後遺症とも考えられた。
ときどき戦争の夢を見て、うなされることもあった。
が、本当の理由は、母、つまり孝太の母の愛情が消えたことではなかったか。
孝太の母は、孝太の父のふがいなさに、失望していた。
その失望感が伝わったとき、孝太の父は、酒に溺れるようになった。
そこに二男の死が重なった。
こうして孝太は、幼児期、少年期を過ごし、高校を卒業すると、京都の
大学に入った。
孝太はそこで理学の勉強をした。
その間、1年間、孝太は奨学金を得て、カナダに渡った。
バンクーバーにある、王立化学アカデミー院に、籍を置いた。
専門は、光合成。
孝太にとって、人生でいちばん輝いていたのは、そのときだった。
大学4年のとき、郷里の長野県での教員採用試験に合格し、当初は、
僻地校と呼ばれた、K高校に赴任した。
研究者の道を選ぶこともできたが、孝太は教育の道を選んだ。
そのとき知り合ったのが、孝太の今の妻。
孝太の妻は、小さなレストランの店員をしていた。
孝太は、それなりの幸福な生活を送っていたが、やがて祖父母がつづいて死去。
父も、酒がたたってか、肝臓を悪くして、そのあとを追うようにして、死去。
残ったのは、母と、それと妹だけとなった。
が、稼業は母という女性の手だけでも何とか、つづけられた。
妹が近くに住んでいて、ときどき商売を手伝っていたこともある。
が、その妹も家を出た。
隣町にある時計屋の主人と結婚した。
遅い結婚だった。
いつしか孝太が、呉服屋と、そして母のめんどうをみるようになった。
何度か、母に同居を求めたが、孝太の母は、それをかたくなに、拒んだ。
こうして10年ほどが過ぎた。
孝太には2人の息子ができた。
その間も、孝太は転勤を繰り返した。
同じ長野県の範囲だったが、そのつど孝太の家族は、引越しをしなければ
ならなかった。
そういうこともあって、孝太が自分の家をはじめてもったのは、
孝太が、40歳をすぎてからのことだった。
が、ここで孝太にとって、最大の不幸が襲いかかる。
中学生になったばかりの二男が、無免許でバイクに乗り、そのまま道路わきの
大木に激突。
死亡してしまった。
原因は、道路にできた穴に、タイヤを取られたためらしい。
そのはずみに、バイクが宙を飛び、そのまま大木に激突。
あっけない死だった。
が、このときから孝太の人生は大きく狂い始めた。
孝太の妻は、そのままうつ病をわずらい、半年後には、精神をおかしくして
しまった。
何度か自殺未遂を起こしたこともある。
が、不幸には不幸が重なるもの。
妹に離婚問題起きた。
そしてそれをきっかけに、遺産相続問題が再燃した。
妹はこう言った。
「あなたが家を継いだわけではないから、おじいちゃんが残した財産の半分は
私のもの」と。
祖父母はその町の中心街に大きな土地をもっていた。
それを母が相続していた。
折からのバブル景気で、値段が高騰していた。
母は土地を売り、妹の言うがまま、それを妹に渡した。
孝太と妹の関係は、それを契機に断絶した。
言い忘れたが、孝太の母が経営していた呉服屋も、近くに大型のショッピングセンター
ができてから、開店休業の状態がつづいていた。
高級呉服店をめざして、店を改築したのも、裏目に出た。
祖父の残した財産も、それで消えた。
やがて母は呉服屋はそのままに、孝太の家に住むようになった。
孝太は拒否できなかった。
土地の名義は、母親のものになっていた。
孝太の長男は、大学を出て、都会で仕事に就いた。
ある造船会社の設計士となった。
1人の子ども(=孝太の孫)が生まれた。
名前を、慶喜(けいき)と言った。
慶喜は孝太を、「おじいちゃん」と言って、よく慕った。
で、15年の年月は流れるように過ぎた。
孝太はそのとき55歳になっていた。
母は、その数年前、80歳で他界していた。
妹との音信はなかった。
が、そのころから孝太の妻は精神を病み、精神病棟に入院することになった。
さらに10年の年月が流れた。
孫の慶喜も、20歳になった。
妻はそのあと、認知症も加わり、孝太の顔も区別できないほどになっていた。
食事は、食道に穴をあけ、そこから摂取していた。
が、孝太が、67歳になったとき、肺炎になり、そのまま死去。
闘病生活が長かったこともあり、孝太は、むしろほっとした気分に包まれた。
孝太の長男と孫の慶喜は、孝太との同居を望んだが、孝太は、それに
応じなかった。
70歳になる少し前、自ら、有料の老人ホームに入居した。
持病の腰痛が悪化し始めたのも、そのころだった。
……孝太の死は静かなものだった。
享年、76歳。
見取る人もなく、看護士がそれに気がついたときには、孝太の皮膚は、
すでに淡いおうど色に変わっていた。
(第2話)
真っ白な部屋だった。
メカニックな動きをするものは、何もなかった。
やわらかい白いモヤに包まれていた。
そのモヤ全体が、光となり、あたりを照らしていた。
1人の若い青年が、白いベッドの上に横たわっていた。
その横に、別の青年が、ベッドの上の青年の頭から、光の輪をはずすところだった。
輪は金色に輝いていた。
ベッドの上の青年は、ゆっくりと目をあけた。
とたん、まばゆいばかりの光が、その青年の目の中に飛び込んできた。
青年には、名前はなかった。
番号で呼ばれていた。
番号といっても、64進法。
いくつかの記号が、ランダムに並んでいた。
「%A&##32……」と。
横に立った青年がこう言った。
「%A&##32さん、いかがでしたか?」と。
とたん、ベッドの上の青年は、ふと我に返った。
が、そこがどこであるかを、すぐ知った。
「結構、長く感じました」と。
それを聞いて、横に立っていた青年が、やさしい笑みを浮かべた。
「そうですか……。こちらでは、25分と30秒でした……」と。
青年は自分の名前を思い出した。
「%A&##32、コータ……」と。
突然、それが引き金となって、それまでの記憶が怒涛のように押し寄せてきた。
妻との思い出、母との思い出、それに孫の慶喜のことなど。
死はつらい経験だったが、その青年にとっては、新鮮な感じがした。
青年はベッドに横たわったまま、窓があるほうの方向を見た。
するとその部分だけ、モヤがはずれ、その向こうに、形の定まらない景色が見えてきた。
おだやかな世界だった。
何色かの淡い光の渦が見え、その先に、丸いカプセルがいくつか見えた。
%A&##32は、今まで自分がいた世界のことを思い浮かべていた。
静かな時間が過ぎた。
この世界には、怒りも、悲しみもない。
苦しみもない。
死の恐怖すら、ない。
すべての人がすべての知識と知恵を分けあっている。
望むなら、広大な土地と、広大な屋敷も、自由に手に入る。
しかしそうした現実的な、あまりにも現実的な財産を求める者は、この世界には、いない。
%A&##32の肉体にしても、自由に取り替えられる。
今は若い青年だが、それよりも若くすることも、あるいは年配にすることもできる。
男性が女性になることも、女性が男性になることもできる。
この世界では、欲望という言葉そのものが、死語。
欲望が何であるかを知りたかったら、あの世でそれを体験するしかない。
%A&##32はゆっくりとベッドから離れ、出口のあるほうへと向かった。
いや、実際には、出口などなかった。
%A&##32が歩く方向に、出口が現れた。
形のないゆがんだ空間で、%A&##32は、すべるようにしてそちらに向かった。
別の若い青年が、あとからつづいた。
今、その別の若い青年が、%A&##32から、情報伝達を終えたところだ。
青「妻が死んだとき、ほっとしたのはなぜですか?」
%「妻が苦しんだからです」
青「そうですか……」
%「それに痛がりました」
青「痛みというのは、どういう感覚でしたか?」
%「あの世では、苦痛の第一です。しかしね、本当の痛みは、心の痛みですよ」
青「心……?」
%「感情の集約かな。悲しみ、さみしさ……。それが集約されたのが、孤独かな」と。
静かな会話がつづいた。
青「今度は、どこへ行くつもりですか」
%「まだ決めていませんが、行くとしても、悲しみレベルを、20%以下にしたい
です。今度のは、少し私には、きつすぎた……」
青「そのようにプログラムするのは、簡単なことです」
%「それと、……夢とはわかっているのですが、孫の慶喜に会いたい……」と。
%A&##32と別の青年は、どれだけの時間をつかって、
どれだけの距離を歩いただろうか。
歩いたといっても、2人は、やわらかい空間を、すべるようにして移動していた
だけだが……。
が、やがて出口に着いた。
そこには、無数の人たちがいた。
しかしどの人も、やわらかいモヤに包まれていた。
%A&##32が、その中の1人に話しかけた。
若い女性だった。
首が長く、皮膚は透き通るように白かった。
衣服は身につけていなかったが、裸ではなかった。
顔から足の先まで、つなぎめのない、なめらかな1枚の皮膚でおおわれていた。
%「楽しかったですよ」
女「1940年代の日本を選ばれたのですね」
%「そうです。私は日本は、これで4505度目ですが、今までの中で、
いちばん楽しかった」
女「私は日本はまだ231回しか行っていませんが、つぎはBC500年ごろの
中国を選んでみたいです」
%「はあ、あそこはいい。で、ポジション(立場)は、どうします?」
女「皇帝のお后(きさき)でもいいですが、身分の低い奴隷でも構いません」
%「そうですね。そのほうが、楽しいかもしれませんよ」
女「じゃあ、あなたの情報を少し分けていただいていいかしら?」
%「いいですよ」と。
%A&##32は静かに目を閉じた。
とたん、若い女性の顔が、さまざまに変化した。
瞬間だが、孝太の妻の顔にもなった。
妹の顔にもなった。
長男の嫁の顔にもなった。
しばらくすると、若い女性は、「ありがとう」と言って、その場を去った。
%A&##32はあの世で見た、カナダの景色を思い浮かべた。
とたん、%A&##32の目の前に、カナダの景色が広がった。
%A&##32は、その景色の中に歩み出た。
そこにはあの世で見た、あのままの世界が広がっていた。
小さな子どもがそこにいた。
子どもが%A&##32のほうを見ると、それが慶喜であることがわかった。
%A&##32は、その子どもを、ゆっくりと抱きしめた。
(第3話)
遠い昔、人間には肉体があった。
が、いつかしか、脳が小さなチップにコピーされるようになった。
人間が、小さなチップになった。
そう考えてよい。
そのチップに、無数の配線が取りつけられ、それぞれのチップが有機的につながった。
いや、そのつながりを決めるのは、別の「大きなチップ」だった。
そのチップを中心に、無数の、数のないチップが取り巻いていた。
チップは、そのつど自分を別のチップにコピーしたり、大きなチップの命ずるまま、
接続したり、断線したりしていた。
それは無数の星のようでもある。
ひとつのチップが瞬間に光ると、それに連動して、別のチップが光る。
こうして光の渦が、その空間全体を満たす。
音はない。
動くものもない。
しかしチップがまばたきするその瞬間、そのチップは、人間が肉体をもっていた
ころの、100年分が過ぎた。
チップの世界では、20数分程度の時間に、延ばされていたが、実際には、
瞬間だった。
%A&##32のチップを見てみよう。
%A&##32のチップは、中央からややはずれた、今は白い輪になっているところ
にあった。
そのチップには、「%A&##32」という文字が刻まれていた。
大きさは、そう肉体をもっていたころの人間の尺度でいえば、数ミリ程度か。
その中に%A&##32のすべてが、詰め込まれていた。
その%A&##32は、たった今、中央の大きなチップから断線し、そこから
それほど遠くないところにある、別のチップとつながった。
そのチップは、(情報チップ)と呼ばれている。
ひとつの宇宙に匹敵するほどの情報が、そこに詰め込まれている。
%A&##32は、その中から、1970年代のカナダを選んだ。
恐らく%A&##32は、今しばらくは、1970年代のカナダの中にいるはず。
しかし……。
チップの集合体は、本当は自分たちがどこにいるか、知らないだろう。
(いる)というよりも、(ある)と言うべきか。
遠い昔、人間は、自分たちの脳を保存するために、それをコンピュータに
コピーした。
「コピー脳」と呼んだ。
それほどおおがかりな装置ではなかった。
人間には、1人あたり、100億個の神経細胞がある。
そこから10万本ずつのシナプスがつながっている。
合計しても、たいした数ではない。
それをすべてコピーいた。
が、まだチップと呼ばれるような段階ではなかった。
最初は、部屋一杯を占めるほどのおおがかりな装置だった。
しかしそれがやがて、小さな箱程度になり、最終的には数ミリ程度の大きさにまで、
縮小された。
それと並行して、コピー脳に、さまざまな感覚機器が取りつけられるようになった。
目の働きをするカメラ、耳の働きをするマイクなど。
しかし実際には、人間との会話は、不可能だった。
コピー脳の回転は、怖ろしく速かった。
コピー脳が、仮に聖書をすべて朗読したとしても、人間の耳には、ピッという信号音
にしか聞こえないだろう。
反対に人間がコピー脳に話しかけたとしても、コピー脳のほうが、それに
耐えられなかった。
こうして当初の計画、つまり人間とコピー脳をつなぐ計画は、頓挫(とんざ)した。
そのかわりに、コピー脳どうしを、(つなぐ)という方法が取られた。
が、その世界で、どんなことが起きているかを知ることは、人間にも不可能だった。
ときどき情報を取り出し、それを分析することも試みられた。
が、コピー脳にとっては瞬間でも、その瞬間を分析するだけでも、
人間には、数十年もの年月が必要だった。
こうして無数のコピー脳が作られ、月の地下、奥深くに埋められるようになった。
月が選ばれたのは、地球から近いこと。
それに何よりも、地殻が安定していた。
広い空間の中央に、それらのチップを管理する中央コントロールセンターが置かれた。
人間は、それを簡単に、「大きなチップ」と呼んだ。
それぞれのチップが仮想現実の中で勝手に創りあげた世界を、大きなチップは、
情報として記録した。
%A&##32、つまり孝太があちこちの仮想現実の中で、積み重ねた経験も、
大きなチップの中に、蓄えられた。
仮想現実の世界とはいえ、そのため、ますますリアルなものへと、それは進化しつづけた。
今では、仮想現実の世界とはいえ、そこに住む(?)人間たちは、それに気づかない。
仮想現実の世界のほうを、「この世」と思い込み、チップの織りなす世界のほうを、
「あの世」と思っている。
が、地球にいた人間に、大きな変化が起きた。
第一回目は、2013年。
つづいて2036年。
二度の大戦争で、人間は、滅亡した。
しばらく宇宙をただよっていた人間も、やがてそこで力尽きて、死に絶えた。
今の今も、地球のまわりを回る月の奥深くには、無数のチップがある。
それらのチップが、整然と並んでいる。
そして音もなく、静かな光だけを、瞬時、瞬時に発しながら、たがいに生きている。
エネルギーは、月の表面から伝わってくる、太陽のぬくもりだけ。
いつ果てるともない、また果てることもないだろう、静かな眠りについている。
静かに、静かに、いつまでも静かに……。
(終わり)
(はやし浩司 Hiroshi Hayashi 林浩司 教育 子育て 育児 評論 評論家
小説 「あの世vsこの世」「この世vsあの世」 あの世論 コピー脳 はやし浩司
小説 2009 2月14日記 )
【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●ねたみのメカニズム
++++++++++++++++++++
たいへん興味深い記事を見つけた。
まず、その一部を紹介する。
『自分が妬みを持つ相手が不幸になったとき快感を得る、いわば「他人の不幸は蜜の味」
と感じる脳の働きが日本の研究グループの実験で初めて明らかになりました。
これは、千葉市にある放射線医学総合研究所などのグループが明らかにしたものです。
大学生19人を対象に、「妬み」を感じるときや「人の不幸を喜ぶ」ときの脳内の働
きを画像診断装置で解析しました。
研究は、「自分は希望通りにならなかった就職や恋愛が同級生は希望通りになってい
る」という文章を読ませて、妬みの感情を持たせる手法で行われました。
その結果、「妬み」の感情が強いときには、体の痛みなどを処理する前頭葉の一部が
活発になっていることがわかりました。また、「妬んだ相手に事故など不幸が起こった」
という文章を読むと、快感を感じるときの脳の部位が活発になりました。
「文字どおり『他人の不幸は密の味』というように、密の味をあたかも味わっている
かのような脳活動が認められました」(放射線医学総合研究所 高橋英彦 主任研究員)
研究グループは、「妬み」に関する脳内の活動が強い人ほど、「不幸を喜ぶ」領域の活
動が活発で、「他人の不幸は蜜の味」と感じやすいことが脳科学的に初めて証明された
としています』(13日11:09・ヤフー・ニュース)と。
++++++++++++++++++++
「やはり他人の不幸話はおもしろい……」と考えてはいけない。
たとえ脳の中の反応がそうであっても、それと闘うのが人間。
人間の理性であり、知性ということになる。
脳の命ずるまま行動していたら、人間はそのまま原始人にまで退化してしまう。
しかし今後こうしたメカニズムは、ますます解明されていくだろう。
ほとんどの人は、脳が命ずるまま、つまり(私であって私でない部分)に
命じられるまま、ものを考え、行動している。
が、自分では、「私は私」と思いこんでいる。
ここでいう「ねたみ」についても、そうだ。
人をねたむこと自体、「私はそう思う」と、「私は」と言う。
しかしそれはけっして、(私であって、私)ではない。
では、「私」とは何か?
むしろ「私」というのは、「私」を否定したところにある。
たとえば腹が減った。
そのとき、「何かを食べたい」と思うのは、(私であって私でない部分)という
ことになる。
が、そのとき、「腹は減っているが、この食べ物をもっと減っている人にあげよう」と
考えて行動したら、それが(私であって、私である部分)ということになる。
そういう意味でも、この記事は、おもしろい。
最近になく、頭の中で火花が飛ぶのを感じた。
(はやし浩司 Hiroshi Hayashi 林浩司 教育 子育て 育児 評論 評論家
他人の不幸 他人の不幸話)
Hiroshi Hayashi++++++++FEB. 09++++++++++++はやし浩司
●雑感・あれこれ
●目標は、皇居、東京、日本(The Target is The Emperor’s Palece, Japan)
+++++++++++++++++
東京があぶない。
皇居があぶない。
+++++++++++++++++
テポドン2号が発射段階に入ったという。
東亜N報(韓国)は、『K国の咸境北道舞水端里(ハムギョンプクト・ムスダンリ)基地で、
ミサイル発射実験に必要な装備である遠隔測定設備を組み立てる様子が、数日前、米国の
偵察衛星に捉えられたと、CNN放送が11日、米政府高官の言葉を引用して報じた』(2
月12日)と、伝えている。
これに応じて、アメリカ軍は、沖縄の嘉手納基地に、コブラボール2機を配備した。
産経新聞はつぎのように伝える(2月14日)。
『K国による長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射準備を受け、米軍が弾道ミサイ
ル監視機「RC135S」(コブラボール)を沖縄県の嘉手納基地に展開させたことが14
日、分かった』と。
にわかにあわただしくなってきた、極東情勢。
軍事的緊張も、一触即発の状態にまで、高まっている。
が、最大の問題は、テポドン2号の目標は、どこかということ。
宇宙……?(人工衛星発射のためとは考えにくい。何のための人工衛星?)
日本海……NO!(テポドン2号でなくてもよい。)
太平洋……NO!(発射実験そのものが、失敗とみなされる。)
アメリカ……NO!(K国にその度胸はない。)
韓国……NO!(テポドン2号でなくてもよい。)
こうして消去法で選び落としていくと、残ったのは、日本。
太平洋とも考えられなくもないが、太平洋まで飛ばせば、途中で迎撃されてしまう。
「撃墜されれば、恥」(韓国紙)と、彼らは解釈している。
在韓米軍司令官も、迎撃の可能性を示唆している。
が、なぜ日本なのか?
2009年になってからのK国の動きを順に追ってみると、それが浮かび上がってくる。
(1)南北関係の緊張(これは一種の陽動作戦ではないか?)
(2)日本への攻撃示唆(K国は、たびたびそれを示唆している。)
(3)オバマ大統領へのラブコール(アメリカを牽制するため。)
(4)反日感情の悪化(日本の朝鮮S連が攻撃されているというデマを連日流している。
日本のテレビ局のレポーターに対して、「日本の朝鮮S連に人がかわいそう」と、
言っている。)
(5)K国、国内情勢の混乱(外敵を作ることによって、国内を引き締めようとしている。)
現在、K国とって、もっとも攻撃しやすい国が、日本ということになる。
理由は、はっきりしている。
(1)日本には防衛権はあっても、他国を武力攻撃することは、憲法上禁止されている。
つまり日本は、公式には反撃できない。
(2)K国のミサイルが撃ち込まれた程度では、日米安保条約は発動されない。
(3)仮にアメリカ軍が動こうとしても、韓国がそれに反対する。アメリカ軍が動けば、
朝鮮半島は、そのまま戦場と化してしまう。現在K国が韓国に対して臨戦態勢を敷
いているのは、そのためのけん制とも考えられる。またK国は、陸軍までは動かし
ていない。
(4)ミサイルの性能を示すには、これ以上の効果的な方法はない。またそれによって、
日本をどう喝することができる。
K国が、目標も定めず、ミサイル実験をするはがない……という前提に立つなら、今いち
ばんあぶないのが、東京ということになる。
東京といっても、皇居。
かつてK国の政府高官が、ズバリ、「皇居」と断言したことがある。
核兵器を搭載しているかどうかは、わからないが、(またその可能性は小さいが)、
油断は禁物。
K国にしてみれば、自国のミサイルの性能を誇示するために、もっとも象徴的意味
のある目標ということになれば、皇居。
静岡や北海道ではない。
大阪や九州でもない。
公式には、日本とK国は、いまだに(戦争状態)にある……ということになっている。
だから、皇居ということになる。
が、日本としては、それをぜったいに許してはならない。
仮に皇居にミサイルが撃ち込まれたとするなら、(載っているのが、ただのカラ弾頭であっ
たとしても)、日本経済はその瞬間から、大混乱する。
株価はもちろん下落。
一気にドル高、円安が進み、外資は逃避する。
では、どうするか?
方法は2つしかない。
(1)日本がミサイルを迎撃する。
(2)迎撃できないなら、完全に無視する。
どちらも今の日本にとっては、むずかしい。
となると、残された道は、ただひとつ。
K国を、テロ国家として、兵糧攻めにする。
中国や韓国はそれに応じないだろうが、国際世論が熱いうちに、一気にそれを推し進める。
日本にそれだけの外交能力があるかどうかは疑わしいが、今から準備しておけば、
まだ間に合う。
ただひとつ心配な点もある。
K国の核兵器開発について、「小型核なら、20発前後もっている」という説もある。
読売新聞は、つぎのように伝える。
『韓国国会国防委員会のキム委員長は2月16日、ソウル市内で開かれた国防研究院主催
の討論会で、北朝鮮が保有する核爆弾(弾頭)の数について、20個以上に上る可能性が
あるとの見方を示した』と。
もしそうなら、日本の兵糧攻めに対して、K国が小型核を使って報復してくる可能性も
出てくる。
何もミサイルだけが運搬方法ではない。
漁船だってある。
戦闘機だってある。
さらに日本海側には、日本の原子力発電所がズラリと並んでいる。
もしこれらのひとつでも、ミサイルで破壊されたら、日本列島の何分の1かは、
人が住めなくなる。
K国はそれを熟知しているから、ますます強気で出てくる。
日本はますます弱腰になる。
なお誤解してはいけないことがある。
ほとんどの人は、「日本有事の際には、アメリカ軍が助けてくれる」と考えている。
しかしアメリカ政府には、最初からそんな意図は、みじんもない。
コブラボールを派遣したのも、ミサイルの迎撃態勢をとったのも、それは純粋に、
母国アメリカを守るためである。
あえて言うなら、同じ型のミサイルをもつイランへのけん制という意味はある。
それだけに今回のクリントン国務大臣の訪日は、重要な意味をもつ。
が、あのAS首相に、そこまで話し込む外交的技量は、期待できそうもない。
何しろ日本を代表する「おバカ首相」(週刊文春ほか)。
私も若いころ通訳として働いたことがあるが、ああいう人物の通訳は、むずかしい。
何しろ、日本語そのものが、こわれている。
危うし、日本!、……ということになるが、私がここに書いたことが、杞憂であれば、
幸いである。
最後に一言。
ひょっとしたら、ひょっとして、K国は、人工衛星の打ち上げにロケットを
使うかもしれない。
イランはその方法で、自国のロケット技術を誇示した。
そのイランの技術者がK国に入ったという情報もある。
K国も、「宇宙開発は、世界各国の共通の権利である」というような声明を、
数日前に出している。
まっすぐ宇宙を目指せば、宇宙ロケット。
途中で軌道を東に向ければ、大陸間弾道ミサイル。
その瞬間に、極東アジアの命運は決まる。
(補記)東京都の石原都知事は、迎撃ミサイル・パトリオットを、皇居周辺に配備すべき
と主張している。今回はともかくも、次回は、みな、それを望むようになるだろう。
しかし誤解してはいけないのは、現在は電子戦の時代である。
ミサイルというのは、第二次大戦中のドイツのV2ロケットとちがい、精密な電子誘導で
飛ぶ。
ミサイル自体も、電波を発信しながら飛ぶ。
この電波をかく乱したり、妨害したりすることによって、ミサイルを迎撃するという
方法もある。
この分野では、日本は先進国なのだから、そういった方法で迎撃するということも、
当然考えているはず。
ミサイルの迎撃はそんなに簡単ではないし、また私たちが考えるほど、
単純なものではない。
Hiroshi Hayashi++++++++Feb. 09++++++++++++はやし浩司
●公務員制度改革案(Restricrtion Law against Public Officers’ Post-Retiement Jobs)
++++++++++++++++++
この場に及んで、人事院が、公務員制度改革法案に対して、
猛烈な巻き返し、つまり抵抗運動を繰り広げている。
人事院が反対するということは、今回の法案は、それだけ
中身があるということ。
ぜひ、来月(3月)10日までに関連法案を国会に提出し、
法案の成立をめざしてほしい。
++++++++++++++++++
●法案の骨抜き
あれほどまで法案成立に協力的だった人事院が、この場に及んで、猛烈な抵抗運動を
繰り広げ始めた。
協力的だったのは、骨抜き法案にするためだった。
今回の公務員改革法は、今まで人事院が取り仕切っていた機能を、
内閣官房に移管しようというもの。
闇に包まれていた、天下りや「渡り」を公の監視制度の下に置こうというが、
その骨子である。
その法案に、なぜ人事院が協力的だったか?
理由は明白。
内閣官房の中に設置する(新機関)の中身を、形骸化するためである。
わかりやすく言えば、職員は、各省庁からあがってきた職員にする。
人員は、多くても10人前後にする。
しかしそんな組織で、中立・公平性が保てるわけがない。
またそんな少人数で、何万人もの人事を管理できるわけがない。
(新機関)は、下(=各省庁)からあがってきた報告書を、「ホッチキスで止めるだけ」
(某週刊誌記者)の組織になってしまう。
が、それこそが、人事院の(ねらい)であった。
だから協力的だった。
が、ここにきて、人事院のねらいどおりに、ことが運ばなくなってきた。
その気配が濃厚になってきた。
そこで「猛烈な抵抗運動」となった。
●後付け理由
人事院の言い分は、こうだ。
が、その前に、これだけは、説明しておかねばならない。
公務員というのは、憲法に保障されている、労働基本権の制約を受けている。
たとえばストライキなどをして、生活の資質向上などを、訴えることができない。
そこでそれにかわる、いわば補償機関として、人事院がある。
人事院は、政府から独立性をもった中央人事行政機関と考えるとわかりやすい。
たとえば公務員の給料などは、人事院の勧告に従って、政府が決定する。
もう少しかみくだいて説明すると、こうだ。
公務員は、「給料をあげろ」というストライキができない。
そこでそのかわり、独立性をもった(?)、人事院にそのつど判断してもらうことに
よって、給料をあげてもらう。
しかし現在の人事院が、「中立・公正性」を保っているというのは、ウソ!
そのことはたとえば、現在の人事院・谷総裁の経歴をみてもわかるはず。
谷総裁は、1964年に旧郵政省に入省。
98年に事務次官。
退官後、財団法人郵便貯金振興会理事長、JSAT(ジェイサット)会長。
そのあと2004年に、人事官となり、2006年4月から、現在の人事院
総裁に就任。
わかるかな~~~~?
人事院の総裁自身が、元郵政省の官僚。
退職後は、「渡り」を繰り返した。
そしてその人物が、現職の人事院総裁!
こんなバカげた「中立・公正」があるか!
その谷総裁がこう叫ぶ(中日新聞・2月15日)。
「(人事院は)現在は制約がある労働基本権の代償という憲法の要請にかかわる機能を担う。
今回は、そうした議論がないまま、人事院の基本的な性格にかかわる変更を行おうと
している(だから反対)」と。
労働基本権ねえ~~~~?
労働基本権の代償ねえ~~~~?
そういう言葉は、この大不況の中で、明日の生活費もままならない人に向って、使って
ほしい。
天下りを数回繰り返すだけで、数億円も退職金を手にする官僚に、労働基本権とは!
谷総裁自身も、記事の中で、こう認めているではないか。
「(渡りについて)、行き過ぎている面もあった」と。
私たちは、その(生き過ぎている面)を問題にしているのである。
それを労働基本権を盾にとって、抵抗運動とは?
さらに谷総裁は、こう心配する。
「(給与改定を内閣に勧告する)人事院勧告制度が有名無実になる恐れがある」と。
有名無実ねえ~~~~?
現在、公務員の人件費だけで、38兆円(年間)あまり。
その額は、日本の国家税収の額とほぼ同じ(国家税収は、40~42億円)。
この大不況下にあって、元公務員たちは、みな、こう言っている。
「公務員をしていてよかった」と。
一方現職の公務員たちも、みな、こう言っている。
「公務員でよかった」と。
何も1人ひとりの公務員の人たちに、責任を感じろと言っているのではない。
私は制度がおかしいと言っている。
制度の運用の仕方がおかしいと言っている。
都合のよいときだけ、憲法をもちだす。
労働基本権をもちだす。
ずるいぞ!
谷総裁は、「公務員改革のあるべき姿は?」という記者の質問に対して、
こう答えている。
「制度だけつくっても、運用が直らなければ、改革の目的は達せられない。
運用がどうしても直らないのが、今までの実態だ。
制度、運用、公務員の自覚、この3点を同時に直すことが必要」(同紙)と。
この意見にはまったく、賛成。
が、郵政事務次官から天下り、渡りを繰り返した当の人物が、そう言うのだから
恐ろしい!
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司
公務員制度改革法案 公務員制度改革法 人事院 人事院総裁 労働基本権 人事院勧
告)
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少し前に書いた、関連記事を再度、掲載します。
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●官僚天下り、首相が承認(?)
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政府は18日(12月)、省庁による
天下りあっせんを承認する「再就職
等監視委員会」の委員長ポストが定まらない
ことを受けて、監視委員会に代わって、
AS首相が承認する方針を固めたという
(中日新聞・08・12・19)。
これは官僚の天下りが事実上できなくなっている
状況を回避するためという(同)。
そしてその結果、「……実際には、内閣府
職員に首相の職務を代行させるという」(同)と。
++++++++++++++++++
わかりやすく言えば、AS首相は、「天下り監視センター(正式名:官民
人材交流センター)」を、官僚たちに(=内閣府)に丸投げした。
理由は、委員長が決まらないため、とか?
(委員長人事については、M党が、反対している。)
つまりそれまでの(つなぎ)として発足した「監視委員会」を、事実上、
ギブアップ。
AS首相は、各省庁からあがってくる書類を、ホッチキスで留めるだけ。
それだけの委員会にしてしまった。
つまり「監視」などというのは、まさに「形」だけ。
だったら、何をもって、「監視」というのか?
官僚たちは、今までどおり、何の監視も、制約も受けず、堂々と天下り
できることになる。
しかも表向き、「監視委員会のお墨付き」という、天下の通行手形まで
手にすることができる。
「オレたちは、ちゃんと監視委員会の承諾を得て、天下りしている」と。
しかしこんなバカげた話が、どこにあるのか!
(08年12月19日記)
(付記)AS首相の支持率が、今朝(12月20日)の新聞によれば、
17%前後まで、急落したという。
当然である。
(08年12月記)
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同じころ書いた記事をもうひとつ。
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●どうなる内閣人事局(Bureaucratic Government)
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官僚たちの天下りにメスを入れ、それを
一元的に管理することによって、天下りを
是正しようとして考えられたのが、
内閣人事局。
しかし今、その内閣人事局が、まさに
骨抜きにされようとしている。
++++++++++++++++++++
今までは、各省庁ごとに、いわば縦割り的に、
かつ慣習的に(官僚の天下り)が、なされてきた。
たとえば文科省だけでも2000近い、外郭団体がある。
官僚たちは退職すると、(あるいはそれ以前から)、
こうした天下り先を渡り歩くことで、莫大な
利益を得ていた。
が、それではいけないと、安倍内閣、福田内閣の両内閣は、
新しい人事院の創設をもくろんだ。
「内閣人事局」構想というのが、それである。
内閣人事局というのは、各省庁の幹部人事を、一元的に
管理し、それによって、従来の天下りにともなう
弊害をなくそうという趣旨で考えられた。
つまり一度、すべての天下り先を人事局に集め、
適材適所で人材を再配置しよう、と。
しかしこれが実施されると、各省庁は、独自の
天下り先(=権益)を失うことになる。
そこで官僚たちによる逆襲が始まった(?)。
その目的とするところは、内閣人事局の骨抜き。
その中身は、大きく、つぎの2つに分けられる。
(1)事実上、内閣人事局を、官僚主導型の組織にする。
(2)内閣人事局の人員を最小限(10人~20人)にし、ただ単なる
事務組織にする。
内閣人事局を官僚主導型の組織にすれば、従来通りの天下りが可能になる。
また組織を小さくすればするほど、組織はただ単なる事務機関にする
ことができる。
そういう点では、AS総理は、まことに都合がよかった。
ちまたでは「おバカ総理」(週刊B春)と、揶揄(やゆ)されている。
官僚の言いなり……とまではいかないにしても、あのAS総理に、
そこまで期待する方が無理。
新聞などの報道を見ていても、AS総理周辺からは、公務員制度改革
の「コ」の字も聞こえてこない。
そういうAS総理を横目で見ながら、官僚たちが、「一刻も早く」と、
内閣人事院の創設を急ぎ始めている。
たとえば内閣人事院の創設を目的とする作業部会は、ほぼ1日おきという
ハイペースで行われている(08年11月)。
内閣人事院の創設に反対なら、急ぐ必要はないはず(?)。
この一見すると矛盾した動きこそが、官僚が得意とする、お家芸である。
急げば急ぐほど、いいかげんなものができる。
その(いいかげんさ)こそが、官僚にとっては、重要なのである。
幹部人事の一元化はどうする?
給与の弾力化はどうする?
昇格、降格人事はどうする?
人事の配分はどうする?
だれがどういう基準で決める?
そういう議論はいっさい、すっ飛ばして、内閣人事院の誕生!
作業部会にしても、計8回、延べ20時間程度行われただけ。
が、それこそまさに官僚たちの思うつぼ。
週刊誌などの記事によると、内閣人事院の人員は、10人程度。
多くても20人程度とささやかれている。
たったそれだけの人員で、巨大な官僚組織の人事を管理できるわけがない。
つまり(できるわけがない)という組織にすることが、官僚たちの
目的ということになる。
日本は奈良時代の昔から、官僚主義国家。
少しぐらいつついた程度では、ビクともしない。
改めて官僚たちのもつ(力)に驚く。
(08年12月18記)
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司
内閣人事局 官僚制度 天下り)
Hiroshi Hayashi++++++++Feb. 09++++++++++++はやし浩司
●眠った置き物
あれこれと置き物が並べてある家がある。
代々とつづいた旧家と言われる家に、そういった家が多い。
鉄製のものであったり、陶器製のものであったりする。
木彫りのものも、多い。
私も若いころは、そういうものを好んで買い求めた。
原石、絵画、彫り物などなど。
外国へ行くたびに、一品豪華主義というか、一品だけ、高価なものを
買い求めるのが、私のやり方だった。
しかしあるときから、パタリと買うのをやめた。
そして今は、「そんなもの、あってもしかたない」というふうに考えるようになった。
どうしてこんなに変わったのだろう?
ひとつには、そういうものは財産にならない、と考えが生まれた。
買うのは簡単だが、売るのはむずかしい。
少なくとも、元の値段では売れない。
つぎにこうした置き物は、見る人がいて、話題になってはじめて価値が出る。
見る人もいない。
価値のわかる人もいない。
であるとするなら、何のための置き物か、ということになる。
もちろんそれなりに意味のあるものなら、価値もある。
それでも、売り先を見つけるのは、むずかしい。
それにこんなこともある。
私は30代のころ、年に2~3度は、パソコンを買い換えた。
今より値段がずっと高かった。
NECのパソコン(98シリーズ)にしても、当時、40~50万円はした。
しかしそんなパソコンでも、1、2年もすると、すぐ使い物に
ならなくなってしまった。
よく覚えているのは、当時、Uシリーズというのが出たときのこと。
やや小型で、使いやすそうだった。
値段はやはり40万円前後だった。
で、私はそれで、当時始まったばかりの、パソコン通信というのを始めた。
パソコン通信というのは、現在のインターネットの先駆けようなもの。
が、送受信できるのは、文字情報のみ。
ひらがなか、カタカナ、あるいは英文字と数字のみだった。
やっと漢字の送受信ができるようになったかな、という時代である。
私はそれに挑戦してみたくなった。
が、何度ショップに足を運んでも、それはできなかった。
Uシリーズでは、それができないと、やがて知った。
で、また新しいパソコンを買うハメに!
……というようなことを繰り返してきたので、「何が置き物だ」という
ようになってしまった。
いや、パソコンと置き物は、直接的には関係ない。
しかし置き物も、少しよいものになると、それくらいの値段はした。
が、パソコンは、数年もすると、ガラクタ。
置き物は、ずっとそのまま。
だからパソコンを買うのは無駄と書いているのではない。
私が書きたいのは、その逆。
パソコンは今も昔も、(生きた置き物)。
一方、床の間に飾るような置き物は、(眠った置き物)。
人生も永遠であれば、また私の家も代々とつづくというのであれば、
(眠った置き物)でも、それなりの価値はあるのかもしれない。
しかしだからといって、それがどうなのか?
ここに40万円の現金があるなら、私はそれで(生きた置き物)を買いたい。
何もパソコンにかぎらない。
……とまあ、そういう(思い)が、積もり積もって、冒頭に書いたような
(思い)となっていった。
「そんなもの、あってもしかたない」と。
そうそう、モノの虚しさは、母を通して知った。
私の母は、人一倍というか、あの時代の人の常として、モノにこだわった。
モノ、イコール、財産と考えていた。
猛烈なインフレがつづいていた。
だからあの時代の人たちは、よけいに、モノにこだわった(?)。
そんな母でも、死ぬときは、身の回りには、何枚かの衣類と、コップ類しかなかった。
で、今は、そのあと片づけをしている段階だが、あまりのモノの多さに困っている。
花瓶だけでも、20個前後もある。
掛け軸だけでも、10本以上。
置き物を並べたら、八畳間がいっぱいになってしまった。
それなりに価値のあるものなら、まだよい。
しかしほとんどは、価値のないものばかり。
一部を業者に見てもらったが、「全部で、1~2万円というところですかねエ」と。
そう言われて、私はそのまま引き下がってしまった。
しょせん、(眠った置き物)というのは、そういうもの。
『お金というのは、そのときの自分を生かしてはじめて、生きる』と。
英語で言えば、『Money can be alive when it makes us be alive.』ということか。
今、自分で、それを発見した。
Hiroshi Hayashi++++++++FEB. 09++++++++++++はやし浩司
●「笑っちゃうくらいあきれる」首相(Ass-Hoxx Prime Minister of Japan)
+++++++++++++++++++++++
歴代の首相の中で、現在のAS首相ほど、「笑っちゃうくらいあきれる」
首相はいない。
本当に、あきれるくらい笑っちゃう(小泉元首相)。
ことの発端は、こうだ。
あのおバカ首相がこう言った。
郵政民営化法案について、「私は賛成していたわけではない」と。
AS首相は、郵政民営化法案を見直しすると言い出した。
郵政族に押されての発言だった。
が、たとえそうであっても、同じ与党の元総理が、一度決めたことを
このような形で否定することは許されない。
政権党首としての一貫性がないばかりか、無責任そのもの。
無責任きわまりない。
しかも当時、AS氏は、閣僚の一人として、小泉政権の一角を担っていた。
「おバカ」「おバカ」と揶揄(やゆ)されているが、私はAS首相の脳みそ、
そのものを疑っている。
冗談ではなく、本気で疑っている。
一国の首相たる人物なのだから、一度脳ドックで検診を受けてみるべきではないのか。
+++++++++++++++++++++++++
以前、AS氏が外務大臣に起用されたとき、私はわが耳を疑った。
「どうしてあんな人物が?」と。
そしてそのあと、今度は、総理大臣に!
ほんの少しでも人を見る目があったら、AS氏など、外務大臣なんかに起用しないはず。
いわんや、総理大臣になんかにしない。
が、その見る目がなかった。
AS氏は、主に若者たちの支持を取りつけ、総理大臣の地位に就いた。
そして今が、その結果。
国民にマネーをバラまくという、馬鹿げた法案を通すために躍起になっている。
参院で否決されても、衆院で3分の2の賛成を得て、法案を通すという。
それについても小泉元首相は、「そんなことまでして通さなければならない法案か」と
かみついた。
まさに同感である。
アメリカへ行っては、おべんちゃらを言い、東南アジアへ行っては、金をばらまく。
AS首相は、日本や日本人のイメージを、メチャメチャにしてしまった。
ちなみに、「アソ」という言葉の意味を、英語国から来た外人に聞いてみるとよい。
「アッソァ」というような発音に似せて、「アソ」と言ってみたらよい。
ただし、あなたはその場で、相手の外人に殴り倒されるかもしれない。
聞くとしても、慎重に!
自民党というより、政治家のレベルの低さを、今回ほど見せつけられたことはない。
同じ日本人として、なさけないと思う前に、本当に、本当に、あきれるほど笑っちゃう。
【4】(子育て危険度)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
(一部を紹介します。もっと読んでくださる方は……
http://hiroshihayashi9.ninja-web.net/page012.html#label1
へ、おいでください。)
部屋の中はまるでクモの巣みたい!
砂糖は白い麻薬(失敗危険度★★)
●独特の動き
キレるタイプの子どもは、独特の動作をすることが知られている。動作が鋭敏になり、
突発的にカミソリでものを切るようにスパスパとした動きになるのがその一つ。
原因についてはいろいろ言われているが、脳の抑制命令が変調したためにそうなると考
えるとわかりやすい。そしてその変調を起こす原因の一つが、白砂糖(精製された砂糖)
だそうだ(アメリカ小児栄養学・ヒューパワーズ博士)。つまり一時的にせよ白砂糖を多
く含んだ甘い食品を大量に摂取すると、インスリンが大量に分泌され、そのインスリン
が脳間伝達物質であるセロトニンの大量分泌をうながし、それが脳の抑制命令を阻害す
る、と。
●U君(年長児)のケース
U君の母親から相談があったのは、四月のはじめ。U君がちょうど年長児になったとき
のことだった。母親はこう言った。「部屋の中がクモの巣みたいです。どうしてでしょ
う?」と。U君は突発的に金きり声をあげて興奮状態になるなどの、いわゆる過剰行動
性が強くみられた。このタイプの子どもは、まず砂糖づけの生活を疑ってみる。聞くと
母親はこう言った。
「おばあちゃんの趣味がジャムづくりで、毎週そのジャムを届けてくれます。それで残
したらもったいないと思い、パンにつけたり、紅茶に入れたりしています」と。そこで計
算してみるとU君は一日、一〇〇~一二〇グラムの砂糖を摂取していることがわかった。
かなりの量である。そこで私はまず砂糖断ちをしてみることをすすめた。が、それからが
たいへんだった。
●禁断症状と愚鈍性
U君は幼稚園から帰ってくると、冷蔵庫を足で蹴飛ばしながら、「ビスケットをくれ、ビ
スケットをくれ!」と叫ぶようになったという。急激に砂糖断ちをすると、麻薬を断った
ときに出る禁断症状のようなものがあらわれることがある。U君のもそれだった。夜中に
母親から電話があったので、「砂糖断ちをつづけるように」と私は指示した。が、その一週
間後、私はU君の姿を見て驚いた。U君がまるで別人のように、ヌボーッとしたまま、ま
ったく反応がなくなってしまったのだ。何かを問いかけても、口を半開きにしたまま、う
つろな目つきで私をぼんやりと私を見つめるだけ。母親もそれに気づいてこう言った。「や
はり砂糖を与えたほうがいいのでしょうか」と。
●砂糖は白い麻薬
これから先は長い話になるので省略するが、要するに子どもに与える食品は、砂糖のな
いものを選ぶ。今ではあらゆる食品に砂糖は含まれているので、砂糖を意識しなくても、
子どもの必要量は確保できる。ちなみに幼児の一日の必要摂取量は、約一〇~一五グラ
ム。この量はイチゴジャム大さじ一杯分程度。もしあなたの子どもが、興奮性が強く、
突発的に暴れたり、凶暴になったり、あるいはキーキーと声をはりあげて手がつけられ
ないという状態を繰り返すようなら、一度、カルシウム、マグネシウムの多い食生活に
心がけながら、砂糖断ちをしてみるとよい。効果がなくてもダメもと。砂糖は白い麻薬
と考える学者もいる。子どもによっては一週間程度でみちがえるほど静かに落ち着く。
●リン酸食品
なお、この砂糖断ちと合わせて注意しなければならないのが、リン酸である。リン酸食
品を与えると、せっかく摂取したカルシウム分を、リン酸カルシウムとして体外へ排出
してしまう。と言っても、今ではリン酸(塩)はあらゆる食品に含まれている。たとえ
ば、ハム、ソーセージ(弾力性を出し、歯ごたえをよくするため)、アイスクリーム(ね
っとりとした粘り気を出し、溶けても流れず、味にまる味をつけるため)、インスタント
ラーメン(やわらかくした上、グニャグニャせず、歯ごたえをよくするため)、プリン(味
にまる味をつけ、色を保つため)、コーラ飲料(風味をおだやかにし、特有の味を出すた
め)、粉末飲料(お湯や水で溶いたりこねたりするとき、水によく溶けるようにするため)
など(以上、川島四郎氏)。かなり本腰を入れて対処しないと、リン酸食品を遠ざけるこ
とはできない。
●こわいジャンクフード
ついでながら、W・ダフティという学者はこう言っている。「自然が必要にして十分な食
物を生み出しているのだから、われわれの食物をすべて人工的に調合しようなどという
ことは、不必要なことである」と。つまりフード・ビジネスが、精製された砂糖や炭水
化物にさまざまな添加物を加えた食品(ジャンク・フード)をつくりあげ、それが人間
を台なしにしているというのだ。「(ジャンクフードは)疲労、神経のイライラ、抑うつ、
不安、甘いものへの依存性、アルコール処理不能、アレルギーなどの原因になっている」
とも。
●U君の後日談
砂糖漬けの生活から抜けでたとき、そのままふつう児にもどる子どもと、U君のように
愚鈍性が残る子どもがいる。それまでの生活にもよるが、当然のことながら砂糖の量が多
く、その期間が長ければ長いほど、後遺症が残る。
U君のケースでは、それから小学校へ入学するまで、愚鈍性は残ったままだった。白砂
糖はカルシウム不足を引き起こし、その結果、「脳の発育が不良になる。先天性の脳水腫
をおこす。脳神経細胞の興奮性を亢進する。痴呆、低脳をおこしやすい。精神疲労しや
すく、回復がおそい。神経衰弱、精神病にかかりやすい。一般に内分泌腺の発育は不良、
機能が低下する」(片瀬淡氏「カルシウムの医学」)という説もある。子どもの食生活を
安易に考えてはいけない。
はやし浩司+++++++++++++++++Hiroshi Hayashi
こちらの頭のほうがヘンになる
イメージが乱舞する子ども(失敗危険度★★★)
●収拾がつかなくなる子ども
「先生は、サダコかな? それともサカナ! サカナは臭い。それにコワイ、コワイ…
…、ああ、水だ、水。冷たいぞ。おいしい焼肉だ。鉛筆で刺して、焼いて食べる……」と、
話がポンポンと飛ぶ。頭の回転だけは、やたらと速い。まるで頭の中で、イメージが乱舞
しているかのよう。動作も一貫性がない。騒々しい。ひょうきん。鉛筆を口にくわえて歩
き回ったかと思うと、突然神妙な顔をして、直立! そしてそのままの姿勢で、バタリと
倒れる。ゲラゲラと大声で笑う。その間に感情も激しく変化する。目が回るなんていうも
のではない。まともに接していると、こちらの頭のほうがヘンになる。
多動性はあるものの、強く制止すれば、一応の「抑え」はきく。小学二、三年になると、
症状が急速に収まってくる。集中力もないわけではない。気が向くと、黙々と作業をする。
三〇年前にはこのタイプの子どもは、まだ少なかった。が、ここ一〇年、急速にふえた。
小一児で、一〇人に二人はいる。今、学級崩壊が問題になっているが、実際このタイプの
子どもが、一クラスに数人もいると、それだけで学級運営は難しくなる。あちらを抑えれ
ばこちらが騒ぐ。こちらを抑えればあちらが騒ぐ。そんな感じになる。
●崩壊する学級
「学級指導の困難に直面した経験があるか」との質問に対して、「よくあった」「あった」
と答えた先生が、六六%もいる(九八年、大阪教育大学秋葉英則氏調査)。「指導の疲れか
ら、病欠、休職している同僚がいるか」という質問については、一五%が、「一名以上いる」
と回答している。そして「授業が始まっても、すぐにノートや教科書を出さない」子ども
については、九〇%以上の先生が、経験している。ほかに「弱いものをいじめる」(七五%)、
「友だちをたたく」(六六%)などの友だちへの攻撃、「授業中、立ち歩く」(六六%)、「配
布物を破ったり捨てたりする」(五二%)などの授業そのものに対する反発もみられるとい
う(同、調査)。
●「荒れ」から「新しい荒れ」へ
昔は「荒れ」というと、中学生や高校生の不良生徒たちの攻撃的な行動をいったが、そ
れが最近では、低年齢化すると同時に、様子が変わってきた。「新しい荒れ」とい言葉を使
う人もいる。ごくふつうの、それまで何ともなかった子どもが、突然、キレ、攻撃行為に
出るなど。多くの教師はこうした子どもたちの変化にとまどい、「子どもがわからなくなっ
た」とこぼす。
日教組が九八年に調査したところによると、「子どもたちが理解しにくい。常識や価値観
の差を感ずる」というのが、二〇%近くもあり、以下、「家庭環境や社会の変化により指
導が難しい」(一四%)、「子どもたちが自己中心的、耐性がない、自制できない」(一〇%)
と続く。そしてその結果として、「教職でのストレスを非常に感ずる先生が、八%、「か
なり感ずる」「やや感ずる」という先生が、六〇%(同調査)もいるそうだ。
●原因の一つはイメージ文化?
こうした学級が崩壊する原因の一つとして、(あくまでも、一つだが……)、私はテレビ
やゲームをあげる。「荒れる」というだけでは、どうも説明がつかない。家庭にしても、昔
のような崩壊家庭は少なくなった。むしろここにあげたように、ごくふつうの、そこそこ
に恵まれた家庭の子どもが、意味もなく突発的に騒いだり暴れたりする。そして同じよう
な現象が、日本だけではなく、アメリカでも起きている。実際、このタイプの子どもを調
べてみると、ほぼ例外なく、乳幼児期に、ごく日常的にテレビやゲームづけになっていた
のがわかる。ある母親はこう言った。「テレビを見ているときだけ、静かでした」と。「ゲ
ームをしているときは、話しかけても返事もしませんでした」と言った母親もいた。たと
えば最近のアニメは、幼児向けにせよ、動きが速い。速すぎる。しかもその間に、ひっき
りなしにコマーシャルが入る。ゲームもそうだ。動きが速い。速すぎる。
●ゲームは右脳ばかり刺激する
こうした刺激を日常的に与えて、子どもの脳が影響を受けないはずがない。もう少しわ
かりやすく言えば、子どもはイメージの世界ばかりが刺激され、静かにものを考えられな
くなる。その証拠(?)に、このタイプの子どもは、ゆっくりとした調子の紙芝居などを、
静かに聞くことができない。浦島太郎の紙芝居をしてみせても、「カメの顔に花が咲いてい
る!」とか、「竜宮城に魚が、おしっこをしている」などと、そのつど勝手なことをしゃべ
る。一見、発想はおもしろいが、直感的で論理性がない。ちなみにイメージや創造力をつ
かさどるのは、右脳。分析や論理をつかさどるのは、左脳である(R・W・スペリー)。テ
レビやゲームは、その右脳ばかりを刺激する。こうした今まで人間が経験したことがない
新しい刺激が、子どもの脳に大きな影響を与えていることはじゅうぶん考えられる。その
一つが、ここにあげた「脳が乱舞する子ども」ということになる。
学級崩壊についていろいろ言われているが、一つの仮説として、私はイメージ文化の悪
弊をあげる。
はやし浩司+++++++++++++++++Hiroshi Hayashi
妻の身分も夫しだい!
銀行寮の掟(おきて)(失敗危険度★★)
●ある銀行の現実
ここは県庁所在地になっているS市の郊外。不況、不況と言われながらも、大銀行だけ
は別。家族寮なども、ちょっとしたホテル並の豪華さを誇る。そこでのこと。部長の息子
と、課長の息子が同じ中学を受験することになった。こういうとき、部長の息子が落ちて、
課長の息子が合格したりすると、さあたいへん。課長の息子は入学を辞退するか、その寮
を出なければならない。私が「何もそこまで……」と言うと、ある母親はこう言った。「そ
れは現実を知らない人の言うことです」と。
●夫たちの地位で妻の地位も決まる
何でもその家族寮では、夫たちの地位に応じて妻たちの地位も決まるという。会合でも、
中央にデ~ンと座るのが、部長の妻。あとはそれに並んで、次長、課長とつづく。ヒラの
妻は一番ハシ。年齢や教養には関係ない。もちろん容姿も関係ない。また廊下ですれちが
うときもそうだ。相手がどんなに若くても、相手がどんなにそうするにふさわしくない女
性(失礼!)でも、夫の地位が自分の夫の地位よりも高いときには、道をあけなければな
らない。
「そういう世界だから、どの母親も、子どもの受験にはピリピリです」と。具体的には
こうだ。まず上司の息子や娘と同じ学校は受験しない。上司の息子や娘が不合格になった
学校は受験しない。受験する学校の名前は最後の最後まで秘密にする、と。
●日本人独特の上下意識
……私はこの話を聞いたとき、別のところで、「こんなことをしているから日本の銀行は、
国際競争力をなくした」と思った。日本人のほとんどは、日本は先進国だと思っている。
たしかに豊かで、経済力はある。しかしその中身といえば、アフリカの××部族のそれと
それほど違わない。少なくとも、世界の人はそう見ている。日本の社会の中にどっぷりと
つかっている人には、それがわからない。その一つが、日本人独特の上下意識。日本人は
たった一年でも先輩は先輩、後輩は後輩と考える。そしてその間にきびしい序列をつける。
言いかえると、こうした意識があるかぎり、日本はいつまでも奇異な目で見られる。日本
異質論は消えない。
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