Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Sunday, March 16, 2008

*Childrem tempted by a Thing

●モノで釣る(Tempted by a Thing)
It is a kind of taboo to tempt children by a thing, which he or she wants to get, while we are teaching. But it is sometimes very efficient to make them calm or to educe his or her self-control ability.

++++++++++++++++

ADHD児と呼ばれる子どもは、
たとえばカルタ取りのようなゲームが苦手。
集中力そのものが、つづかない。

一方、こんなこともある。

同じように騒がしい子どもでも、
時と場合によって、静かに落ち着くという
のであれば、ADHD児ではない。

ADHD児は、定例的に騒ぐ。
強く制止しても、その瞬間だけの効果しかない。

簡単な見分け方としては、(モノで釣る)
という方法がある。

この方法は、教育の世界では、邪道という
ことになっている。

私もそれを認める。
しかし子どもによっては、自己管理能力を
引き出すには、たいへん効果的な方法で
あることも事実。

この方法によって、子どもの自己管理能力を
引き出すことができる。

こんなことがあった。

T君(小2)という騒々しい子どもがいた。
父親はADHD児ではないかと、悩んでいた。
しかしADHD児ではなかった。

私たちの世界では、「あなたの子どもはADHD児です」
と、診断するのは、タブー。

しかし「ADHD児ではないと思います」と
言うのは、自由。

私はT君の父親に、こう言った。
「ADHD児ではないと思います」と。
それには、理由がある。

ある日のこと。
T君が、テーブルの上にあるミニカーを目ざとく見つけて、
こう言った。「ほしい!」と。

T君は、ミニカーを集めていた。

しかしこういうとき、子どものほしがるものを、
すぐに与えてはいけない。
しばらく、子どもをじらす。じらしながら、こう
言う。

「じゃあ、今日のレッスンで、一度も注意されなければ、
このミニカーをあげる。どうだ?」と。

T君は、その取り引きに応じた。

いつもならワイワイと騒ぐ。ときに教室中を、
ひっくり返してしまうこともある。

が、その日は、別人のようにまじめに(?)、
私の指示に従った。

つまりADHD児なら、こういうことはありえない。
ADHD児は、先にも書いたように、
自己管理能力を超えたところで、暴れたり、騒いだりする。

だからT君の父親には、こう言った。
「T君は、ADHD児ではないと思います」と。

子どもをモノで釣るのはよくない。
しかし時と場合によっては、効果的である。
さらに言えば、小学2~3年にかけて、
自己管理能力が、急速に発達してくる。

現実検証能力というか、自己認識能力というか、
自分を客観的にながめ、判断する能力が、
急速に発達してくる。

この時期をうまくとらえると、ADHD児であっても、
急速に落ち着いてくる。

その力を引き出すためにも、(モノで釣る)という
方法は、時と場合によっては、有効である。

その一例として、T君のことを記録しておく。

(付記)

この指導には、こんな余談がある。
レッスンのあと、T君にミニカーを渡すと、
ほかの子どもたちが騒いだ。
「どうしてT君にだけ、ミニカーをあげるのか」と。

実は、その数だけ、私はミニカーをほかに用意しておいた。
私は引き出しからミニカーを取り出すと、
それをほしいと言う子ども全員に、ミニカーをあげた。

こういう配慮も、必要である。