*Economic Crisis
【10月7日】Oct. 7th, 2008
●日本経済
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このところ毎日のように、経済雑誌を買っている。
気になるというよりは、読めば読むほど、憂うつになる。
アメリカの経済については、だれしもいつかはこうなると
わかっていたはず。
私のようなド素人にも、すでに4、5年前に、それがわかっていた。
だからことあるごとに、「アメリカの経済はあぶない」と書いていた。
「レバレッジ(てこ)」についても、そのころ書いていた。
しかし何ごとも起らなかった。
だからやがて私の意見など、どこかへ消えてしまった。
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●レバレッジ
レバレッジの恐ろしさ……私も、30歳くらいのとき、それを経験している。
方法は、こうだ。
(1) まず、1000万円で、土地と家を買う。これを(資産A)とする。
(2) (資産A)を担保に、銀行から、1000万円を借りる。
(3) その借りた1000万円で、新たに土地と家を買う。これを(資産B)とする。
(4) このとき全国的な土地の値上がりがつづき、(資産A)は、1100万円になる。
(5) (資産B)を担保にまた銀行から、1000万円を借りる。
(6) この1000万円で、新たに土地と家を買う。これを(資産C)とする。
(7) このときさらに土地の値段があがりつづけ、(資産A)は、1200万円に。
(8) (資産B)は、1100万円に。
この時点で、当初1000万円の投資で買った資産は、計1200+1100+1000
=3300万円になる。
銀行への負債は、3000万円。
差し引き、300万円のもうけということになる。
が、ここで終わるわけではない。
ちょうど(てこ)のようにして、(資産D)(資産E)(資産F)……とふやしていく。
どんどんとふやしていく。
私は、ある会社で貿易の顧問をしながら、その会社の社長が、つぎつぎとアパートを
ふやしていくのを、目の当たりで見ていた。
まるで魔法のようだった。
1年足らずのうちに、100戸、200戸、300戸……と、戸数をふやしていった。
しかし土地が右上がりに値上がりしているときは、それでよい。
が、ひとたび値下がりに転じたとたん、今度は反対に、ドミノ倒しのドミノのように、
すべての資産が、赤字化する。
とたん、破産!
まだそのころは、土地神話というのがあり、土地の価格がさがることはないと、だれしも
信じていた。
だからこういう魔法のようなことができた。
で、その社長のばあい、本業の食品加工業のほうでつまづき、それがきっかけで、
すべてのアパートを含む、すべての資産を銀行に差し押さえられてしまった。
……というようなことが、アメリカで起きた。
もうすぐ韓国でも起きる。
では、日本はどうか?
日本のばあい、バブル経済崩壊以後、銀行は、土地や建物を担保には、金を貸さなく
なった。
バブル経済崩壊後の後遺症に、いまだに苦しんでいる。
そういう事情もある。
が、かえってそれが幸いした。
アメリカ、ヨーロッパが、ドン底に叩き落とされた分だけ、日本の経済の安定性が
相対的に高くなった。
(だからといって、日本の経済が、安泰というわけではない。誤解のないように!)
世界のお金が、円買いへと向かい始めた。
それが今現在の、状況ということになる。
●円キャリー・トレードの解消
金利の安い円を借りて、世界で投資する。
これが「円キャリー・トレード」である。
もう少しわかりやすく説明しよう。
あなたは国際舞台で活躍する、投資家である。
投資家といっても、手持ちのお金は、ほとんどない。
そこでどこかで、お金を借りなければならない。
が、どこで借りるか。
日本サラ金は、金利1%で貸してくれる。
韓国サラ金は、金利5%で貸してくれる。
当然、あなたは日本サラ金で、お金を借りる。
1億円、借りる。
1億円借りても、1年後の利息は、たったの100万円。
が、そのままでは外国で投資することはできない。
一度円を売って、アメリカのドルに交換しなければならない。
このとき円を売るから、円安、ドル高となる。
あなたはそのドルを使って、アメリカに工場を建てる。
あるいは資本参加をする。
アメリカでの収益は、年10%。
日米間の為替レートが安定していれば、アメリカで投資した分は、1年後には、
1億1000万円になる。
日本へ、金利も含めて、1億100万円返しても、900万円の利益となる。
こうして金利の安い円に、世界中の投資家たちが群がった。
日本のバブル経済崩壊以後、日本が恒常的に円安基調になったのは、そのため。
ところが今、そうして日本から出て行った(円)が、日本国内へ逆流し始めている。
ここまで書いたことの、逆の現象が起きている。
世界の投資家たちは、ドルを売って、円を買い、借金を返済し始めている。
その結果、今朝の為替レートを見ると、1ドル=約100円!
わかりやすく言うと、日本サラ金の金庫の中には、円の札束が、金庫に入りきらない
ほど、ジャブジャブになっている。
しかも円高。
そこで今度は、日本サラ金は、その金を使って、外国のサラ金会社の買収に乗り出した。
その勢いは、「まるで突然、高速道路を走り始めたような感じ」(N証券某部長)だ、
そうだ。
吉と出るか、凶と出るか……。
それはだれにもわからない。
わからないが、要するに、世界経済が、今、メチャメチャになっているということ。
経済の秩序そのものが、崩壊し始めているということ。
では、私たちはどうしたらよいのか。
今は、天気にたとえるなら、超大型の台風がすぐそこまでやってきている。
ゴーゴーと風が吹き始めた。
午後から外出の予定だったが、そのため、今日は、とりやめ。
今は、そんな状況と考えてよい。
(1) あぶない会社の株や債券を買った人は別として、優良企業の株や債券であれば、
塩漬け。
(2)国際ファンドなどを購入した人も、塩漬け。
あとは、じっとこの嵐が過ぎ去るのを待つしかない。
こういうときジタバタした人ほど、損に損を重ね、大損をする。
アメリカのGMもあぶないという。
韓国の電子産業もあぶないという。
しかしGMがつぶれても、韓国の企業が崩壊しても、日本の企業が倒産するという
わけではない。
だからここは、じっとがまんのとき。
……いくつかの経済雑誌を読んだあとの、これが私の結論ということになる。
(以上、10月7日記)
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