Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Wednesday, October 22, 2008

*One-leg Peogeon

●片足のシロ

数日見かけなかったと思っていたら、シロが再び、
庭にもどってきた。

どこか様子がおかしい……と思いながら見ると、シロの
左足がなくなっていた。

ネコかイタチか、あるいはリスに、左足を取られて
しまったらしい。
庭に、いつもより多く餌をまいてやると、シロは
体を地面においたまま、ヨタヨタとそれを食べ始めた。

我が家の庭の主のようなドバトだった。
その少し前には、嫁さんを連れてきた。
そのシロが、またひとりぼっちになってしまった。

シロに、「おい、だいじょうぶか?」と声をかける。
シロは、じっと、こちらを見ている。
「足は痛いのか?」と声をかける。
シロは、やはり、じっと、こちらを見ている。
何ともつらい光景だが、どうしようもない。

ところで今、別の一羽が、クルミの木の中で、子育てを
している。
ひょっとしたら、シロの奥さんかもしれない。
「そうだったらいいな」と思っていると、シロは、
そのまま塀の上まで飛んでいった。
飛びかたまで、ヨタヨタとした感じだった。

ツンとした肌寒さを感ずる。
下着の下まで、冷たさが伝わってくる。
しかしこれは、エネルギー不足のせいか……?
このところ、どうも食欲がない。
シロを見て、ますます食欲がなくなった。


●医療機関

医療機関全体が、最近、冷たくなってきている(?)。
そう感じているのは、はたして私だけだろうか。

今朝も、朝刊に、7つの病院をたらい回しにされたあげく、
死亡した妊婦の記事が載っていた。
死因は、脳内出血であったという。
その間中、妊婦は、はげしい頭痛を訴えていたという。
が、だれも脳内出血とまでは疑っていなかったという。

医療制度そのものが、一般社会から遊離している(?)。
昔は、医者といえば、町医者。
近所のこわいオジサンという感じだった。
が、今は、厚いコンクリートの壁の向こうに、医者がいるといった感じ。
たとえばいろいろなうわさが、(あくまでもうわさだが……)、耳に入ってくる。
「75歳以上の人は、がんになっても手術をしてもらえない」
「90歳以上の人は、延命処置をしてもらえない」などなど。

こうした年齢は、この先、引き下げられることはあっても、引き上げられることはない。
やがて人口の約3分の1が、満75歳以上の超高齢者になるという。
老人に対する見方、考え方、ついでに医療のあり方も、これからは変わってくるだろう。
「役にたたない老人は、どんどんと死んでいってもらいます」という時代に、なるかも
しれない。

まあ、しかし、そう思うのは、若い人たちの勝手だが、しかし私たちが、
それに応ずる必要はない。
我々は我々で、しぶとく、最後の最後まで生きてやる。
80歳になっても、90歳になっても、若い人たちの見本となるような生き様を示して
やる。

……ということで、もとの話にもどる。

結局は、自分の健康は自分で守るしかない。
たらい回し事件のようなことが起きると、それをした医師側ばかりが責められる。
しかしそこまで医師に責任をかぶせるのも、酷というもの。
現に数日前、医療訴訟が原因と思われる重荷からか、自殺した医師すらいる。

問題の「根」は、もっと深いところにある。
そしてその根を作っているのは、私であり、あなたであるということになる。
もしあなたがそのときの医師なら、その患者をていねいに診察しただろうか。
時は、10月4日、土曜日。
時刻は、午後6~7時。
この時間帯だと、ふつうのサラリーマンでも、仕事をしている人は、まずいない。

つまりこれは制度の問題というよりは、「心」の問題。
日本人全体が、その「心」を失いつつある。
医療機関全体が、最近、冷たくなってきていると感ずるのは、あくまでも、
その結果にすぎない。