Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Wednesday, February 27, 2008

*Contradiction of Mind

●心の矛盾(Contradiction of Mind)

When we see dead bodies of cats or raccoons, we avert our eyes from them. But in the house we don’t hesitate to cook meat or pork without thinking anything. Isn’t this a kind of contradiction of mind? Are human-beings a creature like this?

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熱帯魚を飼うようになって、
もう25年近くになる。

が、その水槽が、突然、音を
たてて割れた(ワイフの言葉)。
中の水が、外に漏れた。

原因は、不明。

「どうしようか?」とワイフが
聞いた。
「もう、飼うのをやめようか」と
私。

生き物を飼うのは、たいへん。
それだけで、何かと束縛される。
それをこのところ、負担に思う
ようになっていた。

が、問題は、住んでいた魚たち。
ネオンテトラにコリドラスなど。

まさか殺すわけにはいかない。

ワイフは鍋の中に、熱帯魚を
移した。

「毎朝、小魚の佃煮を食べているのに……」
と私。

この矛盾!

この心の矛盾は、いったい、どこから
どう生まれるのか?

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 道路で、タヌキかネコの死骸を見ると、思わず、目をそむける。その同じ私が、家の中では、牛肉をまな板の上で、調理する。こうした心の矛盾を、いったい、どう理解したらよいのか。数日前も、私の家で、こんなことがあった。

 熱帯魚を飼うようになって、25年近くになる。最初、飼い始めたのは、三男だった。いや、私の方が先だったかもしれない。三男は三男で、私は私で、熱帯魚を飼うようになった。たがいに教えあい、いっしょに育てた。

 その間に、水槽は、数回、取り替えた。当初は、幅が80~90センチもある大きな水槽だった。が、だんだん小さくなって、そのときは、45センチくらいのものになっていた。その水槽が、突然、音をたてて割れた。

 ワイフの話では、「突然、バリッという音がして割れた」とのこと。原因は不明。内外の温度差に、ガラスが耐えられなかったのだろう。このところ、庭では毎朝、氷が張っている。

 書斎にいると、ワイフから電話。「どうしようか?」と。つまり水槽を買い換えようか、と。

 生き物を飼うのは、けっこう、たいへん。1泊旅行のときなども、エサのことなど、だれかにあれこれと頼んでおかねばならない。このところ、それを、少し重荷に感ずるようになっていた。「エサをあげた?」「まだよ」というような会話は、毎日、している。時として、エサをやり忘れることもある。

私「もうやめようか」
ワ「そうね……」
私「たいへんだしね……」
ワ「魚は、どうする?」
私「焼いて食べようか」
ワ「冗談でしょ」
私「うん」と。

 もちろん冗談でそう言ったが、そのとき、ふと、心の中で矛盾を感じた。その朝も、私は、小魚の佃煮を、パクパクと食べた。数にすれば、100~200匹近く食べたのでは? その同じ私が、ほぼそれと同じほどの大きさの熱帯魚の始末に、困っている。

ワ「だれか、もらってくれる人がいればいいけど……」
私「あの熱帯魚屋は、もう店を閉めてしまったしね」
ワ「どうしよう……?」と。

 こうした矛盾は、日常生活の中で、よく経験する。冒頭に書いた、(肉)の話も、そうだ。

 たとえばワイフは、テニスクラブに行くとき、車で行く。歩いても、10分もかからない距離である。「歩いていったほうが、ずっと運動になるのに」と思う。

 ほかにもダイエットがある。モリモリとたくさん食べたあと、下剤をのんだりする。

私「人間の脳みそも、いいかげんなものだな」
ワ「うん」
私「矛盾したことをしながら、それを矛盾とも思わない」
ワ「そうね。でも、やっぱり、ペットは殺せないわ。情が移っているから」と。

 で、あとで聞いたら、ワイフはその熱帯魚を、ペットショップにもっていったそうだ。「鍋に入れたままもっていったから、笑われちゃったア」と。

 よかった。……ということで、この話は、おしまい。