Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Friday, April 03, 2009

*April 4th 2009

●脳の老化

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パソコンの世界には、デュアルコアとか、
クアッドコアとかいう言葉がある。
わかりやすく言えば、コンピュータに、
脳みそが、2つとか、
4つ、ついていることをいう。

実は人間も、そのときどきおいて、
いくつかの脳みそを同時に使う。
このことは講演をしているときに、よくわかる。

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●思考の多角性

そこには(話している私)と、(時間をみている私)がいる。

(話している私)は、そこにいる。
そのとき、(時間をみている私)は、「あと15分だ。
結論に話をもっていけ」とかいうように、私に命令くだす。

で、このことを脳の老化に当てはめてみる。
子どもの脳と比較してみると、それがよくわかる。
以下のような能力が、全般に鈍くなる。

(1) 柔軟性(臨機応変に、ものごとに対処できる。)
(2) 多角性(いろいろな角度から、同時に考えることができる。)
(3) 俊敏性(瞬間に判断し、反応できる。)
(4) 予見性(あらかじめ相手の先を読む。)

ここでいう(時間をみている私)というのは、(2)の多角性の
問題ということになる。
ひとつのことしながらも、同時に別のことを考える。
たとえば買い物に行くときも、車を運転しながら、
「ほかに必要なものはないか」と考えるなど。
それができなくなると、何かと失敗が多くなる。
ミスが多くなる。

ひとつのことしていると、頭の中は、そのことだけ、
といった状態になる。

●子どもの脳みそ

一方、子どもの脳みそは、これら4つの機能が、同時に働く。
それが速い。
テンポも速い。
切り替えも速い。
いつも、2つ、3つのことを同時に考えている。

幼児にしても、「幼児は幼稚」と考えてはいけない。
全体的に見ても、おとなの能力より、すぐれている。
無知で未経験かもしれないが、それを除けば、
おとなより、すぐれている。

こうした認識不足は、教材制作の世界で、よく見られる。

幼児向けの教材を作るとき、おとなたちは、頭の中で
幼児の姿を想像しながら作る。
そのとき、「幼児というのは、こういうものだろう」
「幼児だから、この程度だろう」と、勝手に想像しながら作る。
だからおもしろくない。
つまらない。
子どもに、あきられる。

子どものCPUのクロック数は、おとなのそれより2倍~は、速い。
つまり頭の回転が、それだけ速い。
柔軟性、多角性、俊敏性、予見性のあらゆる分野で、速い。
幼児が本来もつテンポが、どういうものか知りたかったら、
私のHPから、「BW公開教室」をのぞいてみてほしい。
それでわかるはず。

それが加齢とともに、つまりそのあたりを頂点に、退化していく。

●退化を防ぐために

では、どうすればよいのか。
私自身についても、このところ、うっかりミスが多くなった。
ときどき自分に自信がもてなくなるときがある。
だから旅行に出かけるときも、あらかじめきちんと用意しておかないと、
落ち着かない。
その日の朝になって、あわてて用意したりすると、たいてい何かを忘れる。

買い物にしても、そうだ。
そして今日も、そういう失敗をした。

●乗りまちがえた電車

今日、岐阜へ行くとき、豊橋で名鉄に乗ってしまった。
ちょうど朝のラッシュアワーで、たいへんな思いをした。
しかしそのことを、私は知っていたはず。

だからこのところ、ずっと、岐阜へ行くときは、JR線に乗っていた。
これだと、浜松から、そのまま→豊橋→岐阜へと行ける。

が、今日は、それを忘れてしまった。
ラッシュアワーの電車に飛び乗ったとき、「しまった!」と思った。
が、問題は、どうしてそれに気がつかなかったかということ。

ほんのもう少し、多角的にものを考えるクセがついていれば、
そんなことは、すぐわかったはず。
が、それがわからなかった。

……ということで、ますます自分に自信がもてなくなった。
これから先、私のコラムは、1人の人間が、徐々にボケていく、
その過程を書くことになるかもしれない。

私のコラムを読んで、「ああ、人間って、こういうふうにしてボケて
いくんだ」と思う人も出てくるかもしれない。


Hiroshi Hayashi++++++++April・09++++++++++++はやし浩司

●法事

今日、郷里で、父の33回忌をすませてきた。
「33回忌!」。
父が死んで、もう33年になる!
実際には、満32年ということか。
法事では、独特の年数の数え方をする。

たとえば母は、昨年、2008年に他界した。
今年、2009年が、一周忌。
が、もう来年、2010には、それが3回忌になる。

こうして毎年、何らかの法事がつづく。


●4月3日

帰り際、住職に、「明日はたいへんな日になるかもしれませんね」と
声をかけると、「???」というような様子。
「へたをすれば、日本が戦争になるかもしれません」と告げると、
「ああ」と言って、笑った。

私は、「みんな、のんきだなあ」と思った。
が、それは言わなかった。

しかしその半面、私が感じている、この胸騒ぎは何なのか。
「あまりにも、みな、のんきすぎる」と。

ただ日本の姿勢が、大きく変わった。
当初、「迎撃、迎撃」と叫んでいたのが、「万が一……」に変わり、
「飛翔物が日本に落ちたばあい……」に変わった。

●再び、テポドン

アメリカの代わりに、テポドンを迎撃して、何になる?
日本にとって怖いのは、テポドンではない。
ノドンである。
テポドンのことは、アメリカに任せておけばよい。

それをあの首相が、早々と「迎撃」を口にするものだから、
日本としては、引っ込みがつかなくなってしまった。
「迎撃」という言葉を使うにしても、最後の最後でよかった!

それにICBMの開発で困るのは、アメリカであって、日本ではない。
日本にとっての脅威は、ノドン。
すでに320基が、実戦配備されている。
どうしてあの首相は、頼まれもしないうちから、何でも先走って
してしまうのだろう?


Hiroshi Hayashi++++++++April・09++++++++++++はやし浩司

●電車の中で

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豊橋からは、名鉄電車に乗った。
午前8時24分発。
いつもはプラットフォームの手前にある発券所で、
指定席を買う。
しかしここでミス。
この時間帯は、通勤客に指定席を取られ、空席はない。

しかたないので、そのまま電車に。
が、そこで、ギョーッ!
すでに客車は、満員状態。
ラッシュアワーだった。

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私とワイフは、つり革と、鉄棒にそれぞれ手を延ばして、つかまった。
しばらくすると、電車は走りだした。
「まちがえたね」と言うと、「うん」とワイフ。

この時間帯のときは、JRで、浜松駅からそのまま岐阜行きに乗ったほうがよい。
わかっていたが、それをすっかり忘れていた。
これも脳の老化の始まりか?
ものごとを多角的に考えることができない。

で、その電車の中でのこと。

●空いた席

連結部に近いところは、シルバー・シートになっている。
ちょうど5人が座れるスペースがある。
そこに5人の若い男女が座っていた。
車内は、身動きもままならないほど、混雑していた。

が、2つ目の駅で、目の前の席が空いた。
「……」と思う間もなく、うしろから1人の女性がその席にカバンを置いた。
と、同時に、うしろで2人の女性が、こんなやりとりをした。

「あなた座ってよ」
「いいの、いいの」
「あなた座ってよ」
「私は立っているから、いいの」と。

●余裕のない女性

電車が動き出すと、最初にカバンを置いた女性がその席に座った。
が、始終、落ち着きなく、目を隣にやっている。
隣の席が空くのを待っているよう。
心の動きが、よくわかった。

そうして2つ目、3つ目の駅を通りすぎた。
そのあたりで、その女性が、隣の若い女性に声をかけた。
「どちらまで……」
「金山(かなやま)まで……」と。

車内は名古屋が近づくにつれて、ますます混んできた。
私たちはそこからさらに1人分、中へと押し込まれた。
むっとするような空気。
よどんだ空気。

●もう1人の女性

私はその女性を観察した。
立っているもう1人の女性のことが、よほど、気になるらしい。
ときどき小刻みに、そちらに視線を送る。
と、同時に、隣の席が空くのを待っている。

立っている女性は、親友か?
仕事仲間か?
それとも……?
2人も、年齢は40歳くらいだった。
そのときはじめて、その女性の年齢を推察した。

電車は、金山に近づいてきた。
隣の若い女性が、バッグを手に持ちなおした。
それに合わせて、その女性は、カバンを持ちなおした。
席が空いたらすかさず、カバンを置くつもりらしい。

●緊迫した一瞬(?)

私はその女性に興味をもった。
こういうとき、女性は、どんなことを考えているのだろう、と。

ときどきその女性は、目を閉じた。
しかし眠るふうでもない。
そのつど目を薄くあげ、横目で、チラチラと隣を見ていた。
そして金山……というとき、隣の若い女性が、席を離れる動作をしてみせた。
再びバッグを手に持ちなおし、コートの端をそろえた。

「立つぞ……」と思ったそのとき、もう1人、その横の女性も、席を立った。
ワイフは私のそばに立っていた。
私が「空いたよ」と声をかけると、そのままワイフは着席モードに入った。
同時に、その女性の隣の若い女性も立った。

すかさず、女性は、立っている女性に声をかけた。
「空いたから、いらっしゃい」と。
緊迫した一瞬だった。
(大げさかな?)

が、立っていた女性は、どこか迷惑そう。
ありがた迷惑といったふうだった。
軽く、押し問答が、2、3言、つづいた。

「どうぞ、どうぞ」
「はあ、いいんですよ……」と。

●並んで座る

座っていた女性は、立っていた女性に気をつかっていた。
一方、立っていた女性は、そういうふうに、気をつかわれるのが
いやといった様子だった。
が、先から座っていた女性には、それがわからない(?)。

それが私にも、よくわかった。
だから立っていた女性は、始終、座っていた女性に背を向けていた。
混んではいたが、その気になれば、位置を替えられたはず。

そのことは並んで座ったとき、わかった。
先から座っていた女性が、とたん、ペチャペチャと話し始めた。
あとから横に座った女性は、一方的に、聞き役に回った。

道理で!

のどかな光景だった。
ちょうど町のビルの頭越しに、朝の光が、差し込んでくるころ。
ペチャペチャ、ウンウン、ペチャペチャ、ウンウン……と。

ほんの5,6分で、電車は名古屋駅に着いた。
どっと客が降りた。
その女性たちも降りた。
そのあとすぐ、ガランとした静けさが、車内へ流れ込んできた。
かすかなドラマを洗い流すかのように……。

(09年4月3日記)


Hiroshi Hayashi++++++++APRIL・09++++++++++++はやし浩司