*Erasmusu Project on the Way now
●単位交換(どうして今ごろ?)(ERASMUS PROJECT)
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EUでは、大学生たちが、自由に各大学間を
渡り歩いている。
日本でいえば、早稲田大学で1年間、履修。
翌年は、韓国の大邱大学で、1年間、留学。
それから中国の南京大学で、1年間、履修。
最後は、静岡大学で1年間履修して、そこで学位を
認められ、卒業……というようなことを、
平気でしている。
が、この日本でも、そういう動きが出てきた。
今朝(7月21日)の読売新聞は、つぎの
ように伝える。
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+++++++++++以下、読売新聞より転載+++++++++++++++++
(読売新聞・7月21日)
アジア・太平洋地域で、単位互換制度を中心に大学生や教員の留学・交流を進める政府の「アジア版エラスムス計画」の概要が20日、明らかになった。
日本、中国、韓国と東南アジア諸国の大学間で来年秋にも試験的に事業を開始し、5年間で最大約5000人の交流を目指す。全体で数十校程度の参加を見込んでいる。月内にも内閣官房に有識者による研究会を設置し、具体策の検討を始める。
12月にタイで開かれる東アジア首脳会議で、福田首相が各国に参加を呼びかける方向で調整している。当面は日中韓3国を軸に計5、6か国でスタートさせ、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の参加を徐々に増やす。首相が東アジア首脳会議で提案する際、参加国で共同して基金を設置する構想も明らかにする方針だ。
その後、来年秋までに各国の実務者間で、参加大学や制度の詳細、予算などを協議する。日本では、主要な国立大学や私立大学に参加を呼びかける。
「エラスムス計画」は、欧州連合(EU、当時は欧州共同体)が1987年から実施しているもので、加盟国内の大学間で単位を相互互換できる制度。現在、EU加盟国と周辺のノルウェーなど約30か国の約2000校、学生約15万人と教員約2万人が参加している。複数の国の大学を転学しても単位が取得でき、卒業が可能になることから、多数の参加者を獲得した。
「エラスムス」とは、制度の英語名の頭文字(ERASMUS)から名付けられた。
+++++++++++以上、読売新聞より転載+++++++++++++++++
日本の大学制度は、あまりにも閉鎖的すぎた。
鎖国主義。
一言で言えば、そういうことになる。
今度この日本でも、「エラスムス計画」なるものが、実行に移されようとしている。
しかしこんな制度は、1970年当時、私がオーストラリアの大学にいたときから、世界の常識だった。
だから同じ留学生たちと、こんな会話をしたことがある。
私が、各国の留学生たちに、「どうして日本へ留学しないのか?」と聞いたときのこと。
彼らは、みな、こう言った。
「日本へ留学しても、意味がないから」と。
たとえば日本で、医師免許や、建築士資格、会計士の資格などを取得しても、それぞれの自国内ではもちろんのこと、日本以外の国々では通用しない。(現在も、基本的には、この構図は変わっていない。)
一方、オーストラリアでそれぞれの資格を取れば、自国内でもそれぞれの資格が通用するのみならず、(ただし国によって、追加的単位の取得が義務づけられているところはあるにはあったが)、アメリカ、イギリス、カナダなど、主立った欧米諸国では、そのまま通用した。
大学での履修単位についても、そうである。
私の友人のD君にしても、メルボルン大学で2年間中国語を学んだあと、北京大学へ1年間留学。帰国後は、4年生になり、1年間、再びメルボルン大学で学び、そのまま卒業している(1970年当時)。
アメリカでは、それがもっと進んでいる!
……というような事実を、さておいて、今ごろ、「エラスムス計画」?
この読売新聞の記事だけを読むと、日本が率先して、単位の交換を申し出ているように見えるが、それはおかしい。
日本は、やっと重い腰をあげて、世界の常識の仲間に入ろうとしているだけ。
今ごろこんな提案をしても、ほかの国々の責任者たちは、こう言って笑うだろう。
「今ごろ?」「なぜ?」と。
むしろ立場は逆で、日本はこう言うべきである。
「どうか、あなたがたの仲間に、日本を加えてください」
「日本も、あなたがたの国の単位(資格)を認めますから」と。
世界の潮流から遅れること、半世紀!
文科省の門戸開放は、あまりにも遅すぎた!
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 単位交換 エラスムス エラスムス計画 大学の開放 開放政策)
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