The Environment arounfd the Youth
●青少年を取り巻く環境
The environment around the youth has been getting worse, as pointed out by the board of education of Shizuoka Pref., Japan. The problem is not how to control the environment but how to punish the adult people around the youth.
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ほんの30年前には、携帯電話など、
夢のまた、夢だった。
ドラエもんの『どこでも電話』を
みれば、それがわかる。
インターネットにしても、しかり。
今では、若者たちは(私たちも)、
いつでも、どこでも、だれとでも
話ができる時代になった。
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静岡県教育委員会が、このほど、こんな調査結果を公表した。
『青少年を取り巻く環境』と題して、「回答者の89%が、
『環境は10年前と比べて悪化している』と答えている」と。
また悪影響を与える要因として、「携帯電話やインターネットを
あげる答が、最多の30%にのぼった」(中日新聞・08年6月25日)とも
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(静岡県教育委員会・アンケート調査より)
●青少年を取り巻く環境
(調査は、県のインターネットモニター、計478人を対象に、
5月26日~6月8日に実施。
20~80代の452人が回答した)(同紙)。
(注:数字は、回答者の数)
有害映画や有害図書……40人
有害がん具類……14人
有害図書の自動販売機……12人
インターネットカフェやカラオケボックスなど、
深夜営業の娯楽施設……188人
自動販売機による、たばこや酒類などの販売……15人
携帯電話やパソコンなどによるインターネット……262人
テレビ番組やテレビゲーム・携帯ゲームの
内容および過度の視聴など……133人
保護者をはじめとする大人のモラルの低い行動……190人
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この調査結果をふまえて、静岡県教育委員会は、
「規制強化に対する反発も予想したが、多くの県民から
理解をいただいた」として、県議会12月定例会に、
条例改正案を提出する方針という(同紙)。
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●妊娠した女子高校生
浜松市内のA私立高校で、最近も1人、退学させられた生徒(高1女子)がいる。
理由は、「妊娠」?
学校側は、明確な説明を避けている。
しかし生徒の間では、「あの子は、妊娠したから退学させられた」と言いあっている。
学校側としても、「妊娠したから、退学させました」とは、言いにくい(?)。
しかしいまどき、高校生の妊娠など、珍しくも何ともない。
同じく浜松市内のB中学校だけでも、毎年、妊娠中絶する子どもが、1~2人はいるという(同校、教師談)。
(中学校だぞ!)
数年前の非公式統計だが、都会地域では、約60%の女子高校生が、セックスを経験しているという(某週刊誌調査)。
男子の数が、これに追いつきつつある。
今では、たいていの男子高校生は、サイフやポケットに、コンドームを忍ばせている。
これはまた浜松市内の別の進学高校の話だが、「放課後の教室は、ラブホテルみたい」(同高校の生徒談)とのこと。
校門前でのキスシーンにしても、これまた珍しくも何ともない。
現在は、そういう世の中である!
……と考えていくと、「青少年を取り巻く環境」とは、何かということになる。
そんなことを考えていたら、1人の女子中学生(中2女子)が、勉強中に、突然、私にこう聞いた。
「先生は、ヘンタイか?」と。
そこで私が、「正常なスケベだよ」と答えると、「それならいい」と。
話を聞くと、彼女が小学生のときの担任教師が、昨年末、わいせつ行為で警察に逮捕されたという。
名前を教えてくれたので、さっそくインターネットで検索してみると、その教師の名前がズラリと出てきた。
囲碁の世界では、かなり活躍していた教師らしい。
が、私は、同じ浜松市内に住みながら、その事件のことは知らなかった。
つまり、この種の事件も、やはり、今どき、珍しくも、何ともない。
今朝(7月2日)の朝刊にも、熊本県の中学教師によるわいせつ事件が、載っていた。
何でも「マッサージ」と称して、10数人の女子中学生に、いかがわしい行為を繰りかえしていたという。
中には下着姿にされ、胸を触れられた女子中学生もいたとか。
そういえば、先週も、やはりどこかの中学校教師が、女子中学生を下着姿にして、四つんばいにさせて歩かせたという事件があった。
「環境による影響」ということになったら、教師自身のハレンチ行為のほうが、はるかに影響力が大きい。
私に、「先生はヘンタイか?」と聞いた、その女子中学生にしても、私のみならず、おとな社会全体に対して、不信感をもってしまったらしい。
あるいは「おとなの男というのは、そういうことをするものだ」と思ってしまっている(?)。
こうした誤解を解くためには、どうすればよいのか?
私「それならいいって……?」
子「すなおに認めればいい」
私「認めなかったら……?」
子「そういう男は、ヘンタイって、こと」
私「ヘンタイって、どういう男のこと?」
子「そういうことには興味ありませんというような顔をしている男」
私「ハハハ、そうか。なら、いい。ぼくは、興味、ある」
子「あの教師(ハレンチ事件を起こして逮捕された元担任)は、クソまじめな顔をしていた。キモイ!」と。
●欲望に対する抵抗力
欲望が渦巻く社会。
それが私たちが今住む、現代社会ということになる。
「環境が悪化した」というよりは、子どもたちの側からみれば、「欲望に対する抵抗力を失った」とみるべきではないのか。
大脳生理学的に言えば、「D2ドーパミンが過剰に分泌されるようになった」ということか。
「D2ドーパミン」というのは、「快楽追求行動を調整している神経伝達物質」をいう。
もしそうなら、ことはやっかい。
喫煙者が禁煙をしたり、アルコール中毒の人が、アルコール断ちをするのと同じくらい、子どもの世界を是正することは、むずかしい。
静岡県の教育委員会が言うような「規制」で、規制できるような問題ではない。
では、どうするか?
こういうときは『押してだめなら、思い切って、引いてみる』。
「携帯電話やインターネットがだめ」と決めつけるのではなく、「携帯電話やインターネットの正しい使い方」を、教えていく。
携帯電話はともかくも、インターネットについて言えば、さらに無限の可能性を秘めている。
インターネットによって、今、私たちの住む世界が、大きく変わりつつある。
「第2の産業革命」と位置づけている人も、多い。
だったら、ソロバンや計算機の使い方を教えるのではなく、コンピュータやインターネットの使い方を教えたらどうなのか。
教育のカリキュラムそのものを、現実に合わせていく。
さらに言えば、何をもって、「悪化」というのか、私には、よく理解できない。
静岡県教育委員会の調査によれば、「環境は10年前と比べて悪化している」と答えた人が、89%もいるという。
しかしそう答えた人は、ほんとうに10年前のことがわかっていて、そう答えているのか?
私自身は、「これが世の中の流れ」と思っているから、「悪化した」という意識は、あまりない。
(だいたい、10年前のことを、よく覚えていない。)
むしろ10年ほど前から、「高校でも、託児所が必要になる時代は、そこまできている」と書いていた。
そのため「コンドームの正しい使い方を教えたらいい」とも。
もし「規制」ということになれば、何度も書くように、「厳罰主義」しかない。
「18歳未満の子どもと性的関係をもったら、問答無用に、懲役2年に処す」とか。
イギリスやオーストラリアなど、ほかの欧米諸国のように、そういう関係を見聞きしたら、通告義務を課す。
その義務を怠った人も、同罪として、処罰する。
が、現実は、甘い。
学校の教師によるハレンチ事件にしても、それによって刑務所へ入った教師は、ゼロ。
「教職を追われるなど、すでに社会的制裁を受けている」などという、理由にもならないような理由で、みな、執行猶予がついて、(無罪?)放免にされている。
こんなバカな国が、ほかに、どこにある?
「規制」だけでは、この問題は、解決しない。
あるいは焼け石に水?
それとも気休め?
やらないよりは、やったほうがマシ?
結果は、すでに見えている。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 青少年と取り巻く環境 規制問題)
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