*Japan-South Korea Econimic War
【日韓経済戦争・9・14】
●外平債って、何?
++++++++++++++
まず、朝鮮N報のつぎの記事を読んでほしい。
こうある(9月13日)。
++++++++++++++
『企画財政部は11日、10億ドル(約1070億円)規模の外国為替平衡基金債券(外平債)の発行に向け、米ニューヨークで外国人投資家と交渉を進めたが、発行条件をめぐる要求の差が埋まらず、不調に終わったと発表した。アメリカ金融不安のあおりで、起債計画に支障が生じた格好だ』(朝鮮N報より抜粋)と。
日韓経済戦争は、まだ終わっていない。
韓国の「9月危機説」も、まだ終わっていない。
その証拠が、この記事である。
まずこの2週間の韓国経済の流れを追ってみよう。
その第一、韓国政府は、手持ちの外貨を大量に使って、ウォン買い、ドル売りの大攻勢に出た。
その額は今のところ不明だが、10月になればはっきりする。
つまり韓国政府は、一か八かの大勝負に出た。
このまま座視すれば、外資はどんどんと逃避し、ウォンの価値はさがる。
物価は上昇し、国内経済は混乱し、へたをすればそのまま奈落の底へ。
そこでなけなしの手持ちドルを使って、韓国政府は、ウォン買いの大攻勢に出た。
いわば貯金を使って、ウォン防衛に打って出たことになる。
しかしへたをすれば、やがて外貨不足になって、(すでに不足状態だが)、韓国はデフォルト(債務不履行)に陥りかねない。
結果、一時は、1ドル=1400ウォンまでさがっていたウォンが、現在(9月14日)は、1100ウォン前後で落ちついている。
韓国の各紙は、政府談話を織り混ぜながら、「9月危機は去った」とはしゃいでいる。
しかし「待ったア!」。
ここに出てくる、「外国為替平衡基金債券」、略して「外平債」というのは、わかりやすく言えば、韓国銀行(日本の日銀にあたる)がする、借金のことである。
わかるかな?
韓国政府の借金ではなく、韓国銀行の借金である。
こんなことは日本の常識では考えられない。
それともあなたは、日本の日銀が、いまだかって、外国に借金をしたというような話を聞いたことがあるだろうか。
あるはずがない。
そもそも「外平債」というのが、世界の非常識。
どこの中央銀行が、外国に借金など、申し込むだろうか。
が、韓国銀行は、それをアメリカのニューヨークで行った。
いわく「発行条件をめぐる要求の差が埋まらず、不調に終わったと発表した」と。
その理由として、「アメリカ金融不安のあおりで、起債計画に支障が生じた格好だ」と。
たくみにアメリカ側のせいにしているところが恐ろしい。
理由は、アメリカの金融不安ではない。
「発効条件が折り合わなかった」からである。
朝鮮N報の同記事も、末尾のところでこう書いている。
「企画財政部のS・J国際業務管理官は、『交渉過程で外国人投資家が韓国経済に対する懸念を抱いていないことを確認したが、アメリカ市場の状況が思わしくなく、高い金利を要求された。あえて悪条件で発行する必要するはないため起債延期を決めた』と説明した」と。
つまり外国人投資家は、韓国経済に対して、懸念はもっていないが、高い金利を要求したので、折り合わなかった、と。
現在、原油や金属市場から逃げ出した資本は、いっせいに株式、債権に向かい始めている。
「アメリカの市場が思わしくないので」という理由は、ウソと考えてよい。
本当の理由は、「韓国経済に不安をいだいた投資家たちが、高い金利を要求した」からである。
朝鮮N報にも、そう書いてある。
「金は貸してもいいが、金利を高くしてくれなければ、いやだ」と。
だから折り合いがつかなかった!
つまりこの流れを裏から読むと、韓国銀行には、手持ちの外貨がなくなってしまった。
そこで韓国銀行は、ニューヨークで借金をしようとした。
しかし「金利を高くせよ」と迫られて、結果的に、それを断わられてしまった。
……ということで、「9月危機」は、去ったわけではない。
終わったわけでもない。
いまだ、現在進行中。
さあ、どうする、韓国。
つぎの一手は?
+++++++++++++++++
(ワイフのために……)
わかりやすく説明しよう。
各国の中央銀行(日本のばあい、日銀)は、金の管理をするのが仕事。
もっとわかりやすく言えば、輸出入で出入りする金の決済をするのが仕事。
ほかにも公定歩合などを調整する仕事もあるが、借金までして外貨を調達するというのは、少なくとも世界の常識からは、完全にはずれている。
これに対して政府が借金するばあいは、ある。
日本の国債などは、その一例。
で、韓国のばあい、韓国銀行そのものに、ドルが不足してきた。
韓国の輸出入業者が、ウォンをドルに換えてほしいといってきたとき、手持ちのドルがじゅうぶんあれば、問題はない。
しかしそのとき、「ドルがありません」と言えば、債務不履行の状態になる。
つまりデフォルト。
国家破綻。
それを防ぐために韓国銀行は、世界ではほとんど前例のない、「外平債」の発行をつづけている。
その額、今回は、10億ドル。
私の推測では、韓国政府は、この7月に70億ドル程度の為替介入をしている。
それをベースに推測してみると、9月に入ってからは、おそらく100億ドル程度の為替介入を繰りかえしたとみてよい。
韓国の経済規模からすると、これはたいへんな額である。
それと比べると、10億ドルというのは、そうたいした金額ではない。
つまりそんな金額ですら、「断わられた」。
韓国の9月危機は、終わったわけではないという理由は、ここにある。
<< Home