Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Monday, August 18, 2008

*To meet someone with hatred

●魔性との闘い(怨憎会苦)
(To meet with someone whom you feel hatred is a matter of pain.
In often cases it becomes a heavy burden to torture you.)

仏教には、「怨憎会苦(おんぞうえく)」という言葉がある。
生老病死の四苦に並んで、八苦のひとつになっている。
「いやな人と会う苦しみ」という意味である。
が、ここでいう「怨憎」とは、「魔性をもった人」とも解釈できる。
会うだけで、相手の魔性が、そのままこちらへ伝わってきてしまう。
自分の理性や知性が、こなごなに破壊されてしまう。
そんな危機感すら、覚える。

で、こちらは会いたくないと思うのだが、相手のほうからからんでくる。
からんできては、自分勝手なことを、一方的に言う。

そこで「無視」という方法を選ぶが、それにはものすごいエネルギーを
消耗する。
相手が身内であれば、なおさらである。

A氏の父親が、2年前に他界した。
数億円の財産(主に土地)を残した。
その財産をめぐって、A氏(長男)と、ほかの3人の姉妹が、争った。
毎月のように、ときに毎週のように、言い争う声が近所中に聞こえたという。

A氏夫婦が父親のめんどうをみてきたのだが、それについて姉妹たちは、
「じゅうぶんな介護をしなかった」「親を施設に入れようとした」などと、
言いがかりをつけた。
A氏の父親は、死ぬ直前、かなり認知症が進んでいた。
そういうこともあって、そのつど娘たちに、「この家は、お前にやる」とか、
「あの土地は、お前にやる」とか言った。
娘たちは、その言葉を理由に、「この家は、私のもの」とか、
「あの土地は、私のもの」と騒いだ。

A氏は、美術雑誌に評論を書くような知的な人物である。
一方、娘たちは、そのレベルの女性たちではなかった。
あとになってA氏は、こう言う。

「途中から妹たちの夫まで騒動に加わってきて、『テメエ』『このヤロー』という
話になってしまいました。で、私が、この問題は、私たち兄弟のもので、
あなたには遺産相続権はありません。つまり部外者ですと説明するのですが、
そういう道理すら、通じませんでした」と。

娘の夫の1人は、こう言ったという。
「(義父が)、オレの女房(=妹)に、『あの土地をお前(=妹)にやる』と言った話は、
オレもちゃんと横で聞いた。オレが証人だ」と。

A氏は、姉妹たちに会うたびに、神経をすり減らした。
・・・と書くと、「どこにでもあるような話」と思う人もいるかもしれない。
が、当事者であるA氏が受けた心的な苦痛は、言葉では説明しがたい。

A氏の妻もこう言った。
「(妹の1人から)、嫁(=A氏の妻)が、父親のめんどうをちゃんとみていなかったと
言われたときには、怒れるよりも先に、涙が出てきました」と。

まさに怨憎会苦。
その苦しみは、経験したものでないとわからない。
「家事が何も手につかなくなってしまいました」とも。

「妹たちは、金の亡者になった餓鬼、そのものでした。
そばにいるだけで、自分がつくりあげた文化性が、こなごなに破壊されていくように
感じました。
気がついてみると、自分もその餓鬼になっていました。
とくに次女夫婦がひどかったです。
ペラペラと一方的に自分の意見をまくしたて、こちらの言い分には、まったく耳を
貸そうとさえしませんでした。
次女も、認知症が始まっていたのかもしれません」と。

A氏の経験は、何も特別なものではない。
今の今も、親の遺産相続問題がこじれて、兄弟姉妹が争っているケースとなると、
ゴマンとある。
かりに片づいたとしても、それをきっかけに、兄弟姉妹が絶縁してしまったケースと
なると、もっと多い。
さらに最近では、離婚問題がこじれ、財産分与でもめる元夫婦もふえている。
みな、怨憎会苦の苦しみを、味わっている。

恐らく釈迦の時代にはなかったタイプの「怨憎会苦」と考えてよい。
経典の中には、金銭(マネー)にからんだ話が出ているところもあるが、釈迦の時代には、
貨幣はなかった。
この日本でも、貨幣が一般世間に流通するようになったのは、江戸時代の中ごろと
言われている。

今では、マネーが、怨憎会苦の原因になることが多い。
つまり人間そのものが、マネーの奴隷になりながら、それにすら気がついていない。

では、どうするか?

釈迦は、「精進」という言葉を使った。
日々に精進あるのみ。
つまり常に心の準備を整えておくということ。
そういう場に落とされても、その場に翻弄されないように、自分を強くしておくしかない。
が、それはけっして、むずかしいことではない。

音楽を聴いたり、映画を楽しんだり、文化、芸術に親しんだり・・・。
もちろん本を読んだり、文を書いたり・・・。
自分の世界を、できるだけ広くしておく。
その努力だけは、怠ってはいけない。
そういう素養が基礎としてしっかりしていれば、こうした騒動に巻きこまれても、
「餓鬼」になることはない。
自分を最後のところで、守ることができる。
(これは私の努力目標でもある。)


はやし浩司++++++++++++++++++++++Hiroshi Hayashi

●頭の体操(数学の問題)

+++++++++++++++++

地球上では北半球の5分の2が陸地であって、
海の7分の4は南半球にあるといわれている。
すると、北半球の陸地は南半球の陸地の
何倍あることになるか(関西学院中学部入試問題より)。

Two fifth of the North Hemisphere is land.
Four seventh of the sea is in South Hemisphere.
Then how large is the land of the North Hemisphere when compared
with the land of the South Hemisphere?

+++++++++++++++++

中学の入試問題である。
最近の傾向としては、こうした教科書にはぜったいに出てこないような
問題が出されることが多い。

制限時間は5~10分として、あなたも一度、チャレンジしてみてほしい。
なお大切なのは、答ではなく、考え方。
つまり(式)をしっかりと残すこと。

答の正誤よりも、(もちろん正解であればさらによいが)、大切なのは、
考え方。
そのためにも、式をしっかりと残すこと。

(解答)

地球全体を、「1」とすると、北半球の(5分の2)が陸地だから、
(5分の2)x(2分の1)(=北半球は、地球の半分)で、(5分の1)。
つまり北半球の陸地は、全体の(5分の1)。

つまり北半球の海は、(2分の1)-(5分の1)=(10分の3)。
つまり北半球の(10分の3)。

北半球の海は、1-(7分の4)=(7分の3)ということだから、
北半球の(10分の3)が、地球全体の(7分の3)ということだから、
地球全体の中で、海が占める割合は、
(10分の3)÷(7分の3)=(10分の7)。

だから地球全体の陸地は、
1-(10分の7)=(10分の3)。

よって南半球の陸地は、(10分の3)-(5分の1)=(10分の1)。

北半球と南半球の陸地は、

(5分の1):(10分の1)=2:1

だから答は、2倍!
(以上、参考、「数学パズルと算数思考」・中宮寺薫・インデックス・コミュニケージョン)

+++++++++++++++

この問題を、中学2年生の生徒と競争で、解いてみた。
結果は、私の負け。

しかも私は、「1・5倍」という答を出してしまった。
暑さのせいで、このところ脳みそが暴走しやすくなっている。

(補記)

ついでにこんな問題を出してみた。
これは私のオリジナル。

++++++++++++++++

満40歳で、アルツハイマー病の初期症状の、そのまた初期症状を示す
人は、全体の5%(20人に1人)いるといわれている。

では、夫婦ともども、アルツハイマー病の初期症状の、そのまた初期症状を
示す割合は、全体の何分の1か。

++++++++++++++++

これはかなり深刻な問題である。
もし夫婦ともどもアルツハイマー病になってしまったら、
だれがどうやって介護すればよいのかということになる。

それはさておき、この問題は、こう考える。

(夫)●○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
(妻)●○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

(●)印が、アルツハイマー病の初期症状の、そのまた初期症状を示している人。

夫婦の組み合わせは、20x20=400(組)できる。
その中で、(●)どうしが夫婦になる割合は、1組。
つまり単純に考えると、(400分の1)ということになる。

解答を説明すると、中学生たちが騒いだ。
「そんな少ないはずがない!」
「いや、もっと少ないはずだ!」と。

「10組に1組は、どちらかが初期症状を示しているはず。(10組で、20人になるから。)そういう組が、20倍もあれば、両方とも初期症状を示す組があるはず。だから答は、200組に1組」と。

「いや、先生は、

(夫)●○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
(妻)●○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
とう図を描いたが、実際には、

(夫)●●○○○○○○○○○○○○○○○○○○
(妻)○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
というケースもあるはず。
もしそうなら、男同士は結婚できないから、両方が初期症状を示す割合は、ゼロのはず」と。

何が何だか、わけがわからなくなってきた。
これも暑さのせいか?

要するに、10組に1組は、どちらかが初期症状を示していることになる。
これはまちがいない。

では、この先は、どう考えたらよいのか。

20人に1人が初期症状を示すとして、夫婦の組み合わせは、つぎの3種類ある。

(夫)●○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
(妻)●○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

(夫)●●○○○○○○○○○○○○○○○○○○
(妻)○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

(夫)○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
(妻)●●○○○○○○○○○○○○○○○○○○

全体では、400x3=1200組。
その中で、夫婦ともども初期症状を示すのは、1組のみ?
だから1200分の1?

?????

思わず、子どものトリックにひかかるところだった!

問題の内容を変えよう。

「ここに、40個の石がある。うち2個は黒、残りの38個は白。
2個選ぶことにして、2個とも黒を取る確率は、何分の1か?」と。

これは単純な確率の問題である。

石に1~40の番号をつけると、(黒石は、1と2)、最初に黒石を取る確率は、
20分の1。
残りは39個。
その39個の中から、黒石を取る確率は、39分の1。
かけ算をすると、20x39=780、つまり780分の1ということになる。

しかしこの計算は、まちがっている。男女の区別を計算に入れていない。

そこで石に(1)~(40)までの番号をつける。
すると(1、2)(1、3)(1、4)……(38、39)(38、40)(39、40)
というように、組み合わせは、39+38+…2+1=40x19+20=780(組)。
その中で、(1、2)の組み合わせは、1組だから、答は、780分の1。
これは先の計算結果と同じ。

ところが夫婦のばあい、(1)と(2)が、男女別々である確率は、2分の1。
(男、男)(男、女)(女、女)(女、男)と考えればよい。
だから2分の1。
だから780x2=1560、つまり1560分の1となる。

これで本当によいのだろうか?
本当にそんなに少ないのだろうか?
どうも、実感とは、かけ離れているような気がする。

そこで問題は、振り出しに……。

こう考えてみよう。

夫もしくは妻が、初期症状を示している割合は、10組に1組。
つまり10分の1。
そういう組が、20組あれば、配偶者が初期症状を示す確率は、20分の1。
だから10x20=200、つまり200分の1。

「同じ問題でも、夫婦がからんでくると、むずかしいね。これは来週までの宿題だ」と
今日は逃げた。

で今は、思考力、ゼロ。
夏の炎天下、今日は1時間も、汗をかきながら歩いた。
疲れた。
ハハハ!

「あの林は、こんな簡単な問題も解けないのか」とは、どうか思わないでほしい。
(そう思ってもらっても、かまわないが……。)