Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Sunday, March 02, 2008

*Morale of the Soldiers

●士気(Morale of the Soldiers)

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もともと士気がたるんでいたから、ああいう事故が
起きた。私もそう思う。

しかし今回の事件を通して、その士気が、さらに拍車をかけて、
ますますさがることになりやしないか。

私は、それを心配する。

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海上自衛隊のイージス艦「A」と漁船「S丸」の衝突事故は、
防衛大臣の辞任問題にまで、発展している。
昨日は、日本国の最高責任者であるF首相までもが、遺族宅を訪問して、陳謝した。

もともと士気がたるんでいたから、あの事故は起きた。私もそう思う。
しかし今回の事件を通して、ますますその士気が、
さらに拍車をかけて、さがることになりやしないか。

……何とも、気の抜けた話である。
まるで気の抜けたビールのよう。
あの防衛省まで!
これで、ほんとうに、日本の平和と安全は守れるのか。

やることはやる。しかし余計なことはしない。
言われたことはやる。しかし余計なことはしない。
万事、ことなかれ主義。
もっと悪く言えば、役人根性丸出し。サラリーマン的。

自衛隊員の士気は、しばしば問題になる。「ほんとうに死ぬ覚悟はあるのか」と。
今までの士気もさることながら、これでは、ますます士気はさがる。

「戦争」とまではいかなくても、「国を守る」ためには、士気が必要。
その士気なくして、国を守ることはできない。
サッカーの試合に、たとえるまでもない。

「勝ちたい」という強い意思があってはじめて、サッカーの試合は試合としての
意味をもつ。
はじめから、「言われたことはやる。しかしそこまで」では、もとから
試合にはならない。

遺族の方には、ほんとうにお気の毒だと思う。思うが、事故は事故。大切なのは、
現場の責任者を、徹底的に処罰すること。当然、国は国としての責任を取る。
が、問題は、そこから。
今回の事件で、防衛大臣が辞任し、総理大臣までもが頭をさげるよう
であれば、現場の士気は、ますますさがる。さがるだけ。

それらは、ただのパフォーマンス。
自衛隊員の気持ちになってみれば、それがわかるはず。

いくら上からの命令がなくても、現場の自衛官は、自分の判断で、漁船の
乗組員たちを助けるべきだった。それをイチイチ、上へ、上へと、(おうかがい)を
たてているから、こういう不幸な結末になってしまった。

中には、「オレが海へ飛び込む……」と考えた自衛官もいたかもしれない。
「オレが助けてやる」と考えた自衛官もいたかもしれない。

もし今回の事件で、問題があるとするなら、この一点に集約される。
どうしてそういう自衛官が、海へ飛び込めなかったのか?
助けることができなかったのか?

つまり、これが私が言う、「士気」の問題である。
もっとわかりやすい言葉を使えば、「やる気」の問題ということになる。

これからは自ら船を止め、海へ飛び込む自衛官は、ますます少なくなるだろう。
「言われたことはやる。しかしそこまで」と。

自衛官「隊長、向こうが機関銃を撃ってきました!」
隊長 「本国に連絡して、指示を請え」
自衛官「隊長、今度は対艦ミサイルです!」
隊長 「それも本国に連絡して、指示を請え」と。

やる気のない自衛官。そこへもってきて、ますますやる気をなくす自衛官。
しかも不幸なことに、そのやる気のない自衛官から、ますますやる気を奪っている。
上官からして、責任逃れのウソばかりついている!

これでは、国どころか、自分の船さえも、守れない!

何か、おかしいぞ、日本。日本の防衛省。そして自衛官!

総理大臣は、遺族の前で、「2度とないよう頑張りますから」と再発防止を誓った
という(Yahooニュース)。

が、防衛大臣が辞任したからといって、また総理大臣が謝罪したからといって、
今回の事件のような事件が、防げるわけではない。
どこかピントがズレている?

たまたま今朝(3月2日)の新聞によれば、国土交通省だけでも、
1200あまりの役人が、その先で、道路財源から、
約2000億円の補助金や事業発注名目の支出を
受け取っていたという(2006年度)(中日新聞)。

公僕意識など、どこ吹く風。こういう問題を一方で放置しておいて、
自衛官だけに、「やれ!」と言っても意味はない。
問題の「根」はもっと深い。別のところにある!

*Morale