*To know myself better
●病識(現実検討力)
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「私の脳みそは、おかしい」とわかる人は、
まだ症状も軽いそうだ。
しかし「私は正常」「脳みそは、おかしくない」と
がんばる人ほど、症状は重いそうだ。
「私は病気」とわかることを、「病識」という。
精神病の多くでは、この病識の有無が、
たいへん重要という。
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統合失調症という病気がある。
近年の治療の進歩には、ものすごいものがある。
以前は重篤な病気と考えられていたが、深刻であることには
ちがいないが、その深刻さが薄れてきたように感ずる。
そんな病気にかかっても、病識のない人が、60%も
いるという。
病識があれば、本人自身が、治療に向かって歩み始める
ことができる。
そうでなければ、そうでない。
こうした病気の第一歩は、その人にいかに病識をもって
もらうかだ、そうだ。
ウィキペディア百科事典には、つぎのようにある。
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自分が統合失調症であるという診断を認めない(いわゆる「病識」がない)、あるいは医師に対する不信感などから病識が不足している患者が多い。
アメリカでの400人以上の精神障害者を対象にした調査では統合失調症患者の60%、統合失調情動障害患者の約25%に病識がなかった。
つまり、「本当は病気で無いけれど強制されて治療を受けている」、「本当はどこも悪くない」、といった症状が見られるということである(ウィキペディア百科事典より)。
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しかしこれは何も、統合失調症の患者だけの問題ではない。
私たち自身も、つねにこの問題、つまり病識のある・なしの問題を
かかえている。
簡単な例で言えば、「私はバカかどうか」という問題がある。
先日も、どこか認知症ぽい女性(65歳くらい)と話をしたときのこと。
相手は、自分のレベルを基準にして、ものを話す。
で、私がふと、「私は、(あなたが思っているほど)、そんなバカでは
ないと思います」と言うと、その女性は、突然、こう叫んだ。
「私もバカではありません!」と。
この事件以来、私はつねに、自分の脳みそを疑ってみるようになった。
私から見ると、その女性には、病識がないことになる。
しかしこうしたレベルの問題は、相対的なものにすぎない。
より知的レベルの高い人から見れば、私はバカということになる。
つまり私には、その病識がないということになる。
さらに最近では、子ども(幼児)たちの能力や、中高校生の能力と
比較してみることがある。
たとえばカードめくりのような短期記憶では、私はもう、子どもたちには
かなわない。
一方、難解な数学の問題では、中高校生に負けることはないが、このところ
簡単な計算(足し引き算)でのミスが多くなった。
私の脳みそは、かなり、老化している。
これも病識といえば、病識ということになる。
……こうして、つねに自分の脳みその状態を知る。
というのも、脳みその問題は、CPU(中央演算装置)の問題だから、
原理的には、それがおかしくても、おかしいと気づくことはない。
とくに脳の活動が鈍ったようなときである。
全体が鈍くなってくるから、「鈍くなった」と気づくことはない。
統合失調症についても、つぎのような症例がある(ウィキペディア百科事典より転載)。
+++++++++++++以下、ウィキペディア百科事典より+++++
*被害妄想(他人が自分を害しようとしていると考える。「近所の住民に嫌がらせをされる」)
*関係妄想(周囲の出来事を全て自分に関係付けて考える。「○○は悪意の仄めかしだ」)
*注察妄想(常に誰かに見張られていると感じる。「近隣住民が常に自分を見張っている」)
*追跡妄想(誰かに追われていると感じる。「ストーカーの集団に追われている」)
*心気妄想(重い体の病気にかかっていると思い込む)
*誇大妄想(患者の実際の状態よりも、遥かに偉大、金持ちだ等と思い込む)
*宗教妄想(自分は神だ、などと思い込む)
*嫉妬妄想(配偶者や恋人が不貞を行っている等と思い込む)
*被毒妄想(飲食物に毒が入っていると思い込む)
*血統妄想(自分は天皇の隠し子だ、などと思い込む)
*家族否認妄想(自分の家族は本当の家族ではないと思い込む)
+++++++++++以上、ウィキペディア百科事典より+++++
要するにここに書いたようなことを思ったり、考えたりしたら、
まず自分の脳みそを疑えということ。
またここに書いたようなことを口に出して言っている人がいたら、
まずその人の脳みそを疑えということ。
とくに注意したいのが、「宗教妄想」。
私の近辺にも、「私は神だ」とか、「私は悟りを開いた仏だ」と言っている
人がいる。
けっこうそれらしいカリスマ性を備えているため、それを信じている
人もいるようだが、このタイプの人は、ほぼ100%、疑ってみたほうがよい。
話がそれたが、「病識」について考えてみた。
「まず自分の脳みそを疑う」……それが自分を知る第一歩ということになる。
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Hiroshi Hayashi++++++++Sep.08++++++++++はやし浩司
●一夫一妻
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一夫一妻であるかどうかも、
遺伝子の命令によるところが大きいそうだ。
今度、そんな研究結果が、公表された。
ナルホド!
動物をみても、一夫一妻をきちんと守っている
のもいるし、そうでないのもいる。
そうしたちがいは、遺伝子のちがいによるもの
だそうだ。
もちろん、この人間とて、例外ではない。
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時事通信が、こんな記事を配信している(9月3日)。
+++++++++++以下、時事通信より(080903)++++++++
●遺伝子の個人差で離婚危機2倍=スウェーデン男性900人調査
草原などに生息するハタネズミ類で固定した夫婦関係(一夫一婦制)を好むかどうかを左右する遺伝子がヒトにもあり、男性ではこの遺伝子が特定のタイプの場合、そうでない場合に比べ、結婚より同居を選んでいたり、離婚や別離の危機を経験したりする確率が2倍高いことが分かった。
スウェーデンのカロリンスカ研究所や米エール大などの研究チームが2日までに調査した。論文は米科学アカデミー紀要の電子版に掲載される。
この遺伝子「AVPR1A」は、脳神経で神経伝達物質のアルギニン・バソプレシン(AVP)を受け取るたんぱく質(受容体)を生み出す機能がある。
ハタネズミ類ではAVPが多かったり、受容体がよく働くタイプだったりすると、社会性が高く、一夫一婦を好むようになることが実験で確認されており、ヒトでは自閉症の発症リスクに影響する可能性が指摘されてきた。
研究チームは、パートナーがいるスウェーデン人男性約900人を対象に、2本がペアになっている12番染色体にあるこの遺伝子の一部DNA塩基配列が特定のタイプかどうかを調査。その結果、2本とも特定タイプの男性が結婚ではなく同居している割合は32%、過去1年に離婚や別離の危機を経験した割合は34%と、2本ともそうでない場合の17%、15%の約2倍だった。
+++++++++++以上、時事通信より(080903)++++++++
わかりやすく言うと、遺伝子(12番染色体にある遺伝子の一部)のタイプにより、
一夫一妻意識に、ちがいが出てくるという。
つまりその遺伝子が特定タイプの男性ばあい、結婚ではなく、同居している割合は、32%、過去1年間に離婚や別離の危機を経験した割合は、34%もあったという。
そうでない遺伝子をもっている人の、17%、16%と比較すると、約2倍の数値だった
という。
へ~~エ!
よく「私は独身主義だ」とか何とか言っている男性がいる。
本人は、自分の意思と思想で、そう言っていると思っているかもしれない。
しかしそう言っている男性にしても、結局は、遺伝子に操られているだけ……
というふうにも、解釈できる。
となると、自分の意思とは何か、思想とは何か、ますますそれがわからなくなる。
というのも、(思想)にしても、自分にとって耳障りのよい(考え)の集合体でしかない。
「私は結婚したくない(あるいはその意思が弱い)」という、自分の意思を補強するために、
あちこちから独身主義にとって都合のよい(考え)を集めてくる。
そしてそれを(思想)という形にしたあと、「私は独身主義だ」と言う。
しかし、これで謎が解けた!
私の庭にやってくる野鳥にしても、ドバトは一夫一妻をきちんと守っている。
ヒヨドリも守っている。
スズメも、子育ての時期には、それを守っている。
いつも一羽でやってくるのは、モズ。
が、あのメジロはどうなのか。
いつも春先には、5~10羽の集団でやってくる。
こうしたちがいは、それぞれの鳥が、それなりの思想をもっているからではなく、
その奥深くで、遺伝子によって生ずる。
さらに言えば、この私はどうなのか。
周期的に、離婚騒動を繰りかえしている。
(夫婦げんかをすると、私は、「お前なんかと離婚してやる」と言う。)
が、一応、この40年近く、一夫一妻を、きちんと(?)守っている。
もっとも、今回の研究では、「100%」という言葉はない。
つまり遺伝子のタイプが、(別居・離婚タイプ)であっても、別居・離婚をしないで
いる人も多いということ。
反対に(一夫一妻タイプ)であっても、別居・離婚をする人も多いということ。
このファジー(あいまい)な部分が、人間生活を豊かでおもしろいものにしている。
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