Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Sunday, November 23, 2008

*Mother Complex

●隠れマザコン

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子どものマザコン、つまりマザコン性
について。

ベタベタの親子関係は、決して好ましい
ものではない。

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 マザコンタイプの子どもは、(おとなもそうだが)、いつも自分の母親が、完ぺきな母親であることを、求める。(だから、「マザー・コンプレックス」という。)そのため、母親の、ささいなまちがいさえも許さない。ほんの少しでも、自分が正しいと思ったことに反したことを母親がしたりすると、それを怒ったり、ときに、ふてくされたりする。

 自分は、完全に愛されているのだという安心感。
 自分は、何をしても許されるのだという安心感。
 自分は、いつでも、どこでも、母親の関心の的でなければならない。

 言うなれば、幼稚な自己中心性そのもののことだが、いつもその安心感を、母親に求める。そしてそれがないと、安心できない。

 この状態は、結婚してからも、つづく。そしてその対象が、母親から、妻へ移動することはある。

(女性にもマザコンは、多い。女性のばあいは、そのまま母親に対して、マザコンを維持することが多い。しかも女性のマザコン、これを「隠れマザコン」と言うが、女性のマザコンは、男性のそれより、はるかに強烈になりやすい。ただ女性と女性との関係であるという点で、外からは、わかりにくい。)

 A君(小3)は、学校のテストなどで、よい点をとってきたりすると、すぐ母親に見せていた。そういう形で、一度は、母親に評価されないと、満足しなかった。そのとき母親が、何かのことで、A君を無視したような態度をとったりすると、とたんA君は、母親に対して、すねたり、いじけたりした。そしてその状態が、ばあいによっては、1、2時間もつづくこともあった。

 母親自身が、A君が、マザコンであることに気づいていなかった。つまり母親自身が、ベタベタの母子関係をつくりながら、それに気づいていなかった。

 こういうケースのばあい、本来なら、父親が、母子の間に、割って入らなければならない。でないと、子どもは、そのまま、マザコンを持続してしまう。が、不幸なことに、A君の父親は、その数年前から、単身赴任で、インドに赴任していた。ますますA君は、マザコンになっていった。

 母子関係が、正常に分離できていない。そのため、弊害は、そのあとになってから起こる。男子のばあいだと、おとなになり、結婚してから、起こる。男性のばあいは、このタイプの男性は、一般論として、浮気しやすくなると言われている。目の前の妻という女性に、満足できないからである。

 ある男性(映画監督)は、エッセーの中で、堂々とこう書いていた。「男性は、いつも永遠のマドンナを求めて、さまよい歩くものです」と。これは、つまり自ら、「私はマザコンです」と告白しているようなものである。

 男児にしても、女児にしても、子どもがマザコンになってよいことは、何もない。そのマザコンを是正するのが、父親の役目ということになる。もっとも父親が、マザコンのばあいは、どうしようもないが……。