*I think therefore... *Schizophrenia
【今朝あれこれ】(9月5日)(Sep. 5th)
●日常の中の思考(I think, therefore I am -2-)
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日常生活の中では、日々の思考は、
サラサラと流れていく。
いちいち深く考えて行動する人はいない。
バカ話、たわいもない冗談、うわさ話などなど。
脳の中でも、きわめて表層的な部分だけが
使用される。
あのアインシュタインにしても、ふだんの
アインシュタインは、いつもおどけた、
おもしろい人だったという。
あるときライフ社のカメラマンがカメラを
向けたときも、長い舌を出して、おどけてみせた。
しかしだからといって、その人の思考性が
浅いということにはならない。
むしろ、逆。
思考性の深い人ほど、日常生活の中では、
その反作用として、バカ話、たわいもない冗談、
うわさ話などを好むと考えてよい。
疲れた脳をいやすには、それがいちばんよい。
要するに、その人の思考性の深さというのは、
見た目ではわからないということ。
集中力についても、そうである。
私など、文を書いているとき以外は、集中力という
のは、ほとんど、ない。
とくにワイフと会話しているときは、頭の中は
バラバラ。
話があちらへ、こちらへと、奔放に飛び回る。
他人が見たら、「林は、頭がおかしい」と
思うにちがいない。
自分でも、そう思うことがある。
つまり私はそうして、文をかくことで疲れた
脳を休める。
(ワイフにとっては、迷惑なことかもしれないが……。)
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●統合失調症(Schizophrenia)
昨日、ある精神科のドクターと、立ち話だが、少し話をさせてもらった。
その中で、そのドクターがこう言った。
「100人もいれば、その中の1人は、統合失調症です」と。
発症率が1%という(!)。
この数字に、私は驚いた。
「そんなに多いのですか?」と聞きなおすと、「みな、表には出したがりませんから」と。
実際には、それよりやや少ない数字だそうだが、人口81万人(08)の浜松市にしても、
約8100人の患者がいることになる。
今では統合失調症といっても、薬でコントロールする時代らしい。
中には、短期間の薬の服用で、治ってしまう人もいるという。
それにしても、100人に1人とは!
私も今までに、4~5人の子どもで、それを経験している。
「おかしいな?」※と思い始めるのは、小学の高学年くらいから。
しかしそれもあとになってわかることで、そのときはわからない。
何かのきっかけで発症することが多い。
ある子ども(男子)は、中学2年生前後から。
別の子ども(女子)は高校1年になってから。
発症するのは、時期的には、だいたいそのころから、ということになる。
本人にその自覚がないこともさることながら、
家族も、それを認めたがらないというところに、大きな問題がある。
精神科の門をくぐるのは、最後の最後ということらしい。
ともあれ、深刻な病気であることにはちがいない。
(付記)※
「おかしいな?」と思うのは、たとえば、(1)つかみどころがなくなってくる
ということがある。
何を考えているかわからないといった状態になる。
こちらの話を聞いているのか、聞いていないのかと思っていると、
話の内容が、突然、ポンとほかへ飛んだりする。
統合失調症といっても、いくつかのタイプがあるので、そういった状態を
前兆症状と言ってよいかどうかは、わからない。
しかし教える側の立場でいうと、ある種の不安感を覚えるのは事実。
指導しているとき、おかしな胸騒ぎを覚えることもある。
一方、精神的に安定している子どもは、安定感があり、教える側も安心して指導できる。
冗談を話しても、その冗談が、すなおに子どもに通じ、またすなおにその反応が
返ってくる。
つまりその(すなおさ)が消える。
で、そういうとき親にそれを告げるべきかどうかで、悩む。
統合失調症にかぎらない。
幼児でいえば、緘黙症、自閉症などがある。
不登校になる前の症状も、私のばあい、わかる。
しかしたいていは知らぬフリをしてすます。
親の方から相談でもあれば、話は別だが、こうした問題を、症状名をにおわせながら、
親に告げるのはタブー中のタブー。
が、ここでつぎの問題が起きる。
中学2~3年生のころ統合失調症を発症した、M君にしても、当初は親(とくに父親)が、
それと気づかず、親がM君をはげしく叱ったりした。
それがかえって、症状をこじらせてしまった。
もし初期の段階で、精神科もしくは心療内科の門をくぐり、適切な治療を受けていたら、
症状もずっと軽くてすんだはず。
(正確には、M君のばあい、ほかの症状も併発してしまった。
少なくともそうした症状は、防げたかもしれない。)
ほかにもいくつかある。
(2)感情に一貫性がなくなる。感情が鈍麻する。
(3)神経質になったり、こだわりが強くなったりする、など。
そのドクターにしても、別れ際、こう話してくれた。
「親が勝手に病院から、子どもを連れ出してしまうケースもあります。
そういうとき、私たちとて、何もできません」と。
子どもの精神の問題というのは、そういうものかもしれない。
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