Education in Front-Line and Essays by Hiroshi Hayashi (はやし浩司)

(Mr.) Hiroshi Hayashi, a professional writer who has written more than 30 his own books on Education, Chinese Medical science and Religion in Japan. My web-site is: http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ Please don't hesitate to visit my web-site, which is always welcome!!

Tuesday, August 26, 2008

*Japanese have been changing very rapidly

●男は仕事、女は家庭?

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このほど読売新聞社(8月27日)が公表した
意識調査によると、

女性は結婚しなくても幸せな人生を送ることができる……55%
そうは思わない                 ……39%、
だったという。

この数字を、1978年(30年前)と比較してみると、
「女性は結婚しなくても幸せな人生を送ることができる」と答えた人は、26%
だった。

つまりこの30年間で、26%から、55%にふえたことになる。
(以上、読売新聞社、年間連続調査「日本人」より)

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こうした変化は、私も、ここ10年ほど、肌で感じていた。
旧来型の「男は仕事、女は家庭」という結婚観が、今、急速に崩壊しつつある。

そのことを裏づけるかのように、今回も、こんな調査結果が出ている。

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結婚したら男性は仕事、女性は家庭のことに専念するのが望ましい……30%
そうは思わない                                ……68%

この数字を、1978年と比べてみると、

「男性は仕事を追い求め、女性は家庭と家族の面倒をみる方が互いに幸福だ」については、
賛成……71%
反対……22%だった(同調査)。

つまり30年前には、「男は仕事、女は家庭」という考え方に賛成する人が、71%だったのに
対して、今回は、30%にまで激減したということ。

日本人の意識は、とくにこの10年、大きく変化しつつある。
まさに「サイレント革命」と呼ぶにふさわしい。

ただし「結婚」については、肯定的に考える人がふえている。
読売新聞は、つぎのように伝える。

++++++++++以下、読売新聞より+++++++++++

ただ、「人は結婚した方がよい」と思う人は65%で、「必ずしも結婚する必要はない」の33%を大きく上回り、結婚そのものは肯定的に受け止められていた。「結婚した方がよい」は、5年前の03年の54%から11ポイント増え、結婚は望ましいと考える人が急増した。

++++++++++以上、読売新聞より+++++++++++

これらの数字をまとめると、こうなる。

「結婚したほうがよい」と考える人がふえる一方で、旧来型の「男は仕事、女は家庭」という結婚観をもっている人は、約3割にすぎないということ。

3割だぞ!

問題はこうした変化もさることながら、こうした変化についていけない人も、多いということ。
あるいはこうした意識変化が起きつつあることにすら、気がついていない。
とくに世代間の(ちがい)が、大きい。

「男は仕事、女は家庭」と、旧来型の固定観念にしばられる旧世代。
「今どき、そんなバカなことを言っていると相手にされない」と反発する新世代。

先日も兄の葬儀でのこと。
裏方で、お茶や食事の用意をしていたのは、すべて女性。
広間で、でんと座って、それを待っていたのは、すべて男性(プラス、一部の女性)。
私が裏方で、味噌汁を作っていたら、逆に、私のほうが追い出されてしまった!

こういうバカげた男女観が残っている国は、そうはない。
またそういう男女観をもっている人ほど、今回の読売新聞社の公表した意識調査結果を、
一度、真剣に読んでみる必要がある。

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7年前に書いた原稿を
紹介します。

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●親が子どもを叱るとき 

●「出て行け」は、ほうび
 
日本では親は、子どもにバツを与えるとき、「(家から)出て行け」と言う。しかしアメリカでは、「部屋から出るな」と言う。もしアメリカの子どもが、「出て行け」と言われたら、彼らは喜んで家から出て行く。「出て行け」は、彼らにしてみれば、バツではなく、ほうびなのだ。

 一方、こんな話もある。私がブラジルのサンパウロで聞いた話だ。日本からの移民は、仲間どうしが集まり、集団で行動する。その傾向がたいへん強い。リトル東京(日本人街)が、そのよい例だ。この日本人とは対照的に、ドイツからの移民は、単独で行動する。人里離れたへき地でも、平気で暮らす、と。

●皆で渡ればこわくない

 この二つの話、つまり子どもに与えるバツと日本人の集団性は、その水面下で互いにつながっている。日本人は、集団からはずれることを嫌う。だから「出て行け」は、バツとなる。一方、欧米人は、束縛からの解放を自由ととらえる。自由を奪われることが、彼らにしてみればバツなのだ。集団性についても、あのマーク・トウェーン(「トム・ソーヤの冒険」の著者)はこう書いている。『皆と同じことをしていると感じたら、そのときは自分が変わるべきとき』と。つまり「皆と違ったことをするのが、自由」と。

●変わる日本人

 一方、日本では昔から、『長いものには巻かれろ』と言う。『皆で渡ればこわくない』とも言う。そのためか子どもが不登校を起こしただけで、親は半狂乱になる。集団からはずれるというのは、日本人にとっては、恐怖以外の何ものでもない。この違いは、日本の歴史に深く根ざしている。日本人はその身分制度の中で、画一性を強要された。農民は農民らしく、町民は町民らしく、と。それだけではない。日本独特の家制度が、個人の自由な活動を制限した。戸籍から追い出された者は、無宿者となり、社会からも排斥された。

要するにこの日本では、個人が一人で生きるのを許さないし、そういう仕組みもない。しかし今、それが大きく変わろうとしている。若者たちが、「組織」にそれほど魅力を感じなくなってきている。イタリア人の友人が、こんなメールを送ってくれた。「ローマへ来る日本人は、今、二つに分けることができる。一つは、旗を立てて集団で来る日本人。年配者が多い。もう一つは、単独で行動する若者たち。茶パツが多い」と。

●ふえるフリーターたち

 たとえばそういう変化は、フリーター志望の若者がふえているというところにも表れている。日本労働研究機構の調査(二〇〇〇年)によれば、高校三年生のうちフリーター志望が、12%もいるという(ほかに就職が34%、大学、専門学校が40%)。職業意識も変わってきた。「いろいろな仕事をしたい」「自分に合わない仕事はしない」「有名になりたい」など。30年前のように、「都会で大企業に就職したい」と答えた子どもは、ほとんどいない(※)。これはまさに「サイレント革命」と言うにふさわしい。フランス革命のような派手な革命ではないが、日本人そのものが、今、着実に変わろうとしている。

 さて今、あなたの子どもに「出て行け」と言ったら、あなたの子どもはそれを喜ぶだろうか。それとも一昔前の子どものように、「入れてくれ!」と、玄関の前で泣きじゃくるだろうか。ほんの少しだけ、頭の中で想像してみてほしい。

※ ……首都圏の高校生を対象にした日本労働研究機構の調査(2000年)によると、
 卒業後の進路をフリーターとした高校生……12%
 就職                ……34%
 専門学校              ……28%
 大学・短大             ……22%

 また将来の進路については、「将来、フリーターになるかもしれない」と思っている生徒は、全体の二三%。約四人に一人がフリーター志向をもっているのがわかった。その理由としては、
 就職、進学断念型          ……33%
 目的追求型             ……23%
 自由志向型 
            ……15%、だそうだ。
●フリーター撲滅論まで……

 こうしたフリーター志望の若者がふえたことについて、「フリーターは社会的に不利である」ことを理由に、フリーター反対論者も多い。「フリーター撲滅論」を展開している高校の校長すらいる。しかし不利か不利でないかは、社会体制の不備によるものであって、個人の責任ではない。実情に合わせて、社会のあり方そのものを変えていく必要があるのではないだろうか。いつまでも「まともな仕事論」にこだわっている限り、日本の社会は変わらない。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist フリーター撲滅論 まともな仕事論)