Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Sunday, September 21, 2008

*How are we to get senile?

●持てる人の悩み

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もとからない人は、悩まない。
しかしへたに(失礼!)財産があると、
それなりに悩む。
そういう人は多い。

K氏の実家は、昔からの財産家。
その地域のあちこちに数か所、100坪単位の
土地をもっている。
K氏には、3人の姉妹がいる。
K氏は、その中でも末っ子だった。

父親が死んだとたん、遺産相続問題が起きた。

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この種の問題は、一度、こじれると、とことんこじれる。
こじれるだけならまだしも、当事者たちは、とことん神経をすり減らす。
たがいの微妙なかけひきが、火花を飛ばす。
それがストレスとなって、当事者たちを悩ます。
K氏は「問題が片づくまで、1年かかりました」と言った。
その1年の間に、K氏は、体重を6キロも減らした。

「平等に分けるつもりでいましたが、姉たちが、『あれは私の財産』
『これは私の財産』と言い出し、話がごちゃごちゃになってしまいました。
おまけに私に対して、『あなたは親のめんどうをしっかりと
みなかった』とか、『転勤で、この地に住んでいなかった』などと
言い出しました」と。

K氏のばあい、結局、土地を一度全部売り、現金にして、平等に分ける
ということで決着したそうだ。

もとから財産がない人には、こういう問題は起きる。
へたに(失礼!)財産があると、こういう問題が起きる。
額の多い、少ないは、関係ない。
遺産が数億~もあればなおさらだが、わずか、数百万円の遺産を
奪い合ってけんかをしている人はいくらでもいる。

私がそんな(数百万程度の)問題で・・・と言いかけると、その人は
こう言った。

「姉は、こっそりと、その土地を駐車場に貸して金を取っていたのですね。
私にはウソばかりついていました。で、私には、『近所の人たちにただで
貸してやっている』と言っていました。それが許せないのです」と。

こうして兄弟関係、姉妹関係が破壊されていく。
K氏にしても、現在は、たがいにまったく音信ゼロ。
他人以上の他人になってしまったという。

では、こうした問題が起きないようにするには、どうしたらよいか。
答は簡単。
生きている私たちが、たとえわずかでも、金銭問題については、しっかりと
けじめをつけておくということ。
遺言書をしっかりと残しておくという方法もあるが、そのつど、息子や
娘たちには、自分の意思を伝えていく。

・・・と言っても、これも簡単ではない。
K氏のケースでも、K氏の父は、晩年は軽い脳梗塞をわずらい、判断力
がかなり鈍った。
さみしさも重なったのだろう。
娘たちが見舞いに来たりすると、それがうれしくて、「あの土地はお前に
やる」とか、「この土地はお前にやる」とか、そのつど一貫性のないことを
口にしていた。

それが遺産問題を、複雑にしてしまった。

しかし・・・命あっての財産。
大病を宣告されただけで、こうした問題は、闇のかなたへ吹っ飛んでしまう。
どうでもよくなってしまう。

それもそのはず。
宇宙は広い。
人間の魂も、それに劣らず、広い。
その宇宙の、ゴミのような地球上で、これまた点のような土地のことで
心をわずらわすこと自体、バカげている。
「死」に直面したとき、よほどのバカ(失礼!)でも、それに気づく。

遺産がもらえたと喜ぶ人。
遺産を取られたと悔やむ人。
どうであれ、そのときも、自分に、「だからそれがどうしたの?」と
問いかけてみればよい。

もちろん事務的にすます問題は、事務的にすます。
遺産相続問題は、純然たる事務問題。
大切なことは、それ以上に、心をわずらわせないこと。
その分だけ、命を縮める。
時間を無駄にする。
そのほうが、よほど「損」というもの。
あとは楽しく、笑ってすごせばよい。

(付記)
子育てが終わることになると、そこにドッとやってくるのは、老後。
年齢的には、あなたの息子や娘が、大学を卒業するころと考えてよい。
それまではみな、子育てに夢中になっているから、そこに老後があることにさえ
気づかない。

で、そのころになったら、10年後、20年後を考えて、自分の身辺の
財産(額の多少は関係ない)について、整理しておく。
まだ脳みその活動が、正常なうちに、そうしておく。
それはあなた自身のためというより、子どもたちのためと考える。

私の近辺でも、遺産相続問題がこじれて、ここに書いたK氏のように
なったケースは、多い。
ほとんどが、そうではないか。
遺産相続問題にかぎらない。
介護問題。
介護の費用問題。
さらには、親の見舞いに来たとか、来なかったとか、そういうことで
兄弟、姉妹関係がこじれることさえある。
また兄弟姉妹の範囲を超えて、叔父、叔母たちがからんでくるケースも
ある。
これは最近、ある司法書士の人から聞いた話だが、本来は遺産相続権の
ない甥や姪が、遺産相続問題に首をつっこんでくるケースもあるという。

この世が、いかに金に毒されているか、こうしたケースは、それをその
まま証明している。

そこでまた自問してみる。

「金(マネー)というのは、額ではない。使い方の問題である」と。
「金があれば安心」「なければ不安」というのであれば、すでにあなたは、
金(マネー)の奴隷になっているということ。

金(マネー)がなければ、不幸になる。
それは事実。
しかし金(マネー)では、幸福は買えない。
これもまた事実。
ないよりはあったほうがよいが、金の奴隷となったとたん、それと
引き換えに、人は、孤独に包まれる。
その孤独ほど、恐ろしいものはない。

(付記2)

相手から相談でもあれば、話は別だが、この種の問題には、首をつっこまない
こと。
それが親類、縁者のものであっても、「私は関係ありません」を貫くのがよい。
この種の問題に首をつっこむと、あなた自身も、その騒動に巻き込まれ、人間関係
がめちゃめちゃになってしまう。

というのも、一方の当事者は、自分の落ち度やまずい点については、話さない。
一方的に相手を悪く言う。
そういう一方的な話だけを聞いて、全体を想像すると、誤解が誤解を生み、さらに
人間関係がおかしくなる。

私も少し前も、こんなことがあった。
近い人から、息子の離婚問題についての相談を受けた。
「息子夫婦が、離婚したのだが、元嫁が、離れの家から出て行かない。
どうすれば追い出せるか」と。
協議離婚はしたものの、元嫁が、別棟の家から出ていないので、困っている
という内容の相談だった。
息子夫婦には、当時、中学生と小学生の子どもが2人、いた。
2人の子どもは、元嫁のほうを親として選んだ。

で、話を聞いていると、要するに、「財産を分けたくない」という内容だった。
が、こういうケースのばあい、家を追い出される女性の立場のことも考え
なければならない。
2人の子どもをかかえて、「はい、さようなら」というわけにはいかない。
だからその元妻は、離れに住み、それに抵抗した。

が、その人は、何度も電話をかけてきて、元嫁の悪口を並べた。
自分の意見を正当化しようとした。
しかしいくら悪口を並べても、法律的には、ただの雑音。

「養育費、慰謝料、財産分与など、払わなければならないものは、払わなければ
なりません」と答えると、「そんな必要はない」「あんなひどい嫁に、お金を渡す
必要はない」の一点張り。
やがておかしな押し問答になってしまった。

あとで、つまり1年ほどしてから人伝えに聞いたところによると、その
人が、私の悪口を言いふらしているのを知った。

「あの林は、冷たい男だ」「私の相談にものってくれなかった」と。

だから最近は、いくら近い人でも、私はこの種の相談には、のらないように
している。
「弁護士さんに相談するのがいちばんいいですよ」と言って、逃げることに
している。

(付記)
M県で司法書士をしている友人のU君さえも、先日、電話で同じようなことを言っていた。
「不動産取り引きなどは、不動産屋に任せたほうがいいよ。
身内だからといって、安易に引き受けると、あとでめんどうなことになる」と。

そう言えば、家庭教育の世界でも、同じようなことが言える。
たとえば身内だからといって、その子どもの勉強の指導を引き受けたりするのは、
やめたほうがよい。
うまくいっても、(うまくいくケースは、10にひとつもないが)、当たり前。
失敗すれば、そのまま人間関係も、おしまい。
こと受験勉強に関しては、お金はかかっても、そこはプロに任せたほうがよい。
やめるときも、後腐れなく、やめることができる。


はやし浩司++++++++++++++++++++++Hiroshi Hayashi

●シロが、嫁さんを連れてやってきた。

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毎日、庭に、ハトの餌をまいている。
そこへ毎日、何羽かのドバト(野生のハト)が
やってくる。

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春先からいつも一羽のドバトが、私の庭にやってきていた。
いつも一羽。
首の下に、白いえりまきのような輪があるから、私とワイフは、「シロ」と
呼んでいた。

たいへん意地の悪いドバトで、私の庭を独り占めにしていた。
ほかのドバトが入ってくると、すかさず、そのドバトを追い出したりしていた。

ところが今日、9月21日、そのシロが、嫁さんを連れて、私の庭にやってきた。
首筋がほっそりとした、なかなかの美人である。
首の下左右には、青と黒の、美しい縞模様がある。

私「シロが嫁さんを連れてきたよ」
ワ「あら、ほんとう。とうとう見つかったのね」
私「よかったね」と。

しかしどうも、仲がおかしい?

2羽とも、静か。
餌場の中に、じっとたたずんでいるだけ。
シロは嫁さんを、どこか遠慮がちに見守っているといった感じ。
ラブラブといったふうでもない。

私「まだ見合い中といったところかな?」
ワ「はじめてのデートで、戸惑っているみたい」
私「シロはまだ童貞みたいだ」
ワ「嫁さんのほうも、まだ処女みたい」
私「フ~ン、ぼくが行って、指導してやろうか?」
ワ「どうやって指導するの?」
私「お前がうずくまって、ぼくが上から載って、ククー、ククーとやればいい」
ワ「バカバカしい……。ハハハ」と。

曇り空の暗い空。
その下でシロは、毛づくろいを始めた。
やはり嫁さんが気になるらしい。

いつもならほかのドバトをバタバタと追いかけ回してばかりいるシロ。
そのシロが、今日は、おとなしい。
満足げに、おっとりとしている。

よかった!


Hiroshi Hayashi++++++++++++++++++++++はやし浩司

●過渡期の認知症

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認知症になるのは、私の勝手。
あなたの勝手。
しかしその過程で、多くの人たちに
迷惑をかける。
これが問題。

とくにその過渡期が、問題。
認知症とその人がはっきりとわかれば、それでよし。
対処の仕方も、それでわかる。
が、その一歩手前というか、認知症かな(?)と
思っても、それがはっきりしないときが、たいへん。

先月亡くなった私の兄についても、こんなことがあった。

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その朝、高校の同窓会があった。
私は、シンガポールで買ってきた洋酒(ジョニ黒)を、恩師へのみやげに用意した。
で、出かけようと思ったそのとき、その洋酒の栓が抜かれているのを知った。
上から数センチ分、洋酒が減っているのもわかった。

私は兄がそうしたことが、すぐわかった。
兄を呼び、「どうしてこんなことをするのだ!」と怒った。
それに対して兄は、それほど悪びれた様子もなく、こう言った。
「ちょっと飲んでみたかっただけや」と。

そのときは私は本気で、兄に怒りを覚えた。
が、そのときを境に、兄の奇行が目立つようになった。
つまりそのときが、過渡期だった。
今から15、6年も前のことだった。

で、それ以後は、同じようなことがあっても、兄を相手にしなくなった。
「私の兄は、そういうものだ」という前提で、つきあうようになった。
何か心配なときは、前もって、予防策を講じたりした。

……という場面に、このところ、よく出くわす。
知人、友人、親類の人たちなど。
年齢がその年齢に近づいてきたということもある。
認知症とは断言できないが、しかしその過渡期かなと思わせる人たちがいる。
こういうケースのばあい、こちらは本気で相手にしてはいけない。
本気で相手にしても、意味はない。
相手にすればするほど、相手のワナにはまってしまう。

中には、「母がこうなってしまった」「父がこうなってしまった!」と、
電話で泣きわめいてくる人がいる。
その人はその人で、過渡期の認知症がどういうものであるか、わかっていない。
だから混乱する。
ギャーギャーと大げさに、騒ぐ。

が、過渡期かなと思うことで、その人を理解することができる。
理解したとたん、その人との間に、距離を置くようになる。
怒りも、それで収まる。

ある年齢になり、「どこかおかしい?」と感じたら、その過渡期を疑ってみればよい。