Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Tuesday, April 29, 2008

*Children who matters to himself before he understands something

●言葉を反復する子ども(子どものひとり言)

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こちらの言ったことが、即座には
理解できず、いちいちそれを反復
する子どもがいる。

たとえば、

「りんごが3個ありました。
また4個、買ってきました。
あわせていくつですか?」と
質問すると、

「りんごが3個……。また4個
……」と。

そしてこちらの言った言葉を、あたかも
頭の中で反芻(はんすう)するかの
ように、少し考えた様子を見せた
あと、
「……3足す4で、7だあ」と
言ったりする。

様子を観察してみると、言葉そのものが、
即座には、大脳で処理されていかない
といったふう。

算数の問題にかぎらない。

何かの指示を与えても、同じように
反復する。

私「机の上の分度器を片づけて、
それを箱に入れてください」
子「分度器……、箱……」と。

高学年になるからといって、症状が
消えるわけではない。

私「1・5分というのは、何分と何秒の
ことかな」
子「1・5分……だからあ、ええと、……」と。

脳のどの部分に、どのような問題(失礼!)
があるのかは、私にはわからない。
しかし(音声で得た情報を処理する段階)で、
何か問題があるということは、推察される。

そのため、学習能力に影響が出る。
全体に反応が鈍く、その分だけ、時間が
かかる。

似たような症状に、何でも、ものごとを
音声化する子どもがいる。

それについては、以前に書いた原稿が
あるので、そのまま、紹介する。

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●子どものひとり言(内言)

 「5歳の子ども(女児)のひとり言が多いです。意味のないひとり言です。どうしたらいいですか」(滋賀県・Rさん)という相談をもらった。

 子ども(乳幼児)が発する言葉は、大きく、つぎの2つに分けて考える。

(1) 自分の思考をまとめるために使う言葉。これを内言(ないげん)という。
(2) 他人に、自分の考えや意思を表示するための言葉。これを外言(がいげん)という。

 たとえばクレヨンが、机の下に落ちたとき、「アッ、クレヨンが落ちた。ぼく、拾うよ」というのが、内言。先生や、親に向かって、「落ちたから、拾って」と言うのが、外言ということになる。

 こうした内言は、おとなのばあいは、口に出さないで使うが、幼児のばあい、ある時期、それを音声として、口に出して言うことがある。一般的には4歳くらいがピークで、5、6歳で内言は、無声化すると言われている。

 が、子どもによっては、内言の音声化が、その時期を過ぎても残ることがある。

 そこで5歳前後になってからも、無意味なひとり言が多いようであれば、「口を閉じて考えようね」と、指導する。

 この音声化が残ると、子どものものの考え方に影響を与えることがある。子ども自身がその言葉に左右されてしまい、瞬間的で、機敏な考え方ができなくなる。どこかまだるっこい、のんびりとした、ものの考え方をするようになる。

 もしRさんの子どもが、つぎのような話し方をしていたら、「口を閉じて、考えようね」と、指導してみてほしい。

 「これからお食事。それが終わったら、私、これからお外に行こう」(行動の内言)
 「どちらの花がきれいかな。白かな、赤かな……?」(迷いの内言)
 「お花を、○○さんに、もっていくと、どうなるかな。喜ぶかな」(思考の内言)
 「風が吹いた……カーテンが揺れた……お日様が光っている……」(描写の内言)

 ピアジェは、こうした内言のうち、集団内で使うものを、「集団内独語」と呼んでいる。他人の反応を気にしていないという点で、自己中心的なものととらえている。

 しかし実際には、言葉の発達の時期に、よく見られる現象で、内言イコール、自己中心性の表れとは、私は思わない。

 Rさんの子どもは4歳ということだから、そろそろ、「口を閉じて考えようね」と指導すべきころかもしれない。この時期を過ぎて、クセとして定着すると、ここにも書いたように、思考力そのものが、影響を受けることがある。

 ほかにひとり言としては、つぎのようなものがある。

(1) 自閉傾向のあるひとり言……こちらからの話しかけには、まったく応じない。1人2役、3役のひとり言を言うこともある。

(2) ADHD児のひとり言……騒々しく、おさえがきかない。ひとり言というより、勝手に、かつ一方的に、こちらに話しかけてくるといったふう。

(3) 内閉児、萎縮児のひとり言……元気なく、ボソボソと、自分に話しかけるように言う。グズグズ言うこともある。

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言葉を反復する子どもは、内言という
幼児期のクセが、そのまま残ったとも
考えられる。

相手の言ったことを反復しながら、
自分の考えを、まとめようとする。

しかしさらによく観察してみると、
ひとり言をやめさせてしまうと、問題の
意味そのものが、理解できなくなって
しまう。

私「りんごが5個あって、2個食べました。
残りは、いくつかな?」
子「りんごがア……」
私「口を閉じて考えようね」
子「……? 5個でしょ……?」
私「口を閉じて、考えようね」
子「……? ……?」と。

全体としてみると、10人に1人前後の
割合で、見られる。
年齢には関係なく、小学生でも、中学生でも、
ほぼ同じ割合で、見られる。

で、指導法ということになるが、脳の
機能そのものに問題があるように推察される
ため、注意したり、叱ったりしても意味はない。
またそれで(なおる)という問題ではないように思う。

その子どもは、そういう子どもであると
認めた上で、つまりそういう前提で、指導
する。
軽く注意はしても、あとは子どものリズム
に任せるしかない。

その言葉が適切であるかどうかは知らないが、
私は、このタイプの子どもを、「反復児」
と呼んでいる。

同じような内容だが、以前書いた
記録を、そのまま掲載する。

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●言葉を反復する子ども 

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いちいちこちらの言った言葉を
反復する子どもがいる。

反復しないと、こちらの言った
ことが、理解できないといった
ふう。

原因は、脳の中で、情報の伝達が
適切になされないためではないか。

教えていると、そんな印象をもつ。

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 そのつど、こちらの言った言葉を、いちいち言葉を反復する子どもがいる。年齢を問わない。たとえば先生との間では、こんな会話をする。

私「うさぎさんが、6匹いました。そこで……」
子「うさぎさんが、6匹?」
私「そうだよ、6匹だよ」
子「6匹、ね」
私「そこで、みんなに、帽子を1個ずつあげることにしました」

子「みんなに……?」「帽子……?」
私「そうだよ。みんなに、帽子だよ」
子「何個ずつあげるの?」
私「1個ずつだよ」
子「1個ずつ?」と。

 もう少し年齢が大きくなると、言葉の混乱が起きることがある。

私「1リットルのガソリンで、10キロ走る車があります」
子「何んだったけ? 10リットルで、1キロ?」
私「そうじゃなくて、1リットルのガソリンで、10キロ走る車だよ」
子「1リットルの車で、10キロ走る、ガソリン?」
私「そうじゃなくて、1リットルで……」と。

 このタイプの子どもは、少なくない。私の経験では、10人中、1人前後、みられる。特徴としては、つぎのような点が観察される。

(1)こちらの言ったことがすぐ言葉として、理解できない。
(2)そのためこちらの言ったことを、そのつど、オウム返しに反復する。
(3)こちらの言った言葉に、すぐ反応することができない。
(4)全体に、軽度もしくは、かなりの学習遅進性が見られることが多い、など。

 私の印象としては、音声として入った情報を、そのまま理解することができず、それを理解するため、もう一度、自分の言葉として反復しているかのように見える。あるいは音声として入った情報が、脳の中の適切な部分で、適切に処理できず、そのままどこかへ消えてしまうかのように見えることもある。脳の中における情報の伝達に問題があるためと考えられる。

 このタイプの子どもは、もちろん叱ったり、注意したりして指導しても、意味がない。またその症状は、幼児期からみられ、中学生になっても残ることが多い。脳の機能的な問題がからんでいると考えるのが正しい。

 ほかに、こんな会話をしたこともある。相手は、小2の子どもである。

私「帰るとき、スリッパを並べておいてね」
子「帰るとき?」
私「そうだよ。帰るときだよ」
子「スリッパをどうするの?」
私「スリッパを並べるんだよ」
子「スリッパを並べるの?」
私「そうだよ」
子「帰るとき、スリッパを並べるんだね、わかった」と。

 このタイプの子どもは、今のところ、そういうタイプの子どもであると認めた上で、根気よく指導するしかほかに、方法がないように思われる。

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