Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Wednesday, April 22, 2009

*Another Room in the Mind(part-2)

●心の別室(Another Room in the Mind)(補記)


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このところ、「心の別室」について、よく考える。
つまり心の中には、別室があり、人はその別室を
うまく使い分けながら、自分の心をうまく
コントロールしている、と。

たとえば今朝も、世界のニュースサイトに
ひと通り目を通してみた。
いくつか、目に留まった。

ひとつは、あのK国がまたまた、戦時中の日本軍に
よる強制連行を問題にし始めたというニュース。
これをニュースAとする。

もうひとつは、世界で、パソコンの小型化
(ハイブリッド化)が進んでいるというニュース。
これをニュースBとする。

ニュースAについては、私は見出ししか読まなかった。
ニュースBについては、本文を開いて、読んだ。
ニュースAは、日本人の私にとっては、不愉快な話。
できれば早く忘れたい。
「またか……!」という思いが先に立った。

ニュースBは、私の趣味にも関係する。
「どんなことだろう?」と思って、読んだ。


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●抑圧

心理学の世界には、「抑圧」という言葉がある。
心を守るための防衛機制のひとつと考えられている。
たとえばいやなことがあると、人は心の中に別室を作って、その中に、それを
閉じこめようとする。
「忘れたい」「逃げたい」という思いが、心の中に別室を作る。
結果として、心の安定を図る。

子どもの世界で注意しなければならないのは、こうした抑圧が、しばしば子どもの
心をゆがめること。
たとえば、おとなしい子どもがいる。
従順で、静かで、穏やかな子どもをいう。
幼稚園でも学校でも、先生の指示には、すなおに従う。
だれかに自分の持ち物を奪われても、黙っているだけ……。

親は、「我慢強い、できのいい子」と喜んでいるが、これはとんでもない誤解。
このタイプの子どもほど、心のどこかで自分を押し殺す。
この「押し殺す」という心理操作が、「抑圧」ということになる。


●空想的虚言

一方、反対にこんなこともある。
空想の世界に自分を置き、現実と空想の区別がつかなくなってしまう。
このタイプの子どもは、少なくない。
ウソをつくが、本人には、ウソという自覚がない。
あたかも本当のことのようにして話す。
この種のウソを、空想的虚言(妄想)という。

印象に残っている子ども(年長男児)に、F君というのがいた。
F君の母親から、ある日、電話がかかってきた。
「今日、うちの子が教室でおもらししてすみませでした。
ご迷惑をおかけして、すみませんでした」と。
私には何のことか、さっぱり、わからなかった。
その日もF君は、いつものように笑いながら、帰ったはずである。

が、そのあとすぐまた電話がかかってきた、母親がこう言った。
「よく聞いたら、帰りのバス(=園バス)の中で、もらしたそうです」と。

で、翌日、(バスの先生)にそれを確かめると、その先生も、「知らない」と。
結局F君は、バスをおりてから、家に着くまでに、小便をもらしたらしい。

そういうこともあって、私はそれ以後、F君を注意して観察するようにした。


●2種類の別室

F君のウソの特徴は、シャーシャーとウソをつくということ。
あたかも現実に、それがあったかのようにして話す。
それを聞く私の方は、ときに何が現実で、何が空想か、わからなくなることがあった。
頭の中で別の世界を作ってしまい、その中に住んでしまうといった感じ。

原因はやがて、母親の異常なまでの過干渉にあることがわかった。
F君の母親は、こまかいことまでF君に干渉し、また自分の思い通りにならないと、
F君をしつこく叱ったりした。

……と、ここではF君のことを書くのが目的ではない。
(F君については、すでにたびたび書いてきたので、ここでは省略する。)
つまりこういうケースのばあい、子どもは、心に別室を作り、そこへ(いやなこと)を
押し込むのではなく、そこに住んでいるということになる。

つまり「別室」にも、2種類あるということになる。
(新しい考え、ゲット!)

(1) 自分を押し殺すための別室、
(2) その中で自分が住むための別室、である。

で、これら2つの別室には、相対性がある。


●別室の相対性

そこで改めて、今朝のニュースについて考えてみる。

先に書いたニュースAだが、私はふと不愉快になった。
なって、そのまま無視した。
この「無視する」という操作が、「抑圧」ということになる。

いろいろ言いたいこともある。
書きたいこともある。
しかしそういう自分を、心のどこかで押し殺す。

で、そのとき、こうも思った。

「反対にK国の指導者たちは、自分たちの経済運営の失敗を棚にあげ、いまだに
それを日本のせいにしているのだなア」と。
つまりK国の指導者たちは、私がした心理操作と反対のことをしている。
私は、心の別室をつくり、そこへ不愉快なニュースを放り込んだ。
一方、K国の指導者たちは、いまだに心の別室に住み、そこから出られないでいる。
「K国が貧しいのは、もとはと言えば、すべて日本のせいだ」と。

もう少しわかりやすい例では、先のF君のケースがある。

F君の母親は、自分では、よく気がつく、よい母親であると信じていたようである。
F君に対して、もちろん、過干渉をしているという意識はない。
都合の悪いことは、すべて心の別室に放り込んでいた。
つまり心の別室に住み、「よい母親である」と思い込んでいた。

そしてその反射的効果として、F君は、心の別室に住むようになった。


●心の別室は作らない

どちらであるにせよ、また、どうであるにせよ、心の別室を作ることは、
好ましいことではない。
それが「抑圧」であるにせよ、「空想的虚言」であるにせよ、避けられるものなら、
避けた方がよい。
とくに子どもの世界においては、そうである。
心そのものを、ゆがめる。

だから……。

もしあなたの子どもが、先に書いたような、(できのよい子)であったとしたら、
それは仮面(ペルソナ)と考えてよい。
できがよいと思っているのは、ひょっとしたら、あなただけ。
子どもの心の奥で、何が起きているか、静かに観察してみたらよい。

一方、あなたの子どもが、シャーシャーと、空想の世界のことを、あたかも現実の
できごとのように話すようなら、それにも、注意したほうがよい。
ついでに書くなら、このタイプの子どもは、ウソを問い詰めても、こと細かいことまで、
つじつま合わせをする。
が、全体として、「?」。
(詳しくは、「はやし浩司 空想的虚言」で検索。)


●すなおな子ども論

で、最後に、「すなおな子ども」論。

何度も書いてきたように、「すなおな子ども」というときには、2つの意味がある。

(1) 表情と心(情意)の状態が、一致していること。
(2) 心のゆがみ(つっぱる、いじける、ひがむ、ねたむ、ぐずる、こだわる、すねる)
がないこと。

ただし、私にも、あなたにも、だれにでも、部屋の広さはともかくも、心の別室はある。
「強制連行」という言葉を見ただけで、そういったニュースは、読みたくない。
(本当は、そうであってはいけないのだが……。)
損したとか、失敗したとか、あるいは迷惑をかけた、恥をかいたというような話
にしても、そうだ。

大切なことは、そういう心の別室があるということを、いつも知っておくこと。
それだけでも、あなた自身の見方も、また子どもの見方も変わってくる。

ついでに、「すなおな子ども」というのは、どういう子どもをいうか。
それについてはビデオに収めておいたので、参考にしてほしい。
このビデオの中の子どもたちの言動に注意してほしい。
「子どもは、こうでなくてはいけない」と、私は考えている。


http://www.youtube.com/watch?v=0h9Wf17ou9I


もっと見てくださる人は、


http://bwhayashi.ninja-web.net/


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Hiroshi Hayashi++++++++April. 09+++++++++はやし浩司