Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Thursday, June 12, 2008

*Traffic Accident

●交通事故

交通事故を起こさない走り方というのがある。
速度を守り、信号を守る。
それはわかる。
が、一方、相手に、交通事故を起こさせない走り方というのもある。

私たちは車を運転するとき、当然のことながら、安全に気をつかう。
しかしそのとき、ほんとうに運転が上手なドライバーというのは、
同時に、相手に交通事故を起こさせないように走る。

たとえばブレーキをかけるときも、うしろに車があるときは、
その車もやはりブレーキをかけやすいように誘導していく。
並行して走っている車が、こちらの車線に入りこんでくるときは、
そっと、じゅうぶんな空間を、あけてやる。
こうした積み重ねが、「相手に、交通事故を起こさせない走り方」となる。

私のワイフは、この40年間、無事故を達成している。
理由がある。
ワイフは、運転をしていても、けっして、熱くならない。
うしろから走ってきた車が、クラクションを鳴らしても、平然としている。
「ここは、速度制限が、40キロだから」と。

そういう性格も、車を運転するときは、大切なのかもしれない。


●愚劣な男

ときどき、超の上に超がつく、愚劣な男に出会う。
今度は、こんな男だ。

大通りに面した四つ角の角地に、小さな惣菜(そうざい)屋がある。
横が車2台分の駐車場になっている。

その駐車場に、大型の乗用車がとまっていた。
大型だから、車の後部、1メートルくらいが、道路から、はみ出していた。
横断歩道を、50センチほど、ふさいでいた。
ふさいだといっても、人が通れるだけのじゅうぶんな広さは残っていた。

その車を見て、65歳くらいの男が、惣菜屋の中へ怒鳴りこんできた。
「車がじゃまだ! 横断歩道を渡れない!」と。

ものすごい剣幕だった。
で、その声を聞いて、車の持ち主、つまり40歳くらいの女性が、あわてて道路へ飛び出していった。
無言のままだった。
それがまずかった?
その男はますますいきり立った。

が、その女性には、なすすべがない。
駐車場そのものが、小さかった。
その女性は、「今、どかしますから・・・」と言って、
また店の中にもどっていった。

男が追いかけてきた。
そしてまた叫んだ。
「車が、じゃまだ!」と。

で、そこへ店の若い男が割りこんできた。
ていねいな言い方で、こう言った。

「すみません。今、何とかしますから」と。
が、どういうわけだか、男は、ますます大声で叫んだ。

「貴様ら、交通法規を知っているか。横断歩道に、駐車するな!」と。

で、その女性は、そそくさと買い物をすませて、外へ出た。
が、その男は、車の後部に立ったまま、今度は、車が外へ出るのを、妨げた。

女「どいてください。今、車を出しますから」
男「警察を呼ぶ!」
女「……?」

そこへまた先ほどの若い男が、割りこんできた。
若「車をどかしますから、そこをどいてください」
男「……」と。

緊迫した状態が、そのままつづいた。
その男は、携帯電話に向かって、同じように怒鳴っていた。

……という光景の、一部始終を、私のワイフが、近くで見ていた。

私「そのあと、どうなったの?」
ワ「近くのショッピングセンターで買い物をすませて帰るころ、ほんとうにパトカーがきていたわ」
私「男はいたのか?」
ワ「女性はいなかったけど、男は、警察官と話していたわ」
私「フ~ン、本物のバカというのは、そういう男を言うのだろうね」
ワ「そうね」と。

たしかにマナーの悪い運転者というのは、いる。
駐車場でないところに、車を止める人も多い。
先日も、歩道を、完全に遮断するように車を止めている人もいた。

そういう人たちは、「ちょっとだけ」と思って、そうするかもしれない。
しかしみなが、いたるところで、「ちょっとだけ」と考えて、そうしたら、どうなる?

……ということで、その女性を擁護するつもりは、あまりない。
ないが、しかしたかがそれだけのことで、怒鳴り散らしたり、パトカーを呼びつけるほうも、どうかしている。
冒頭に書いたように、超の上に、超がつく愚劣な男と考えてよい。
繰りかえすが、年齢は、65歳くらいだったという。
私は、そういう男と出会うたびに、「いったい、この人は、どういう人生を送ってきたのだろう」と思う。

ささいなことに難グセをつけて、たとえばパトカーまで呼びつけたりする。
ワイフの話では、その女性の前に立ちはだかって、車の移動を妨げていたという。
「警察が来るまで、待て!」ということだったのだろう。

しかしそんな程度のことで、呼び出される警察官だって、たまらない。
またそこまで(法?)を厳格に適応したら、それこそ恐怖政治。
(法の出動)は、いかなるばあいも、最小限であるのが望ましい。

私「ぼくね、きっとその男は、何か脳の病気にかかっていると思うよ」
ワ「そう。私も、そう思った。雰囲気が、異常だったわ」
私「ピック病というのもあるしね」
ワ「ああいう人がいると、やりにくいわね」と。

私がその場にいたら、その男に、反対に抗議していただろう。
しかしその男のようには、熱くはならない。
(自信はないが、多分?)

「まあまあ、いけませんねエ~。こういう駐車のし方は……。しかしこの女性も悪気があってしたわけでもありませんから……。私たちの娘の年齢の方ではありませんか。まあ、ここは、穏やかに……」と。

良好な人間関係は、たがいのもつ、(心の余裕)で決まる。
その心の余裕が、このところ、(みな?)、少なくなってきたように思う。