Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Saturday, April 25, 2009

*Wisemen's Philosophy

世界の賢者たちの言葉を、あちこちから拾って、訳をつけてみた。




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★The important thing is not to stop questioning. - Albert Einstein

「重要なことは、問いつづけることだ」(A・アインシュタイン)




★Those who educate children well are more to be honored than parents, for these gave

only life, those the art of living well. - Aristotle

「子どもをよく教育するものは、両親より、称えられる。なぜなら、両親は、命を与えるだけだ

が、子どもをよく教育するものは、生きる技術を与えるから」(アリストテレス)




★They were majoring in two subjects: physics and philosophy. Their choice amazed

everybody but me: modern thinkers considered it unnecessary to perceive reality, and

modern physicists considered it unnecessary to think. I knew better; what amazed me was

that these children knew it, too. - Ayn Rand

「彼らは、物理学と哲学のふたつを専攻していた。その選択は、私をのぞいて、みなを驚かせ

た。しかし近代の思想家は、現実を認知することを、不必要と考えた。そして近代の物理学者

は、思索することを、不必要と考えた。しかし私は、私を驚かせたことは、これらの子どもたち

も、それを知っていたということを、よりよく知っていた」(A・ランド)




★"Most of all, perhaps, we need an intimate knowledge of the past. Not that the past has

anything magical about it, but we cannot study the future." - C.S. Lewis

「私たちのほとんどは、たぶん、過去をよくしる必要がある。それは、過去が何か神秘的である

からということではなく、過去を知らなければ未来を学ぶことができないからである」(C・S・ル

イス)




★Frederick Douglass taught that literacy is the path from slavery to freedom. There are

many kinds of slavery and many kinds of freedom. But reading is still the path. - Carl Sagan

「フレドリック・ダグラスは、読み書きの能力は、奴隷を解放する道だと教えた。いろいろな種類

の奴隷制度があり、いろいろな種類の自由があるが、読書は、まさにその道である」(C・サガ

ン)




★I hear and I forget. I see and I remember. I do and I understand. - Confucius

「私は聞いて、そして忘れる。私は見て、そして覚える。私は行動して、そして理解する」(孔子)




★The true genius shudders at incompleteness - and usually prefers silence to saying

something which is not everything it should be. - Edgar Allen Poe

「真の天才は、未完成さに、身震いする。つまり真の天才は、それがすべてでない何かを語る

よりも、沈黙をふつう、好む」(E・A・ポー)




★To know what to leave out and what to put in; just where and just how, ah, THAT is to

have been educated in the knowledge of simplicity. - Frank Lloyd Wright

「どこにどのように、何を捨て、何を取り入れるか……つまりそれが、単純な知識として、教育さ

れるべきことである」(F・L・ライト)




★You cannot teach a man anything; you can only help him find it within himself. - Galileo

Galilei

「あなたは人に教えることなどできない。あなたはただ、人が彼の中にそれを見つけるのを、助

けることができるだけである」(G・ガリレイ)




★What office is there which involves more responsibility, which requires more qualifications,

and which ought, therefore, to be more honourable, than that of teaching? - Harriet

Martineau

「教育の仕事以上に、責任があり、資格を必要とし、それゆえに、名誉ある仕事が、ほかのど

こにあるだろうか」(H・Martineau)




★A child's wisdom is also wisdom - Jewish Proverb

「子どもの智慧も、これまた智慧である」(ユダヤの格言)




★The teacher, if indeed wise, does not bid you to enter the house of their wisdom, but

leads you to the threshold of your own mind. - Kahlil Gibran

「本当に賢い教師というのは、あなたを決して彼らの智慧の家に入れとは命令しないもの。しか

し本当に賢い教師というのは、彼ら自身の心の入り口にあなたを導く」(K・ギブラン)




★We have to continually be jumping off cliffs and developing our wings on the way down. -

Kurt Vonnegut

「私たちはいつも、崖(がけ)から飛び降りる。飛び降りながら、その途中で、翼を開発する」

(K・Vonnegut)




★Just as iron rusts from disuse, even so does inaction spoil the intellect. - Leonardo Da

Vinci

「鉄がさびて使い物にならなくなるように、何もしなければ、才能をつぶす」(L・ダビンチ)




★Truth is eternal. Knowledge is changeable. It is disastrous to confuse them. - Madeleine L'

Engle

「真実は永遠である。知識は、変化しうるもの。それらを混同するのは、たいへん危険なことで

ある」(M・L'Engle)




★Never let school interfere with your education. - Mark Twain

「学校を、決して、あなたの教育に介在させてはならない」(M・トウェイン)




★Education is an admirable thing, but it is well to remember from time to time that nothing

that is worth knowing can be taught. - Oscar Wilde

「教育は、賞賛されるべきものだが、しかしときには、価値ある知識は教えられないということ

も、よく覚えておくべきである」(O・ワイルド)




★You must train the children to their studies in a playful manner, and without any air of

constraint, with the further object of discerning more readily the natural bent of their

respective characters. - Plato

「あなたは子どもを、遊びを中心とした方法で指導しなければならない。強制的な雰囲気ではな

く、彼らの好ましい性格の自然な適正を、さらに認める目的をもって、そうしなければならない」

(プラト)




★In every man there is something wherein I may learn of him, and in that I am his pupil. -

Ralph Waldo Emerson

「どんな人にも、彼らの中に、私が学ぶべき何かがある。そういう点では、私は生徒である」

(R・W・エマーソン)




★We, as we read, must become Greeks, Romans, Turks, priest and king, martyr and

executioner, that is, must fasten these images to some reality in our secret experience, or

we shall see nothing, learn nothing, keep nothing. - Ralph Waldo Emerson

「読書することによって、私たちは、ギリシア人にも、ローマ人にも、トルコ人にも、王にも、殉教

者にも、死刑執行人にも、なることができる。つまり読書によって、こうした人たちのイメージ

を、私たちの密かな経験として、現実味をもたせることができる。読書をしなけば、何も見るこ

とはないだろうし、何も学ぶことはないだろうし、何も保持することはないだろう」(R・W・エマー

ソン)




★Education is a sexual disease, IT makes you unsuitable for a lot of jobs and then you have

the urge to pass it on. - Terry Pratchett

「教育は、性病だ。つまり教育によって、ジョークがわからなくなり、そのためそれをつぎつぎ

と、人にうつしてしまう」(T・プラシェ)




★I am always doing what I cannot do yet, in order to learn how to do it - Vincent Van Gogh

「私はいつも、まだ私ができないことをする。それをいかにすべきかを学ぶために」(V・V・ゴッ

フォ)






【考察】




●これらの教育格言の中で、とくにハッと思ったのが、エドガー・アラン・ポーの「真の天才は、

未完成さに、身震いする。つまり真の天才は、それがすべてでない何かを語るよりも、沈黙を

ふつう、好む」という言葉である。




 わかりやすく言えば、「ものごとを知り尽くした天才は、自分の未熟さや、未完成さを熟知して

いる。だから未熟なことや、未完成なことを人に語るよりも、沈黙を守るほうを選ぶ」と。私は天

才ではないが、こうした経験は、日常的によくする。




 私のばあい、親と私の間に、どうしようもない「隔たり」を感じたときには、もう何も言わない。

たとえば先日も、こんなことを言ってきた母親がいた。




 「先祖を粗末にする親からは、立派な子どもは生まれません。教育者としても失格です」と。




 30歳そこそこの若い母親が、こういう言葉を口にするから、恐ろしい。何をどこから説明した

らよいかと思い悩んでいると、そのうち私の脳の回路がショートしてしまった。火花がバチバチ

と飛んでいるのがわかった。だから私は、「ハア~?」と言ったまま、おし黙ってしまった。




 私自身は、先祖を否定したようなことは、一度もないのだが……。(念のため。)




●つぎに「私たちはいつも、崖(がけ)から飛び降りる。飛び降りながら、その途中で、翼を開発

する」と言った、K・Vonnegut。英語では、何と読むのだろうか。それはともかくも、これは私の

持論でもある。以前私は、「人間の創意工夫は、絶壁に立たされて、はじめて生まれる」と書い

た。




 少し前だが、ある教育審議会のメンバーをしたこともあるF氏から、相談を受けた。「学校教

育に蔓延(まんえん)している沈滞感は、どうしたら克服できるか」と。




 それに対して私は、「教師を絶壁に立たせないと、ダメです」と。




 こう書くと学校の先生は、不愉快に思うかもしれないが、ここは怒らないで聞いてほしい。




 学校の先生たちは、たしかに忙しい。同じ公務員でも、給料が20%増しという理由も、そこに

ある。納得できる。しかしそれでも、一般世間の、つまりは民間企業に働く労働者とは、待遇や

職場環境が、基本的に違う。




 たとえば私立幼稚園にしても、今、少子化の波をもろにかぶり、どこも四苦八苦している。経

営のボーダーラインといわれている、200人(園児数)を割っている幼稚園は、いくらでもある。

もっとも経営者自身は、それほど深刻ではない。すでにじゅうぶんすぎるほどの財力を蓄えて

いる。悲惨なのは、そこで働く保育士の先生たちである。安い給料の上、いつリストラされるか

と、ビクビクしている。中には、園児獲得のノルマを、先生たちに課している幼稚園もある。(ほ

とんどの幼稚園が、そうではないか?)




 だから毎年、10月前後になると、先生たちは、案内書や簡単なみやげをもって、幼児のいる

家を、1軒ずつ回っている。「教える」だけではなく、生徒集めにまで、神経をつかっている。し

かも、その先は、まさに絶壁!




 こうした危機感があるから、当然のことながら、教えることについても、ある種の緊張感が生

まれる。その緊張感が、教育の質を高める。もし本当に、教育の質を高めようと思うなら、こう

した緊張感を、人為的につくるしかない。




 残念ながら、それから先の方法については、私もわからない。しかしこれだけは言える。学校

の先生たちも、勇気を出して、崖から飛び降りてみてほしい。翼、つまり創意工夫は、飛び降り

ている間に生まれる。






●三つ目に、アリストテレスの、「子どもをよく教育するものは、両親より、称えられる。なぜな

ら、両親は、命を与えるだけだが、子どもをよく教育するものは、生きる技術を与えるから」とい

う言葉。




この訳は正確ではないと思う。思うのは、冒頭の「Those」を、「親」と訳すべきか、「教師」と訳

すべきかで、意味がまるで変わってくる。




「親」とみると、「だれでも子どもを産めば親になるが、生きる技術を与えて、親は、真の親とな

る」と解釈できる。




 一方「教師」とみると、「生きる技術を与える教師は、親よりすばらしい」と訳せる。どちらが正

しいかわからないという意味で、「この訳は正確ではないと思う」と書いた。




 一般論として、欧米の教育の「柱」は、ここにある。どの人に会っても、彼らは、「教育の目標

は、「子どもに生きる技術を与えること」と言う。オーストラリアの友人(M大教授)も、かつてこう

教えてくれた。




 「教育の目標は、私たちのもつ知恵や経験を、子どもたちがつぎの世代を、よりよく生きてい

くことができるように、それを教え伝えることだ」と。




 つまり「実用的なのが教育」ということになっている。しかしこの日本には、むしろ実用的であ

ってはならないという風潮すらある。日本の教育は、将来学者になるためには、すぐれた体系

をもっている。しかし、だ。みながみな、学者になるわけではない。あるいは将来、学者になる

子どもは、いったい何%、いるというのか。




 英語にしても、数学にしても、将来、英語の文法学者や、数学者になるには、すぐれた体系

をもっている。しかしそのため、おもしろくない。役にたたない。しかしこんなことは、30年前

に、すでにわかっていたことではないか。最近になって、やっと「役にたつ」という言葉が聞かれ

るようになったが、それにしても、30年とは!




 要するに、子どもを産むだけでは、親ではないということ(失礼!)。自分の生きザマを、子ど

もに示してこそ、親は、親になる。そしてそれが親の役目ということになる。