Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Friday, November 07, 2008

*Liguistic Ability and its Brain Work

●言語と脳

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日本語を話すときと、英語を話すときは、
脳みそでも、使う部分がちがう……ということは、
私も感じていた。

最初に気づいたのは、英語だけを話しているときは
それほど疲れないが、そのつどだれかに通訳して
やるとき、おかしな疲労感を覚えたこと。

つぎに外国へ行ったようなとき、日本語モードから
英語モードに脳みそを切り替えるのに、少し
時間がかかるのを知った。

若いときはそうでなかったが、40代、50代と
なると、その切り替えにより長い時間がかかる
ようになった。

あるいは英語を長く話しているようなとき、疲労感を
覚えたとたん、日本語モードになり、英語が口から出てこなく
なることもある。

さらに最近では、英語なら英語だけを読んでいるときは、
それほど疲れないが、日本語に翻訳しようとしたとたん、
苦痛に近い疲労感を覚えるようになった。

こうした一連の現象を、今度、東京大と宮城学院女子大などの
研究チームが、科学的に証明してくれた。

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時事通信は、つぎのように伝える。

++++++++++以下、時事通信。08・11・6+++++++++++

外国語として学ぶ英語の文法や意味を理解する際に活動する脳の部位を、東京大と宮城学院女子大などの研究チームが特定した。2つの部位の活動の仕方は、学習期間が長い人と短い人とで正反対であることも分かり、研究成果は語学学習の効果を客観的に測ることに役立つという。論文は5日付の米科学誌の電子版に掲載された。

 東大大学院総合文化研究科の酒井邦嘉准教授(言語脳科学)らの研究チームは、英語学習を中学1年から始めた東大付属中学の生徒(短期習得群)と、小学1年から50~70%の授業を英語で受けている加藤学園暁秀中学・高校(静岡県沼津市)の生徒(長期習得群)とに英語の簡単な問題を出題。機能的磁気共鳴画像診断装置(fMRI)を使い、脳の血流から、どこの部位がどのくらい活動しているかを調べた。

 その結果、両群とも、左脳の前頭葉にある「文法中枢」と呼ばれる部分が活動していたが、長期習得群では、成績が良い人ほど活動量が少なく、逆に短期習得群では、成績が良い人ほど活動量が多くなっていた。

 また、文章の意味を理解する左脳前頭葉下部も、両群で活動。長期習得群では、問題を早く解ける人の方が活動量が多いのに対し、短期習得群では、時間をかけて解くほど活動量が多かった。 

++++++++++以下、時事通信。08・11・6+++++++++++

これだけの記事だけでは、論文の内容はよくわからないが、英語についていえば、こういうことらしい。

論理や分析をつかさどるのが左脳(スペリー、ほか)。
だから文法をつかさどる「文法中枢」が、左脳にあるというのは、納得できる。

で、英語を勉強し始めたころの子どもは、懸命に文法を考えながら、英語を話す。
言うまでもなく、文法というのは、(論理の集合)のようなもの。
「主語が三人称単数のときは、一般動詞に(-s)(-es)をつける」というのが、一例。

しかし長く英語を使っていると、いちいち文法を考えて話すことはない。
感覚的に話すことができるようになる。

だから「(文法中枢の活動について)、長期習得群では、成績が良い人ほど活動量が少なく、逆に短期習得群では、成績が良い人ほど活動量が多くなっていた」となる。

さらに「文章の意味を理解する左脳前頭葉下部も、両群で活動。長期習得群では、問題を早く解ける人の方が活動量が多いのに対し、短期習得群では、時間をかけて解くほど活動量が多かった」と。

わかりやすく言えば、長く英語を使って人ほど、文章の意味を理解する左脳前頭葉下部の働きが、瞬時に活発になり、そうでない人ほど、時間がかかるということらしい。

こうした研究結果と、冒頭にあげた私の個人的な経験がそのまま結びつくというわけではないが、しかし自分の脳の現象を知る、ひとつのヒントにはなる。
脳というのはそれぞれの部分が、分担して仕事をし、それぞれが密接に関連しあっているということ。
そしてその活動は、経験やその量に応じて、変化するということ。
さらに言えば、関連づける、いわば連絡網のようなものまで、変化するということ。
またそれには個人差があり、みながみな、同じ脳みそをもっているわけではないということ。

言いかえると、脳みそというのは、経験や訓練によって、働く機能も変化し、進歩もすれば、退化もするということ。

このニュースを読んで、「なるほど」と、私は感心した。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 脳の機能 文法中枢)