Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Friday, March 07, 2008

Open your Heart!

【信頼関係vs不信関係】(Confidential Relationship between Parents and Children)

Can you open your heart to other people including your husband or wife? If not, please read this article and know yourself.

++++++++++++++

あなたは他人に対して、心を
開くことができるか?

もしそうでないとするなら、
一度、この原稿を読んでみて
ほしい。

さみしい思いをするのは、あなたの
勝手だとしても、あなたの周囲の
人たちまで、さみしい思いを
しているはず。

++++++++++++++

●乳児期に形成される信頼関係

乳児期においては、母子の関係は、絶対的なものである。
それもそのはず。
乳児は、母親の胎内から生まれ、その母親から乳を受ける。命を育(はぐく)む。
その絶対的な関係を通して、乳児は、母子との間で、信頼関係を結ぶ。
「絶対的」というのは、「疑いすらもたない」という意味である。

こうしてできる太い絆(きずな)を、「ボンディング」と呼ぶ。

この信頼関係が基本となって、乳児はやがて、他人との信頼関係を結ぶことができるようになる。
成長するにつれて、その信頼関係を拡大する。
父親との関係、保育園や幼稚園での教師との関係、さらには、友人との関係など。

そういう意味で、この母子との間にできる信頼関係を、「基本的信頼関係」という。

その信頼関係は、(絶対的なさらけ出し)と、(絶対的な受け入れ)があってはじめて成り立つ。

乳児の側からすれば、「どんなことをしても許される」という、疑いすらもたない安心感ということになる。

母親の側からすれば、「どんなことをしても受け入れる」という、疑いすらもたない包容力ということになる。

が、この信頼関係の構築の失敗する例は、少なくない。
何らかの原因で、この絶対性がゆらぐ。
育児拒否、親の否定的な育児姿勢、無視、冷淡。
夫婦不和、家庭不和、家庭騒動などなど。

子どもの側からすれば、絶対的な安心感をもてなくなる。
母親の側からすれば、絶対的な包容力をもてなくなる。

こうして乳児は、母親に対して不信感をもつようになる。
ただの不信感ではない。
自分の母親ですら信ずることができない。
乳児は、そして子どもは、その不信感を常に抱くようになる。

こうした心理的な状態を、「基本的不信関係」という。
が、一度、その不信関係ができると、子どもは、いわゆる「心の開けない子ども」になる。
その可能性は、きわめて高くなる。

が、不幸は、それで終わるわけではない。

結婚してからも、配偶者にすら、心を開くことができない。
さらに自分の子どもにすら、心を開くことができない。
あなたはそれでよいとしても、あなたの周囲の人も、さみしい思いをする。

そしてそれがさらに世代連鎖して、その子ども自身も、心を開くことができなくなる可能性も高くなる。

「基本的信頼関係」というのは、そういうもの。
決して、軽く考えてはいけない。

……ということで、今、ここで、もう一度、あなた自身の心の中をのぞいてみてほしい。

あなたは、あなたの子どもや夫を、何の疑いもなく、信じているか?
あなたは、あなたの子どもや夫に、何の疑いもなく、心を開いているか?

反対に、こうも言える。

程度にもよるが、母子との間の基本的信頼関係の構築に失敗した人は、万事に、疑り深く、猜疑心が強く、ついでに嫉妬心も強い。
もちろん他人に対して心を開けない分だけ、孤独。寂しがり屋。

そこで孤独であることを避けようと、人の中に入っていくが、心を許すことができない。
ありのままの自分をさらけ出すことができない。
自分をつくる。飾る。見栄を張る。虚勢を張る。世間体を気にする。
そのため、人と接触すると、精神疲労を起こしやすい。
人と会うのがおっくうで、会うたびに、ひどく疲れを覚える人というのは、このタイプの人と、まず疑ってみる。

もしそうなら、まずあなた自身の心の中を静かにのぞいてみるとよい。

あなた自身の乳児期の様子がわかれば、さらによい。
あなたは両親の豊かな愛情に恵まれ、ここでいう基本的信頼関係を構築することができたか?
あなたの両親は、そういう両親であったか?
先に述べた、ボンディングは、しっかりとできていたか。

もしそうでないとするなら、あなたはひょっとしたら、基本的信頼関係の構築に失敗している可能性がある。
だとするなら、さらに今、あなたは自分の子どもとの関係において、基本的信頼関係の構築に失敗している可能性がある。

しかしこの問題は、あなた自身の問題というよりは、今度は、あなたの子ども自身の問題ということになる。

親から子へと世代連鎖していくものは多いが、その中でも、こうして生まれる基本的不信関係は、深刻な問題のひとつと考えてよい。

たとえば、母子の間の基本的信頼関係の構築に失敗すると、子どもは、「母親から保護される価値のない、自信のない自己像」(九州大学・吉田敬子・母子保健情報54・06年11月)を形成することもわかっている。

さらに、心の病気、たとえば慢性的な抑うつ感、強迫性障害、不安障害の(種)になることもある。最近の研究によれば、成人してから発症する、うつ病の(種)も、この時期に形成されることもわかってきている。

わかりやすく言えば、その子どもの心の、あらゆる部分に大きな影響を与えていくということ。
だからこの問題は、けっしてあなた自身だけの問題に、とどまらないということ。

基本的信頼関係のできている人は、自然な形で、当たり前のように、心を開くことができる。
が、そうでない人は、そうでない。だれに対しても、心を開くことができない。

では、どうするか?

この問題だけは、(1)まず、自分がそういう人間であることに気づくこと。(2)つぎに機会をとらえて、自分をさらけ出すことに努めること。(3)あとは時間を待つ。時間といっても、10年単位、20年単位の時間がかかる。

それについては、何度も書いてきたので、別の原稿を参考にしてほしい。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 基本的信頼関係 ボンディング 母子関係 はやし浩司)