Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Wednesday, November 26, 2008

*School Refusal in Mass

●集団不登校(?)

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何があったのか?
何が起きているのか?
今、たいへん興味をそそられる事件が、これ。
モルダーとスカリー捜査官なら、すぐさま現地に飛び、
その捜査を始めると思う。

(このところ映画の見すぎで、ごめん!)

何でもN県のN市で、児童の集団不登校が
相次いでいるという。

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集団不登校?

毎日新聞から記事を抜粋させてもらう。

++++++++++以下、毎日新聞・08・11・25より+++++++++++

●不登校:なぜ?児童23人が「原因なく」 学校が出席を督促 
文科省「聞いたことがない」 

 N市の複数の公立小学校長が今月、登校していない児童13人の保護者に対し、異例の「出席督促書」を渡していたことがわかった。督促を指示した市教育委員会は「昨年末から、特定の地域を中心に、親の意思で通学させないケースが続出している」と説明する。一方、督促された親たちは「子供が行きたがらずに登校できないのであって、親の意思ではない」と話している。

 督促書(A4判1枚)は「○月○日から正当な理由がないのに欠席していますので、直ちに出席させるようN市立学校管理運営に関する規則第13条第2項により督促します」という内容。

 今月、市内の公立小学校に通う1~4年生計13人の保護者に届いた。うち1年生4人は、入学して一度も登校していないという。

 市教委によると、昨年12月から特定の地域を中心に「ホームスクーリング(自宅学習)をさせる」と親が申し出て、低学年の児童10人以上が登校しなくなった。2月初めには、就学通知が届いた新1年生の親からも同様の申し出があり、今年度には「原因がなく登校しない児童」が23人と倍増。事態を重視した市教委は、家庭訪問などで出席を促したが、「話し合いに応じる姿勢がない」と判断した保護者に限って、督促書を出した。

 学校教育法では、児童生徒の出席状況が良好でなく、保護者に出席させない正当な理由がない場合に督促できると定めている。だが、実際に督促書を出す例はほとんどないという。子供が登校したくてもできない「不登校」の場合は対象とならない。

 SM教育長は「異常な事態だ。親の考え方で公教育の機会を奪うのは許されないことを示し、少しでも子供の登校につながるよう願って督促を決めた」と話す。

 一方、督促書を受け取った母親は「子供が学校に行きたがらず、夜うなされたり、吐いたりを繰り返したので、仕方なく家で勉強している。学校が理解してくれず、つらい」と話す。別の母親は「友達関係をきっかけに、前から不登校ぎみだった。子供を理解しようと十分に働きかけもせず、なぜ突然こんな文書を出すのか」と不信感を強める。

 文部科学省初等中等教育企画課は、「子供がまとまって登校しなくなり、一度に督促したような例は聞いたことがない」と話している。

++++++++++以上、毎日新聞・08・11・25より+++++++++++

まず誤解しないでほしいのは、(1)子どもの教育権は、親に属するということ。
国ではない。
親である。
つぎに(2)義務教育の「義務」というのは、「その教育権を、国に委譲する義務がある」
という意味の義務である。
つまり、未成年者である子どもに、そもそも法的義務は存在しない。

だから子どもを学校に行かせないというのなら、(もしそうであるなら)、子どもをもつ
親の義務違反ということになる。
が、この義務違反には、とくに罰則規定はない。
義務に応ずるかどうかは、あくまでも親の判断による。

ついでながら、英語では義務教育を、「compulsory education(強制教育)」というが、
「強制」の程度は、国によって、異なる。
アメリカだけでも、学校へ通わないホームスクーラーは、推定で200万人を超えている。
子どもが学校へ行かないこと、あるいは親が子どもを学校へ行かせないことを、
「悪」と決めつけてはいけない。

そこでこうした問題が生ずる。
集団不登校の問題である。

気になるのは、記事の中の、「特定の地域を中心に」という部分と、「事態を重視した市教委は、家庭訪問などで出席を促したが、『話し合いに応じる姿勢がない』と判断した保護者に限って、督促書を出した」という部分。

教育委員会側も、かなりの努力をしているらしい。
それに対して、保護者側には、「話し合いの応ずる姿勢がない」とか。

さらにもう一点気になるのは、「子供が学校に行きたがらず、夜うなされたり、吐いたりを繰り返したので、仕方なく家で勉強している。学校が理解してくれず、つらい」という部分。

「夜うなされたり、吐いたりする」というのは、ただごとではない。
通常、私たちが考える(不登校)もしくは、(学校恐怖症)、あるいは(怠学)とは、少し内容がちがうようだ。
教育委員会にとっても、またそういった子どもをもつ親にとっても、これは深刻な問題である。

が、これ以上のコメントは、残念ながら、ここではできない。
情報が、あまりにも少なすぎる。

ただ最後の「こうした例は聞いたことがない」という部分には、「?」をつけたい。
こうした集団不登校事件は、過去にもあるにはあった。
裏で宗教(カルト)団体がからんでいたケースもあった。
で、この事件で、(「事件」というほど、大げさなものではないかもしれないが)、重要な
ポイントは、その集団不登校を起こしている保護者、あるいは子どもの間で、横の
連絡があるかないかということ。

その(連絡)があれば、「集団」ということになる。
その(連絡)がなければ、「集団」という言葉を使うのは、不適切である。
たまたまその地域で、不登校児が重なったというだけかもしれない。

あるいは「夜うなされたり、吐いたりする」という症状が、共通して現れて
いるのかどうか?
もし特定の地域で、子どもたちに、集団で同じような症状が出ているとすれば、
それこそ、その背後に何かあるはずである。

また不登校といっても、1人、2人……と周囲でつづくと、その連鎖反応が起きるという
ことも考えられる。
「あの子が行かないなら、うちの子も……」と。
そういうことも考えられなくはない。

どうであるにせよ、毎日新聞の記事になっているくらいだから、ふつうの不登校とは、
内容が異なると考えてよい。

何があったのか?
何が起きているのか?
今、ほんとうに興味をそそられる。