Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Tuesday, November 25, 2008

*Speaking Disorder

子どもの自慰に対処する法(罪悪感をもたせるな!)
子どもが自慰をするとき
●ある母親からの質問
 ある母親からこんな相談が寄せられた。いわく、「私が居間で昼寝をしていたときのこと。六歳になった息子が、そっと体を私の腰にすりよせてきました。小さいながらもペニスが固くなっているのがわかりました。やめさせたかったのですが、そうすれば息子のプライドをキズつけるように感じたので、そのまま黙ってウソ寝をしていました。こういうとき、どう対処したらいいのでしょうか」(三二歳母親)と。
●罪悪感をもたせないように
 フロイトは幼児の性欲について、次の三段階に分けている。①口唇期……口の中にいろいろなものを入れて快感を覚える。②肛門期……排便、排尿の快感がきっかけとなって肛門に興味を示したり、そこをいじったりする。③男根期……満四歳くらいから、性器に特別の関心をもつようになる。
 自慰に限らず、子どもがふつうでない行為を、習慣的に繰り返すときは、まず心の中のストレス(生理的ひずみ)を疑ってみる。子どもはストレスを解消するために、何らかの代わりの行為をする。これを代償行為という。指しゃぶり、爪かみ、髪いじり、体ゆすり、手洗いグセなど。自慰もその一つと考える。つまりこういう行為が日常的に見られたら、子どもの周辺にそのストレスの原因(ストレッサー)となっているものがないかをさぐってみる。ふつう何らかの情緒不安症状(ふさぎ込み、ぐずぐず、イライラ、気分のムラ、気難しい、興奮、衝動行為、暴力、暴言)をともなうことが多い。そのため頭ごなしの禁止命令は意味がないだけではなく、かえって症状を悪化させることもあるので注意する。
●スキンシップは大切に
 さらに幼児のばあい、接触願望としての自慰もある。幼児は肌をすり合わせることにより、自分の情緒を調整しようとする。反対にこのスキンシップが不足すると、情緒が不安定になり、情緒障害や精神不安の遠因となることもある。子どもが理由もなくぐずったり、訳のわからないことを言って、親をてこずらせるようなときは、そっと子どもを抱いてみるとよい。最初は抵抗するそぶりを見せるかもしれないが、やがて静かに落ちつく。
 この相談のケースでは、親は子どもに遠慮する必要はない。いやだったらいやだと言い、サラッと受け流すようにする。罪悪感をもたせないようにするのがコツ。
 一般論として、男児の性教育は父親に、女児の性教育は母親に任すとよい。異性だとどうしても、そこにとまどいが生まれ、そのとまどいが、子どもの異性観や性意識をゆがめることがある。


子どもの発語障害を考える法(発音教育をせよ!)
子どもの発語障害を考えるとき 
●発音教育をしないのは日本だけ 
 世界広しといえども、幼児期に発音教育をしないのは、日本ぐらいなものではないか。私が生まれ育った岐阜県の美濃地方では、「鮎(あゆ)」を、「エエ」と発音する。「よい味」を、「エエ・エジ」と発音する。だから、「この鮎は、よい味だ」と言うときは、「このエエうァ、エエ・エジやナモ」と言う。方言が悪いというのではないが、こういう発音を日常的にしていて、それを正しい文に書けと言われても、できるものではない。そんなわけで私は小学生のころ、作文が大の苦手だった。子どもながらに苦労したのを、記憶のどこかで覚えている。まだある。この日本では幼児の発音に甘く、子どもが「デンチャ(電車)」「シュジュメ(すずめ)」と発音しても、それをかえって、「かわいい言い方」と、許してしまう。
● 幼児の発語障害
 「発語障害」というときは、構音障害(発音、発語障害)、吃音障害(どもる)、音声障害(ダミ声、鼻声、かすれ声)、それに発音器官に器質的な障害があるばあい(口蓋裂)などを総称していう。しかし現場で「発語障害」というときは、この中の構音障害をいう。たとえば「机」を「チュクエ」、「学校」を「ガッコ」、「バッタ」を「バタ」と言うなど。言葉の一部の音を変えたり、ぬかしたりする。口唇、歯列、舌などの器官を総称して、構音器官という。この構音器官に機能的な障害があると、子どもはここにあげたように独特の発音をするようになる。幼児は、サ行(猿→シャル)、ザ行(ぞうり→ジョーリ)、ラ行(ロケット→ドケット)が苦手だが、これらが正しく発音できれば、よしとする。さらに発音するとき、舌の位置がずれると、サ行がシャ音化(魚→シャカナ)したり、同じくサ行がチャ音化(魚→チャカナ)したりする。ほかにラ行がダ音化することもある。「ラジオ」を「ダジオ」と言うのがそれである。満五歳を一つの目安として、それまでに正しい発音ができるようにする。
●なおしにくい「カ」行障害児
 以上は比較的なおしやすい構音障害だが、なおしにくいのもある。カ行をタ音化するカ行障害(五個→ドト)などは、指導が難しく、なおすのに数年かかることもある。五、六歳児についていえば、全体の五%前後にその傾向がみられる。しかしあまり神経質に指導すると、子どもが自信をなくしたり、さらに失語症になったりするから注意する。少し古い資料だが、アメリカ言語聴覚学会の報告によれば、指導が必要な構音障害児の出現率は、三%とされる(一九五一年)。症状にも軽重があり、ふつう児との線引きも難しいが、その傾向のある子どもまで含めると、「つ」を「チュ」と発音するケースが、約二〇%。何らかの指導が必要と思われる幼児は、約五~一〇%というのが、私の実感である。
●幼児期から発音教育を!
 こういう発語障害をふせぐためには、子どもが言葉を話すようになったら、息を子どもの顔に吹きかけながら、口の動きを正確にしてみせるとよい。幼児語(自動車→ブーブー、電車→ゴーゴー)などは、かえって発語の発達を遅らせることになるので、注意する。言葉の発達そのものを遅らせることもある。ある男の子(年長児)は、「三輪車」を「シャーシャー」、「押す」を「ドウドウ」と言っていた。だから、「三輪車を押す」は、「シャーシャー、ドウドウ」と。が、それでも発語障害が残ってしまったら……。各市町村の保険センター、もしくは教育委員会に相談窓口があるので、そちらへ問い合わせてみるとよい。

●子どもの発語診断
○この診断シートによって、幼児の発語(発音)の発達程度が診断できます。
【診断方法】
(1)おうちの方が、(もとの言葉)を、ゆっくりと発音してみせ、続いて、子どもに、それを復唱させて診断します。
(2)このとき、子どもがどんな発音をしても、それについてとやかく言ってはいけません。子どもの発音を聞き、その評価にあてはまる個所(欄)に○をつけてください。