Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Wednesday, December 15, 2010

●子どもを非行から守るために、心の抵抗力

【子どもを非行から守る法】

●時事・雑感(Yahoo Newsより)


●性描写漫画の規制条例が成立(東京都)(注※1)


 石原都知事が言っているように、こんなことは、当たり前。
石原都知事は、こう言った。「当たり前。日本人の良識だ。
子どもにあんなものを見せられるのか」と。


ただし今となっては、焼け石に水。
手遅れ。
子どもたちの世界は、さらにその先に進んでいる。
漫画やアニメではなく、そのものズバリのDVDを見ている。


 また近くに高校があるが、日暮れ時になると、目のやり場に困る。
高校生たちが、木陰の隅のあちこちで抱き合っている。
少し前までは、まだ隠れながらしていた。
が、今は、堂々というか、車のライトに照らされても、平気。


 で、その話を、ある中学校教師(中高一貫校)に話すと、こう言った。
「ここ数年、さらに低年齢化してますよ」と。
驚いていると、「放課後なんか、使われていない部屋や道具置き場は、ラブホテル
みたいです」とも。
ほとんどの男子高校生は、コンドームを持ち歩いている。
携帯電話と同じ。
必携品。
「何も今さら……」というのが、私の実感。


 こうした規制は、20年近く前、「PT」という女子向き雑誌が、
国会で問題になったとき、しておくべきだった。
が、これに対して、いくつかの団体が、猛反発。
「表現の自由、言論の自由の侵害」「捜索活動を萎縮させる」と。


 しかしこういうのを、表現の自由とは言わない。
言論の自由を盾に取って守らなければならない、自由でもない。
むしろ逆。
表現の自由とか、言論の自由とか、そういう言葉を使って、自分たちの
醜い商業主義をカモフラージュしているだけ。


 日本には、モラル、哲学、宗教がない。
ないから、法律で規制するしかない。
たとえば援助交際にしても、話題にのぼらなくなったのは、それがなくなったからでは
ない。
あまりにも日常的になり過ぎたからにほかならない。
それがわからなければ、その時間帯(夕暮れ時)に、コンビニをのぞいてみること。
コンビニが待ち合わせ場所になっている。
携帯電話を片手に、女子中学生や高校生が、あやしげな車につぎつぎと乗り込んでいく。


 世界でも、ここまで退廃した国は、そうはない。


+++++++++++++以下、Yahoo Newsより++++++++++++


(注※1)【性描写漫画の規制条例が成立】=付帯決議で「慎重な運用を」


 過激な性描写のある漫画やアニメの販売規制を目的に、東京都が12月議会に提出していた青少年健全育成条例改正案が、15日の都議会本会議で民主、自民、公明各党の賛成多数により可決、成立した。ただ、「創作活動を萎縮させる」との指摘もあるため、条例の慎重な運用を求める付帯決議も行った。条例は来年7月1日までに施行される。共産党と生活者ネットワーク・みらいは反対した。


+++++++++++++以上、Yahoo Newsより++++++++++++


●では、どうすれなよいか


 こうした風潮を改めるには、つまりあなたの子どもをこうした風潮から守るためには、
方法は、ただひとつ。
子どもに心の抵抗力をつける。
方法は簡単。
子どもに夢と希望をもたせ、その先に目標をもたせる。


 わかりやすく言えば、子どもが好きなことをできる環境を用意する。
それについては、何度も書いてきたので、その原稿を、このあとに添付する。
が、残念なことに、現在の教育環境は、子どものもつ多様性に答えるしくみになって
いない。
「学校以外に道はなく、学校を離れて、夢や希望を育てる方法もない」。
どうして欧米がみなしているように、教育を自由化しないのか。
多様な教育方法を認めないのか。
たとえばドイツやフランスでは、子どもたちはみな、クラブに通っている。
いろいろなクラブがある。
英数国社理のような基本科目は、学校で教えればよい。
しかしそれ以外の科目は、民間に任せればよい。


 私が言う「自由化」というのは、それをいう。
何も学校を解体せよと言っているのではない。


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心の抵抗力について書いた
原稿をさがしてみました。
2007年10月に書いた原稿です。


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【心を支える、3つの物語】
2006年5月期、講演レジュメ(要旨)より


●私が「私」であるためには、3つの柱が必要です。


(1)(したいこと)を、現実に(している)という実感、つまりは自我の同一性
(2)「いつも、私は、私でいられる」という連続性、一貫性
(3)他者との関係で、いつも良好な人間関係をもつことができるという社会性。


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  「したいことをする」という姿勢の中から、夢や希望、それに目標が生まれます。自分の描いた自己概念と、現実の自分が一致している。それが「私」でいるための第一条件ですね。
  つぎに、どんなばあいも、私は、自分でいられる。動じない。それが「私」ということになります。
  また「私」は、いつも、社会というカガミの中で、映し出されます。そもそも社会性をもたない「私」は、私ではないということです。
  今回は、これら3つの柱を中心に、時間が許すかぎり、私の個人的な過去もふまえて、子どもの心を伸ばす、3つの物語を、みなさんに、お伝えしたいです。どうか、よろしくお願いします。


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【意外とシンプルな、心をはぐくむメカニズム】


●(自分のしたいことをする)……それが子ども自身を伸ばす原動力となります。
●(したいこと)をしている子どもは、生き生きとしています。夢や希望もそこから生まれ、その先には、目標が生まれます。
●子どもを守るのは、子ども自身の中の、(心の抵抗力)です。目的がしっかりしている子どもは、その抵抗力も強くなります。

 
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●同一性の危機(1)


万引き、自転車盗、薬物濫用、暴走、家庭内暴力、校内暴力、性非行、無断外泊、いじめを、非行という(会津若松警察書)。子どもは、(自分のしたいこと)と、(現実にしていること)の間に遊離感を覚えたとき、無意識のうちにも、その距離を、縮めようとする。子どもの耐性にもよるが、それが一定の限界(個人差は当然ある)を超えたとき、子どもの自我の同一性は、危機に立たされる。


●夢・希望・目的(2)


夢・希望・目的は、子どもを伸ばす、三種の神器。これら夢・希望・目的は、(自分のしたいこと)と、(現実にしていること)が一致しているとき、あるいは、そこに一体感があるとき、そこから生まれる。「ぼくはサッカー選手になる」「私はケーキ屋さんになる」と。そしてサッカーの練習をしたり、ケーキを自分で焼いてみたりする。「プロの選手になる」とか、「パン屋さんになる」とかいう目的は、そこから生まれる。


●子どもの忍耐力(3)


同一性が危機に立たされると、子どもは、それを修復しようとする。(自分のしたいこと)を、別のものに置きかえたり、(現実にしていること)を、修正しようとしたりする。あるいは「したくないが、がんばってやってみよう」と考えたりする。ここで登場するのが、忍耐力ということになる。子どもにとって、忍耐力とは、(いやなことをする力)をいう。この忍耐力は、幼児期までに、ほぼ完成される。


●同一性の崩壊(4)


同一性を支えきれなくなると、そこで同一性の崩壊が始まる。子ども自身、自分が何をしたいか、わからなくなってしまう。また何をしてよいのか、わからなくなってしまう。「私は何だ」「私はだれだ」と。「私はどこへ行けばよいのか」「何をすればよいのか」と。それは「混乱」というような、なまやさしいものではない。まさに「自己の崩壊」とも言うべきもの。当然、子どもは、目的を見失う。


●顔のない自分(5)


同一性が崩壊すると、いわゆる(顔のない自分)になる。で、このとき、子どもは、大きく分けて、二つの道へと進む。(1)自分の顔をつくるため、攻撃的かつ暴力的になる(攻撃型)。(2)顔のない自分のまま、引きこもったり、カラに閉じこもったりする(逃避型)。ほかに、同情型、依存型、服従型をとる子どももいる。顔のない自分は、最悪のケースでは、そのまま自己否定(=自殺)へとつながってしまう。


●校内暴力(6)


暴力的な子どもに向かって、「そんなことをすれば、君がみなに嫌われるだけだよ」と諭(さと)しても、意味はない。その子どもは、みなに嫌われ、怖れられることで、(自分の顔)をつくろうとする。(顔のない自分)よりは、(顔のある自分)を選ぶ、。だからみなが、恐れれば、怖れるほど、その子どもにとっては、居心地のよい世界となる。攻撃型の子どもの心理的のメカニズムは、こうして説明される。


●子どもの自殺(7)


おとなは、生きるのがいやになって、その結果として、自殺を選ぶ。しかし子どものばあいは、(顔のない自分)に耐えきれず、自殺を選ぶ。自殺することによって、(自分の顔)を主張する。近年ふえているリストカットも、同じように説明できる。リストカットすることで、自分を主張し、他人からの注目(同情、あわれみなど)を得ようとする。「贖罪(しょくざい)のために、リストカットする」と説く学者もいる(稲富正治氏ほか)。


●自虐的攻撃性(8)


攻撃型といっても、2つのタイプがある。外に向って攻撃的になる(校内暴力)と、内に向って攻撃的になる(ガリ勉、猛練習)タイプ。「勉強しかしない」「勉強しかできない」「朝から寝るまで勉強」というタイプは、後者ということになる。決して、勉強を楽しんでいるのではない。「勉強」という場で、(自分の顔)をつくろうとしていると考えるとわかりやすい。近年、有名になったスポーツ選手の中には、このタイプの人は少なくない。


●自我の同一性(9)
 

(子どもがしたがっている)ことに、静かに耳を傾ける。そしてそれができるように、子どもの環境を整えていく。そうすることで、子どもは、(自分のしたいこと)と、(自分がしていること)を一致させることができる。これを「自我の同一性」という。この両者が一致している子どもは、夢や希望もあり、当然、目的もあるから、見た目にも、落ちついていて、どっしりとしている。抵抗力もあるから、誘惑にも強い。


●心の抵抗力(10)


「私は~~をしたい」「ぼくは~~する」と、目的と方向性をしっかりともっている子どもは、心の抵抗力も強い。外部からの誘惑があっても、それをはねのける。小学校の高学年から中学校にかけては、その誘惑が、激増する。そうした誘惑をはね返していく。が、同一性が崩壊している子どもは、生きザマが、せつな的、享楽的になるため、悪からの誘いがあると、スーッとその世界に入ってしまう。


●夢や希望を育てる(11)


たとえば子どもが、「花屋さんになりたい」と言ったとする。そのとき重要なことは、親は、それに答えて、「そうね、花屋さんはすてきね」「明日、球根を買ってきて、育ててみましょうか」「お花の図鑑を買ってきましょうか」と、子どもの夢や希望を、育ててやること。が、たいていの親は、この段階で、子どもの夢や希望を、つぶしてしまう。そしてこう言う。「花屋さんも、いいけど、ちゃんと漢字も覚えてね」と。


●子どもを伸ばす三種の神器(12)


子どもを伸ばす、三種の神器が、夢、目的、希望。しかし今、夢のない子どもがふえた。中学生だと、ほとんどが、夢をもっていない。また「明日は、きっといいことがある」と思って、一日を終える子どもは、男子30%、女子35%にすぎない(「日本社会子ども学会」、全国の小学生3226人を対象に、04年度調査)。子どもの夢を大切に、それを伸ばすのは、親の義務と、心得る。


●役割混乱(13)


子どもは、成長するにつれて、心の充実をはかる。これを内面化というが、そのとき同時に、「自分らしさ」を形成していく。「花屋さんになりたい」と言った子どもは、いつの間にか、自分の周囲に、それらしさを作っていく。これを「役割形成」という。子どもを伸ばすコツは、その役割形成を、じょうずに育てていく。それを破壊すると、子どもは、「役割混乱」を起こし、精神的にも、情緒的にも、たいへん不安定になり、混乱する。


●思考プロセス(回路)(14)


しかし重要なのは、「思考プロセス」。幼いときは、「花屋さんになりたい」と思ってがんばっていた子どもが、年齢とともに、今度は、「看護婦さんになりたい」と言うかもしれない。しかし幼いときに、花屋さんになりたいと思ってがんばっていた道筋、あるいは思考プロセスは、そのまま残る。その道筋に、花屋さんにかわって、今度は、看護婦が、そこへ入る。中身はかわるかもしれないが、今度は、子どもは、看護婦さんになるために、がんばり始める。


●進学校と受験勉強(15)


たいへんよく誤解されるが、「いい高校」「いい大学」へ入ることは、一昔前までは、目的になりえたが、今は、そういう時代ではない。学歴の権威を支える、権威主義社会そのものが崩壊してしまった。親は、旧態依然の考え方で、「いい大学へ入ることが目的」と考えやすいが、子どもにとっては、それは、ここでいう目的ではない。「受験が近いから、(好きな)サッカーをやめて、受験塾へ行きなさい」と子どもを追うことで、親は子どもの夢をつぶす。「つぶしている」という意識すらないまま……。


●これからはプロの時代(16)


これからはプロが生き残る時代。オールマイティなジェネラリストより、一芸にひいでたプロのほうが、尊重される。大手のT自動車の面接試験でも、学歴不問。そのかわり、「君は何ができるか?」と聞かれる時代になってきている。大切なことは、子どもが、生き生きと、自分の人生を歩んでいくこと。そのためにも、子どもの一芸を大切にする。「これだけは、だれにも負けない」というものを、子どもの中につくる。それが将来、子どもを伸ばす。


●大学生の問題(17)


現在、ほとんどの高校生は、入れる大学の入れる学部という視点で、大学や学部を選んでいる。もともと、勉強する目的すらもっていない。そのため、入学すると同時に、無気力になってしまったり、遊びに夢中になってしまう大学生が多い。燃え尽きてしまったり、荷おろし症候群といって、いわゆる心が宙ぶらりんになってしまう子どもも多い。当然、誘惑にも弱くなる。


●自我の同一性と役割形成(18)


子どもをまっすぐ伸ばすためには、(子どもがしたがっていること)を、(現在していること)に一致させていく。そしてそれを励まし、伸ばす。親の価値観だけで、「それはつまらない仕事」「そんなことは意味がない」などと、言ってはいけない。繰りかえすが、子どもが、「お花屋さんになりたい」と言ったら、すかさず、「それはすてきね」と言ってあげる。こういう育児姿勢が、子どもを、まっすぐ伸ばす基礎をつくる。


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(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 心の抵抗力 子どもを非行から守る法 子どもの心を守る。)


Hiroshi Hayashi++++Dec. 2010++++++はやし浩司・林浩司