Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Wednesday, June 18, 2008

*Jealousy

●嫉妬(Jealousy)
A pair of doves started making love on a road. My wife and I were watching it from inside a car. Then an incredible thing happed to the doves. Another female dove drossed the road and dashed herself against the two doves and stopped their love affair.

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事実だけを、そのまま書く。
その事実を、どう判断するかは、
読者のみなさんの自由。
しかし事実は、事実。

事実だけを、そのまま書く。

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やや広い農道の隅で、二羽のハトが、たがいにじゃれあっていた。
一羽は、細身のメス。
もう一羽は、それより一回り大きな、オス。
オスは、首筋を伸ばし、体をふくらませていた。
オスとメスのちがいが、はっきりと、見てわかった。

オスのハトが、メスのハトの首筋あたりを、愛撫していた。
メスはそのままの姿勢で、じっとしていた。
とたん、オスは羽をややバタつかせたあと、メスの背中に乗った。
「交尾を始める」と思ったつぎの瞬間、そこで信じられないことが起きた。

そのときまで気がつかなかったが、農道の他方の隅に、もう一羽のハトがいた。
そのハトが農道をすばやく横切ってくると、交尾をし始めたオスとメスの二羽のハトに、横を向いたまま、体当たりを食らわせた。
タタタと走ってきて、ドスンと体当たりした……。
そんな感じだった。

その拍子に、メスの背中に乗っていたオスのハトが、バタリと下に落ちた。
「何が起きたのかわからない」といった様子で、オスのハトは、その場に、呆然と立ちすくんでいた。

見ると体当たりを食らわせたハトは、やはり細身の体で、メスということが、すぐわかった。
そのハトは、体当たりがすむと、そのまますぐ、もう一方の側の農道のほうへ、来たときと同じように、タタタと、移動していった。
農道の道幅は、2メートル前後だっただろうか。

たまたまワイフもその瞬間を、私といっしょに、見ていた。
私が声を出して笑うと、ワイフも笑った。

交尾をしかけたメスを、メスAとする。
その交尾に横向きのまま体当たりを食らわせたハトを、メスBとする。
私が想像する、ラブストーリーは、こうだ。

そのオスとメスAは、恋愛関係にあった。
が、メスBも、そのオスに恋心をいだいていた。
で、前戯がすんで、いよいよ本番というそのとき、それに嫉妬したメスBが、体当たりを食らわせて、それを、じゃました。

メスBは、オスの様子を、どこかでずっと監視していたらしい。
でなければ、あれほどまでにタイミングよく、体当たりできるわけがない。

私「へ~、ハトの世界にも、あんなことがあるんだア?」
ワ「私も、生まれてはじめて見たわ」
私「なっ? 驚いたなア~」
ワ「体当たりしたハトは、嫉妬して、そうしたのよ」
私「そうだよ、な」と。

つまり一羽のオスを取りあって、二羽のメスが、争っていた。
が、オスは一羽のハトAを、自分の伴侶と決めた。
それにもう一羽のハトBが嫉妬して、じゃまをした。

私「あの様子だと、もう一羽のメスは、どこまでもついてきて、二羽の関係を認めないぞ」
ワ「いや~ねえ……」
私「じゃまをしたあと、またタタタと逃げていくところが、おかしい」
ワ「人間の行動と、そっくりね」と。

嫉妬……そのハトの例を見るまでもなく、嫉妬という感情は、きわめて原始的な感情の一つと考えてよい。
人間にしても、魚のような、かなり下等動物の時代から、それをもっていた(?)。
それだけに本能と直結している。
そのため、ひとたび扱い方を誤ると、とんでもないことになる。

嫉妬に狂った人間は、相手を殺すところまでする。
しかしいくらそれがわかっていても、目の前で、それを見せつけられると、いろいろと考えさせられる。
「人間もハトと同じ」というか、「ハトも人間と同じ」というか……?
人間もハトも、どこもちがわない。
こと(嫉妬)に関しては、そう断言してよい。

私「ハトの世界にも、いろいろなドラマがあるんだね」
ワ「そうみたい……」と。

私たちはまた、大声で笑った。
どういうわけか、大声で笑った。

2008年6月18日、午後のこと。
ワイフが、「ちゃんと、日記に記録しておいてよ」と言ったので、ここに記録として残しておく。

この話は、ほんとうに、ほんとうの話!